エレンディラ (ちくま文庫)
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エレンディラの感想・レビュー(375)
砂漠の土埃や蟹の足音、汚れた海水に瑞々しいオレンジ。今までに無い幻想文学体験でした。幻想といえばヨーロッパの旧市街と勝手にイメージしていたので新鮮でした。南米文学はまりそう……「大きな翼のある、ひどく年老いた男」がお気に入り。
初南米文学。家の中に蟹が山のようにいるという最初の一文。風土の違いにわくわくし、心が一気に空想の南米へ飛ぶ。日常の中にすっと異界が交わるのに違和感なく再生されるのが楽しい。いつの時代の判別できない、おとぎ話のような荒唐無稽さがちょっと水木しげるっぽい。と思ったら子どもの頃お祖母さんに昔話をさんざん聞かされたそうだ。南米にものんのんばあがいた(笑)いい匂いの文章というのはあるのだろうか。透明な薔薇の香りがずっとあとを引く。
お祖母ちゃんマジ不死身。これも、おとぎ話っぽさと思えばなるほど。好きな話は「この世で一番美しい水死人」。「失われたときの海」もそうだけど、映像で見ているかのように美しい。幻想的ってこういうこと? また描写や台詞がかっこよく、エレンディラを入口にラテンアメリカ文学にのめり込む人が続出するのも大納得。
不思議と嗅覚に訴えてくる作品でした。 薔薇の香りとかオレンジの香りとか。海の香りとか。こういう作品、好きです。
mayuri(Toli)@灯れ松明の火
わっ、わざわざコメントありがとうございます! この不思議な幻想感、いいですよね♪わたしもすっかりやられてしまいました。こちらこそ何かお勧めがあったら教えて下さいね! 幻想文学ラブですー。
ナイス!
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02/09 17:40
わっ、わざわざコメントありがとうございます! この不思議な幻想感、いいですよね♪わたしもすっかりやられてしまいました。こちらこそ何かお勧めがあったら教えて下さいね! 幻想文学ラブですー。
ナイス!
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02/09 17:40
はじめてのガルシア=マルケス。というかはじめてのラテンアメリカ文学かも。いざ読んでみると難易度高いなあ、と思いました。短編6編のうち、少しでも理解が追いついたのは半分くらいで、あとの半分は正直さっぱりわかりませんでした。その中で気に入ったのは「大きな翼のある、ひどく年取った男」と「この世でいちばん美しい水死人」かな。両方ともアイロニカルで猥雑で、どこか清らかなところが良かったです。中編の「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」は無垢というよりもどこか透明なエレンディラが印象的でした。
悪夢のような、童話のような。現実と幻想が溶け合い、悲惨と幸福は同居する。天使が捕獲されて見世物となる『大きな翼のある、ひどく年とった男』、苛烈なる祖母にこき使われ、挙句には娼婦にされた美少女エレンディラの不運な旅路『無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語』が特に良かった。
幻想的な世界と、人びとのどうしようもなさが描き出される、ラテンアメリカ文学っぽい短篇集。特に気に入ったものはなかったが、どこか後味の悪く、しかしかといって見なかったことにもできないような短編ばかりだった。
面白かった!特に薔薇の香りがする海の話が好きでした。ハーバード氏と潜った海の底で見る景色が幻想的。この不思議な世界にどっぷり浸かると帰って来れなくなりそうです。久しぶりに読み終わるのがもったいなく感じた本でした。
白鯨に例えられているエレンディラのおばあさんの不死身っぷりが印象に残った。それぞれの短編はゆるく繋がってるけれど、何回か出てくる行商人が特に良かった。
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」のオチにはびっくりさせられた。全体的に海=あの世のイメージ、天使は自然に地上に降り立ち自然に海の向こうへと帰っていくイメージがあり、幻想的ながらもラテンアメリカの風土的な生活と結びついたおとぎ話だった。
現実と幻想が融合していてどこまでも地続きだ。そして幻想は常識を蝕み、死はしばしばその重さを忘れてしまう。そこにすきま風として入り込んだのが美意識だろう。「この世でいちばん美しい水死人」、「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」がとくに美しかった。
面白い。短編集だが、それぞれどこか繋がっている。現実と幻想の交錯した世界は神話を読んでいるよう。死体を海に流したり、逆に海から突風が吹いたり死体や花の香りが流れ着くのは海上他界の観念の影響を受けていると思う。えげつない描写とともに所々ユーモアもある。「尻の穴から断末魔の音が洩れた。」は吹いたw
この本の各話で描かれる不思議は、唐突に、舞台に放り込まれたライトのようだと感じた。 それは、普段、眼に見えるのとは、違う角度から世界を照らし出す。 天使も、薔薇の香りも、幽霊船も、現象としては、ありえないのだろうが、 それにより、露わになる人々の願いや欲は、それまでの生活の延長線上にあって、リアルだ。 不思議は、世界を混乱させる異物ではなく、世界を成立させるために欠かせない要素のように思えてくる。 各話のタイトルが、謎々のようで面白い。幸薄い海と付かず離れず、起ち上がる鮮やかなイメージを堪能した。
著者の背景にある世界がどんなものかわからないので、筆者にとってこの物語のどこまでが現実的なものでどこからが幻想的なものなのか区別がつかないなーと思っていたら、後書きにもそう書かれてた。
幻想的な短篇集。ラテンアメリカの海辺の寒村や砂漠の街の、前近代的だがとても人間臭く、どこかおかしみのある人々とその暮らし。その描写は個別の人間というよりも、ガルシア=マルケスの中にある故郷のイメージ、あるいはそこに染み付いた神話や民話の世界のイメージに違いない。(と思っていたら訳者あとがきにもそう書いてあった)個人的には、随所に出てくる「海」と「死」のモチーフによって隠喩される「恵み」と「絶望」の分かち難い共存と、それを甘受せざるを得ない人間の儚さ、哀しさが心に残る。
天使や幽霊船など、あり得ないようなことが自然なこととして起こり、物語が進んでいく。でも世界の見え方としては紛れもない"現実"。物語をマジックリアリズムとリアリズムに分けて考えるのは、そのどちらに属する作品をも矮小化することになる。
ずいぶん間をあけながら読んだけど、「大きな翼のある、ひどく年取った男」が一番印象に残ってる。だってひどく年取った男に翼があるんだよ?
