ボーダー&レス
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ボーダー&レスの感想・レビュー(150)
時折重いテーマを匂わせながらも主人公と同期のソンウのやり取りは軽快で、社内メールとか合コンしりとりとか五七五とか、「学生か!」と笑いながらツッコミを入れてしまう。楽しそうな職場だねー、なんて読んでるとしかし、人間関係が時々すごく生々しかったりする。その辺のさじ加減が絶妙でした。この小説のくくりは青春もので合ってる。
年の瀬も暮れの暮れに凄い本を読んでしまった。強烈にがちこんと殴られた気分。新卒同期のソンウと僕の物語。五七五や社長の比喩などクスッと笑える要素に、己の存在意義とか自分像とか他人との関係性とか愛ってなんだとか国境とか民族とか相手との溝とかとか。「夕陽はあまねく照らしますなぁ。さえぎるものさえなければ」
「在日韓国人と日本人の青春物語」という重たくなりがちなテーマをシンプルかつ、ちょうどいいポップさで描かれていて読後感爽快!終盤、りーりんがソンウとの「溝」で悩む際の心情描写がすとんと心に入ってきた。説教臭くなく、でもテキトーでもなく、今を見つめる感じ。これまた読書メーターがなければ出合えなかった感謝本です!
これ、とても良かった。在日韓国人(でも日本生まれ日本育ち)のアイデンティティをイマドキの若者を主人公に描いているのですが、会話のセンスがとても良い。他の方の感想にもありましたが、金城一紀の作品に似ていますね。重いテーマを軽いタッチで読ませるところが。こういう作品を活字嫌いな中高生にぜひ読んでもらいたいな。脳内キャスティングはりーりん=オリラジあっちゃん、ソンウ=向井理(日本人ですが)でした。会話にしか出てこないけれど、ソンウの父がめちゃくちゃカッコイイ。寡作な作家さんのようですが、新作も是非読みたいです。
在日のアイデンティティという重いテーマを軽い語り口で書いたのが成功している。メールのやりとりや会話は笑えるし、チャラ男(主人公)の苦悩も伝わってきました。
正直、国籍なんてどーでもいいじゃん、と思うけどそれは自分がそういったことに関する差別を受けたことないから言えるのかもしれなくて。主人公のりーりんも、本心からソンウのことを国籍なんて関係ない、ソンウがソンウであるから好きなんだ、と言ってるんだろうけど、相手からすると国籍というのがアイデンティティを揺るがす大問題なわけで、簡単に関係ないとか言えない。難しい。難しい、けどそういう問題を踏み越えて読み心地がよく、じーんとさせるところもあってとても面白い作品だった。いろんな人にオススメしたい。
これは面白かった。在日の人のことをよく分かってない私には為になったと思う。ただの日本人の私には分からない複雑さ。無知の日本人の何も考えてないバカな質問にいちいち説明しなきゃいけないこととか。ソンウの毒舌が好き。
就寝前に一気。読んでる途中で作者が女性と分かり・・驚き。20代くらいの草食系男子が書いたような、テンポいい文章。だと思ったのに。会話&メールのやり取りが特にいいです。
★★★★ラストがよかった。身近にないテーマだったので、実際のところはどうなのか。わからないなりにもまっすぐ向き合おうとする主人公がよかった。
一番あたらしい文藝賞受賞作なのかな。会話なんかが読みやすいのはまぁそうなんだけども、読んだ後何か残るかと言われるとそうでもない気が…。若い人の感覚、在日の人の気持ちとか色々軽い感じで書いているのだけども全体的に軽いせいか読んだ後どんどん記憶がぼんやりしてくる…テーマについて考える時間がない。
テーマも、登場人物がとても魅力的なところも、金城一紀に似てる。 この爽快な読了感は、とても好き。 会話や言葉の言い回しが軽やかで、絶対的に若者の感覚なんだけ、すっごくセンスがいい。 男の友情って、マジいいなぁって、心底思っちゃった。
社長のスーツの色合いを、何かにたとえあったり、学生ノリをひきずった新入社員ふたり。会話がおもしろすぎて、読みながら何度もわらいました。ときどき、否応無しにふたりの間に走る線の意味にヒリヒリして、ぐっと胸がつまったけれど、このお話とてもすきです。
男と女の間には、暗くて深い河がある。(そんな歌ありましたよね)おしゃれな草食男子の今を描いた中篇と思いきや、男女の間、民族の間、ひいては個人個人の間の簡単には測りきれず、埋めきれないボーダーを描いた好篇。でも、登場する女性の恐さったらないわ、きっと草食男子にはこんなモンスターに見えるのね、と、了解していたら、最後に作者は女性と判明し、納得。
登場人物は新入社員が中心で、今の空気感がよく出ている。メールのチャット化は社内でもよくやるので、二人のやり取りや五七五にはクスっとさせられた。終始爽やかな流れだが、決して風化しない重い問題にガッツリ向き合っている。在日のソンウがアイデンティティや祖国を始め、その他色々と思い悩み、鬱屈した思いをぶつけるシーンには、自分もあまり意識していなかったな、と気付かされた。それでも読み終えた時、江口とソンウには、明らかに前半の二人とは違う何かを感じた。深いテーマとテンポ良い会話が双方を引き立てていて読み応えあります
★★★★☆このテーマを「五七五七七」をモチーフに語るというアイディアはおもしろい。テーマに比して、全体に軽妙な語り口もよい。男性の一人称だが、所々女性的に感じられる部分があった(この作品に限れば、瑕疵になるとは思わんが)。
「ソンウ。ごめんね。なんで泣いてるのかも僕はわからないんだ。」自分のアイデンティティと真摯に対峙してきた彼の横では、みんなきっとそう思うよ。でもお馬鹿コンビですね、五七調で社内メールしたり。しかし女性に「やり逃げ」と言われるのはきついですね。女性は「やり逃げ」と言われないのはなんででしょうかね?
