アレグリアとは仕事はできない
アレグリアとは仕事はできないを追加
アレグリアとは仕事はできないの感想・レビュー(377)
アレグリア(複合機)とか満員電車とか、日常にあることを題材にしているのがおもしろかった。主人公の名前をカタカナ表記していて、ときどき、だれがだれだっけ?とわからなくなることもあった。
なかなか面白い。表題の「アレグリアとは仕事ができない」は、複合機(アレグリア)が意思を持っているかの様に故障する。最初は、それでも誤魔化していたのだけども、他の人を巻き込んで話は大きくなる。話の途中の「人間と機械は違うでしょう」「同じですよ」という会話が印象に残る。 「地下鉄の叙事詩」は様々な視点から同じ電車の中での出来事を書いている。満員電車ではこんな風に考えている人がいるかもしれないと考えてしまう。どちらもその場の雰囲気がよく伝わる文章だと感じる。
自分にとっては当然怒りを覚えるであろう事象を近視眼的にまず書いておきながら、角度を変えて徐々に多面的な見方をして全体を描き出していく手法は見事だな、と。日曜の夜に読んで、明日から一週間また頑張って働こう、て思いたい人には最適の本です
仕事をすすめる上で、人との相性も機械との相性も大切です。軽快さとちょっとほろりとしてしまうラスト・・・、小説の神様が降りてきている感じがします。
アレグリアかわいいよアレグリア媚びを売る複合機カワイイ!アレグリアに跳び蹴りをするミノベはもっとかわいい。しかしアレグリアの正体が中国製のジャンクだったと知ったとき呆然とした。ミノベの怒りがごく個人的なものから会社全体で共有されるものとなり、落ち着いた尊敬する先輩が退社することになった悔しさがすごい。ファンタジーな異世界だった。津村さんの本はいつも「それはちがうと思う」という熱量がすごい。「地下鉄の叙情詩」は満員電車の熱気を思い出してくらくらした。もっと長く重い雰囲気で読みたかった。
今までに読んだことのない印象の作品。はじめは馴れずに読みにくさを感じたが、読みなれてくるとおもしろかった。初めて津村さんの作品を読みましたが、どちらかというとシュールな印象を受けました。
津村さんの本の主人公ってイライラしていることが多いような気がする。自分もイライラしがちなので、読んだ後は「あるあるあるwww」ってなったあと落ち込む。先輩みたいに限界まで溜め込むのとどっちがいいのかな。
理不尽な事を見逃すことが出来ないって、すごいよくわかる。だけど、そんな人は周りにいなくて何をうるさく言ってるのとか周りから思われてちょっぴり浮き気味になってしまうところも共感できます。怒りをためておけない人と我慢する人が出てきて、私は前者なんで若い頃はなかなかに軋轢もあった。 でも我慢する人は爆発してしまうよね。機械には心があるって私も思ってる一人です。
出来の悪い後輩を持ったような気分。無機質で無反応なようでありながら、何となくしっかり意思を持っているかのようなアレグリア。ミノベとの闘いっぷりが楽しかった。後から良い思い出話になるのは、きっとこういう手のかかった機械や人間のコトなんだろうな。
古本購入。津村さんの小説の主人公は、自分がちょっと変であるとか、生きていくのが下手だという自覚があって、そのうえで下手なりに世間と折り合いをつけるすべを学んでいる人という気がします。だから過剰に人に共感を求めない癖に思わぬところで差し伸べられる同意にむしろ戸惑うような。ラストが好きです。同僚である間にそのささやかな「好き」を共有できてたら二人とももうちょっと楽に働けたんじゃなかろうか。
機械を擬人化するって発想は、面白い。嫌な仕事も、少しはやる気でそう。後半の「地下鉄の叙事詩」は、いまいち共感できなかった。でも、電車に乗り合わせた人が、何を考えているのかを考えるのは楽しいかも。今度、電車に乗るのが楽しみになった。
ミノベの怒りはほんと、共感できるものばっかりでした。怒り方も含めて(笑)もうひとつ興味深かったのは、調子の悪いアレグリアを使わされるハメになった原因には、利己的に振舞った他人達の影響があったというところです。立場が強いわけではないミノベに出来ることは少なく、結局は振り回されても、"そういうやつらの顔も罪も"わかってる…あくまでも屈しない姿が格好いいです
津村さん!!もっと早くに出会いたかった!!面白いよ!
