黒猫/モルグ街の殺人 (光文社古典新訳文庫)
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黒猫/モルグ街の殺人の感想・レビュー(276)
一つ一つの話の中に人間の葛藤や醜い性、狂気みたいなものを孕んでいて、一貫したテーマが感じられるちょっとダークな短編集でした。そうやって読むとモルグ街だけちょっと唐突な気もするけど。そもそもはそれを読む為に手に取った本書なので問題ないです。表題作よりも、邪鬼とウィリアム・ウィルソンが好き。無駄のない訳と短いストーリーで、とても読みやすかったです。
ちょうどこれ読んでる時にウィリアム・ウィルソンを引用してる映画を観ました(^^)狂気の世界を語るのに、どこまでも理性的である(あろうとする)人たちが醸し出す恐ろしさ。
ポーはミステリ作家としての印象があったが、サスペンスやホラーが多かったので驚いた。モルグ街の殺人は固定観念にしばられていたので、真相を知った時はああ、そうだったのか感じ期待どうりの出来だった。
解説にある通り、各編とも落語調の構成となっていて、そこが自分にとっては新鮮だった。とは言っても「モグル街の殺人」は推理小説の元祖というから、なかなか感慨深い。正気と狂気の撹乱、そしてゾワゾワくる悪魔的カタルシス。非常に面白かった。再読の価値あり。
久々にポー。「黒猫」「ウィリアム・ウィルソン」がお気に入り。編集者の意図もあるだろうが、ともに葛藤がテーマであるように思えた。登場人物の国籍が豊かなのもまた一興で、饗庭篁村が当時どのように訳したのか気になった。
ポー作品初読。「ウィリアム・ウィルソン」と「早すぎた埋葬」がよかった。人間の心理に潜む闇。「黒猫」や「ウィリアム~」に少なからず共感できてしまう自分に奇妙な感情を覚える。きっと多くの人が持つ後ろ暗さや恐怖・狂気の心情を突いているのだと思うが、なにか心を見透かされているように感じて寒気を感じてしまう。「モルグ街の殺人」は話に正直ちょっと無理を感じました。 ★★★★
面白かった!!黒猫は想像以上に怪奇小説でした。モルグ街の殺人、素晴らしいですね!!ミステリが好きなので、その原点と言われている作品をやっと読んで、しかもそれがすごく楽しくて幸せ。素晴らしい推理小説において、探偵が真理について語るのが好き。デュパンかっこいい。帰納的推理かっこいい。探偵役と助手役の同居が始祖的な今作からと知って驚いた。それにしてもこの二人の場合はなんとモラトリアムな事かwあと、これより後のあの英国探偵でも出てきていたけれど、この頃のアレはまだまだ空想の中の存在だったんだなー。
随分前に読んだのに、こんな話だったねと思い出せる。当時の人達は、これを読んで恐怖したのだろうか。「狂気」が滲んでゾワリとする。ただ怖いだけでなく、落ち着いて読めたのはポーの魅力か・・・。
20数年ぶりの再読。推理小説の元祖であって、ただの推理小説ではない「モルグ街の殺人」。予定調和にも、同情にもオチないところに、ポーのにやにやしたサービス満点精神を感じました。素直にのっかれて、驚かされたり、コケさせられたりする気分の良さは20数年前と変わらずでした。
短編集。初ポー。恐怖小説が多い。黒猫に対する投影や殺めた相手の心音など、「幻の恐怖」を描いている作品が多いことに気付く。『ウィリアム・ウィルソン』は”もう一人の自分”を「自分の良心」の象徴としているよう。その決別が「どれだけ己を滅ぼしてしまったか」。「恐怖」を自らの思考能力、想像力によるものであり、自らの内部に存在するものとして描かれているといえるのではないだろうか。
なんとなく再読。ミステリ好きとしては、ポーはやっぱりデュパン物の話が好き。しかし40歳で亡くなるまでこれだけの作品を残すなんて、やっぱり才能あったんだな。
通ずるところのある『黒猫』『アモンティリャードの樽』の同時収録はうれしいところです。どうせならこれに『アッシャー家の崩壊』も収録して欲しかったなあ。訳者あとがきによれば、黒猫が不吉であるという現代の風評は、明治時代に発表されたこのポーの『黒猫』がもとであるとのこと。それまでは黒猫は吉兆だったわけですから…億単位の人間が、一人の男の書いた、たったひとつの短編のために黒猫を忌む事になっているわけです。素晴らしい。
初のポー。
大変面白かったです。
短編集なので空いた時間に読めるのも良いですね。
「黒猫」の次に位置する「本能vs理性」が「モルグ街の殺人」を解くヒントになっていて面白い。
謎の説得力も生まれます。
歯止めをかけるから止まらなくなる。
よくわかります。
『ウィリアム・ウィルソン』は『ドリアン・グレイの肖像』を思い出し、『モルグ街の悪夢』では当然ながらホームズを思い出した。訳のためにそう思うのか、デュパンとホームズの語り口が似ている。犯人は正直「えー?」だけれども。個人的にはポーの代表作である『黒猫』が一番好き。じっと「私」を見つめる黒猫。でも「私」は「黒猫」をそんなふうにしてはいけなかったんだ。「私」にはわからなくても読み手には分かる「黒猫」の意味が巧い。何と言ってもラストの衝撃がすごい。
