廃用身 (幻冬舎文庫)
廃用身を追加
廃用身の感想・レビュー(232)
老人介護問題のルポだと思ってたら途中からの超展開にお稲荷吹き出したけど、最後まで怒濤の展開で面白かった。妙にリアリティがあって、展開もテンポも良かった。色々考えさせられる作品だった。
友人から借りて読了。老人医療や介護、それらを取り巻く環境について考えさせられる本。虐待などは実際に報道される以上にあるんだろうなぁ。Aケアと呼ばれる医療が実際にあるのかわからないけど、ちょっとグロテスクに感じる表現もあるので、苦手な人は注意。
知人の薦めで読んだ。始めはミステリーや話題作が好きな知人が、何故この本を薦めたのかさっぱり分からなかった。老人介護の現状を書いたフィクションだと思っていたからだ。無知な私はこんな治療方があるのか?と眉間にシワをよせながら、読むんじゃなかったと思いながら読んでいた。あまりにキツい内容だからだ。後半は一転してページを捲る手が止まらない。逆に気持ちが大分楽になっていった。主題が老人介護から主人公の医師そのものに変わっていたからだと思う。読み終わって今は、やはり読みたくなかった本かも…。フィクションで何より。
医者繋がり。なんかスゴイ小説読んじゃったーという感想。間違いなく面白く、手が止まらない。前半の文章に物凄い説得力がある。神秘的な体験談が載ってる何かの宗教のパンフ、その教祖が書いた入門書的な、平易な文章が展開され、これはいい、これはいい、と押してくる。一抹の気味悪さ。後半、Aケア叩きのマスコミの話が始まり、医師に肩入れしたくなるのだが、どうも「いい先生」だけでもなさそうな。最後までAケアの是非はわからず、今でも半分洗脳されている。もう上手すぎw ラストで一粒種に過酷な人生を背負わせたのは、作者がSだから?
グロくてすごく怖かった。老人医療の現場とかマスコミの対応とかとてもリアルでさらに恐怖をかき立てられた。切断ドクターとか宗教的なつながりとか週刊誌で書かれていたらひどい医師だと思ってしまうだろう。特養施設に少しいたことがあるものとしては、Aケアもありかなと思う。たとえば、指や肘の関節が固まっているため爪を切ってあげるだけでも大変で、切ってあげると必要以上に恐縮する人が多かったのを思い出した。手がなければ爪を切る必要がなくなるかなと思った。ただ、漆原医師の狂気から生まれたのであれば簡単には肯定できないかな。
老人医療において「QOLの向上と介護負担軽減を目指して廃用身を切断する」ことを考えて実践してマスコミに糾弾された医師のノンフィクション、とみせかけたフィクション(最初意味がわからなかった!) Aケアについては合理的でいいんじゃないの、と思わせられるのは恐ろしいことでしょうか。積極的に広めたいわけじゃなく選択肢としての存在は。うぎゃあ…と顔をしかめるような介護や老人の描写も現場で実際起こっていることなんだろうな。介護問題抜きにしても医師の精神精神状態の揺れや最後畳み掛けるような展開はおもしろかったよー。
難しい。漆原先生の言わんとすることはわかるし、その意義も納得できる。でも、それをあっさりよしとする事はできない・・・っていうか、してはいけない気がする。さりとて、差し迫った状況というのは現実あちこちにあるのだろうと思うと、良し悪しを考えてしまう事自体、私にとって今はまだ対岸の火事だからなんだろうな。読みながら何度か身近な事として考えてみたが、私自身がそうなった場合は切られる事を選ぶ気がするけど、親がそうなったら、「切って」とは言えない。でも、親が強く望んだら・・・。う~ん、難しい。とにかく難しい。。。。
発想としては美容整形や性転換あたりと類似の発想であるし、単純に美が目的の美容整形のケースよりは緊急性が高そうであるから、美容整形がありならAケアはありだと思う。本人の自由意志が前提になるけれど。作中で描かれた社会の反発は「普通ならざるもの」に対する排除の意識であるようにも思った。
最初は本当にノンフィクションと思っちゃいました。こういう療法もなきにしもあらずかなと。想像するだけオソロシイ。結局、この先生の間違った正義と理想かな。
何だかスゴイ本を読んでしまった。ふと手にとった「無痛」が自分的にツボにハマったからそれなりに期待して読んだけれど。このリアリティ、的確な表現力、医師だからこその専門的知識が凄く分かりやすく書かれててものすごく重厚、こういう本こそ傑作と言う気がする。多分誰もフィクションとは気づかないだろうな、読了するまでは。
この作品がフィクションなのか、ノンフィクションなのか一瞬解らなくなる。これ、最後の漆原糾等の著者略歴までも作品の一部としてしまうとは、久坂部さん芸が細かい。現場の人間レベルで考えれば、自分の意思で動かす事が出来ないどころか、不随意運動で邪魔をする手足は、必要ないのかもしれない。見た目の問題だけでAケアに反対するのは、介護に携わった事のない外野の人間なのであろう。本人のQOLの向上もだが、Aケアをする事によって老人虐待が無くなるのなら、一概にAケアは否定されるべきではないと思いました。
「Aケア」という被介護者向けの積極的な四肢切断をテーマとしたノンフィクション風の小説。現代の介護が抱える問題について「切断」による決定的な正しく切り口から挑んでいる。介護そのものが被介護者のみならず介護者や周囲の環境も含んだ上で成り立っているものであり、現代的な事情を考えれば「Aケア」を非人道的の一言で切り捨てるのはそれこそ現実から目を背けているように思われる。小説の顛末としてラストは決して爽やかなものではないが、ハッピーエンドで収めずに物議を醸すことこそがこの作品の意義なのかも。
