秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)
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秘密の花園の感想・レビュー(152)
子どもにとって良いものは大人にとっても良いものなのだ、と改めて気付かさせてくれる作品。物語の細部が実に良いのです。コマドリと友達になるくだり、お屋敷の奥から聞こえてくる泣き声、クッションに住み着いたネズミの家族、秘密の花園に春が訪れた描写、秘密を守るためのごっこ遊び…、大人が読み返してもワクワクします。とりわけ物語前半の仕掛けがどんどん繋がっていく様は本当に楽しい(のだけど、前半が素晴らしすぎるのか後半には違和感を覚える箇所がちょこちょこと。そのあたりも触れられている解説も必読)。
昔から名前だけは知っていましたが今まで手に取る機会がなく、読んでみたらとても面白かったです。メアリのはじめの態度でいったいどうなるんだろうと思いましたが、ムーアのおかげで変わっていく様子が生き生きと書かれていてそれとともに花園が蘇っていき、続きが気になってどんどん読めました。個人的にはコマドリと仲良くなるところが好きです。
すごく読みやすくて一気読みしました。昔、違う訳者のを読んだ時は、途中でほっぽり出したんだけれど。メアリと子リンが、どんどん明るくなっていく様子が、読んでいて楽しかった。解説で、「最後コリンが主人公のようになってしまっているということから、秘密の花園は当時評価されなかった。」というのが全然わからない(良い意味で)。
梨木香歩が『秘密の花園ノート』で解説していることと、大好きな『小公女』を同じ作者だということをいまさらながら知って、どうしても読みたくなって勢いで書店へ行き、そして勢いで読み切ってしまった。親に振り返られることなく、寂しいという言葉も知らずわがまま放題に育ったメアリとコリンが、ディコンと出会い、秘密の花園を駆け回ることで明るく丈夫な子どもへと変化していく。雨を受け、陽の光を浴びて草木のつるが伸びるように、庭を駆け回るほどに頬に赤みがさし、手足が伸び、ふっくらとしていく子どもたち。再生、という言葉が浮かぶ。
まさしく「魔法」にかけられたように一気に読んでしまいました。多分、こういうのを本当に優れたファンタジーであるというのだと思います。ファンタジーとは夢みる権利。どんな状況に置かれていようと未来を描き出す方法。文章に満ちあふれている生のエネルギー(「魔法」!)は現実の中から現実を越えるための力。けれんみのないストレートな物語なのに、細かい所で作者が気を遣っているので、予想外の展開など何もないけれど、ぐいぐい読めてしまうのも素敵。この本に出会えて幸せでした。
小さいころに読んだ記憶がなかったので、読んでおけばよかったなあ。訳者の方があとがきで、大人が楽しむ本だと書かれていたし、訳もさっぱりとしていたんだけれど、出来れば子供の頃の自分と考え方を比べて見たかった。わくわくしたし、幸せな気持ちになれた。今の日本じゃ、こんな風に遊ぶ子供はいないかもしれないですね。コリンの最後の方のすがすがしさが確かにディケンズっぽい。アメリカ作家と思いこんでいましたが、十分にイギリスの社会も反映しているのが興味深かったです。
子供用の同タイトルを図書館で借りたんですが、ちょっと読んでみておもしろそうだったので文庫版を。 話の内容はハッピーエンドそのもので幸せたっぷりないいお話。 余計な知識があるので、英国貴族っぽい選民思想がちらほらと見えるのがちょいとばかり気にくわない。 同著者の小公女にも同じ香りがする。
翻訳も読みやすく、世界に引き込まれました。小さな頃に読んだ秘密の花園はこんなに深みは感じませんでした。人間に必要な光。作中ではマーサやディコン、そしてふたりの母に象徴されている慈愛。10年間誰にも愛されなかったメアリ・コリン・花園がそれぞれの「光」を受けて美しく育っていく様子が素敵。花園の描写や春の歓びはあまりに暖かで、私も、メアリやコリンの様に大切に読んで行きました。
面白かった。ディコンというかサワビーさんち万能過ぎだろうという気もするけど。冒頭マーサがタメ口で話しだしたのにはびっくりした。けどそういう点も含めてミッスルウェイト屋敷がどんな状況に置かれているかというのがよく書かれている。使用人についての記述が詳しいので、メイドさんのこととかを少し調べると、なんで看護婦が常駐してるのかとか、マーサがどんだけ破天荒なメイドさんなのかとかが分かって、また面白いと思う。そーいや、嵐が丘も秘密の花園もヨークシャーが舞台だっけ。ヒースの咲き乱れる原野ってのを一度見てみたいもんだ。
