吉原手引草 (幻冬舎文庫)
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吉原手引草の感想・レビュー(269)
それぞれの語り手が証言していく構成は嫌いじゃないので抵抗なく読めた。作中で幾度となく「女郎の誠と卵の四角は無い」と言われる通り、ミステリーと相性の良い「嘘」を吉原の内情と織り交ぜて描かれているのが新鮮だった。花魁と客という関係以外にも、吉原には色んな業種がいてあちこちで頑張る人がいたんだと知ることができたのが良かった。
「手引草」のタイトルどおり、虚構の世界である吉原の仕組み・しきたり、その世界を構成する様々な役割…などが、それを担う人々との対話(一人語り?)で、徐々に浮き彫りになっていくのがとても興味深かったです。「再ビ弁ズ」で、最初には語られていなかったことと共に、見方によって見えなかったことが見えてくることも、面白い仕掛けだなあと感心しました。
吉原の風情をすごく感じながら、どういった事件が起こったのかが、少しずつ、少しずつ明らかになっていく、落としどころもとても良かった。花魁の葛城は希有な人だ。
あちこち振り回されたけど面白かった。「気の遣い方が他人を使う者と他人に使われる者とでは大きく違う」という舞鶴屋庄右衛門の台詞が妙に印象に残った。
ひとりひとりの語り手の違った視点から事件の全体像が徐々にわかっていくので、読み始めたら止められず、ぐいぐい引き込まれました。歌舞伎・落語好きとしては、歌舞伎の籠釣瓶や助六やら落語の明烏、三枚起請などを思い浮かべて吉原の様子を想像しながら読むことができてとても楽しかった。見た目は華やかな花魁も、いろいろとあるのだということもよくわかる。
葛城花魁が何をしでかしたのか気になって何度ページをまくろうと思ったか…!最後の方に、核心に迫っていくとなると読む手が止まらなくなるほど面白かった。語り口調で吉原の文化を語られるのはちょっと斬新な気がしたかも。ともかく葛城花魁が…、凄い。
時代ミステリという頭があったので、読み始めは花魁葛城が何をやらかしたのかが気になったが、途中から事件そのものは気にならなくなる程、吉原の世界に引き込まれた。改めて知る吉原の作法や店に関わる様々な仕事。花魁をめぐる人間模様と各々の目から見た花魁の姿。後半からはミステリを楽しめる部分もあり、とても面白かった。
吉原の文化を楽しみつつ、その中で起こった事件を追っていく。鉄壁のディフェンスを引く吉原で起こった神隠しは不吉なのか、話し手がなかなかどうゆう事件なのかハッキリ言わずあやふやにする。それが途中じれったくもある。だが徐々に明らかになっていく事実は…まぁ閉鎖された村や島では強固な結びつきがあるから、意外とあることなのかもしれないね。
初は、恐る恐る読み始めたのですが、花魁葛城の失踪を周りの人に聞き込む形式で、話が進みます。吉原で働く女性達の過去やしきたりや運命等、しっかりと話し口調で説明してあって、面白かったです。 花魁と共に生活して行く様々な人間模様も有り、雅な風情も残しつつ、しっかりと、あ~そうだったのかと最後は、感動でした。こんな感じの作品は、古いけれど、新しい。斬新な感じがしました。最後には、花魁の口調を真似してみたくなる程、花魁葛城は、美しくて、魅力的な女性でした。
花魁失踪事件の謎を聞き書き形式で追っていく時代ミステリー。吉原という世界を解りやすく描きながら、多くの人物の語りを通して時代ミステリーらしい結末まで巧みに運んでいく。面白かった。第137回直木賞で、文藝春秋は北村薫に受賞させる気満々だったのに、うっかり候補作にこれを入れてしまったせいでこっちが獲ってしまい何とも間の悪いことになってしまったという逸話があるけども、まあシリーズ途中で半端な『玻璃の天』とこれが並べばこっちが獲るわなあ。
読み終るのがさみしいくらい読んでいて愉しかった。一ページめから読ませる。新町遊廓の作品を読んだことがあったけれど吉原は大きくて、江戸江戸している。派手だけれどしっとりした雰囲気が大好きです。とっても面白かった。また読みたい。
有吉佐和子「悪女について」と同じく謎の女と事件をそれを知る人たちの一人語りを集める形で構成される著者の直木賞受賞作。さすがと思わせる秀作。ただし私はどうしても終始「悪女について」が頭をちらついた。
楽しみながら吉原の入門書を読んでいるよう。 人を訪ねては質問するの繰り返しなのだけど、最後まで読ませる。 男と女の仲や、吉原のしきたりなどがめんどくせーと感じてしまう自分は、きっと粋じゃないのでしょう。
謎が謎を呼ぶ展開から始まり、あぁこれは全てが明らかになってから評価する内容の作品だなーと思ってましたら。それだけの描き方をしただけある、納得で圧巻のラストでした。ミステリ解決編のすっきりした味わいに、人間の志や哀愁を織り交ぜた終盤の展開は見事です。吉原の世界そのものの描写も綿密で脱帽。
聞きとり形式で書かれた小説。葛城の失踪の真相を探っているのだけど、なかなか話が解決しない。そんなもどかしさと花街に住んでいる人たちの役割に対する興味で、最後まで目が離せない小説だった。最後に真相がわかるのだけど、もうすこし葛城の心情が書かれていればなぁと思ってしまった。
