海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)
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海に住む少女の感想・レビュー(246)
一つ一つは短編なので読みやすかった。自由得たと思いきや、縛られていて、自由を求めるという人の悲しさがよくでていた。文自体も子供にも読みやすいと思うので子供向けとしてもおすすめです。
彼の詩を読んだ時、死人ばかり(特に溺死者が)登場することに驚いた記憶が残っている。彼がまだ幼い頃、両親は鉱毒を飲んだために亡くなってしまったとのこと。そのイメージは溺死者のそれに似通っていると感じた。表題の「海に住む少女」は倒置した形での彼の幼少時のように思われて、その寂しげで、救いのない様子がひどく胸に残った。もしくは、死んでもまだ時間が残されている。本当の死、消滅まで彼らはどこかで待ってくれていると自分を慰めているかのようでもある。
子どものころにこんな童話をたくさん読んだような気がします。いわさきちひろのような淡い水彩の挿し絵が目に浮かびます。お話の多くは死と繋がっていますが、両親を早くに亡くしたジュール・シュペルヴィエルは、子どものころに両親のいる死後の世界について思いを巡らせたに違いなく、お話の中でそれを再現したのかなぁと思いました。彼の描く死後の世界の哀しい明るさに思わず涙がぽろり。
孤独だったり、寂しさだったり、悲しさだったり。疎外感や他者に対する悪意など、人の負の感情を語りながらも、どこか澄んだ印象を与える作品たちでした。不条理さや、聖書を題材として扱っていながら神を肯定しきっていないような客観的視点が興味深かったです。表題作と「飼葉桶〜」が好きでした。
儚くて静謐な童話集。イエス誕生に立ち会ったロバと牛の思いを綴った『飼い葉桶を囲む牛とロバ』が好き。フランス版宮沢賢治とは言い得て妙。幅広い年齢の人に何かを感じさせることのできる本だと思う。2012/053
安易なカテゴライズを拒む夢まぼろしの如き童話群。死や孤独が主題として扱われたものも多く、「童話」と呼ぶのも躊躇われるが、子供が読んでも何かしら感じるものはあるだろう。不条理で寂しい登場人物たちの魂魄が今もそこかしこに漂っているような気がする。少女や動物が出てきてしゃべる話も多く、語り口もほんわかりしたものだが、不思議と気持ちは和まない。ふとシャガールの絵を思い出した。
童話・小説というより、「詩」を読んでいる感覚がありました。 子供は読んでもわからない気がする。 私自身もわかっていないと思う。 そもそも「わかるわからない」で読む本じゃないんだなぁと。 教訓めいたお話ではなく、ただ淡々と紙の上でさらさら流れていく、 そんな印象を受けました。 そして怖い。 グリム童話のようなグロテスクな表現はないのだけれど 私はとても怖かった。 死ぬのが怖くなった。 著者の世界で迷子になるのが怖い。
繊細で、哀しい、童話のような話が詰まった短編集。死後の世界観が独特。何かを主張するのではなく、ただ情景を描くような、詩的な文章が印象的。
シュール、とか、残酷、とか、寓話的な表現の中で語られそうなキーワードを含みつつ、たゆたうような美しさを持った作品集。読んでいるとき脳裏に展開するイメージが鮮烈で、こんなこと滅多にないのだが、なぜか困惑してしまう。旧訳版も是非読んでみたい。
全体を通して言うと、どの作品も世界を彩るイメージの構築力が凄い。物語としてはさっぱり分からないものもあったのだが、表題作や「競馬の続き」など辺りは本当に面白い。当たり外れが多いひとなのかな。
淡い水彩画のような、柔らかな色調を伴った作品群。生と死、人間と動物、正義と悪がはっきりと塗り分けられず、グラデーションとして描かれる。行と行の間に、その濃淡が移り変わる幻想的な世界観が表れる。「海に住む少女」や「セーヌ河の名なし娘」なんかは、映像化しても美しい作品に仕上がりそうな、そんな印象を受けた。派手な動きはないが、しっとりと心の奥底にしみこんでくる作品である。
夏に読むのにぴったりな、透明感のある幻想的な短編集。たわいもないエピソードのなかに、美しい表現が多く、詩人の作品の味わいにあふれている。物語の中に崇高な意味を見いだしたいといった感じの読書マッチョの人には分からない淡い作品。