久々にツボにハマった本。実に面白かった。どこか懐かしさを感じさせる世界観、偏屈な子供が善良・素直な性格へと成長していく姿と言ったストーリーは読み飽きることはない。ただこういったものを求める私は「子供帰り」したいのかなーとも思ったり。こんなんでいいんかね笑
児童文学として読んだのはいつか?30年以上前?おもしろかった。ムーアの描写など訪れたくなるものばかり。後半はコリンのことばかりなのがちょっと残念。メアリを好きなのに。サワビー婦人のようになりたいね。
素晴らしい本だった。読んでいる間中、私はずっと主人公の3人の子供たちと同じように、心の内側から溢れるような感動と喜びに浸る事ができた。ムーアの風を感じ、いい匂いのする空気を吸い、花園の美しさと子供達の幸せそうな笑い声を堪能した。また、サワビー夫人やディコンの優しさに癒された。児童書ではなく、大人こそが読むべき本だと思う。気になる点がなくはなかったが、解説を読み納得。それにしても、この翻訳は素晴らしい。
再読。冒頭のメアリが一人ぼっちになるくだりで、コレラがあっという間に広がって家に誰もいなくなったというのには驚いた。そしてメアリとコリンを元気にした「魔法」の力。これは決して児童文学ではないし、この翻訳はぐいぐい引き込んで先へ先へと進ませる良い訳だと思う。児童文学としての『秘密の花園』しか知らない方にお薦めしたい。
小学生以来の再読。こんなにも、面白くて素敵な小説だったのか! 自然の描写が本当に美しく イメージしやすい。メアリたちの生き生きとした姿に刺激を受けて、前向きな気持ちになれる本。
金井美恵子の『噂の娘』の中で、『秘密の花園』の冒頭のコレラでばたばたと人が死んでいく情景が金井の筆で引き延ばされ、フラッシュバックのように何度も再現されるのがひどく官能的だったので、元ネタを読んでみることに。金井が描いたほどのエロチックさはバーネットのオリジナル版にはさすがにないものの、本筋であるメアリーとコリンの再生の物語とはいかにも不釣り合いで、妄想を喚起するに十分の頽廃感がある。
子供の頃に何度も読み返した大好きな本。「からだの中に酸っぱいバターミルクが流れている」みたいな独特の言い回しが子供心にも強烈で、よく覚えていました。大人になって読み返して、嘗てのガーデニングブームなども経て、今では庭園の描写をよりリアルに美しく想像できるようになり、楽しんで読めました。育児放棄気味に育った子供たちの我侭さ加減もユーモラスに描かれていますし、コリン付きのお医者さんとかえげつない人もいますが、基本的に善人揃いなので、ストレスなく読めます。
梨木さんの「秘密の花園ノート」(岩波ブックレット)を購入したので、まずその前に本家の方を再読。30年以上前に一度読んだきりだったのでだいぶ印象がかわりました。現在は自分が母親になっているせいか、ディコンのお母さんの、こどもたちへの愛情たっぷりの言葉が心にしみました。改めて、本当にいいお話だと思いました。
両親の愛を知らずに育ち、何でも与えられたためにわがままなメアリが、両親を亡くしてイギリスのおじの屋敷へとやって来る。そこで彼女は初めて人との繋がり、何かを大切に思う気持ちを学んでゆき、それがまわりの人間をも変えてゆく。新緑の清々しい描写が素晴らしく、秘密の花園のバラの香りが漂ってくるようだった。すごく暖かな爽やかな気持ちにさせられた。
数ある翻訳の中でも、これがお薦め、といわれて読んだ。冒頭のメアリのあまりの酷い状態にびっくり、これがほんとに子供用のお話か?そうしたら、コリンがもっとすごい上に、長口上はぶつし、ああやっぱりわたしが子供のときに挫折したのは当然だ、と思った。わたしは挫折したけれど、外遊びをすると心身ともに健康になる、というメッセージは今の子供にこそ送りたい。あと自分を信じる心。
動物たちに好かれて気持ちが通じ合える自然児ディコンや少ししか姿を見せないけど大きな影響を与えるディコンの母親などの温かな登場人物たち、そして光溢れる自然に影響を受けて生き生きと変わっていくメアリとコリンの二人の姿を眺めるのが楽しかったです。最後の方の宗教的な描写はちょっと気になって残念だったけど、それを補って余りある美しさがありました。特に縄跳びやリスの動きの描写がすごく可愛らしかったです。暗い思想を打ち消す力のある作品でした。
「古典」と称されるのは伊達ではないのだと感じた一冊。春が来て、植物たちが芽吹き育っていく描写の美しさにめまいを覚えた。ディコンと動物たちが便利に使われているような描写はちょっとイヤンな感じだが、そこには目をつぶりましょう。
踊るらいぶらりあん@SR推進委員
ちゅもママさん まあ、このお話の場合は、「魔法」という言葉が仕掛けになっているので、百歩譲って「そういう魔法なのかも」と言えば言えなくもないのかもしれません。でも、植物の描写は、動物のイヤンな感じを帳消しにして余りある美しさです。
ナイス!
