不連続の世界
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不連続の世界の感想・レビュー(732)
ミステリー?ホラー?分類に悩む連作短編。不思議な出来事に何故か遭遇してしまう多聞。一見関係ないと思われる事柄が事件解決の糸口になる。その流れは見事。また風景描写がしっかりしていて画が浮かびやすいので、一冊の中で四季を堪能できる。
こういうホラーを書かせたら恩田陸の右に出る者はいない。「本当に恐いもの」とは、当たり前だと思っていた日常の中に、そこにある筈のない異物が混じっていることに気付いた瞬間なのだ。でも個人的に一番恐かったのは、『木守り男』に出てくる夢の話だったりする。
『麦の海に沈む果実』を読んだ後だったので軽い感じで良かった。『月の裏側』も読んでみたいわ。「砂丘ピクニック」の中に小倉の松本清張記念館が出てたので嬉しくなった。うちんちから車で一時間くらいで行ける場所が出てきたことでテンションあがった(笑)前通るだけで行ったことないけどねぇ。今度、行ってみたいと思う。
「月の裏側」の塚崎多聞が主人公、短編集。 *「木守り男」は夢の話が良かった。 「悪魔を憐れむ歌」は『暗い日曜日』を聞いてみたら、イントロからしてかなり不気味でした…。 「夜明けのガスパール」はいきなりそんな方にいっちゃうの!?と途中ちょっとびっくり。でも最後まで読むと納得。 *どのお話も少し不思議で少し不気味な感じ。恩田作品のこういう雰囲気が本当に好き。あと、旅のお話も。こういう旅がしたいなぁと思わせてくれます。
塚崎多聞を主人公にしたミステリー短編集。見る悪いことが起こるという「木守り男」、聞いた人が死ぬという歌に関わる「悪魔を憐れむ歌」、自分が撮影隊を見ると誰かが死ぬと言う青年の話「幻影キネマ」、砂丘の地で起こる消失ミステリー「砂丘ピクニック」、夜行列車の中で友人たちと夜通し怪談をする「夜明けのガスパール」の5編。「月の裏側」は読んだのに細かいところはすっかり忘れてて、確か未消化な雰囲気が残った気がするのだけど、この短編集は「月の裏側」のような不安感を持ちつつ、最後はちゃんと着地できたので、すっきりしました。
塚崎多聞主役の短編集。
すべての作品、面白く読めたが最終話ね「夜明けのガスパール」が秀逸。
流石、恩田陸!というちょこっとホラーな不思議な世界観に溢れている。
塚崎多聞の連作5編。そう、これよ、この位の濃さが恩田氏の作風をキリッと際立てると思う。00年の長編「月の裏側」では引き延ばし過ぎで大味というか薄味になってしまった。さて、ヒトって興味深いね。本書収録作品の「幻影キネマ」では、ミュージシャン保を積年の屈託から解放した多聞だが、「夜明けのガスパール」では自分の内面を直視できずに現実逃避してしまい、気の置けない友人たちの世話になる。押しかけ女房的なフランス人の奥さん、異国の地で心労があっただろうけど、多聞を愛する人柄が偲ばれる。皆さんの感想にナイス。★★★★☆☆
再読です。バブル全盛から崩壊の瞬間前のことを書いた「木守り男」の登場人物、田代が故、尾崎豊氏に思えてなりません。個人的には覚えのある冷めた感情を思い起こす「悪魔を憐れむ歌」がお気に入りです。「中庭の出来事」で登場した女性版コロンボの楠巴が登場しているのが嬉しかったです。「夜明けのガスパール」の友情には濃密な友情を築けない者としては少し、羨ましくなります。あそしてお尋ねしたいことがあります。「象と耳鳴り」でも紹介されていた日影丈吉氏の赤い犬の作品が読みたいのですが心当たりのある人はいませんか?
