月下の恋人 (光文社文庫)
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月下の恋人の感想・レビュー(226)
数年振りで、本の途中で読むのを止めました。「そういう終わり方かっ?」が多いので。『告白』が良かったというコメントが多いのは、この短編のみ、分かり易い終わり方をしているからです。 ここしばらく暗目の小説が多かったので、浅田次郎さんで口直しをしようと思ったのですが、失敗しました。
11編からなる短編集。不思議で、月明かりに照らされたような幻想的な雰囲気が漂ってます。普段あまり馴染みのない言葉も度々出てくるので、読みこなせたとは言い難い。最後に《ここで終わるか!》と、猛烈に想像力をかきたてられる悔しい終わり方のものも数編ありました。読者のご想像にお任せしますってことなのかな…。読解力や人生経験が足りない自分にはちょっと辛いので、10年後くらいに再読したい。「適当なアルバイト」、「あなたに会いたい」、「黒い森」が特に魅力的。
しょっぱなの短編から泣いちゃって、あと10読み終えた後に私の目はどうなっちゃってるだろう。と思ったが、意外と泣かせる話は少なかった。良かったような物足りないような。「情夜」「告白」「回転扉」が良かったです。
初の浅田次郎。自然と涙浮かんでくる様な話もあれば、ここで終わりなの?と思ってしまう話も。読み手の経験に依存するのかな。 後書きを読んで季節感の描写が素敵なのに納得いった。本人がそれ意識して書いてるのだもの。確かにエアコン発達した世の中だけど、外気の暑さ寒さや日の長さの移り変わりは感じるから形は変わってもいま風の季節感はまだみんな持ってるんじゃないかな。
著者自らの補遣によると、季節感から得る高揚した美意識を作品に込めることこそ小説の醍醐味だと云う。確かに読む端から目蓋に映る情景は、すっと心に染み入り、いつのまにか文節と四季の狭間に身を委ねてしまう。人間を詠ませたら随一と世間が認める著者ならではの卓越なる世界は、年輪の趣を随所に散りばめ、一字一句零すことが許されない。中でも『忘れじの宿』は秀逸。<恩と情けの柵に嘘はない>と解かれた男への施しは、生の侘び寂びを逡巡し、哀愁の記憶に傅く人生を傍と感じさせる。『ほぐしてください』の言葉に、読む者も深く唸るだろう。
短篇集でさらっと読めます。 余韻が残る不思議な話、幽霊とかの話が多いです。 現実にはありえないようなことが、実際に起きている気にさせられます。
タイトルと表紙に惹かれて浅田次郎さんの本をよく買ってしまうが作風はあまり合わない…。今回は告白、忘れじの宿、同じ棲が当たり。好み:中。売。
「告白」「忘れじの宿」が好き!「黒い森」は気になって気になって1日中考えてしまった。今まで読んだ浅田次郎の作品とはちょっと雰囲気が違うのが多かったけど読み終わったあとの満足感はありました!
初、浅田次郎。『主役は季節であり、登場人物たちはその風景の中を動き回る。』と、著者が述べているように、短篇11篇の中には季節感が盛り込まれている。不思議な味わいの短編集で、どの話も素晴らしかったけれど、中でも『告白』は心が暖かくなる素敵なお話だった。
通常の浅田節とは異質な感じがしました。もっとじっくり読めば話しもじんわりと入ってくるのでしょうけど、短編集ということを逆手に取り、面白い本があると浮気をしていたので、サラリと読んでしまってあまり記憶にありません。今度はじっくり読みたい。ただ、私は通常の浅田節の方が肌に合っている。
初めての浅田作品でした。期待してましたが、「…??」な話が多かった。一話目が全く理解できなかった。私が伏線を見逃したのでしょうか??「ええー、そこで終わりかよっ!」と突っ込みたくなりました。あまりの終わり方に呆然としてしまい、次の話に頭を切り替えることができなかった…。いいと思ったのは『回転扉』と『同じ棲』でしょうか。でも、同じようなパターンの話が多かったような…。
この作者の短編はうまい。うまいがどうやら中国の奇譚ものがベースになってるのではないかと思っていた。この本の中に司馬遷を翻案したものがありその種明かしまでする。もうひとつこの本読んで気付いたこと、浅田次郎って直木賞じゃなくて芥川賞が欲しかったんじゃないだろうか。
日本の四季を主人公にせずにはいられないという作者の言葉通り、読んでいてその季節をひしひしと感じられる文面に感動しました。中でも、『告白』は暖かすぎて胸が熱くなりました。
久しぶりに浅田次郎の短編を読みました。やはり、うまいですね。11編ともそれぞれに読んだあと、何とも言えない置いていかれた何か残るものがありますね。
浅田氏の小説集には月にまつわる話が多いですね。先日は『月島慕情』を読みましたし、ずいぶん前に読んだ『月のしずく』は私の最も好きな浅田作品です。泣かせあり、不思議な余韻を残す物語あり、十分に楽しませていただきました。浅田作品をして「あざとい」と非難する向きがあるようですが、そのような評価があるのは「小説の大衆食堂」を自認する浅田氏の巧さの裏返しではないでしょうか。
今までの浅田さんの作風とは変わっていて、すんなりと感情移入はできませんでしたが、作者の問いかけに対しての考える時間は新鮮でした。ただ、今までの浅田節の方が、自分的には肌が合うと思いました。
奇妙な短編集。読み終えた後、続きを思い巡らしてしまう。浅田次郎はそれを目論んでいるのか?
黒い森の彼女は何を抱えているのだろう。
『ええか、それはしがらみいうもんや。人は生きなあかん。〜一所懸命に生きなならん。〜恨みつらみも、恩も情けも、この先の長い人生の道を踏み惑わせる種になることに変わりはないんやで。〜恨みつらみも愛すればゆえ、恩も情けも愛するがゆえ、片っぽを流してもう片っぽをうまくせき止めるよな都合のええしがらみなんぞ、あるもんかいな』
相変わらず日本語の使い方に長けた作家だ。冴えないヤクザの物語の後半は、「それでも自分なりに生きなくてはならない」感がヒシヒシと伝わってきた。
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