通天閣 (ちくま文庫)
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通天閣の感想・レビュー(145)
冴えない男女の冴えない日常がなんだか自分自身に重なって妙に生々しく、最初はなかなか読み進められなかったが、最後まで読んで良かった。でもラストで主人公男、なんであんな行動取っちゃったのかなあ…
大好きな作品。 「愛してくれるのだろうか、ではない。 愛そう。」 主人公ふたりの物語が同時に進んでいく本作。周りの人間をばかにしているように見えてとても、愛したいと思っているふたりの話。人を愛したい、自分を愛したい、健気な話。 どぎつい表現ばかりだからこそ、素直に受け止められます。とっても、おすすめです。
「なんて温度の高い街だ。どこよりうるさく、どぎつく、匂いがした。生きている人間の匂いがした」年一回程度の帰省の度に、あの街の熱さが体にこたえる。季節を問わず、なぜか熱い。暑いのではなく熱いのだ。得体の知れない熱をこの土地と人間の中に感じる。西さんは、心暖まるエピソードやほろりとくるセリフを一切書かない。人間の持つ諦めの悪さや自己憐憫が、他者の目には面白いことに気づかされる。そこに生じる笑いが小さな希望のエネルギー源となっていく。そうか、あの街の熱さは自虐的ともいえる笑いの気風からきているのかもしれない。
目的地も分からず、ゆるゆると進みながら、最後には見事な加速っぷり。その速さがどこかわかりやすい目的地へ行くためかと思いきや、いつの間にやらゆるゆるとし始めてどこかへ続いていく。
通天閣って大阪の象徴というより、通天閣の辺りの新世界という独特のディープな大阪なのですよね。別れたマメのことを引きずっている女、狭いアパート暮らしをしながら中小企業で働く男。とっても不器用で、うだうだ考えながら、それでも毎日生きている。周りの人に突っ込みを入れたり、ボケで自嘲したりしながら。
「イタい」ことが他人事のように思っている普通の人が、もしかしたら実は「イタい」のかも、と感慨を持ってしまった小説。愛し方と愛され方を知らない二人が交互に淡々と描かれていくのは最初は???の連続。結局は二人の距離は、象徴的な夢と通天閣が屹立しているばかりに近くて遠い。西さんの小説は侮れないとつくづく感じた作品でした。
何かものすごい『淡々感』…読んでいて感動したり、心が弾んだりはしない。でもジワッとしみてくる…う〜ん、たとえると『おでん』かな。いやいやもっと地味な筑前煮とか…なんとも変なコメントだなぁ〜
大阪ではなくミナミではなく通天閣のふもと、「新世界」だからこそ描ける雑多感と虚無感と人情感のある物語。興味を持った人は大阪観光の際に是非お立ち寄りください。ただし、旧フェスティバルゲートの空虚感やじゃんじゃん横町の空気など、「下町」なんてちょっと洒落た概念を持って立ち寄ると痛い目に遭うので予めご了承ください。
このパワーはどこからくるのだろう。どう見ても主人公二人は恵まれた環境にいるとはいえない。それは彼らを取りまくちょっと変わった人たちもだ。下世話なパワー。さすが大阪はミナミ。なんか影響受けそう。
物語がどの方向に進んでいくのか終盤までわからない(でも読ませる)が、最後らへんで「あぁ、なるほどね、こっちの方向か」って感じでした。その加速感が「さくら」に似ていると感じました。 西加奈子テイストがフンダンな、あまり小説を読まない人にもオススメな本。
大阪には行ったことがない。大阪の人と会ったこともたぶんない。でも自分は下町生まれで、くせのある人は知ってるから、きっと大阪には大阪らしいそんな人たちがたくさんいるんだろうと思った。あのすさんでいてそれがずっと変わらない感じはありふれたことで、どんぞこでもどこかで小さな光があるみたいなのは私達がいくども経験してるのかもしれない。そう思うと、それを読ませることができることってすごいことなんだ。
これといって起伏に富んでるわけでもなく、登場人物たちはどちらかと言えば冴えない人たちばかりだけれど、最後はなんだかきらきら光っていて、すごく感動した。
後半からのテンポがよかった。「古い、というのは少しも前に進んでいないということ。」「愛そう。」の言葉が刺さりました。面白かった。西さんは表現がうまい。
