泣かない女はいない (河出文庫)
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泣かない女はいないの感想・レビュー(173)
読後感は、ただただ小説を読んだなぁといったかんじ。映像とかにしても面白くないでしょう。物語を彩るアイテムも興味深く、急激な展開はないものの、最後まで飽きない。
長嶋小説は初。淡々としていて、つかみどころがない印象。「テーマではなくモチーフを決めて小説を書いている」というようなことを作者のエッセイで読んだけど、納得。メインの「大宮駅」からちょっと外れたシャトル沿線の会社で働く人々に、ぼんやりと想いを馳せる。表題作より、「センスなし」のほうがどちらかというと好み。自分の好きなものに劣等感を抱いてしまう気持ちの描き方が上手い。
はー再再読完了。最初に読んでから何年経っただろう。読む度に読了感が異なるのは、自分の感覚も変わってきてるってことなんだろう。今まで、「大宮」や「シャトル」っていう、さいたま市民として身近な小説として(まるで自分の知人の話のように)感じてきた。今回さいたまから遠く離れた場所で読んだこれは、登場する固有名詞や電化製品であったりが自分にさまざまな感情を想起させる。例えば「カセット」や『センスなし』で語られる「デジカメ」だったり。あるいは、「睦美」や「桶川」って言う名前だったり。また私はこれをよみたくなるだろう。
秋から冬、春へと移り変わる季節。勤め先の大下物流に訪れた転機。そして主人公・睦美の心変わり…。これらの小さな変化が、ゆっくり静かに描かれる様に、「静謐」という言葉がふと思い浮かぶ。最近の長嶋有の、“ちょっとおとぼけ”な雰囲気とは違って、この作品にはどこか張りつめていて、ひんやりとした空気感がある。言葉少なに主人公の心情を表現したラストシーンは圧巻!ピサの斜塔に始まり大宮のシャトル、キン肉マン、KISSそしてボブ・マーリーと、得意の小ネタも効いている。“会社員小説”としても楽しめる一冊。
現代作家の小説を久しぶりに読んだので新鮮な気持ちで読むことができ、また文体も洗練されていて読後感が良かった。「泣かない女はいない」の中で、主人公睦美が雨の日に職場へ向かう際に感じる通勤者たちとの連帯感とその後に訪れる孤独感の描写が秀逸で心に残った。「我々は連帯しながら断絶している。」という表現は現代に生きる誰しもに通じる真理なのだろう。
長嶋さん初読です。たんたんと毎日が過ぎていく様子をたんたんと書いているのですが、それが妙に印象に残り、その景色が目に浮かびます。何度も読んでいる方も多いようなのでしばらくしたらまた読んでみよう。
再読。何回読んでもしんみりします。普通の、どちらかといえば地味な恋愛なのに、こんなにじーんとするのはなぜ。桶川さんがとても色っぽく感じるのはなぜ?自分の好きなことについて、「説明の入らない人にはいきなり通じてしまうことが嬉しい」というのは、すごくよく分かる。2作品ともぷつりと終わる。放り出された感じがまたなんとも。
小玉ユキさんが漫画化していると聞いて。淡々とした小説は苦手なのに、これはつまらないと全く思わなかった。本当に淡々とOLの日常が描かれているだけなんだけどなあ。
私は著者の年代の人間ではないし、思うようにいかない恋のせつなささえ知っていれどやがて冬の寒さに身を切らしたりやるせなさにうずくまってしまうほど憂いてはいない。 でも、「泣かない女はいない」で、自分の想像の中の樋川さんは常に飄々としていてほしいと考え、そして彼に惹かれていることを睦美が自覚するシーンと、 「俺さ、」と言った樋川さんの次の言葉を「君のことが好きなんだよ」だったらと睦美が想像するシーンはとてもとても好きだ。
長嶋氏らしい作品。タイトルにひかれて読むのは、あまりオススメしません。淡々と粛々とすすんでいく毎日の中で、ひっそりとノートに書いたは靴底。この気持ちがわかるかわからないかで、この作品との相性が決まる気がします。大したことも何も起こらない設定で、主人公とまわりの人々の移ろいゆく気持ちを描けるのはやっぱりすごい。中性的な視点で作品を作り出せるのも尊敬します。
女性のような感性と文体。著者似顔絵はものすごーくおじさんなのに…。実物はどんな方なんだろうと著者自身に興味をそそられた。単行本・文庫本ともに表紙がきれい。
靴の底が一番に浮かぶ、愛しい人。あぁ過ぎてゆく人なんだなとおもいました。歩く速度で、シャトルの速度で、飛ばす車の速度で、彼に彼女に限らず。。
あの女性が泣いてるのかどうか、降りて確かめなかったことは彼女の生き方そのもののような気がしました。そしてそれを悔やむことは、彼女の中で大きく何かを変えたのではないかなと。泣かない女はいない。タイトルすごく好きです。
あまり感情的にならない主人公の女の子。坦々とした毎日の話だけど、こういう日々を送る時期ってあると思う。小さな会社の人たちの、ふとしたときから気持ちを共有していく表現がすごくいいです。
私はやっぱり長嶋有が好きだ。いつも特別何も起きない話と言われたりするが、十分波乱万丈だ。その波乱を静かな筆致でしかも適度なテンポで寄り道感なく描くところがこの作家の特徴だと思う。
836|55冊目/何も起こらない話かと思えば、それまでの日常と決定的に別れてしまう瞬間を書いた作品だった。かなり感情の揺さぶりが大きい作品だと思う。長嶋有のなかではちょっと物足りない一作かもしれない。
私も樋川さん好きよ。最後から2ページのところまで、おけがわさんだと思って読んでいたけど(笑)他の長嶋作品とはなんだか違うよなぁ。あまりぐっとこなかったです。
どうだろう?女性視点の話はあんまり好みじゃないのかもしれない。泣いたことのない女は、どうしてラスト蹲ってしまうのか。私にはわからなかった。この程度のダメージで泣くのなら、それまでの人生でいくらでも泣く機会があったのではないかしら。「センスなし」もあんまり好きじゃない。なんか、微妙。
2つの短編が入った本です。等身大の女性を描いています。淡々とした語りなのに、事件などほとんど起こらない日常生活にも関わらず、味があります。作者が男性であることにびっくり。 “自分がへこたれている瞬間に愛すべき人間がなんの悲しみもなく過ごしているというのは、すごく安心することなんだと思った。”こういう言葉が書ける人って、何者って思います。
泣かない女はいないの
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感想・レビュー:41件














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