戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)

戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)
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戦争における「人殺し」の心理学の感想・レビュー(182)

心理学の研究書において多々あるように特に新しいことも難しいことも言っていないが、兵たちの殺人に関する証言を集めて分析した点において大いに価値があると思う。著者の主張は一貫しており、読みやすい。ただ歴史家を謳うのであれば、殺人に対する条件付けが文化的装置として、第二次大戦・ベトナム戦争・現在という時間的経過で、なぜ変遷したのかも分析しておいて欲しかった。

だいぶ前に読んだ本。これ名著です。人間は本来性善説で生きていて、そこに戦争が介在することでその矛盾にゆらぐことを過去の実証データで明らかにしています。ベトナム戦争以降この性善説をどうやって否定させるか、軍がとった行動は恐ろしい現実。また軍人のうちほんの数%の人間は人を殺すことに全く負の感情を抱かない好戦者もいること。心理学者であり元軍人ならではの著。皆に読んでほしい。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 01/14

『性や死や殺生といったごく自然な現象が隠されてしまうと、社会はその自然な現象を否定し歪曲するという反応を起こすようだ。否認は妄想の一種であり、妄想は夢を生む。妄想の魅力的な罠に人々が深くはまり込んでゆくと、社会にとって危険な悪夢が生まれる危険性も増大する。』
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 11/25

人が人を殺すのに本来抵抗感があること。しかし物理的・心理的距離や条件付け、殺人を慣れさせる教育によって殺人は可能となること。人が本来、人を殺したくないということに、希望を感じた。しかし、一方で殺人に慣れる訓練を受ければ、自分も人を殺せるようになるだろうと、恐ろしさを感じた。戦争に関する心理学としては、本人も軍人で、多くの兵士の体験を聞いただけあって、リアリティのある内容だと思った。(ただアメリカでの殺人の増加を映画やゲームで語るのは無理があるように思う。)
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 11/19

ちょっと想像していた内容と違ったかな。条件付けとか完全な心理学バリバリな内容じゃなくて、もっと戦争経験からくるなんというか血肉の通った内容がよかった(まあある意味血と肉ばっかりだが)。そういう点では帰還兵の話がちょくちょくはさんであるのは面白かった。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 11/09

第二次世界大戦まで兵士の発砲率が2割を越えなかったことは知らなかった。ベトナム戦争で9割まで引き上げることに成功した代償として、多くの兵士をPTSDにした。その行動変容に新行動主義による系統的脱感作が寄与したとある。恐らくその通りだろう。だが人を殺すように反応形成されてなお、それゆえに病に陥る人という種に希望が残る。戦争理解に必読と言っても言い過ぎではなさそうだ。この本のせいでしばらく中途覚醒が増えてしまった。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 11/04

広く浅く、同じことが繰り返し書かれている。豊富なエピソードが紹介されていて、世界史のエッセイとして興味深かったが、それだけ。一冊の本としてまとまりがなく、やたらとくどい。ナチスドイツの収容所の章では、イメージだけで適当なこと書いてるのかと、著者を疑ってしまった。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 10/13

久しぶりにまともな人文書を読むと時間がかかるわ/「人はこうまでして人を殺したがらないんものなんだ」という人間性への希望の書、かなぁ?/人間の精神に最大のダメージを与えるのは人間の敵意(≠悪意)である、という人間性否定の書、でもあるかも/「剣より槍」には心理的な意味もあるのか/これを士官・将校向けの教科書に使ってるというあたりが、プラグマティズムの国だなぁ。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 09/09

高校生の頃「一人だけの軍隊」を読んだあたりからずーっとモヤモヤしていたことが、この1冊で少しだがはれた。トラウマを解消するヒントを得られた。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 07/31

著者の結論を一言で言えば、「人には人殺しを嫌がる本能があるが、うまくプログラムしてやれば殺せるようになる」。卒論に使った。自分にとっては色々な意味で特別な一冊だと言っていいかもしれない
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 07/28

今迄の戦争関係の書籍は「市民視点」が多かった中ですごく貴重な一冊。今回は「兵士」達からの視点で書き上げた本。思想の左右革新保守に関係なく読んで欲しい一冊。戦場で、特にベトナムで地獄を見てきた兵士達が本国に帰って来た時に全て否定された。本当に傷つき壊れそうになっている兵士達一人でも救いたいんだな、と著者の文章から読み取れた。戦争で苦しんだ市民の声を聞く事も大事だけど「当事者」である彼ら兵士の事も聞いて欲しいと感じた。最後の章・テレビゲームの規制に関して。これは教育の仕方で毒にも薬にもなるという意見には賛成で
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 07/07

