一億総ガキ社会 「成熟拒否」という病 (光文社新書)
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一億総ガキ社会 「成熟拒否」という病の感想・レビュー(144)
筆者の見解は「根拠に乏しい」、「思い込み」だというレビューがありますが、私もそう思いました。でも日本で、自己愛が強い人が増えている、または自己中心的な人が増えている、と私も思います。それを「喪失体験」の欠如で説明する筆者の見解は興味深かったです。
対象喪失ってのは何哉というのは分かり、もしかしたら自分が成熟拒否者なのかなと思える本だったが、わざわざ特定の人物を引き合いに出しまくらなくてもいいんじゃない?本としてはそういう粗が見えた。
4、5章はそこそこ興味深かったが、それまではずっと同じ話をくどくど繰り返されているようだった。個人的なことを言わせてもらえば、著者の癖なのだろうか、『もっとも(もちろん)~なのだが』という文構造が何度も出てきて鬱陶しい笑 まァ結局諦めが肝心ってことよね~。。。
他者から隔てられ、蝶よ花よと育てられた現代の子どもは、その万能感を引きずり、自己愛が歪に膨らんでいくという。しかし一度親の膝下から離れると、その幻想は打ち破られ、自己愛を守りきれなくなる。それが、顕著な打たれ弱さや他責指向に繋がるのだそうだ。そういえば、子どもの頃、かあちゃんから「おまえは身体も弱いし、頭も弱い」と言われたっけなー。もちろん「末は博士か大臣か」といった親の欲目もあったことだろうと思う。この本を読んだ今なら分かる!かあちゃんよ、よくぞ我が子に現実と直面する術を教えてくれた!感謝するぜ!
現代社会がかかえる病を取り上げた本。人間誰しも抱える理想と現実のギャップ。それに対して「打たれ弱さ」「他責的」「依存症」にかかった現代人は鬱やモンスターペアレントや薬物依存となっていく。本書ではその実情がよく描かれており、大変勉強になる。夢を追うということは、それと同時に諦め方も考えておくということでもあると考えさせられる一冊。どこかの経営者の「夢には期限をつけろ」とは、よく言ったものである
子どもに失敗させない、失う体験をさせない、汚いものを見せない教育の弊害は途方もなく大きいと思い、ゾッとしました。目次を読んだ時はなぜキュブラー・ロス?と思ったのですが、喪失体験をどのように受け入れるかという説明に使われており、このくだりは納得です。結局喪失体験のない、自己愛的イメージが強く他責的な人たちにどうしたらよいかについては完全にしりつぼみな印象ですが、現状ではこの程度しか言えない、というのも正直な感想です。
打たれ弱さ、他責指向、依存症のそれぞれは理想と現実とのギャップが認められないことによってうみだされると著者は考えている。キューブラー・ロスの「死の五段階」説でそれぞれの原因を説明している4章は特に良かった。
この人の思考回路はすべてが精神病理をベースにしているので、安直で決まりきったストーリーをつっくて病に落とし込むご都合主義に貫かれている。バナナのたたき売りのように心の病にストーリーを与えると、俗っぽくなってしまう。著書の接するクライエントはガキかも知れないが、それを総じて1億と言ってしまうのはまさに精神科医の幻想か妄想だ。
『自己愛の傷つきを積み重ね、万能感を喪失していくことによって、はじめて等身大の自分と向き合えるようになる。(46p引用)』 「頭の中での自分」と「現実の自分」とのギャップを問題点に上げ、引きこもり・うつ病・モンスターペアレント・薬物中毒等を分析している書。筋が通っていて非常に納得できる内容です。時間をあけてからまた読みます、良書。
主に現代の他責的な人々について。精神科医の筆者が出くわしたケースについては面白かったけど、結局の主張が何を言いたいのか……。引用も新書が多くて信用しがたい面がある。
