日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
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日本語が亡びるとき―英語の世紀の中での感想・レビュー(329)

極東の〈現地語〉のひとつに過ぎなかった日本語が、漢文や西欧の言語から、優れた二重言語者たちの手になる翻訳を通じて(地理的、歴史的な幸運にも助けられながら)、〈国語〉として洗練され、そこから豊かな国民文学、近代文学が生み出される過程は、読んでいて目から鱗が落ちるようだった。ほんとラッキーだったのね。そして第7章では、英語の世紀において日本語を守るためにはどうすべきか、著者の具体的な提言がつづられるが、水村さんの日本近代文学、日本語に対する誇りと愛情がひしひしと伝わってくるようだった。

冒頭の、世界中から集まった作家との大学生活の話はとても楽しめましたが、だんだん堅い話になっていき、教科書を読んでいるようで疲れてしまいました。家の都合で英語圏で生活をせざるをえなくなった文学少女の水村さんの言語に対する意識には引き付けられるものが確かにあります。テーマにはとても興味があるので、元気な時に再読してみようと思います。

日本語を<国語>と思うことに躊躇いはない。ただ、英語への焦りは拭い去れない、それどころか拍車がかかっていく、教育をどうすべきなのか。この問題が、これまで認識していた以上に大きな課題であり、国際社会で日本がどう位置していくかだけでなく、日本語が今後どうあるべきかまで反射していると思い知らされた。英語や西洋に憧れる気持ちを、いまここで見直すべきではないか。憧れるなというのではなく、英語を道具に何を発信すべきかということを認識した上で、英語人にはなれない我らを自覚しながら、選んだ学習をすべきなのだ。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 11/17

面白かった。<国語>の誕生のくだりは熱くなる。しかし私も、終盤の教育論の辺りで首を傾げたひとりだ。無論、今がベストだとは思えない。文句は多々ある。しかし筆者は今の教育を過小評価しすぎ、現代日本においてのその影響力を過信しているような気がした。日本語を愛し、日本語での表現を愛し、様々な形の創作に励む「若い人々」の存在を失念しているのではないか。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 10/03

第七章は繰り返し読みました。「学校教育とは、ある言葉を教えることによって、その言葉を〈国語〉に育て上げることもできる代わりに、ある言葉を教えないことによって、その言葉を亡ぼすこともできる」当たり前のことなのですが、なんだかこの一文に驚かされてしまいました。読む前は英語教育を嘆く本かと思ったけど、もっと深く言葉について追究している本でした。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 08/29

高校の現代文で一部を読んで以来、気になり続けていたので今更ながら。/日本人によくあることなのだけれど、海を越えない人は自分の周りのものが凡庸に思え、意図も容易く投げ捨ててしまう。水村さん、そして多くの在外邦人のように、遠くから見つめ続けた人の方が、日本への強い執着を持つ。七章をコピーして、英語を崇拝するバカの頭めがけて投げつけてやりたい。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(4) - 08/18

なるほど、そうでしたか。先生ご自身の考えで、きっかけを作ったんですね。いい先生ですね。
ナイス!ナイス! - 11/30 15:08

十七夜
はい、とても(受験とかではなく、もっと長いスパンで)ためになる授業をしてくださる先生でした。
ナイス!ナイス! - 11/30 23:43


「西洋の衝撃」への評価などの歴史観には同意しかねるし、日本語以外の非西洋語、特にスワヒリ語についての理解にも首を傾げた。国語教育において現状の教育資源で教材に「日本近代文学」≒小説を厚くするのは無意味だと思うし、むしろ客観的事実を取り扱う「論説文」を確実に読解できることに主眼を置くべきだと思う。しかし非常に面白かった。漱石読み返そう。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 07/26

作家として書き言葉を操り,出自において非常なアイデンティティの揺らぎを経験してきた作者であるがゆえに,本書で言うところの日本語とは日本語の「書き言葉」である.日本近代文学を猛プッシュしているのは本人の趣味を出発点にしているような気もするが,本書を通読すればそれなりに説得力があるように思えた.テキストがその書かれかたをされていることに必然性がある「文学」においては,日本語の書き言葉は確かに世界的に見て特異的に「変な」言葉だと思った.
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 07/10

「普遍語」の地位を占める言葉がラテン語であったことから、現代における「普遍語 」にあたる言語が「英語」へと移っていくなかで「土着語」である日本語はどうすればよいのだろうか?<普遍的な知>というものは<日本語>からのアクセスを閉ざされている状況、割と絶望的な状況だと思うんだけど、そうした中であらためて日本語で読み、書き、話す、といったことがどういう意味を持つのか、ということを考えなければならないか。春樹が言っていたように「翻訳は最も効率の悪い読み方」っていうのがちょっと思い当たる節だが、これとは別か。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 07/01