こういう物語を読んで、「ああ、哀しくも美しい……」なんて言っちゃうようなオッサンには死んでもなりたくないと思っていたような気もするがなんだ気のせいか。いささか遅きに失するが、某ジブリ吾朗氏はまずこういう作品を短篇アニメ化して腕を磨くべきだった。お気に入りを挙げるなら、世界名作劇場を髣髴させる「飼葉桶を囲む牛とロバ」、純粋すぎる悪意を淡々と描く「足跡と沼」、滑稽ではあるが笑うに笑えない変身譚「競馬の続き」あたり。ただ自分にはこれらの作品を「小説」として読むことはどうしてもできなかった。
あらすじに惹かれて購入。幻想的…とはまた違って、言葉にし難い世界観でした。訳者の『フランス版宮沢賢治』というのも納得いけるようでひっかかる。繊細で優しい語り口が多いのに、その中に描かれるのは孤独だったり、不安だったりするのがさらに切なさを増します。
聖書を元にした話は微生物の描写まであってなんだかシュール。童話っぽいのだけれで「空のふたり」みたいな恋愛話があるのはお国柄なんだろうか?「飼育桶を囲む牛とロバ」が好き。イエスを見つめる牛の誇らしさと劣等感が入り混じった心境がせつない
独特の雰囲気を持つ風変わりな短編集でした。やはり表題作の「海に住む少女」がイメージ的にも素晴らしいです。誰もいない町。たった一人の少女。詩人ならではの作品でしょう。他の短編も幻想的ないい味を出しています。
訳者あとがきまで含めて名著 視点語り口がとにかく独特 この訳者の言いたいことが痛いほどわかる 「はっきりと言及されていなくても、そこには『何か』がある。そして、また無理に言葉を重ねれば重ねるほど、その『何か』から遠ざかっていってしまうのだ」まさにそんな作品 個人的には表題作を含む前半4作と牛乳のお椀が好み 何年か後にまた読み返すと違う印象を抱きそうです
装丁の一筆書きっぽい不思議な海沿いの家、が、しっくり来るようななんか不思議な読後感。さらりとしていて、あまり後に残らないのに、なにか物寂しさが。。。ユニークな短編とあるけど、結構シニカルな感じがしませんか?
表題作で、少女が航跡の泡沫を抱きしめようとするシーンが切ない。たとえ消え行くと分かっていても。永遠に続く儚さ。二つの存在・次元は、どんなに近くにいても決して交わらない。
児童文学のように優しい、でも時折サクッとした鋭さ光る筆致。全編ですます調の翻訳とシンクロする作品とそうでない作品があって、後者が残念でしょうがない。フランス語にですます調みたいなものがあるなんて聞いたことないし。一冊の本として統一性を持たせようとしたのかもしれないけど、そこは作品ごとに柔軟に対応してほしかった。でも、表題を含む頭の3篇は作品世界と翻訳が比較的同調してて清々しかった。果てしなくクリオネみたいな作品だった、という表現が抽象的ではあるけどしっくりくると思う。
何これ何これ何これ…っ好きっ 優しいとも悲しいとも、生きてるともに死んでいるとも言えない狭間の世界。透明で綺麗なのに…ね。素敵な本でした。
冒頭の表題作のイメージがすばらしすぎて他の作品が霞んでしまった 海の上の存在しない町で永遠に生活を続ける、12歳の少女という形の孤独…完璧すぎる
訳者のいう「何か」をあまり感じられなかった。でも、繰り返し読むことでまた響いてくと思わせてくれる。つまひ、何度も時を超えて読むに耐える古典であることは間違いないと感じれた。
不条理の中をあてもなく漂う登場人物たちは、日本やアジアの無常観とはまた違った「無」を生きている。表題作「海に住む少女」はドビュッシーの「沈める寺」を思い出すような神々しさにさえ包まれている。誰かの強い思いで、悠久の孤独を生きるよう強いられた少女。私たちが生きている世界なのに、それはどこにもない世界。誰の理解も伴わない、観測者もない世界。
海に住む少女の
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感想・レビュー:85件














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