愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える (光文社古典新訳文庫)
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愚者の感想・レビュー(128)
実家帰省中に所蔵していた本を再読。この本を読んだ後、ジャン・パトリック・マンシェットの作品を貪るように読んだ思い出があります。殺し屋で胃痛のトンプソン、精神病院に入っていたジュリーなど魅力的な登場人物たちがいっぱいで暴力的なのに詩的で淡々とした描写で描き切っているのでクールです。説教師に向かってジュリーが言ったヤジが好きです。人生は愛で解決できない問題もあるのですが皆は愛が絶対だと信じていることを皮肉っているので面白いのです。あのペーテルも大きくなって(笑)大好きだな~^^
淡々とした描写は好きだけれども、淡々としすぎて人間に人間らしさを感じなかった。そこがこの小説の魅力かもしれないけど。足りない部分は想像力で補うべきだったのかな。
訳者の中条さんが解説で書かれている「行動主義の小説」に納得。暴力シーンでも登場人物たちの行動のみが描かれているのだけれど、その登場人物の気持ちが伝わってくるから不思議。殺伐としているが、人間らしいと感じてしまう。トンプソン氏が好きでした。またマンシェット氏の小説を読みたい。
人物の内面には深入りしない。徹底した情景描写。 フエンテス生きててよかったね。そして最後のぺテールの不気味さ。 物の固有名詞が多かった。おかげで勉強になりましたとも。
昔、マフィアが出てくるドンパチものの映画を見て、ニガテだと感じたけれど、書物においてもそうなんだと実感。裏表紙に「殺人と破壊の限りを尽くす」とある通り、暴力描写が多く・・・(><)
フランスで推理小説の賞を受賞したと書いてあったのだけど…。推理どうこうの話ではなく、ひたすら暴力による解決(?)が試みられる。ヒロインの行動は理解不能だし、それを追う殺し屋たちも「もっと要領よくやれよ!」と思ってしまう。それでも不思議な魅力で読ませられてしまった。
訳者の中条省平が書いている通り、ストーリーだけ取り出したら破天荒な話にしかならないのだが、マンシェットはこのストーリーのなかでひとりひとりを丁寧に書き出していく。しかし、それも一歩間違えてしまうとただの変人でしかなくなってしまう。現に映画化されたらしいがそれはひどいものだったらしい。
淡々と語られる滅茶苦茶な展開に、なぜだか引き込まれてしまいました。破壊と破滅に向かって憑かれたように突っ走る、壊れまくった登場人物たちに、いつしか共感している自分にびっくり。 そしてクライマックスの不思議な美しさ。短いセンテンスを連ねて、どちらが善でも悪でもない、ほとんど意味のない殺戮の応酬が、乾いた透明な筆致で詩のように描かれます。
どこか妙に乾いている話でした。主人公の女性には、感情移入するしない以前に、共感する対象としての統一した人格が存在していない。もっとハードかつドロドロな話を期待していて、期待は裏切られたが、奇妙な後味を残しました。
古典新訳文庫でこのタイトル。。。はい、完全にアホが主人公の寓話系か不条理系だと思ってました。マンシェットは70年代ノワールの大家だったのですね。またひとつ勉強になりました。ジム・トンプスン作品などよりもさらに感情移入を排し、推理要素や策謀などもほったらかしで、ひたすらクールに展開する血みどろさが面白い。処女作のタイトルが『死体なんざ日干しにしておけ』っていうのがまたそそられるなあ。。。
古典というカテゴリもミステリというカテゴリも違う気がしますけれど 風景だけヨーロッパの香港アクション映画を観ている様で大変面白かったです。
新訳とはいえ“古典”の二文字がついていたら、少なからず真面目で堅苦しいお話を想像してしまうのですが、場面が展開するごとに殺人と暴力が描かれて、後半なんてホントに血腥い。びっくり仰天です。
初めてのネオ・ポラール。ヒロインが誘拐されて脱出するのはよくある話。けど、あれ、このヒロイン、一般人を殺して車うばってんぞ? そこから転がり出すは阿鼻叫喚の人間災害。追う者追われる者、どちらも取り返しのつかない傷を負うのも新鮮。みんな死に様がすっきりした描写なのが怖く、そして映画のようにきれい。守備範囲外の小説も読んでみるものね。
すごい!この疾走感に息も絶え絶え、やばいアクションに心メロメロ、クールなストーリーにため息をタップリ、マンシェットの才能に呆れ返って茫然自失。
1972年の作品なんかを「古典」扱いしてしまって良いのか? こういった作品は、河出書房が現在刊行を続けている「世界文学全集」が「池澤夏樹選集」であるように、将来的に「中条省平選集」を出す折りにでも、こそっと入れるのが適当でしょう。「古典」の価値とは何より、時の淘汰による普遍性だと思うのだが?
これは傑作。スピーディーな視点・場面の変化、緊密な構成で読者に息をつかせない。スーパーの乱闘シーンなど、視覚に訴える文章は、まるで映画を見ているかのようだ。久々に時間を忘れて本を読むことができました。古典新訳文庫、頑張れ!
哀しくて、寂しくて、そして痛い、スピーディーなバイオレンス。ヒロインに、映画「トゥルー・ロマンス」のパトリシア・アークエットをちらっと思い出したりした(違うか!)。
シュールなノワール。感情的になりすぎずクールな感触。狂ってそうでない人間ほど狂っている。しかし、ここまで破天荒なヒロインも珍しい。
「地獄の季節」?と思って読んだ。ある意味あってたが大筋では違ってたwが、良い勘違いをしました。ぬげーかっけー。私が昔なりたいと思ってなれなかった女の子がここにいました。ジュリー!(樹木希林風に)
スピーディで緊張感があり、良い。ただイカれた人間が多すぎて、どこに感情移入していいか分からない。中条さんの訳はやっぱり好きだぁ
【7.5点/10点】スリリングかつスピーディーで、こんなに面白い作家が歴史に埋もれていたなんて、損失だとさえ思った。最近伊坂幸太郎氏の小説をたまに読む。彼の作品はスピーディーなどと呼ばれているが、この作品に比べればまだまだだとも思う。とにかく皆狂ってる。分かりやすい狂い方ではなく、正気の仮面をかぶった狂気。でも仮面は透明、狂気丸出し、みたいな。非常に参考になった
本屋で書き出しを読んで、「あ、これは絶対面白いな」と確信した小説。案の定、面白かった。愚者(あほ)たちによる狂気の輪舞。気違いじみた登場人物や緻密なプロットも凄いけど、なによりスピード感溢れる文章が最高。アドレナリン出まくり。それにしても、殺し屋よりヒロインの方がいかれてるってのもすごい。
愚者の
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