複合機アレグリアとOLミノベの熱い戦いのお話。
私の職場のチームでも、言うこときかない機器にはなぜか名前がついている。
幸いなことに、ミノベほど大変な目には遭っていないので、日々なだめすかしながらお付き合いしている。
実際、アレグリアが職場にいたら、罵詈雑言→アレグリアと担当者に「価格分の仕事しろ/させて下さいよ」と、私は怒鳴り散らす…ハズ。
機械を擬人化して、イライラしたら和んだりしてしまうので、ミノベにはすっごく共感する。たかが機械、されど機械。「地下鉄の叙事詩」は、満員電車を利用する人には、わかりすぎるぐらいわかる話だと思う。上手いなぁ。
アレグリアは、主人公の憤りが何だか分かる。気紛れな機械には結構手をやくもんだよね。地下鉄の叙事詩は地下鉄に乗っている人たちにスポットをあてたもの。主に痴漢関連がメインだけど、満員電車に乗っている主人公たちの気持ち、うんうんとなるのが多かった。
表題作は、私の別の人生はこんなだったかも…と思ったり。ミノベの苛つき具合と観察眼は最高!「地下鉄の叙事詩」は、湊さんが「阪神電車」を、万城目さんが「南海電車」を書いても、有川さんの「阪急電車」みたいにはならん、ズルイって言ってたことを思い出した(苦笑)実際の電車は“涙のち笑顔”なんてことはなく、数ヶ月に一回人身事故が起こったり、電車に乗るだけでズルをしようとしている人がいると思われ、失笑のち苦笑。それと“チカンあかん”(関西人には分る)っていうか、“痴漢は死ね”(by.ゴールデンスランバー)ですね
津村さんの小説の主人公が、私も大好き。すごくうまが合いそうな感じ!!ちょっと並みから外れた感じが好き。友達になりたい。ただ、処女作より作品の完成度が低いかも。もう少し踏ん張って頑張って、津村記久子さんの作品を長くたくさん読んでいられるようにしてほしいです。待ってます!
津村さんの本は読んであるあるあるある…なことが多いのだけれど、なんだかこの本は怒ってますねー。事勿れの私には面白かったけれどあるあr……やっぱ無いっ!てなった。無機物相手にガン切れするミノベよりかは先輩派といいますか、でも読みおわってみりゃより手に負えないじゃんかといいますか。同時収録作は、フィクション相手に怒髪天をつく自分がいたので触れないでおく今は。★★★★☆
表題作が好き。この人の作品は、主人公に感情移入しやすい。あるいはわたしと気が合う。アレグリアに対する苛立ちや意地、先輩に対する期待外れ感や遣る瀬なさ、手にとるようによくわかる。
ヒリヒリするような痛みを感じながら読んでいました。読んでいる最中には決して気持ちのいいものではありませんでしたが、収録されている2作とも、読み終わるとうならされるというか、爽快な感じすらしました。
この世はなんていろんな物が絡み合っているんだろう。コピー機の調子ひとつで何かが決定的に変わったりするのだ。はじめは主人公のぎりぎりさにひやっとするけど、そのうち、ちょっと見にはささやかながらぱっと空気が変わる。両作品ともうならされ、気持ちいい。
人を描くのが絶妙に巧い。幾人かの登場人物の中から、「あ、こいつ自分に似てる」という奴を読者は見つけるだろう。言葉未満だった自分の苛立ちを的確に表現されている気分になる。 登場人物たちの方が現実の私たちよりもほんの少しだけ大胆で、故に事件が起こる。そういう一冊。
標題作が好き。地味なコピー作業(失礼か)をこれだけのストーリーに膨らませる力に脱帽。ただ、悲しいかな、自分はやはり先輩側の人間だ。他にやるべき事がある中で、ミノベの様にアレグリアだけに構う余裕はない。ある意味尊敬に値するが、社員としてはどうか?正直、後輩に欲しくはない。先輩の最後の行動(というか衝動)は解る気がした。終盤へ向けての纏め方も好き。
表題作には最初から最後まで感心しっぱなしだった。僕は普通の会社員で主人公も普通の会社員。案外普通の会社員の地味な作業中心の仕事を書いた作品はいままでなかった気がする。似たようなこと日常にもあり、この題材でこんな味のある作品が書けるのだな。時々、読み返したいですね。僕はこういうの大好き。なぜか元気も出る。
