火の粉 (幻冬舎文庫)
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火の粉の感想・レビュー(894)
【再読】雫井脩介を初めて読んだ作品で、彼の最高傑作。(だと思う)じわじわと迫ってくる恐怖が秀逸。それ言っちゃダメ!そこ見ちゃダメ!表情に出しちゃダメ!などなど、危険フラグがたくさんあって、とにかくハラハラドキドキ。新しめの雫井作品は微妙だけど「火の粉」以前のものは「白銀を踏み荒せ」も含めて面白い。そろそろ「火の粉」級のパンチのある物語を読みたいところです。
ゆっくりと、しかし確実に忍び寄る恐怖が次第に姿を現していく。普通が異常に変わってしまう恐怖というのは、すぐ背後にあるごく身近なモノのように感じてぞっとしました。分厚さに最初はちょっと引けを感じましたが、いろんな視点、感情があり、案外あっさり読み終えてしまいました。オススメ出来ます。
文章がすんなり入ってくるので、分厚い本にビビっていたわりには早く読み終えしまった。人間の鬱々した影を読み取れるので、怖いのに次が気になる…ノーマークの作者さんだったので他の作品もこれから注目です。
先が気になる恐怖で一気読み。俊郎は能天気で人を見る目が無いのに無駄に知識があるから始末が悪い。それに比べて雪見は凄い。面白かった。
気持ち悪〜い感じ。犯人がわかっているからこそ、もどかしく、いい意味でイライラ、モヤモヤさせられる。ホラーじゃない恐さがたっぷりな一冊でした。
怖すぎでイッキ読み!殺人鬼が無罪判決のために世に解き放たれる。このようなケースが実際にどれほどあるのかはわからないが、あるとすればこれ程怖いことはない。野見山が言っていた「捜査当局にとって冤罪者である彼はジョーカーですよ。我々は一度お手つきをしてしまった。二度目は許されない。」という言葉が心に突き刺さる。一度解き放ってしまった悪魔武内に周りは触れそうで触れられないまま、事態は深刻なものとなっていく。そのことが、とてももどかしく、おそろしかった。
すごーく嫌な気持ちを味わえる一冊でした。読み進めていくうちに苛々が溜まってくるのですが、色々ありすぎて何に対して苛ついているのか自分でも上手く理解出来なくなりました。終盤の「奥さーん!」が非常に怖かったです。俊郎さんを見ていると、やっぱり人の話は真面目に聞かないとなぁと思います。一方からでなく、双方から。
一見普通の人間の中に隠れた狂気が怖すぎる。怖くてページをめくる手を止められなかった。当初主人公かと思った元裁判官の勲も、鈍すぎる俊郎も影薄すぎで、妻の尋恵や嫁の雪見に感情移入しまくって読んだ。「三万円」って・・・そんなこと言われて慰められたら無条件にいい人って思ってしまう。育児に悩む雪見のさまも自分に重ねて読んだ。有り得ない設定だけど、こういう心理描写が丁寧だから引き込まれるんだろう。雫井さんの力量に感服。
凄い怖い作品。ミステリーというよりサスペンス色が強い。冤罪から一転、無罪判決を受けた男が判決した元裁判長の隣に引越してくるが、それ以降、元裁判長の家には変な事件が起きるようになる。その事件を巡る家族の心理描写が絶妙で、徐々に追い込まれていく様が何とも怖く、巧みな書きっぷり。
本の厚さ、長さを感じなかったです。全体にイヤ~な雰囲気を醸し出し、徐々に怖さが迫ってきました。怖くて止められない!でした。ホラーじゃないのに。
武内コワいですね、武内の異常さといい人間が持っている深層心理みたいなものだと思うんだけど本当に薄気味悪くて読んでいて気持ち悪かったですね、人を裁くことがこれほど難しいんだなって思いました。裁判員制度の始まった日本、アメリカとかは目撃者など保護してくれることもあると聞いたことがあるが裁く側が逆恨みなんてことになったらどうなってしまうのか今の日本ではたぶんそんなことこれっぽっちもおもってないんだろうな。
いい意味で気持ち悪~い話だった。好きだわこういうの。武内の異常さって人間が持ってる深層心理みたいなもんだと思うんだよねー。気持ち悪いながらもなんか共感出来る気もするし。俊郎のほうがよっぽど気持ち悪いよ。なにアイツ…。どうにかして謝らせたい気持ちでいっぱいだったけど、最後どうしたんだろ。
48点 じっとりとした薄気味悪さ。こんなのが隣人だったら、そら怖いですわ。 勲さんのチンタラぶりにイライラしだしたときにはもう、作者の術中にはまっていたんでしょう。『尋恵さんに3万円』が忘れられません。