現代社会の抱える成熟拒否という問題をタイムリーな話題を折り込み、掘り下げています。精神科医である筆者の見方には、なるほどとうなづけるところが多いです。多くの参考文献が紹介、引用されていて、それぞれに興味を引かれるのですが、あまりの多用に、筆者本人の言わんとすることが弱いな、この本を読まなくても引用文献を読めばいいかな…と思ってしまいます。ただ、文献が巻末にまとめられているわけではないので、やっぱり全部読まなくちゃダメでした。
他責的であるモンスターペアレントやモンスターペイシェントのことが書かれてはいるものの著者自身が自覚なさっているようにこの本自体が他責的である。そして、他責的になる理由はある程度説明しようとしているが、他責的であってはいけない理由やそれを直す必要性については何も言及していない。他責的なガキは嫌だよねという精神安定剤のように思われた。
モンスターペアレントやうつの根源は一緒。社会が豊かになり、皆が同じことを目指す必要がなくなり、生き方は自由=自己責任となる。「あきらめなければ達成できる」とマスコミも喧伝し、理想の自己像ばかりが肥大し、現実とのギャップに苦しむ時代になった。他者のせいにする者、自分の中に抱え込み薬物などに依存する者。けれども、誰であっても全てが思い通りになるわけではない。「断念」を知り、できれば若いころに何度も挫折を経験する必要がある。万能の処方箋はないが「気づき」によってずいぶん楽になる、という姿勢で書かれた本。
250ページ程の本だが読んだのはその半分ぐらい。それで内容は大体掴めます。第2章の他責的な社会の項では著者の臨床経験を通じて論理的に述べられており、納得できる。自分自身にも少なからず共通項があり、認識させられた。また4章に登場する「死の5段階」は目からウロコ。これまで仕事での失敗を引きずることが少なからずあったが、それはある段階でとまる事なんだなと思った。これで乗り越えられそうです。どんな小さな対象喪失でもちゃんと段階を踏んで乗り越えるというのは大事ですね。
図書館で借りた本。筆者の経験をもとにした言説なのだろうし、実際にそういう傾向はあるのだろうが、自分の意見にあう事例を書いているだけにすぎないように見える。有名事件を取り上げている部分はこじつけのようにすら思える。「一億総~」というからには日本についての言説なのだろうが、3章ではマイケルジャクソンを引き合いに出しており、説得力に欠ける。まあ、新書にどこまでの普遍性なり実証データを求めるかによるかもしれないが……。カバー裏の概略は、この本の内容を非常によくまとめているで、気になるならそこを読むとよいかと。
良くも悪くもタイトルから想像できる通りというのが、第一印象。ある程度のバランス感覚と常識があれば、誰にでも言えそうなことを学術的タームを弄して分析して見せた本と言えば、あまりに安直すぎるか?とはいえ、日頃から「これって何かなあ…」と思っていた昨今の様々な事象について活字で改めて認識させられたということで、それなりに興味深く読めた。特に衝撃的だったのは、薬物依存を巡る記述。ここまで末期的な状態にあるのか…と思うとさすがに暗澹たる気持ちになる。後、ところどころ内田樹氏と見解がかぶるのが興味深かった。
新書だし著者が精神科医だしなにか新しい知見でも?と思って読んだが、なぜか読後感は「お父さんの説教に延々付き合わされた後」のような気分(^^ゞ
「打たれ弱い、他責的、依存症」という社会現象を「成熟拒否」として捉え、そこに「対象喪失」の観点から切り込んだ一冊。精神科医である著者の、現場経験を通じた話には説得力がある。「断念」という不可欠なプロセスを経験しない事で、「自己愛的万能感」が傷つくことに耐えられない。だから断念を経験していこうねって話だが、それを担い支えるのは主に親。でも問題のモンスターペアレントは、もっと別の社会的な理由(本書参照)で生まれているらしい。なら本質的な解決を考えれば、著者も言う様に、この社会をどうにかせねばと。難しい話だ。
ラカン派のセンセイが書いた本にしちゃ色気もスリルもないね。最終章の提言も通俗すぎる。「成熟拒否」っていうと個人が積極的に拒否してる印象を受けるが、これは無意識のなせるワザ。だから病気になっちゃう、ってか病気として表現される、と。だけど、この時代「成熟」そのもののイメージが壊れてるわけだから、そこはどうすんだ?って話にならないか? そういうことは書いてありません。