通天閣に昇って、ビリケンさんにあったら、明日は、もっといいことが起きそうな気になりました。
人間臭く生きている町、大阪。 輝かけずただ日々を「こなす」主人公達の後ろ向きながらも、ひたむきに生き、人に愛されなかったり人を愛せなかったり…。 西加奈子の世界、僕は好きです。
通天閣が見えるアパートで孤独に、偏屈に生きる男。通天閣の近くのマンションで留学した恋人に焦がれる女。繋がりそうで繋がらないまま、二人の日常を交互に、淡々と描いた作品。西かなこが描く人々は、常にどこかすこし、変。そして、色んな思いを抱えて生きてる。心理描写が細かいけれど、不思議と、第三者の視点で読み進めていきました。読み終って、元気が出るとか、優しい気持ちになるとか、そういうわけではないけど、オモロい本読んだ!とニヤニヤしちゃいました。
痛すぎるほど。大阪的な人間たちが出てくるw通天閣付近の様子も想像に難くない。最後には一気に絡み合った感じで、男の主人公の部屋の床に人間交差点が置いてあることが印象深い。
初、西サン。登場人物が個性的すぎるのは、ちょと行き過ぎ感あるかな。状況の描写がリアルやから、あんまり気にならんが。お話のつくりも素敵。オチは、登場人物に反してやりすぎ位まとまってて、あーなるほど的に落ち着くねんけど、その前のエピソードが面白いのでなんとか生きてるかな。でも、上手やとおもう。不器用というありがちな言葉にはまる人たち。私はその中でも年をいってドロップアウト(死語)した人たちのほうに近いからさ、女の子の気持ちはよーわからんかったが、ばかばかしいほど不器用なんだか、あんたのほうがアホやろとw
★★★★ 以前トークショーで解説を書かれた津村さんが非常にほめていたのが印象に残っている。深く考えると自分まで暗いどつぼに落ち込んでしまいそうな話だった。会えへんままかとちょっと思った。章の最初の文章がいまだによくわからない。
『しにたい』そう思うのはひとりじゃない。そんなとき『しぬな』と言える人はどれぐらいいるのだろうか。「古い、ていうのは、少しも前に進んでいないことだと思う」って犬のせりふ。なるほどな。と思いました。
通天閣の見える町に暮らすOLと中年男、ふたりの出口のない息苦しい日常が交互に描かれ、最後に通天閣で交差する。大阪弁の会話も最後の通天閣のシーンも好きだなあ。
『きいろい~』ではまった西加奈子さんの私的2冊目がこの『通天閣』。『きいろい~』の雰囲気を期待して読むとその期待はやや裏切られる。弱くて、奇麗じゃなくて、不器用で。ホントにそのあたりにいそうなしょーもなさそうな人達のしょーもない生活。そのしょーもない生活っプリに半ば嫌気をさしつつ読み進めた前半。けれど、しょーもないながらも力強さを感じるラストがすがすがしい。
JRにて「函館~札幌~旭川~北見」間を3泊4日にて往復。読みかけの本書を持ち込み、2日目に旭川から乗車の「オホーツク3号」の車中、石北線・上川駅付近にて読了。わが阪神の18年ぶりの優勝が目前となっていた2003年9月。三浦大輔を打ち込んで逆転勝ちした横浜戦の翌日、観光バスにて初めて行った通天閣。そんなたった一度だけ訪れた通天閣をボンヤリと思い起こしつつ、「なんとも、通天閣も西加奈子も面白い」と感心した次第。突如、「とにかく、長いコメントが書いてみたい」との思いに駆られ、以上、乱筆長文にて失礼致しました。
いやー。 そういうオチか!って。 笑えるのに、泣ける。 滑稽だけど、悲しい。 愚直に生きる人たち。 ああ、大阪に住んだことあって良かった... これ、住んだことがあると、よりリアルに無茶さ加減っていうか、あの猥雑なもの悲しさみたいのが浮き上がると思う。
最後声に出して笑った!けど、鼻の奥がツンとして涙が出ちゃう。新入りの吃らないで言った「産まれた!」すがずがしいような、泣きそうになるような、なんだかとてもいい気分になった。
通天閣の
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感想・レビュー:43件














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