知人からの薦めで読みました。人を裁くことがどれほど難しいことなのかを考えさせられました。冷静に事実だけを見たとしてもそれもまた一側面からしか見えてはいない。別の方向から見たら、違う部分が見えてきたり。善意の裏に何かがあるとは思いたくないけれど、行き過ぎた感情は恐ろしい。でもこの小説のラストは、清々しくもあり、梶間家は大丈夫!と思えることで救われました。
まず題名を見てアスカの『降りかかる火の粉は払いのけるのが、あったり前じゃない!』を思い出した。あったり前ですよね。話は元裁判官・梶間の家の隣にかつて自分が無罪判決を下した男・武内が引っ越してきて…という感じ。最初は武内は本当に無罪なのかそれとも有罪やったのか…って半々ぐらいの気持ちやったけど途中からはもうぐいぐいくる武内が怖くて怖くて仕方なかった。殺人とかに繋がらんくてもこういう人は怖い。俊郎が馬鹿すぎてイライラした。
親切な隣人をいちいち勘ぐりたくなる作品。いわゆる「距離なし」さんかあ…。隣人はいわゆる「異常者」とは違い、一見社会に適応しているし、深く付き合うまでは人当たりのいい善人として描かれており、この状況で本質を見抜き、引き返せるラインを超えないのは不可能であるように思える。しかし一般的には「異常」とされるような衝動性や執着を持っており、ほんの少しだけしかみせないから、異常の発露に敏感な人間にしかわからないのだと思った。
みょ~に親切で不気味な隣人。しかも偶然なのか過去の間接的な繋がりが。偶然なのか?意図的なのか?私だけが知ってしまった秘密。じんわりと怖さを感じるスゴイ作品。
客観的にみるとおバカな家族だなとも思うし、裁判官なんて得てして世間からずれているからこんなのにだまされちゃうんだよと言う感じ。ある意味老人を狙った詐欺と共通する部分があるような気がする。殺人まで行って、だましきれちゃうところが異常と言えば異常ですが。「消された一家―北九州・連続監禁殺人事件」がこの小説の現実版ということなのかな?現実にもあるということで、隣人といい人すぎる人には気をつけなければ。やっぱりタダより高いものはないということなのかな?出てくる男がみんなムカついて、頼りないのは何故だろう?
600ページ近くもあるのに、展開が気になって、一気読みしてしまいました!疑惑の人物・武内は、私の頭の中ではすっかり佐野史郎さんになっていて、昔流行ったあのドラマにハマった私には、読みやすかったのかもしれません。絶大な信頼が、徐々に嫌悪に変わって行く過程や、平和と恐怖が絶妙なバランスで描かれていて、ぐいぐい引き込まれました。上手い!
「犯人に告ぐ」「犯罪小説家」に続いての雫井作品に挑戦。 怖かった。。 人ってこんな風に考えることができるのかと思うくらい。 保険金殺人の闇を描いた貴志祐介さんの「黒い家」に似た怖さだったな。 頁を手繰る手が、怖さであまり進まない漢字。 誰もが接する人間関係 正常と異常の境目はいったいいつからできて 異常な人はいったいどうなっていくのだろう。。 また異常って誰が判断するんだっ?! 一歩間違えれば普通に周囲にありそうなことで 怖い話でした。
それほど作品数の多い作家さんではないですが、自分の中では今のところ雫井さんの最高傑作。 フィクションだとわかっていても、実際の事件を小説にしたかと思うほど、リアリティ溢れる心理描写が恐怖を呼びます。「不気味な隣人」というだけの物語なのに、これだけ夢中になって読んでしまうとは・・・。 この作家さんは、とにかく心理描写が巧み。主人公は女性なのに、男の自分でも怖いほど感情移入できてしまった。「家族の中で自分だけが、隣人の異常さに気づいている」という恐怖を見事に描き切っている傑作だと思いました。
引退した裁判官の家の隣りに、以前の殺人事件の裁判おいて無罪を言い渡した元被告が引っ越してくる。急激に深まる隣人関係、過度と思える好意を寄せてくることに疑念や違和感が生じ、しだいに恐怖へと変質して緊迫感がよい。
大学2年の夏休みに読了。個人的には雫井作品の中で最高傑作だと思う。武内、実際にあんな人がいそうでほんとにこわい。誰にでも起こり得るような狂気。ラストスパートのたたみかけるような、けれどもじわじわとした恐怖感がたまらなかった。あと、雫井さんは女性の感情を描写するのが本当にうまい。ひろえの介護や義理の母とのやり取りでのあの悲壮感というか、底意地というか…主婦という一種の職業の苦悩が手に取るようにわかった。
長い作品なのに夢中で読んでしまいました。こんな人怖い…と思いながら、こんな人現実にいそう…とも思ってしまいました。ちょっと嫌なのは、雪見さんの旦那、俊!なんで自分の妻をきっちり信用しないのよ!!