 これ程深く日本語を呻吟しつつ考えた本に久しぶりに出会え、疲れる読書になったがその疲れは体の疲労、脳には心地よい疲れとなった。世情の有様を見、ただただ漂っていると、疲れることも無く、笑うことも無く、倦怠感ばかりが増幅してくる。時折こんな本を読むことも天下の素浪人の頭を鍛える上で必要だ。日本語の今を考えつつ、この本を通して透けてくる著者の今までの生き様にも少なからず興味が沸いてくる読書となった。異言語の中で格闘しつつ生きた著者にして書くべくして書かれた日本語論であろう。でも、やたら難解な言い回しには辟易。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 06/12

TaE
タイトルは衝撃的だけど、それほど悲観的になりすぎてはいなかった。著者の見地は私にとって斬新で、特に「書き言葉」に焦点を絞って論じているところが興味深い。著者の日本語に対する情熱には心動かされるものがあったし、中盤あたりは文字通り目が離せない論理の運びで、のめり込んだ。だからこそ、終盤において教育に結び付ける安易さやその理論の脆さには少しがっかりした。ここからどう考えるかが求められている気がする。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 05/14

翻訳という行為を通して現地語が書き言葉になり、さらに国民国家の誕生によって国語ができたのである。

コメントを書くのが難しい本。アメリカで育った小説家が、日本語を使って「国語教育は日本近代文学を読むことに重きを置くべきである」という主張をしたことに意義がある著作だと感じる。細かい読み込みについては日を改めて。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 03/18

言いたいことはわかるけどねぇ、という感じ。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 02/21

実家にあったから読んだけど、なんかあんま面白くなかった。

「普遍語」である英語に対する日本の教育意識の甘さを指摘する点は、同感。近年の英語教育は会話に重点を置きすぎ。きちんと読み書きできる英語力があれば、会話もついてくるだろう。また、日本語の危機に関する話も共感できる。携帯メールやブログなどで乱れきった日本語がどうなるかの危機感は私も持っていた。思考できる言語としての母国語、それを的確に表現する言語使用者の能力を見直すべき時に来ている。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 02/12

想定したものとは多少違っていた。とはいえ、それなりに興味深いテーマでいろんな切り口から「日本語」の危機感が書かれていたと思う。いくら技術が進んでもそこにアクセスするための言語はなにか?というくだり、言葉に関して言えば英語を母語であり公用語としている人からは根本が違うというのに妙に納得。かといって今後どうあるべきかというのにはなかなか同意できるものではないし、どうあるべきかなんてわからない。結局時代の流れにまきこまれていくのではないか。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 02/04

第6章以降、日本語が亡びてしまうことへの危機感を、血を吐きながら叫んででもいるかのような強い言葉で訴える文章に我知らず引き込まれてしまった。ではあるが、筆者の主張に全面的に同意はできない。一握りの<選ばれた人>である完璧なバイリンガルに日本の外交などをすべて担わせてしまうという考えは、日本の政治や外交の実権が一部の人々に握られてしまうという事態につながらないだろうか。ともあれ、学校教育でもっと日本の近代文学を教えるべきであるという主張はもっともだと感じた。私も日本の近代文学をもっと読んでみたくなった。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 01/19

発売されたころから読みたいと思いつつ後回しにしてしまっていたのを後悔。日本語とはなによりもまず書き言葉なのだと実感。戦後が表音主義を採用しなくて本当に良かった。読みながら頭がクラクラする幸せな読書体験。是非なんどか再読しよう。

こんな事を書くと叱られてしまうけれど、多分平均的な日本人(?)に比べるとそこまでの日本語に愛着を感じない。日本語でしか読み書きが出来ないから日本語を使うけど、他の言語を習得すれば、他の言語に乗り換えるかも知れん。ただ、(日本語に限らず)一つの言語が消滅し、その言語で書かれた作品がうずもれてしまう事は悲しく思うし、現に埋もれてしまっているものも多い。例えば詩作を読み味わえるのは本質的に創られた言語のみではないか?翻訳詩を味わっていると、その母語、を知らない事を勿体無く思う。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(1) - 01/10
里馬
まあとにかく日本語が亡びるとしても、現時点、自分と同じ言語で作品が多く創られている日本人、というのはとても幸福だと思い直す。改めて。
ナイス!ナイス! - 01/10 15:21


所々かなりの頻度でいらっとする。放り投げたくもなる。何でこんな文なのかと、著者様を嫌いにもなる反論もしたくなる。でも日本語の歴史を知る上で、読んで良かったと思えた一冊。第7章でやっとそう思えた。日本人で安易に日本語を失くそうとする人、文化を壊そうとする人が進行形で存在する事実。自分にできることは何だろう、いや、何もできないけど流されるのだけは悔しすぎる。色々と考えさせられた。

私は〈叡智を求める人〉でないから、〈現地語〉の「ニホンゴ」文学をありがたがって読んでますよ、漱石も「坊っちゃん」「こころ」ぐらいしか読んでいない彼のよさも分からない人間ですよ…と、少々卑屈な気持ちにさせられもしましたが、開国期の英語に出会った先人たちの話には、胸が熱くなりました。日本語は亡びゆくのかどうなのか、でもまさか私が生きてそれを見届けることはあるまい。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 11/29

