サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代を読んだ人はこんな本も読んでいます
サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代を追加
サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代の感想・レビュー(125)
意識に上らない大量の情報と、その繋がりによって起こる情動で人は動かされる。天才のひらめきの基もそこにあるというのは面白い。興味のあることを読んだらそれを一旦忘れ、たまに思い浮かんだことをメモすることで忘れたはずの事に探りを入れる。そうすると思いがけないひらめきが生まれる、かも。自分はなんだか、きれいさっぱり忘れ切ってしまう気もするが。忘れようとして思い出せない…
この本に書いてあるようなことをよくよく意識していないと、無意識のうちにCMや政治家などの意図に乗せられてしまう可能性がある。知識として頭に片隅にいれておくには良い本です。
前2作のまとめ的な部分もあるが、それを下敷きに現実の事態を読み解く部分が面白かった。イランの大量破壊兵器に関するあれこれは、「なんでそんなすぐばれることを」と思っていたのだが、ばれて良いんですね。というかむしろばれた方が良かったのか。潜在と顕在のあわいから驚くような発明や発想が生まれるという話が興味深かった。
我々の意思を決定しているものは何か、脳科学の観点から仔細に論じる。CMなどが無意識に働きかけて選択を決断させられるのは想像がつく範囲。はっとさせられたのは、そうした機械的、決定論的な過程を経た行動に対して、脳は事実を捏造してまでも「自由に選択した結果」だと自分に意識させてしまうこと。操られていることに気づかないまま、自由を謳歌させられているわけだ。政治領域さえ潜在認知に働きかける広報合戦で決せられる今、私達にできることは人間は理性でなく情動に支配されるものと自覚すること。その上で沈思することかもしれない
潜在意識が顕在的な部分に影響を与えるという知見が、報道や政治でも用いられているというような具体的な説明が多く、興味深い内容だった。
ただ、私は下條先生が意図していないような恐怖心が強化されてしまいましたが(苦笑)
よく物事を潜在化してしまうまで徹底して反復すべきなどと言うが、どうもそれ一辺倒ではないと思う私にとって非常に面白かった。顕在潜在を両方向的にすれば、と自分なりに納得できた。
おもしろい。切り口が斬新だった。新奇性と親近性、顕在と潜在のバランスといった、自覚と無自覚の面白さを感じることができた。天才がなぜそう言われるのかといったものを読み解こうとする点が非常に興味深かった。今、顕在している記憶が潜在しているものと合わさったとき、独創的なものが生まれる、という主張からは、スティーブ・ジョブズの「無駄なことはない。点はやがて線となる。」という言葉を思い出した。読書をしてしばらく経つと内容があまり思い出せなくことがあるが、潜在記憶には残っているに違いない。
切り口は面白いです。自分の心は本当に自分でコントロールできているのか?ということを実験結果をもとに検証してみると、どうもそれが怪しいのではないかという結論。個人としてはそれを認識しておくことしか出来ないが、原理的にはそれが最善というのもいささか寂しいところではあります。
潜在認知が我々にいかに影響を及ぼしているのかを認知実験、広告、政治、創造性など様々な角度から触れている。知識として「なるほどな」と思う部分と「だからどうすればいいの」という部分があったが、前者の気付きを得ることが、後者は科学の範囲外というものだろう。
「サブリミナルマインド」が面白くて期待があった分、本書はやや残念な印象。新たな知見はあまり無し。カバーする領域にはそれぞれ他に良書があると思う。書くべき内容が無い、ないし機が熟していないのに書いちゃったのではないか。刺激の過剰、消費、政治の話題など、危機意識は伝わるけれど、水っぽい。もう少し煮詰まった物が読みたい。
知覚できる意識の埒外にある情動系や潜在認知という領域の話。人の無意識の情動系に働きかけるやり方で、大衆誘導、世論操作、メディア戦略が大量に起きている。この状況をどうやら筆者は憂えてはいるようだが、なす術なし。なにせ自覚できないからね、ということらしい。それが結論なら致し方ない。そうですか、それは誠に遺憾ですな、と云うほかない。