ホラーのようなミステリーのような、日常の不思議な出来事。不穏な空気が漂っている話なのだけど、主人公の人柄によりユルい雰囲気が出てるという面もある。って思ってたのに最後は予想外でビックリ。そしてところどころでゾクッとしました。砂丘ピクニックに出てくる巴って、同じような設定の人物が別の話で出てきた気がするのですが(中庭の出来事?)、同一人物ですかね。
『月の裏側』が好きだったので、同じ雰囲気を持つこちらの作品も楽しめた。短編集なので、気負わずさくさくと読めました。作中の歌詞の怖さと山の音に対する畏怖でなぜか背筋がぴんとなる「悪魔を憐れむ歌」が怖かったなあ…。「木守り男」で田代の話す夢の話がとても奇妙で(夢は大抵奇妙なものだけど)面白いなと思った。内容とは関係ないですが、恩田さんの本は装丁がいつもとても好みで、そういう意味でも本を手に取る楽しみが増えます。
読了までおおよそ1時間半、あっさりした短編集。
恩田陸のさらりとした文体はとても読みやすいし、とらえどころなく、「開いているのに閉じている」多聞のキャラクターが非常に身近に感じられる。
個人的に好みなのは、「悪魔を憐れむ歌」と「夜明けのガスパール」。時点で「幻影キネマ」。
ところで、「夜明けのガスパール」の黒田の3つ目の事件が気になってたまらないのだが。それとともに背表紙に記載されているあらすじはちょっと反則じゃないか。確かにそれは本文に記載されているし、「えっ」となるところでもあるし、だけどどうなのか
日常に紛れる奇妙な出来事に、ゆるゆる関わる雰囲気が好きです。実際、他人の日常の一部分を積極的でなく通り過ぎたら、こんな見え方だなぁ。似た雰囲気で話が続いた後、最後に表裏が逆になる感じも面白いです
多聞さんのちょっとユルイ感じ、良かったです。怖い話をぬるくしてるような?みんなのコメントにもあるように最後の多聞さんにはちょっとビックリ。人ってちょっとした物事とかで変な思い込みしちゃってそれがとんでもない事になったりするんだな~結構弱いものなのかなって思ったよぉ。友人ってスバラシイね☆
レンタル。読みながらゾッとする怖さがある本。著者の本の言葉が好きです。短編集で、日常の軽すぎなく深すぎもない話が面白かった。特に短編最後の話の「夜明けのガスパール」が印象的で、主人公ってそんな人物だったの??て驚いた。
久々の多聞。茫洋としたキャラクターは健在。そして、不可思議な世界に引き寄せられる体質も。恩田作品中で一番好きなキャラクターかも知れない。
ちょっと怖い。恩田陸はゾッとさせ方が上手だな。ちょっとじゃないな。結構怖かった。日本各地の観光地を背景にしているのでその描写も興味深かった。
月の裏側がすごく気に入った内容だったので、丁寧に味わって読み進めました。短編もいいですねぇ。行ったことがある場所が多かったので、舞台の細かいところまで想像できて自分がそこにいるかのような不思議なリアリティーがありました。この作者は、よくもいろんな怪奇をつつき出してくるもんだ。すべてが憶測でしかないけど、単純に、考えることは面白い!と思わせてくれる一冊でした。最終話では、主人公の多聞が今までとは一変、生身の人間であることがわかり、なんだかホッとしてしまいました。捉えどころなさすぎると不安になりますよね...
今まで読んだ恩田作品の中では、ホラー色が強い短編集。「悪魔を憐れむ歌」と「幻影キネマ」はゾッとさせられ、「夜明けのガスパール」ではどこか現実離れした主人公の事情が明かされる。日常の中にふと現れる暗さや残酷さを風景の美しさが際立たせていて、魅力的な短編集でした。「月の裏側」も読みたくなりました。個人的には「中庭の出来事」に登場した巴が出てきたのが嬉しかったです。
柳川の事件より前の話かと思えば後の話なんですね あんなことがあった後に普通に暮らせるのか?ていうか同じ福岡の小倉なんて怖くて行けない気がするけど…不連続だからいいのかな? 全体的にムードがあっていい気分で読めていたけど、個人的には最終話がいただけない 「幻影キネマ」が一番好きだった あと、ズームアウトの意味間違ってるのが気になって仕方ない(苦笑)
再読。 多聞の話は一冊にまとめるよりも、一冊の短編集に一話ずつ入っていたほうが良いんじゃないかな。 そしたらこんなに唐突な印象は受けなかった。
無意識のうちにすることってよくありますよね。自分のなかで迷信がかっているような。実は自分の迷信に嵌まっていたりしませんか、ってお話。個人的には木守人の話が好き というよりも作中の夢の話が好き。
SF?ホラー?な短編集。同世界観の『月の裏側』よりもよっぽど取っ付きやすかった。物語を象徴する「夜明けのガスパール」が凄く良いので、本を閉じたときに読んで良かったな、と思えた。
ミステリーなのかホラーなのか、と問われれば、恩田ワールドだとしか答えようがない。恩田さんの作品の中でも、比較的わかりやすい構成。他の作品でも、旅をする、歩く、という場面が多いが、本作でも同じく旅をするし、歩く。なぜここまで歩き続けるのか、歩くことでなにを表現しているのか、残念ながら答えは導き出せていない。ただ、歩くことで、日常の中の非日常を強調していることは確かだと思う。表と思っていたことが、実は裏だった。さらに、それを知らなかったのは自分だけだった。これほど怖いことはない。やっぱり、ホラーだ。
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