始まりから引き込まれて最後までその勢いのまんま読み終わるかんじ。 読みながら怖いーって言っちゃってた! 親切の押売り、自分の思ったとおりにならないと駄目な人って意外といるよねぇ。
隣人の狂気という、誰にでも起こりうる危機を臨場感豊かに、非常にリアルに描き出しているため、サスペンスというよりはホラーに近い。600頁近いボリュームがありながら、サクサクテンポ良く読め、あっという間に読みきってしまった。これは日常に起こる非日常を、見事にエンターテイメントに仕上げている作者の力量だろう。この作者の他の作品にもチャレンジしてみたくなった。
武内の狂気じみた感じの表現力が素晴らしかった。押し付けの親切、媚び、異常なしつこさ…。けれど最後まで雪見を信じようとしない俊郎と、ぐずぐずやってる勲にかなりイライラ。けど最後で武内に攻撃されたり、裁かれたりでちょっとスッキリ。このような読者のことを考えてのことなのか?いや考えすぎか(笑)鳥越はかなり重要なキーマン。武内の幼少期にはびびったけどさらにのめり込んでいった。好み:中の上。残。
<4>あたりからエンジンがかかり始め、ラストまで一気読みでした。見返りを求めるなというのも無理な話ですが、武内怖いですね。私達も一歩間違えれば彼のようになりかねないと思うと尚更です。勲は辛うじて家族を守ることが出来ましたが、最も可哀想なのは池本夫婦。とくに杏子は義妹一家を殺され、夫まで奪われ、武内に苦しめられた一番の被害者ではないでしょうか。人が人を裁くことの難しさを改めて感じました。
元裁判官の隣に過去に無罪判決を下した男が越してくる。男は元裁判官に感謝し親切に接してくる。しかし元裁判官の家庭に奇妙な事が起こり始める。面白すぎて寝不足になりながら読みました。前半じわじわ、後半ハラハラどきどき怖すぎる。キレた時の武内の「ふんんんんっ!」が最高に怖かった!結構なホラーでした。
普段は登場人物の誰かしらに自らを重ねたり、感情移入するものだけど、この本では誰にも共感できなかった。だからといって内容がおもしろくない訳ではなくむしろ逆。これだけ好きになれない人物ばかりが出てくるのにストーリーに引き込まれるのは不思議。
なんとなく内容知っていた。ドラマかな?忘れたけど。勢いある展開で、3人の殺人容疑で自白までしていた武内を、自らも負った傷が不明点となり無実を言い渡した裁判長梶間。時を経て梶間の隣に武内が越してくる。武内の行動の怪しさ気持ち悪さに嫁の雪見だけが注目したが、梶間も不信に思い、武内の過去を調べていく。武内の生い立ちや性格から殺人を犯してもおかしくないと気づくもすでに家族は武内の手の中にいた…。武内のような人間が近くにいたら、人は知らず知らずのうちに、武内から危害を加えられてしまうのかもしれない。
スピード感あふれる小説でした。ぐいぐい引き込まれ一気に読んじゃいました。面白かったです。 ただ、よく分かんないのが二つ。義母さんが襲われたのはなんで?池本が襲ってきたことにするため?それとラストで雪見と俊郎の仲が復活してるっぽいけど雪見はよくあれだけ突き放した俊郎を許したな~って思ってしまうんだけどなぁ。
後半はハラハラしっぱなしでした…
とにかく先が気になってしかたがない感じ。
気がつけば連日深夜…
善意の押し売り→理解されないと逆ギレ
現実にこんな隣人がいたら怖すぎますね。
「狂気の隣人」だけだと凡庸なミステリーで終わるところですが設定が秀逸。更に生々しい人物描写と相俟って実に引き込まれる一冊。設定を活かしたラストが御見事。
火の粉の
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