マジックリアリズムの手法で、夢と現の境界があやふやな、蒸し暑い物語が語られます。相変わらず、ぬるくて濃厚な赤ワインのようなお話の群れだなあ。寝たいけど眠れない今、良い悪夢を見たような気分です。
ガルシア=マルケスの短編ではここに収録されている作品群がとりわけ好きかもしれない。とりわけ「大きな翼のある、ひどく年取った男」「この世でいちばん美しい水死体」の美しさ。何に胸が詰まるのか説明のしようがなく必要もない奇妙な悲しみのようなもの。何より表題作が別格。これはもう何度読んでも本当に好き。ラストシーンが完璧すぎる。いや、エレンディラかわいいよエレンディラ、とかそういう駄目な視線だったりもするけれど、とにかく物語として私の中では完璧なもののひとつ。
面白かった。「この世でいちばん美しい水死人」はなんとなく日本的な空気を感じる話だった。表題作「エレンディラ」は「族長の秋」が好きだった自分にはあの面白いけど長くて読みづらい話がコンパクトにまとまった感じがして何度も読みたくなる話だった。毒でも死なないおばあちゃんやダイヤモンド蜜柑位なら実在してもおかしくないラテンアメリカの世界が好きだ。
例えば日本で、マンションを出た所に天使が横たわってたっていいし、惚れ惚れするほどの水死体が発見されたっていいけれど、それではこの惑わされるような魅力的な空気感はどうしても出ないと思う。出そうと思って出せるもんでもない、その場所、その土地が舞台でしか表現され得ない不思議で叙情的な物語にうっとりと酔いしれる。どの話も好みで、それぞれいいなぁと思うシーンはあるが、どうしてだろう、ブラカマンの「尻の穴から断末魔の音が洩れた」という描写が妙に心に残った。その音を聴いてみたい。笑ってしまうかもしれない。残酷だろうか。
南米コロンビアのノーベル賞作家・ガルシア=マルケスによる表題作を含めた7編を収める短編集。南米の作家さんはパウロ・コエーリョくらいしか読んだことなかったのですが、なんか同じ空気感がある気がします。総じてファンタジック。この一冊で一つの時代・舞台になっているようで読んでて不思議。個人的には「失われた時の海」「奇跡の行商人、善人のブラカマン」が好みですが、どれも甲乙つけがたい。必読必読。南米作家もっと読むべし。
暇なので再読。大きな翼のあるひどく年取った男、奇跡の行商人、善人のブラカマンが秀逸。そして婆の無敵さ加減は遊びすぎ。アウレリャノ・ブエンディーアもさすがにもっと人間じみていただろう。たぶん。
あーーーー、たまらんっ。南米のべっとり暑い砂漠の中、夢のように美しくどうしようもなく不幸なエレンディラの汗ばんだ肌や薄物に染みついた香の匂いまで文章から浮かんできます。ラストの凄惨さも賛否両論でしょうが私は大好きです。美少女はああでなくっちゃ!
べったりと纏わりつく熱気や悪臭、人間の醜悪な姿にあてられぐったりしながら読了。それでもこの魔術的な物語たちにすっかり魅了されてしまった。どの話も忘れ難い印象を残す。
「失われた時の海」の海底都市、海底にいる動かない海亀、それぞれ美しいイメージに囲まれている。何事もない、日常としてそれらを語る文体は時々海の彼方の死までも実体化させてしまう。
どうでもいいイシューとして、「いつ『百年の孤独』を読むか」というのがあり、あるいは「『緑の家』はどうするか」というのがあり、でも、ドストエフスキーの深淵から抜け出せず、夏目漱石も気になる折、嗚呼!丁度いい具合にこの短編集が目に留まり、ロシアのトスカにも疲れていたので、季節外れだけど、ラテンアメリカの砂浜や海、砂漠の世界を覗くことに。マルケスは、『ラテンアメリカの魔術的リアリズム』に属する作家で、ラテンアメリカを幻想的舞台装置として爛熟した人間の性を鋭敏な文体で表現し独特の世界を作る、ラテン的トスカでした。
へんてこな人物と摩訶不思議な物語の連続。読めばほわほわと酩酊状態に陥る。話はどれも好みで、一等好きな人物は「星の動く音が苦になって眠れないジャマイカの男」です。
百年の孤独と全く同じ読み方をしてしまった。個々のエピソードは面白いのだが、それが集まって一本の小説になるとき、これを何と表現すればいいのか? 「この世でいちばん美しい水死人」の問答無用の説得力が好き。
桜庭先生の読書日記で知っての購入。童話的でありながら残酷、けれど心に引っ掛かる。読書中も読了後も、えも言われぬ、不可思議な体験をしたような、そんな感覚がした。
エレンディラの
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感想・レビュー:100件

















