りーりんとなりすけの会話のテンポがよかった。重いテーマを扱いながらも、現代の若者の話し方や考え方の浅さなどが程よくブレンドされていて良かったし、2人のおマヌケな会話やとぼけたメールなんかが好みでした。
会話すべてのリズムがよくて、とても面白かった。そういうことがあることを知ってはいるけど。それだけだし、そこまでだし、正直どうしていいかわからない。溝の深さは違えど、誰との間にも溝はあると思う。こんな風に向き合えることがうらやましい。などと色々思わせるほど面白くあっという間に読みきった本でした。
わたしはなんと言っていいのかわからなかった。だから触れなかった。何を言えば正解なのか、何を言えば幻滅されないか、と考えて、また自分本位の考えになっていることに気付いて落ち込んだ。そういう点で、りーりんにすごくシンパシー。
読みやすかった。日本人が目をそらしてしまいがちな話題であり、私も同じ立場なら極力触れないと思った。けれど話が重くなりすぎないのは、今の世代の会話が軽いからこそ救われる部分もあると思う。
こんなに胸に突き刺さるような作品もなかなかない。独特の語り口のおかげで、この避けがちな重い話題も身近に感じられた。大事な友達だからこそ確かにある溝を見てほしい、それを見た上で自分を好いてほしい、だって在日だという事実もこの自分という人間の一部なのだから…そんなソンウの想いが痛い。必死に伝えるソンウと、その想いに必死に応えようとするりーりんの姿に真の友情を感じ、差別は不自然だと改めて思った。だって夕陽はあまねく照らすのです、さえぎるものさえなければ。
人には触れられたくない領域があって、でもそういうものに限って本当は何よりも理解してほしいもので、ソンウは理倫に心をゆるしたからこそぶつかってきたんだと思う。それに対し理倫は悩み、自分なりの言葉で返した。真の友情というものを見た気がする。
何気ない関係の中に潜む溝もあるけど、例えばこの先何度も絶望的な溝を思い知っても向き合うことを選んで欲しい。「正しい」「正しくない」のエピソードにえぐられた。この材で女性目線の話もあればそれも興味深い。
国も民族も関係ない。ただソンウをソンウとして友だちと思ってて、好き。それはそのときのりーりんにとっての偽らない気持ちだったと思うけど、でも国や民族は「関係ない」んじゃなくて、ただそこに「違い」としてある。違いに目をそむけるのじゃなく、目を向けたときに初めて「それでもソンウはソンウ」って言えるし、ソンウもそれをそのまま聞けるんだと思う。避ける話題。無意識・意識的な遠慮。不器用にそれに向き合っていく2人に、びっくりするぐらい涙が出ました。
短いのにとっても濃い内容。在日問題、恋愛問題。普通の人が暮らしていくなかで、普通にあるだろうコトのボーダーライン。触れてもいいのか、知らないふりをする方がいいのか。人に聞きたくても聞けない問題。次回作がとっても楽しみ。
昨年読んだが、再読。やっぱり好きだ、この小説。難しいテーマを扱いながらも重くなりすぎず、かといって軽いわけでは決してなく。この絶妙さがたまらない。藤代氏の次回作に期待。
それまでは気が合って仲良くしっくりくる友達と思っていたのに、2人の間には深ーい溝があった。でも友情があれば乗り越えられる?国の問題って根が深い。どこまでいっても完全には分かり合えない気がする。2人がその問題に真摯に向き合って、より理解しあうしか道はない。軽妙な語り口でサラサラと読ませるけど、じっと考えさせる作品。好きです。
(文藝で読みました)陳腐になりやすいという点で描くのが難しいテーマだったと思う。しかし作者はその陳腐さに陥いることなく、いやむしろ、この問題に関して人々が陥る陳腐さ自体をテーマにしている。ソンウと主人公の付き合いから、私もやはり主人公と同じ「そんなの関係ないよね」という考えに至ってしまうが、それはマジョリティの思考停止だったと気づく。
この本好きだなあ。国のこととかは正直私には実感わかないけど、人と人の間にはどこにだって溝はあって、それをわかってこそいいつきあいができるんじゃなかろうか。ドライだけど孤独だけど愛がある。爆笑しながら読んだけど、ほんまいろいろ考えました。会話のテンポもよくて、小さなせりふがいちいち効くなあと。センスがいいし深いテーマを軽く書けるこういう作風いいなあと思います。寺内が切なかったな。
在日三世と日本人の友情物語。難しいテーマだがヒネリのきいた会話や五七五メールなどで緩和されていて読みやすかった。特に「愛は暴力。」は名言!
ボーダー&レスの
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感想・レビュー:65件














ナイス!





