刊行当時、挑発的なタイトルから、ナショナリズム的内容を想像し過敏な反応をした読者も多かったらしく、事実、そういう誤読を誘発してしまいそうな危うさも一部で見られる。しかし最後まで読めば、著者が偏った思想ではなく、どちらかと言えば科学的な方法によって、現地語であった日本語が、普遍語である英語がもたらす衝撃から国語へと生まれ変わっていく変遷を論じている。そして本書は、小難しい評論ではない。冒頭のアイオワでの出来事を描いた章は、エッセイというよりかは、どこか小説を読んでいるかのように惹き込まれる。(つづく)
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(1) - 11/27
ぐうぐう
これは、評論家でも学者でもなく、小説家という視点から生まれ、そして書かれたメッセージだ。
ナイス!ナイス! - 11/27 22:44


★なんか書評で褒められたから読もうとしたが、自分が文学とかの話に全く興味が無いことを再確認しただけであった。バルスw

こんなに熱い本だったとは。

五章までの近代日本文学の稀少性を論じる部分には、今まで気付かなかった視点もあり、大変感銘しました。ただ、著者は自動翻訳については否定的なようですが、それはあくまで著者の言う〈テキスト〉の翻訳についてであって、〈テキストブック〉の翻訳については自動化によって解消される部分もあるのではないかと思いました。海外の動画サイトなどを見ると、日本のアニメにファンの方がイタリア語などで字幕を付けているものが多数あるように〈テキストブック〉の翻訳については、自動翻訳ではなくとも何かWiki的な方法があるような気もします

まずは、作者がこの本を日本語で書いてくれたことを寿ぎたい。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 11/15

[A+]文章が上手。読みやすい。小説を思わせる筆致で始まり、ごく自然に主題の検討へと移行していく。論理展開も明瞭。<現地語>、<国語>、<普遍語>という概念を用いた言語(主に日本語)の移り変わりの説明も分かりやすい。しかし、彼女の言う「亡びる」は、誰もが言葉を発信できる電子時代において、かつて言葉を発信する力がなかった<言語的貧者>が発信する力を得たことで、<言語的貧困>が可視化されただけではないだろうか、とも思う。日本語の言語特徴を述べているところはとても勉強になった。言葉に興味のある人にはお勧め。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 11/12

「普遍語」として、もはや一人勝ちが確定的になった「英語」。インターネットの普及によって怒涛の如く押し寄せてくる英語文化を前にし、世界でも(最も)稀な特徴を持つ日本語の文化が亡びようとしている。 学問するための「書き言葉」としての日本語の重要性をきっちりと論じて、日本語教育の重要性を説くのにはとても説得力がある。 しかし、女子供向けの喋り言葉で書かれた小説が大好きな大人としては中々ちょっと…と思うこともある。 にしても、朔太郎の詩の表記を変えただけでこれほど伝わるものが変わるとは驚きだった。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 11/11

かつての日本語の味を取り戻せ!忘れるな!と訴える著者の主張に賛成!本当の日本語の良さ、味わい深さの文字感覚を忘れたら漱石なんて読めやしない。ましてや芭蕉や源氏、万葉集なんて…
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 11/04

『日本語は亡びない』も読むべき。読んでいて思ったのは、日本人はみんな日本語が大好きだよね、というアレ
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 09/26

語るべきことが多すぎるので転載した。ひとつ述べておけば、中盤までは素晴らしかった。http://mixi.jp/list_diary.pl?from=navi
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 09/22

日本近代文学への異常な信頼に対する気持ち悪さはともかくとして、言語間の力関係や日本語にしか存在し得ない特殊性を捉えているのはさすが、と思う。作中で言及されている『想像の共同体』はもちろんのこと、一緒に読むならオングの『声の文化と文字の文化』をお薦めします。超名著。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 09/08

「何かを知るために」使われる言語のは英語になりつつあるのは否めません。駄文ばっかり書いたり喚んだりしていたら、いけないのだなと反省しました。著者の勧めの明治文学を読んでみようかなと思いました。

福沢諭吉や夏目漱石の学ぶことへの情熱がすごく印象的でした 世界中の作家との交流の話も面白かった

言文一致の誤謬であるとか、英語という普遍語の功罪とか、色々と目が開けた思いがする。私も国語の授業数は増やした方が良いと思う。学問の基礎は国語である。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 07/18

後半になるにつれて、徐々に著者の主張が出てきて面白かった。仕事をしてても言語の壁は痛切に感じるので、今後どのように『言葉』と触れ合っていくかは考えどころです。子供の世代になったら日本語はどうなっていくのだろうか・・・
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 07/12

★★★★

言語に対するこれほどの焦燥感、英語を母国語として話す人々の他言語に対する鈍感さに対する苛立ちは著者の生い立ちならでは。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/19

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