これは名著。

実は人は人殺しを避け軍隊でもそれは同じだった。そんな人を効率よく殺人者にするため昔から軍隊がやってきたことを挙げ、発砲率は向上したものの帰還兵を潰す結果となったベトナム戦争についての記述につながり最後は軍隊と同じような脱感作と条件付けを行う結果になっている射撃ゲームや残酷な映像表現に言及している。何度も何度も同じ内容の記述がありこれが条件付けなのではと思ったくらい。

冗長な記述、実証性の欠如。 でもおもしろいっちゃおもしろい。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 04/10

人は簡単には人を殺すことが出来ない。にもかかわらず、残虐とも言えるほど、誰かを傷つけ、命を奪うことが出来る。この本に書かれている兵士達の声はあまりにも真に迫りすぎている。複雑に絡み合った心理的機構が生み出す殺人の葛藤が生々しい。戦争や暴力といったことに関する新たな知見を与えてくれる良書だった。最終章のアメリカでの殺人では、日本でも、今よく議論される「漫画、アニメの規制問題」に通じるものを感じた。色々なことを考えさせてくれる本だ。もっと大勢の人に読んでもらいたい一冊だと思った。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 03/29

興味深かったのは「なぜ人は人を殺さないのか」「殺人への条件付け」。私たちは今でこそ戦争とは遠い場所にいるのかもしれないけれど戦うとはどういうことなのか、考えてみるのにいいきっかけになったと思う。

最近最も強く刺激を受けた一冊だった。「人間は顔の見える距離での殺人に強い嫌悪感を持ち、そのような行為を犯したものは、仮に正当だとされるイデオロギー的背景があっても、殺人の経験が生涯消えることないトラウマとなって残る」という、観念的な反戦、反暴力論ではなく、実証科学から主張された本書の内容は、文明人なら誰もが知るべきである。私は左翼として、レーガンを讃えるような著者の政治姿勢には強い嫌悪感を持つものの、それでも本書に普遍的な意義があることを認めざるを得ない。(続く)
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(7) - 03/04
宝達モミュ
最終章で著者は先進国の軍隊の訓練で行われるようなオペラント条件づけが、近年は映画やテレビやゲームなどのメディアを通して市民社会に直接行われていると説いている。このようなメディアの影響力に対しては様々な意見があるだろうが(私はこの著者の主張は正しいと思う)、私は著者が望むような問題の解決は資本主義世界経済の中では不可能だと主張したい。こう言えば著者は反発すること必至だろうが、著者の非常に優れた研究に触れた一人の左翼としての返答である。
ナイス!ナイス! - 03/04 23:01

宝達モミュ
最後に。私は左翼としてロベスピエールや毛やゲバラが行った革命的テロリズムの意義を認めているし、フランツ・ファノンが熱心に暴力の必要性を主張していたことを誤魔化したくはないが、この本を読んでしまったからには、今後左翼は、革命的「テロリズム」として表象される行為を、直接的に人を傷つけたり殺したりするような行為ではなく、しかしそれでも政治の実際や人間の精神を揺るがすに足る刺激を持った文筆活動や大衆運動に限定しなければならないと強く思った。過去に於いてはともかく、これからの歴史の創造に人殺しはもうこりごりだ。
ナイス!ナイス! - 03/04 23:03


「ベトコン一人殺すのに5万発」というのは聞いていたが、その裏にある心理学的理由についてはしっかりと理解していなかったように思う。「そもそも人殺しへの抵抗感は強烈なものだ」という当然と言えば当然ながらも真には軽視されがちな事実をもとに、豊富な実例と学説を引いて解いている。戦いと殺しに関する、様々な「常識」を揺さぶる一冊。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 02/21

VC
戦場での兵士の心理を扱った本は多いが、殺す時の心をこれほど細かく書いた本は初めて。ただ、米軍人が書いているので対象が米国内での戦争とヨーロッパでの戦争に比重が傾きすぎている。そのため、日本軍や中国軍などには当てはまらないだろというところや、割合が違うんじゃないのかというところがかなりある。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 01/29

自分の意思での人殺しに対する抵抗・嫌悪感がどれほど人を蝕むのか、という想像したことのない新境地へ意識をもっていかれた。 / また本書はほとんどの人間が人殺しへ嫌悪感を抱くという前提に立った上で、人殺しを行う兵士がどのように責任逃れの暗示を自身にかけているのかを分析している。その分析結果から人間の持つ善人であることへの固執(欲求・願望)を感じた。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 12/18