訳者解説の「理詰めの美術」というのがポーの小説を最も端的に表していると感じた。一般論から本論に入る流れ、演繹法のエキセントリックな使い方、まさか古典に論理学を学ぶとは思いもしませんでした
40を前に初のポー。なんで今まで読まなかったのかは分からないが、読み終わってみてその理由が分かった。さほどのものではないかな、と。いまいちときめかない。この感覚はラブクラフト作品を読んだ時のものに似ている。なんていうか、親友が夕べ見た夢を興奮して喋っているのをいやいやながらも相槌を打ちながら聞いている感じ。「個人的な恐怖」をわからせようとされてもいまいち伝わってこない、というのが俺のアメリカ古典的恐怖小説への評価です。
やたら退屈で長い一般論から始めるスタイルは一人称の選択に関係するのかもしれない。当事者=語り手では客観性が担保されないから、最初に一般論を語らせて真らしさを証し立てる。「私自身はおかしくない」(黒猫)、「そういう人間がおかしいわけはなかろう」(告げ口心臓)ともう直接言っちゃったりもする。執筆時期の早い「モルグ街の殺人」で語り手を第三者にしているのにその後、説教臭い一般論を導入してまで当事者=語り手スタイルへ移行するのは、距離ゼロで混乱や恐怖や狂気を現出させるため。それか単に一般論が好きなだけだったりして。
黒猫を飼って居る者としては何だか複雑な心境でしたが(笑)。作品自体はとても好みです。モルグ街の殺人は…こんなんアリかよ、と。全体的に常軌を逸しててすんなりと解釈できませんでした。薄暗い部屋で独り再読したくなる一冊。
ウィリアム・ウィルソン、告げ口心臓など論理的に説明がつく(つきそう)な話がおもしろい。怪奇趣味と理性の二面性というか。/「怪奇小説は短編じゃないと」みたいなことをポーが言っていたけど、改めて読むといかに少ない言葉で多くのことが語られているかわかる。想像力に任せているところが多い。「あえて言わずにおく」は魔法の言葉。/全体的に、怖いのになぜか笑える。
こういう話だったんだ。どれも死に対する恐怖が蔓延していて、様々な形で人間のエゴと良心がせめぎ合っている。にしても、世界最初の探偵かー。ホームズはこの後ってことですが、さすがにホームズには負けてる……、そっか小中学生向けの課題図書か。
★★★1/2 恥ずかしながら、「モルグ街の殺人」は初読。しかし笑った。確かに論理的だが、今考えればバカミスも甚だしい奇を衒い過ぎた小説の印象。黒猫は久しぶりに再読。萩尾望都の「残酷な神が支配する」で印象的に使われていたが、そのイメージが逆に甦ってきたところに快感を覚えたり。あとのは「ウィリアム・ウィルソン」が格別。不気味な雰囲気と不条理な感じが精緻に敷き詰められたペンローズタイル(つまり不規則な風にも見える)のようで素敵。昔の小説の文章らしさが新訳でも生かされていて、全体的に好印象の短編集。
芸術と狂気は本当に紙一重だと思った。推理小説の魁になった『モルグ街の殺人』は秀作。表題作『黒猫』はただ只管不気味。全体的に死の影が見え隠れする短編集だった。これには『黄金虫』が収録されていないので『黄金虫』も読みたい。こういう後味の悪い感じ結構好き。2010/106
早すぎた埋葬が読みたくて手に取った。話は暗く終わるんだろうなあと思っていたが、明るすぎると感じるほどあっさり終わって意外だった。生き埋めの描写が苦しそうでとても恐く感じていたので、読み終わったとき心が軽くなった。あと、黒猫=良心という解釈がおもしろかった。
「黒猫」「早すぎた埋葬」辺りは好きだけど、他の短編は少しバランスが悪い印象を受ける。「モルグ街の殺人」は記念碑的な作品であるものの、世が世ならバカミスだよなあとしみじみ。(青)
「モルグ街の殺人」は、犯人に驚いた!デュパンの推理があり、探偵小説らしい作りなのに、ラストが衝撃的だった。他にも「黒猫」「早すぎた埋葬」が印象的だったけれど、どちらも奇妙で、不思議な話だった。
古色蒼然とした19世紀のお話には古めかしく格調ある訳文が似合うと思うので、この新訳は疑問だ。河野一郎、佐々木直次郎といった先人の訳が私は好きだ。
主人公が過去に起こったことをつらつらと述べるという形式のものが多かった。黒猫はまさに狂気。恐怖を盛り上げていく過程もよかった。モルグ街の殺人はすごく突飛な結末。こんなもん普通推理できるのか?あとの作品はちょっと退屈だった。
黒猫/モルグ街の殺人の
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感想・レビュー:82件














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