タイトルから連想していた内容と少々違っていたので、それなりに興味深く読んだ。対象喪失を受け入れられない、自己万能感を捨てきれないということが、成熟拒否につながるということが、何度も例を変えながら繰り返し登場するのが、くどかったが、解りやすくはあった。あきらめることが困難だったり共感する気持ちが薄いという人は、こういう本に触れて気づいてほしいとは思うけど、でも実際にはそういう人の目にはとまらないんだろうなあ。
アスペルガーについて書かれた本を読んだら自分はアスペルガーだ!と思い、今回のように新型うつについて書かれた本を読むと自分は新型うつだ!と思う。はっ!これが「万能感」なのか\(◎o◎)/!?!全てのモンスターペアレンツおよびモンスターペイシェントの方々に読んでいただきたい本。
断念することの大切さ。社会学的なことでは仕方ないことだけど,全体として推論であり,しかし,創見(おれが知らんだけかもしれない)であり,フロイトのところがおれにはおもしろかった。
日本人がかわいいもの、幼いものに惹かれる傾向があるのはなぜかを書いた本だと思い込んでネット購入したのだが、届いてみたら「スゴクナイ(普通な)自分」と向き合えない現代人が増えている、という話だった。臨床精神科医の立場から、さまざまな実例を交えて記載している。内容自体は面白かったのだが、同じ内容の重複が多いのが気になった(まぁそれ故分かりやすいのかもしれないが。)結論は「すごくない自分」を、人のせいばかりにせず、現実を直視し、自分で起き上がることである、という至極真っ当なもの。
現代社会上手く現しているとはいえ、すべての社会病理を対象喪失経験のすくなさだけに求めるのは、断定的すぎるかなぁとおもう。ある程度差し引いて読むと、ちょうどよい
「実現すべき自己などないのだ」とのくだりにはほっとさせられた。「断念」することによって「対象喪失」を受け入れること、なるほど。
とてもわかりやすく書かれていて、納得。著者の考え方を全て受け入れるかは別だが、概ね、賛同。自己愛的万能感・・・このキーワードで、理解がしやすくなった。PTAで今年、苦労した場面もあったので、余計にそう思うのかもしれないが、そんな部分が増えてきているのは実感。
「大人になるというのは、『何でもできるようになること』ではなく、むしろ「何でもできるわけではないということを受け入れていく」過程だからである。幼児的な万能感をひきずり、自己愛的イメージにしがみついたまま、現実の自分と向き合うことができないのは、まさに子どものまま、ガキのまま、なのである」(46頁)との指摘が印象的。「仕事はできるけど尊敬できない人」ってたまにいるけど、万能感を有するが故の行動力から仕事はできるが、万能感を引きずるガキだから人間的に疑問符がつくのかぁ、と主旨とは関係ないところで勝手に納得感。
分かりやすく、精神分析入門としてや現代社会に根付く病理について描かれています。ただ、その分学問的な深さがないようにも感じられました。失敗をたくさんして、そこから学べる大人になりたいです。
章立てで、現在の問題とされている状況を事例を丁寧に描き、「成熟した大人になるには」を導いている。現在の生きにくい社会を「あきらめないで」とあおる消費社会が主因ととらえ、成熟していく過程は自己愛とのイメージギャップを「あきらめていく」で埋めていくことであるととらえている。読み応えがあり、一気に読めました!
成熟拒否というか、モデルとするべき成熟した人が身近に存在しないから成熟しないのではないかな。一番怖かったのは、自分の身代りに自分の子どもによって自己実現しようとする母親の話。でも、本人はおそらく自覚していないから、たちが悪いんだろう。気をつけよう。
既に認知されている社会が抱える問題を、あえて書き出してみた、といった内容。事例と考察が結果ありきで提示されており、根拠に乏しい論述となっているのが残念か。
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