どこまで真実を語っているのかわからない証言から浮かび上がる葛城の人となりと深まる謎に好奇心をかき立てられて、一気に読めました。江戸の町人、花街の言葉なども心地よくて良かったです。「亡八者:くつわもの(くつわ:遊女屋)」と「人として大事な八つの徳を忘れたもの」と言われた人たちの心の底を垣間見られた気分です。葛城曰く「人の心は深き井戸。身を乗り出して覗いても、暗うて底は見えぬもの」だそうですが。(^^; ミステリー仕立てだけど、謎解きだけがこの話の魅力ではないように思えました。
徐々に話が見えてくるけど、全体像はなかなか見えてこないのがもどかしかったです。最後の最後でようやくすっきり。読了後も余韻に浸ってしまいました。
様々な人物の談を通じて、事件の全容が見えてくる様が見事で鳥肌モノでした!物語の本筋の面白さもさることながら、舞台である吉原の華々しい雰囲気も楽しめました。
タイトル通り手引草となるような、遊郭や花魁の生き様や仕来たりを混ぜ込んだ小説。遊郭に住むor出入りする人々を話者として聞き取る形式で書かれている。花魁そのものを目的として読んだが、花魁よりは彼女たちを取り囲む環境、遊郭そのものを描いた感が多かった。序盤こそ右に左に転がるとも知れない話が、物語を経るにつれて紡がれていくその様、そして葛城花魁の人間離れした魅力にしっかりと引き込まれた。四角い卵と女の誠は、目にしようものなら真に魂消てしまいんすなあ。
珍しく(直木賞の)時代小説2連読 吉原、遊郭・・・ 私のイメージは恋と欲とのワンダーランド、傾城傾国の美女の手練手管に惑い、酒池肉林を貪り気がつけば丸裸 <(^_^; その吉原でナンバーワンの呼び声高い葛城花魁失踪事件、真相を関係者の証言で綴る衝撃のドキュメント(笑) 最後の最後で(途中ちょっと長かったけど)衝撃の真実が・・・ 天晴れでした。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(3)
- 11/18
花魁や遊郭の仕組みや設定がとてもナチュラルに文中に組み込まれていて、読み終えると吉原の情景や匂いがすっかり脳に根付いておりました。
著者の作品を読むのは2冊目。物語としては面白いが、ミステリーとしては後半が不満。前半に比べて、後半正体不明の聞き手に対して、口が軽すぎる。特に楼主、お大尽。廓ってもっと口が固いのでは?
直木賞を受賞し手話題になった頃は、難しそうで読む気にはなれなかった。しかし文庫化され、通勤用に購入。以外におもしろかった。手引草とあるように吉原のことが細かく説明してあるが、お話の中に上手に入り込んでいて、説明されていると感じない。ただ葛城の最後が残念。もっと粋な去り方はなかったのかと。
ひとりの人物を様々な登場人物が語る手法はよく見かけるが、物語の進展と共に語り部の話が次々と連鎖していき謎が解明される展開にも無理を感じず、ストレートに楽しめた。文章から漂う吉原の色彩、白粉の香り、煙管から漂うタバコのにおい、廓の中の人間模様などなど、まるで物語の中に入り込んだかのように鮮やかに伝わってくる。物語の骨組みは至ってシンプル(女の子が長年の思いを抱えてやっと…的な)だけど演出(時代とか吉原とか物語の組み立て方とか)がうまい感じ
忽然と消えた花魁をめぐる、人々の証言を次々に聞いていく快楽。今度は花魁自身の視点がよみたいなぁ・・・って、それじゃ「四角い卵と遊女の誠は無い」の通り、御話にはならないかしら?
堪能致しました。時代小説の楽しさ、そして徐々に明らかになる事実に読者が近づく展開、エンタテイメントここに極まれり。これだけの重厚な作品があることで、これからの小説の未来を期待したくなります。
艶やかな情景が自然と頭に浮かぶ感じ。最初こそ話の進み方に違和感を感じたけど途中からはするする読めたwやっぱり時代物、すきです。
花魁・葛城に関る人々の証言から失踪事件の謎が明かされる。蔵前札差・田之倉の弁で勢い付き、最後の詭弁弄弁嘘も方便←この題目が好き!でスッキリ。アリンス訛り良いなぁ。
吉原一の花魁葛城の失踪事件を調べるというストーリーラインに、現代人には理解のしづらい吉原の説明をうまく盛り込んでいる。まさに吉原の手引本。随所に見受けられる伏線も魅力的だ。
★5 すばらしい!!まだ読んでいない方は是非お読みください。江戸時代の生活・文化、吉原の伝統、勉強になることばかりでした。さらにコレがミステリー仕立てなんですから!複数の証人の証言から浮き彫りになる謎の正体。本当に面白いです。
お職の花魁「葛城」が忽然と消えた事件について、聞き書きして行く体裁。吉原の外側から内側へ、様々な役割の男女の話で紡いでいくからか、暮らしぶりやどんなことをどんな風に捉えるのかが活き活き伝わってくる。事件の種明かしより、吉原を巡る情景の切り抜きが際立って魅力的。
吉原手引草の
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感想・レビュー:95件

















