戦争をテーマにした小説では兵士が苦悩することも無く戦っているが、それがいかにリアリティに欠ける描写であるのかということを教えられた。現実を無視した描写こそが小説の楽しさであるという意見もあるだろうが、この本で述べられている兵士の心理を認識した上で書かれた小説ならば、よりリアリティの感じられる良い作品になるのでは無いかと思います。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 10/29

一般常識レベルで知られてほしい研究だと思った。たとえそれが正視に耐えない残酷なものであっても放置することは助長に繋がるという言葉が酷く印象的。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 09/10

第二次大戦では兵士の発砲率が15から20%ということに、まず、本当に驚いた。 考えてみれば、戦場にいるからって突然殺人マシンになれるわけはないが、テレビや映画で見慣れているから当然だと思っていたのだろう。 それが条件付けをするようになったベトナム戦争では90から95%が発砲できるようになる。 人が人を殺すことに激しい抵抗感をもつのだという事実にはほっとするけれど、それをひとまず留保して反射的に射撃するように訓練するのも簡単だという恐ろしさ。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 07/19

戦争に向けた心理学の怖さを知った。でも、いろんなことが人に影響を与えるんだってことが分かり面白かったな。群の訓練恐ろしい
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 07/04

海外ドラマで、仕事で人を殺してしまった警察官に対し、上司はなぜ「お前は正しいことをした」と慰めるのかが分かった。その他「そうだったのか」と言いたくなる興味深い記載が多く、さくさく読み進められる(翻訳のせいもある、かも)。数年前話題になった「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いに対する答え、とまではいかないが、大きなヒントにはなる気がする。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 06/24

戦争における「人殺し」の分析について非常に興味深い本、基本的に人間は人間を殺したくないという点については非常に希望があるが、それすらも訓練と条件付けによって覆され、殺人者は良心の呵責に耐えなければならない。ベトナム戦争は高いツケを支払いすぎた…
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 06/10

軍隊における殺人が兵士にもたらす影響を扱った意欲的な書。殺人が兵士に及ぼす影響から兵士の心を守るためには、訓練や責任分担といった仕掛けもさることながら、理解され受容される経験、心情を吐露できる環境が長期的には最も重要との指摘は、精神に過負荷を受けた人間を社会がどう遇するかという問題一般にまで敷衍できそうであり、示唆深い。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 04/05

一般人が「人殺し」の気持ちを考えるなんて、それこそ本書にもあるように「セックスを学ぶ童貞」と同じようなものなのだろうが、なかなか経験するわけにもいかないことだけに、貴重な内容だと思う。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/26

まさに「おぞましさのあまり目を背けたくなる部分があるからといって、その営為について考えまいとしても無駄である。いや、無駄どころか有害でさえある。」を体現していると思う。ただ闇雲に「戦争反対」、「暴力反対」と訴えるよりもよほど教育的だと思った。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 03/13

戦場において如何に人間が「人殺し」という行為と向き合うかについて真摯に取り上げている / ラストの現代アメリカ社会についての論はちょっと牽強付会すぎる気も
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 02/27

原爆を落とすことはとがめられず、ユダヤ人虐殺は戦犯になる理由。

コンバット・ハイになるくらいなら、平和ボケでいたい。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 01/29

アフリカで少年少女が兵士として徴用されている訳が解った 少年少女兵は訓練なしで人を撃てるからだ

このあとの戦争についても調べる必要がある

「おぞましさのあまり目を背けたくなる部分があるからといって、その営為について考えまいとしても無駄である。いや、無駄どころか有害でさえある。」
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 10/13

無意識は殺人を拒み、訓練は対人殺傷力を飛躍的に高める
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 10/08

同じ話が重複して出てきた。人を殺すことと人が殺されるのは等価ではないような気がしてならない。

面白い

平凡で理性的な人間がどのようにして殺人を行い、結果心理的にどんな影響を受けるのかを説得力のあるデータで知ることができて、とても勉強になった。ベトナム戦争の分析も、万一自衛隊が殺人を伴う戦闘を経験した際、市民がどのような態度で兵士に向かうべきかを考える上で重要に思えた。戦争を理解しようにも「人殺し」を想像するしかない現代の日本人にとって、本書は大きな示唆を与えてくれるに違いない。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 07/15

「戦争でもっとも傷つくのは、人を殺せと命じ命ぜられる前線の男たちである」という話。暴力行為を描写したエンターテイメント作品が有害であるという理屈ももっともに聞こえる
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 04/28

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戦争における「人殺し」の心理学の 評価:55 感想・レビュー:50
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