名もなき毒 (カッパ・ノベルス)
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名もなき毒の感想・レビュー(483)
杉村三郎は、本多コンツェルンの会長の娘婿。部署で雇っていたバイトの原田いずみは、職歴も嘘だしとんでもないトラブルメーカーだった…そこから青酸カリを使った毒殺事件の犯人探しに巻き込まれる。原田いずみのような、人の幸せが憎くて害を与えたくなる人…ここまで極端ではなくても、誰の心の中にも片鱗はあるのかもしれない。人間そのものが毒なのだと思うと怖くなる。前作「誰か」も読みたくなりました。
最近、ネットに時間を割きすぎ、ろくに本を読んでなかったので、リハビリを兼ねて一気読みできそうな小説をセレクト。一気読みはできたけど、衝撃とか、驚きは残念ながらなかった。でもリハビリには十分になりました。
だいぶ、前作の「誰か」を覚えていなかったのですが、読むほどに段々と思い出されてきました。宮部さんにしては珍しい、裕福な層の入り婿になった杉村さんの第二弾。最初は普通に仕事をしていたアルバイトのいずみさんですが、段々とおかしいな?くらいから始まり、徐々に…。と言うかなりありそうで怖い話。じわじわと効いてくる名もなき毒。この本の題名を最後しみじみと納得してしまった。
結局一番の毒は、って感じなので話が重い。変に明るい落ちに持っていっても裏を読むと・・・って感じになっちゃいそうなのでストレートにいったのかなぁ。
後味最悪だなオイ。いずみはありそうでなくて、でもあるんだろうなぁって感じのキャラ。ゴンちゃんが最後の方で、言ってたみたいに、なんだか耳が痛いというか。/これ、杉村さんは結婚生活うまくいきますの?って感じ。たしかにナーバスになってるだけな部分もあるだろうけど、でもお母さんたちの言うとおり、うまくいくとは思えないなぁ。価値観の違いってそれほど大きい。/基本的にサクサク読めたけど、杉村さんのお人よしっぷりというか、嘴を挟む具合が嫌いで、むむむと思いながら読んだ(笑)いや、凄いんだけどねー。二つが絡み合ったラスト
文庫になっていたので再読。何度読んでもいずみのお父さんのシーンはつらい。私も下世話な想像をしてしまった。それこそが毒なんだろう。杉村の中にも毒がある。あとがきで読んだら、三作目が連載中だそう。楽しみ!!!
「誰か」を読んだことさえ忘れていて、どんどん設定を思い出した次第。余りにも文章も、構成も、巧みすぎて、かえってさらりと読み飛ばしすぎた感がある・・・会長の人柄は本当に素敵。毒の正体がどんどん明らかになって、杉村氏でさえも現実離れした良い人で終わっていないことが本当にすごい。圧倒ー。読みやめられず。いずみ最悪。でもこういう人はいるし、しかもかけらは誰にでもあるんだろうな、自分にも、ということに戦慄。
できすぎてる感はあるけど、とぎれることのないストーリー展開にどんどん惹きこまれていった。生まれつきのクレーマーと言われて、さもありなんと思ってしまうこと自体がむなしい…。これまで普通=当たり前だったことが崩れ去り、普通に生きることが難しくなりつつある現代社会をうまく捉えているあたりはさすが。歌謡曲『丘をこえて』で話を結ぶことで、「それでも悲観的になってはいけない、きっと希望はある」と、宮部さんは私たちに、特に若い世代に訴えかけているように思う。
宮部さんは本当によみやすくて面白い小説を書かれるなあ、と思い知らされた。伏線は「多分この後こういう展開になるんだろうな」とわかることもあるのだが、そんなのが分かった所で面白さが何一つとして損なわれない。「わかったってこと、わかっていたんです」と「喜ばないから」のシーンは背筋がぞくぞくし、うそつきと呼ばれる彼女の言動や行動には薄ら寒いものを覚えた。こんなに読み応えがあるのに比較的あっさり読めてしまう文章が凄まじい。『誰か』を読まずにこれを読んでしまったので、次は1作目を購入予定。
昭和名曲歌謡シリーズ?第2弾。杉村三郎の迂闊さにちょっとイライラさせられ、元アルバイトの行動に次は何をやらかすのかと恐怖した。シックハウスとか土壌汚染の部分は冗長に感じたけど、全体的には面白かった。
詳しくは書かないが、犯人がタクシーに乗るシーンでは、ポロポロと自然に涙があふれでた。『模倣犯』よりも意外性はない、しかし、味わい深い作品だった。宮部さんはイイ人なんだろうなぁ。
後輩くんからの借り本。是非オススメしたい一冊となった。
「我々がこしらえたはずの社会は、いつからこんな無様な代物に堕ちてしまったんだろう」頁249
ひとが生きていく中で大なり小なり必ず積み重なり、増殖し続ける“毒”を描く。今を生きる我々は、“普通”とは何か、今一度顧みなければならないと感じた。
ひさしぶりの宮部作品でしたが、やはり夢中になるというか、当たり前のように熱中してしまいます。的確にストーリーを展開してゆく整ったプロットと文章が本当に読みやすい。青酸系毒物による無差別殺人事件の話という片耳情報と「名もなき毒」と云うタイトルからずっと、匿名殺人の怖さを描いた作品だと思っていましたがとんでもない勘違い…。もっと人間にフォーカスした心理的に深い物語でした。名もなき毒のタイトルの意味も終盤にきて、なるほどなあ~と(自分も毒を所有しているような気がありや、なしや・・・)。
この作品に出てくる毒、そのままの毒、青酸カリももちろんそうですが、土壌汚染とか、シックハウスとか、人間の心の毒とか、いろんな毒を描いていると思います。
どんどん引き込まれた。本書の毒は、一歩間違えれば毒を向ける側にもなりかねないし、自分にも向けられる毒にもなりかねない、身近な毒のように感じられた。人の毒となりゆく思いって恐ろしいなと思った。
人の持つ毒は表層からはうかがうことができない。それゆえ恐ろしい。他人を傷つけ、気付かないうちに自分を傷つけていくのだろう。どこにでもあるし、私たちはそれを知っていて、生活するために確かに見て見ないふりをするのでしょう。ささやかな生活を壊す毒に怒りをただ覚えた。
(借)パラっと見て原田いずみの件が目に入ってしまい、一番読みたくないパターンだなと思いつつも気になり借りる。。。異常が普通に存在する一番怖い日常が舞台。
人間が吐き出す「毒」を、殺人事件・発狂した女の二つの視点から描いた作品。この二つのストーリー、それを『誰か』の今多家が解決していく様がうまく絡み合っているところが、さすが宮部みゆきでおもしろかった。
人間の底知れない歪んだ心の有様を闇と表現することがあるが、本書では、より有害で他者を殺傷できる毒であると言及する。我々はこの毒といかに向き合うべきか。ワクチンも解毒剤も期待できない現在、毒をもって毒を制する不毛な傷付け合いの無いように、誠実で真っ当な免疫力を身に付けることが出来るだろうか。終盤、主人公の義父の「どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。完全に遮断することはできん。-それが生きるということだ-」という台詞が私に反省と覚悟を促しているようで心に重く圧し掛かっています。
最近の宮部さんの作品は、説明のつく理由もなく人を傷つけたり殺めたりする人間は存在するのだという、現代を生きる人たちへの警告というか覚悟を促す作品が多い気がする。この本ではそれを毒と名づけていて、出てくる事柄も毒殺であったり土壌汚染であったり暗示がこめられている。それにしても人物の細かな心理にとても敏感で、宮部さんはうまいなぁ。
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感想・レビュー:75件














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