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07/07 23:01
ちゅもママさん まあ、このお話の場合は、「魔法」という言葉が仕掛けになっているので、百歩譲って「そういう魔法なのかも」と言えば言えなくもないのかもしれません。でも、植物の描写は、動物のイヤンな感じを帳消しにして余りある美しさです。
ナイス!
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07/07 23:01
踊るらいぶらりあん@SR推進委員
樒さん こんにちは。コメントありがとうございます。土屋さんの訳、すごくいいですね!日本語として美しいと思います。ヨーロッパ人の、というかキリスト教徒の動物観については『肉食の思想』という本を読んだ時に納得しました。曰く、動物は神様が人間の為に作って下さったものだそうです。
ナイス!
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07/07 23:10
樒さん こんにちは。コメントありがとうございます。土屋さんの訳、すごくいいですね!日本語として美しいと思います。ヨーロッパ人の、というかキリスト教徒の動物観については『肉食の思想』という本を読んだ時に納得しました。曰く、動物は神様が人間の為に作って下さったものだそうです。
ナイス!
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07/07 23:10
初めて読んだ時アンやセーラ、ハイジと親しんだ後だったので、メアリの性格の悪さが衝撃だった。魔法は花園にだけでなく、本当は私たちの周りのいたるところに様々な呼び名で存在していることがわかった。「よろこびを作るもの」たちを見失わないようにしないと。誰かのことを好きだと思えることや、誰かに好かれることの震える程の幸せをメアリと共に感じた。コマドリが後をついてきた時の感動といったら!
ちゃんと読んだのは今回が初めて。こんなお話だったんですね。花園の描写がきれいで、花園の中で子供たちが元気になっていく様子も素晴らしかった。最後はコリン中心にお話が進み、メアリとディコンの影が薄くなってしまったのが寂しい気がしました。
『秘密の花園』といえば、子供の頃にNHKで放映されていたアニメを見た記憶があって、その時は特に感動した、という記憶は無いんだけれど、2児の親になった今、初めて原作を読んで不覚にも泣いてしまった。大事なものを失った大人達と、大事なものを見つける事のできなかった子供達が、見捨てられた花園と歩調を合わせて緩やかに再生していく姿が素晴らしい。
多分みんな「知ってるつもり」になってるこの物語。少女時代に児童向けの本を読んで以来○十年ぶりの再読。それはまるでメアリが十年ぶりに秘密の花園を開けた瞬間にも似た感動。こんなに素敵な本だったとは!これは大人になってから再読すべき本だ。再発見が待っている。育児放棄同様に育ったメアリ、病弱な従兄妹コリンが友ディコンや自然に出会い心の傷が癒され再生していく物語は、嬉し涙なくしては読めなかった。この新訳もオススメ。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(6)
- 05/23
踊るらいぶらりあん@SR推進委員
古典文学と言ってもいいくらいの作品で、少女小説なんかをたどる上で欠かせない作品のはずなのですが、昔読むのに挫折したんです。自意識過剰なメアリにも、癇癪もちのコリンも理解不能だったもので…。(^^;梨木香歩さんが『秘密の花園』についてのブックレットを書いていたと思うのですが、それを手がかりにもう一度挑戦してみようかなぁと思わされました。この新訳文庫のシリーズいいですよね。揃えてみようかなと思っては打ち消しています。
ナイス!
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05/25 11:47
古典文学と言ってもいいくらいの作品で、少女小説なんかをたどる上で欠かせない作品のはずなのですが、昔読むのに挫折したんです。自意識過剰なメアリにも、癇癪もちのコリンも理解不能だったもので…。(^^;梨木香歩さんが『秘密の花園』についてのブックレットを書いていたと思うのですが、それを手がかりにもう一度挑戦してみようかなぁと思わされました。この新訳文庫のシリーズいいですよね。揃えてみようかなと思っては打ち消しています。
ナイス!
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05/25 11:47
こんな本だったんだ・・・とビックリ。自分を好きに、や、ポジティブに生きることの大切さ、子どもの頃にその辺りのことをもっと理解出来ていたらなぁ・・・。この後、梨木さんの「秘密の花園ノート」を読んでいます。こちらを読むと、出てくる動物の順序なども”そういう意味があったのか~”とまたビックリ。ご興味おありの方、併せてどうぞー
花園が蘇り、いきいきとしてくるにつれ、登場する子どもたちも活気に溢れてゆく、そんな描写がとても素敵。物語だけれど、現実味があるというか、情景が目に浮かんで来てリアルなものに感じられて、そのぶん自分がその中にいるような不思議な感覚がした。小さい頃児童書で読んだ時から大好きな物語だったけれど、ますます好きになりました。
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感想・レビュー:63件













