親近性と新奇性が必ずしも矛盾しないということ。前意識はインターフェースの役割を果たしていること、潜在記憶はその出自はわからなくても記憶内容そのものは消えないこと、等々過去の知見をうまく使いながら現象や自説を説明しようとしている巧みさが私にはすごいなあと思えた。実験心理学の分野を学んでいる人には、自分の学んでいる領域がどんな意味を持っているかを考えるとっかかりになる。下條先生の本はこれが一冊目なので前著も読んでみる。実験心理学系の講義では下條先生の研究は必ず出てくるのでこれからも読むだろう。
潜在意識に働きかけることでその人の好みも操作できる。普段我々が意識していることなど潜在意識の存在を考えるとほとんどないのだろう。これをオカルトと感じる人も中にはいるかもしれない。しかし、何度も働きかけることでその人の好みを変化させるというのは現代のコマーシャルを見ても分かる通り。脳という部分の未だ解明されないダイナミックさに圧倒された。
知識のレベルではなく、無自覚的な潜在認知に働きかけることで、「理論としてのみ知っている」人でさえ容易に印象や行動を誘導出来るのではないか。それに対応するには情動・潜在認知についての理論と潜在レベルで対抗する手段を自覚的に行う必要があるとする。散漫な内容である本だと受け取られるかも知れないが、それだけ情動と潜在認知から考察・応用できる範囲が広いということが分かる。
認知神経科学者が実験・考察の成果をふまえてこんにちの社会を論じた本。現代における感覚刺激の過剰にふれた第2章、暗黙知と創造性を論じた第5章はとくにおもしろい。音楽の起源、視線によるコミュニケーションの進化などの小ネタも楽しい。潜在意識にはたらきかける情報操作の手法や自由の制御を問題視しつつもそれらを糾弾するスタンスはとらず、「時代の必然」と評価するところに筆者のこだわりを感じた(先に読んだ『暴走する脳科学』の視座とは対照的)。旧著や訳書『マインド・タイム』も読んでみたい。
意識に先立つ領域、その認知のメカニズムと現代社会にまつわる五つの素描。全体のまとまりには欠けるけど各項目簡潔にまとめられていて、文章も特に読みにくい印象はなかった。良著というには今ひとつなにか足りないけど。
読んでいてこの本はどこに向かっていくのかよく分からずもやもやしてましたが、あとがきの「一冊の新書のまとまりとしては、いささか空中分解気味ではある。」との記述ですっきりしました。どこにも向かってなかったんですね。
うーん、散漫な印象は読み終わるまでそのまま。前著で自前のネタは使ってしまったので、学内で交流のある研究グループに声を掛けて題材を集めた企画ものとのこと。なるほど、論文集を素人むけに書き起こしたと思えば腑に落ちるが。潜在認知と情動刺激について、実生活で思い当たるフシは多いし、それなりに面白くはあったが。読みにくかったです。
いわゆる「ユーレカ!」の瞬間は、前意識と周囲の環境とがスパークして訪れる。という最終章は面白かった。創造性は「周辺」からやってくるらしい。ただ、それまでの章は、豊富な実験を紹介していた前著と比べて、どうも著者の印象論という感じはぬぐえなかった。また正直、文章が読みづらい。別にどっちつかずの論を展開するのはいいと思うけど、もうちょっと分かりやすく書いてほしかった。
◎ サブタイトルにある「情動」と「潜在認知」が重要キーワード。特に後半、「第4章 情動の政治」「第5章 創造性と「暗黙知の海」」が面白かった。「結び」の手前の短い一文、説得力あり。「いずれにせよ、いろいろな意味で「周辺に核心がある」。これは確かだと思います。」
同じ著者の『まなざしの誕生』『サブリミナル・マインド』『意識とは何だろうか』のインパクトは無い。最終章の、独創性の話が興味深かったので、これに絞った論にして欲しかった。
『サブリミナル・マインド』と対になる本。情報の過剰、広告の効果などぞっとしない内容もあるが、最後に前向きな発言があるのが救い。自覚できるところだけでもコントロールすべきとは思うが、それができたら苦労はしないかも?
サブリミナル効果といえばなんかすごそうに聞こえますが、評価条件づけって実際に実験を行ってもなかなか有意差が得られないんですよねぇ。理論と実践は違うものだなと痛感させられます。巷ではサブリミナル効果という理論だけが一人歩きしているような気すらします。実際にその効果とはどの程度の効力を持つのかを明らかにせずに。
サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代の
%
感想・レビュー:42件















ナイス!