面白かった!!期待以上に楽しめて、決して、うきうきとかはしないのだけれど、それでもこの世界にじっくりと入ることができたのでした。両方とも笑顔の出る話ではないのだけれど。切なく寂しく痛い物語で、読んでるコチラにもそれが伝わってきてしまった。
『「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ』って短歌を思い出す。この本はその逆。「アレグリア〜」はそばに人はいるのに寂しい。「地下鉄の〜」はそばに人がいるゆえに苦しい。人間って機械以上に難儀。
1台のコピー機がこれまで円滑だった人間関係に影響を与える「アレグリアとは仕事はできない」、地下鉄で起きたある事件を様々な人の視点で描いた「地下鉄の叙事詩」の全2話。1台のコピー機に翻弄される彼女に思いっきり共感しました!急いでいる時に限って表示される「ウォームアップ中」。ホントこの時どれだけ殺意を覚えることか!アレグリアを性悪とし、憤りを感じながらもどこがダメなのか分析するところが面白い。読んでいて楽しかったです。「地下鉄」は「アレグリア」の話がインパクトありすぎてちょっとかすんでしまいました。★★★★
私は怒るパワーのある人は結構好きなのである。のでこの世のちょっとした不条理に怒り実際行動する登場人物に共感とちょっと憧れを感じる。読んだあとなんだかすっきりしました。
主人公のイラダチややるせなさに共感。「アレグリア」って実は人の事?と思わなくもない。先輩が我慢の果てに行動に出ちゃったのもよくわかる。最初から最後まで言いようの無い焦燥感にかられたけど、ラストのエピソードでやっと一息つけた。
アレグリアという複合機に振り回される会社員達。性悪複合機は仕事をサボりまくる。苛立ちを露わにする主人公のミノベは使えない機会たちとも折り合いをつけながら仕事を続けていたが、この性悪複合機にだけはどうしようもなく言う事を聞かない。その裏には販売先の会社の裏での動きなどが絡んでくる。使えない上司、文句を言わない先輩、毎度定時後に修理に来る販売元のアダシノ、それぞれに対してのミノベの感情がおもしろい。ミノベの人に対しての、アレグリアに対しての怒りの気持ちはとってもわかる。機械に対してそこまで関心はないけれども、
表題作は原題「コピー機が憎い!!」そのままの話、会社内の最下位層にいるミノベと“性悪”なコピー機アレグリアとの戦い。事態はひっくり返り好転しめでたしめでたし、ではない。だけど、人と心が通じ、少しでも前に進めたという事実に、勇気が出る。「地下鉄の叙事詩」もそうだ。満員電車がある。悪意がある。小さいものも大きいものも、弱者を虐げるものもある。だけど、一章ごとにその弱者に心は近づき、誰か助けて、という叫びは届く。手がさしのべられるのだ。津村さんの差し出す手、もとい物語は相変わらず力強く、心強い。
『アレグリア~』は、いい意味でアマチュア作家が書いた会心の作みたいな感じがした。リアルとファンタジーの狭間を不安定に行きつ戻りつしているような感覚。で、もうひとつの話を読むとやっぱりプロなんだよなあ、と納得する。電車の中の描写と呪詛のような心理描写をつらつらと読ませるんだから、やっぱりすごいです。こんなふうに書けたら、さぞかし楽しいだろうな。
現代社会にはびこる不当なことに対する怒りや叫びが感じられる作品でした。津村さんご自身がパワーハラスメントを受けた、その影響もあると思いますが、きっと彼女は正義感が強い人なのだと思う。今の社会っていうのはおかしなもので、その正義感が仇となったり、空回りしたり、白い目で見られたり・・・もどかしくて悲しい。正直なところ津村さんの描く主人公が私は嫌いだった。女性的魅力が足りないから。けれどこれは防衛だったんだ。社会に媚びないことへの象徴。津村さんにはこれからも一貫したテーマを投げかけ続けてもらいたい。
アレグリアとは仕事はできないの
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