「介護資源は有資源」この言葉がとても残った。いつかは介護する側、される側になる。両者を満たすケアの実現って何だろう。Aケアもありなんだろうか、といろいろ考えてしまった。
前に書いてる人沢山いるけどノンフィクションと錯覚する!あの最後の方のページ(見てのお楽しみ)は本当にドキリとする。高齢者問題は若い世代の課題。QOLねー、受験の時取替可能な身体みたいなテーマの文読んだな。鷲田清一の文章が読みたくなったよ。ルポ風のと小説風の二段構成が面白い。何が正義で、何が狂気か本人だってわからない。私は漆原嫌いじゃないな。
「廃用身」という言葉に衝撃を受けた。使い物にならなくなったら廃棄物という感覚が未来を予見しているようでぞっとする。麻痺した身体を不要物として切断するのか、自身の体の一部として付き合っていくのか。どちらを選択するかは、各自の判断でいいのではないかと思う。本書のテーマは介護社会への問題提起として意義深いが、ストーリー展開はそこまで引き付けられなかった。
暗い作品だという前情報だけ聞いていたので終始暗い話かと思ってたらAケア怖がっちゃダメだよ!みたいな漆原先生のいい話で前半が終了してなんじゃこりゃ別に暗くないじゃねーかと思ってたのに後半が…
わたしも認知症病棟がある病院で働いていたから、その現場の壮絶さが思い出され、高齢化社会の今、綺麗ごとだけで済まされないんだな…と思った。
敬老の日も近いので介護問題について考えてみよう、ぐらいなライトな気分で読んだら大失敗。今まで人がおもちゃのように殺される小説も読んできたけど、まあ小説だしと気持ちが滅入ることはなかった。でもこの話は精神的なダメージが大きかった。怖いわけじゃなく、良心や倫理とかに迫ってきて試されてる感じ。自分自身だったら?身近な人だったら?色々と考えてしまう話でした。構成もおもしろく、一気読み。ただ、謎の手紙の犯人の流れは惜しいというか、いらなかったかな。
廃用身というタイトルにどきっとする。漆原の目から見たクリニック、Aケアと、第三者の冷静な目で見たそれら。二部構成なのも面白い。漆原の隠れた性質とかラストなどは予想通りというかありきたりでイマイチだけど、この物語はそれに着目すべきではない。最初20ページだけ読もうと思って開いたら、時間が経つのを忘れて最後まで読みきってしまった。非常に面白かったし、興味深いテーマだった。
再読。気分を害すと分かっていながらも何故か惹きつけられてしまう一冊。個人的にこの作品は既にフィクションの域を出てしまっていると思う。いくら見ないフリをしていてもやがて確実に迫りくる未来…憂鬱どころの話じゃねぇ。
読み始めた時、「あれ?ノンフィクション本?」と思ってしまいました。医師作家だけにリアリティがあり、「廃用身」と言う言葉も初めて知りました。いくら効果があるとしても、感覚はなくても血の通っている手足の切断は受け入れがたい。しかし、もし自分が不自由な体だったら、どういう判断をするか・・・考え込んでしまう。いろんな面があった漆原医師。いい人でもあり、変人でもあったんだろうと思った。
まず、廃用身という言葉を初めて知ったのでショックでした。ただ、介護の現場は要介護者のボリューム←不適切ですが、でかなり負荷もかかると認識しました。うーん、目を背けてはいけません。
小説ではなく専門書の様な書き方で、ノンフィクションみたいに思えました。読んでいる最中に何度も錯覚してしまってました。ただ、現実的にアリとせねばならない時代なのかもしれないなと思います。メリット・デメリットを患者側がよく理解していくことが一番大切なのだと思います。
ノンフィクションなのかと思うほどの物語、もし自分がその立場にあったら、これはアリなのか?考えてしまいました。
介護に携わっているものとしては身につまされる問題です。実際にAケアが行われたらどうなるのでしょうか?身体のバランスという意味では少々疑問です。
老人介護への問題提議本。 作中本みたいになってて ノンフィクションとわかっていながらも 現実的で戸惑いそうになる。 介護する側から見れば 麻痺した四肢は、邪魔だけど Aケアしていいとは思わないけどな…。
途中までフィクションかと思うほどでした。医療に対する様々な問題を提起し、新たな解決法を見いだしたかもしれない思えるほどの1冊。しかし新米の医者は1年に1人くらい殺してるって記述はリアルだった・・・
読んでいてずっと胸がどきどきしていました。もしかしてこういうことが現実に起こりうるんじゃないか、漆原は本当に純粋に介護現場のことを思ってこれをやったのか。内容があまりに現実的すぎて、不安を煽られる作品でした。面白いか面白くないかと言えば面白いけど、もう一度読めと言われたらきついかも。
前半は非常に面白かった、Aケアに関しては可能性を感じた。後半は重いテーマを無用にいじくり倒しているように感じて読むペースが落ちた。盛り込むエピソードの数を1つ2つ削った方が純粋に楽しめたと思う。
【図書館】誰もが直面するであろう老人介護について、麻痺した手足を切断というAケアが衝撃的。介護現場を綺麗に書いていないところが良点でした。確かに介護する側も効率的に介護でき、介護される側も気負うことがなくなり一石二鳥の方法にはなりますが、しかし本当にそうなのだろうか?と疑問に思いながら読みました。この本は今まで見ないことにしたり、先送りしてきた問題を早く考えて取り組めというメッセージだと感じました。世間の対応方法も非常に興味深かったです。
廃用身の
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