ひとり日和
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ひとり日和の感想・レビュー(715)
おばあさんと二十歳の子が同居…私自身が二十歳前後に同じように祖母と二人暮らしをしていたこともあり、なんとなく主人公知寿に感情移入できた。老人と暮らすと、老人に若さを持っていかれる気がする(笑)吟子さんの暮らしぶりに憧れた。可愛いおばあちゃんに私もなりたい。知寿の手癖の悪さは気になったものの、「一人になるのが寂しいのに、執着できない感じ」がなんとも切なくもどかしく、二十歳ぐらいの子の不器用な部分がなんとも上手いなぁと思った。きっと私、10年前(笑)にこの本を読んでたら、主人公の不器用さにひたすらイライラして
季節の移り変わりの雰囲気とか、孤独を寂しがっていることにうろたえてしまう自分の姿とか、ふいに「あ、わかるかも」という感覚が浮かんできて良かったです。
私の全くの主観だけど、芥川賞らしい作品だったなぁと思う。淡々としていて、細やかな心情の描写がされていて。
でも面白かったかというと別で、自然体で毒を含んでいるような主人公に好感が持てず共感できずであまり楽しめなかった。もっとストーリーの起承転結がはっきりしている小説の方が好み。
何かを盗むのは、繋がりが欲しい、自分の生きている証拠…みたいなものなのかな。知寿を理解出来る様で、どこか若さだけではないぶっとんだイメージがあるから共感しきれず、作品が終わってしまった…
71歳の吟子さんの家に居候することになった知寿20歳。どこかかみ合わない二人の会話とか生活に最初はハラハラするが、あまり干渉しあわないのに二人の距離がちょこっと近しくなってゆく距離感がいい。吟子さんのゆったりとしつつも恋も楽しむ生活ぶりが、知寿の漠然とした不安や虚しさや焦りに何かしらの影響を与える。あっさりした日常の話だけど、時々沁みるような言葉がある。実は読んでみたら2度目だった。初読ではあまり残らなかったんだろうけど、再読でじんわりとした良さがわかった。
なんかの賞を取った本じゃなかったかと、図書館で借りてきました。ここのレビューを読むに芥川賞でしたか・・・。さらっと読めて、きれいな言葉たちで綴られている本だと思いましたが、それ以上の印象は残らず!
文学とは・・・気取った感性と人間の日常的な部分を芸術に書くことで話の内容はどんなものでもいいのだろう。エンターテイメントを求めるものには理解し辛い。しかし、そこにキラリと光る普通の人には表現できないものが一瞬でも見えれば文学としての価値を認めざるを得ないのかもしれない。確かに主人公のどうしようもない心の中が見えたし、さらりと普通の情景をテンポよく書き表している。だけどストーリー性がないのがつまんないわ。それが文学だから嫌だったら読むなってところだな。でもやっぱり賞を取った本はどんなものか気になるからね~
老人と惰性に身をまかせる自分へのさざ波のような苛立ち。その気持ちはいつ、どうやって振り切ることができるのか。棚から牡丹餅的幸運によってか、それとも変わろうとする意思か。どちらが知寿を導いたのかがわからず、すっきりしない部分も読了後あった。本文より;「今、ひとりになってみたいという気持ちを無視したら、わたしはいつまでもここに居座って、何も知らないまま一生を終えてしまうかもしれない。」
20歳の知寿と71歳のおばあさん吟子さんの不思議な春夏秋冬の同居生活。主人公の手癖の悪さが少々気になったけど、さらさらっと読めた。吟子さんと暮らしたことによって知寿は変わっていったと思うから。芥川賞作品ってこんな感じの多い気がする。2011/593
出会っては別れ、人と人との関係はいつかは終わる。そこにある一抹の寂しさと、引き留めるだけの粘着さを持ち合わせない自分への諦観。それぞれの思い出とかすかな繋がりを求めて、「欲しくない」と思いつつも人の物をこっそり拝借する行為は、主人公なりのせめてもの執着心の表れだったのかもしれない。真の意味で“別れ”る心の整理がついていなかった彼女が、靴箱にため込んできた全てと別れ、一人で歩みだすラストが爽やか。でも、「変わってほしいところは変わらない」。まだまだ危なっかしい彼女の今後がちょっぴり気になります。
母親から離れて暮らす知寿と同居する50歳違う吟子さんとの話。親戚なんだけど今まで付き合いが薄かったから知寿は吟子さんを客観的に見ることができたのだと思う。知寿は若いしこれからだと思ったけど、吟子さんはステキだなと。読み終わった後はなんだかぼんやりした。あくせくしてなくていいな。とてもきれいな文。芥川賞にはきれいな文章が多いのでしょうか。
読み進めたくなるというよりも噛みしめたくなる、好みの文体だった。 「こういう抜き差しならない状況から知らず知らずのうちに回復していく段取りは、きっとうんざりするほど同じパターンなのだ。」
さらりと読めてしまう作風もあって深く心に残るという感じではないけど、出てくる言葉には力があった。「70歳になっても身ぎれいにして、自分だけの小さな家をもち、バレンタインにはチョコレートを買いに行く、そんな暮らしが出来るだろうか。」と言葉にはすごく共感した。後「楽しいときを丹念に思い出せばもどってくる」というのはいい言葉だと思った。
主人公が母親と別れておばあさんと1つ屋根の下の生活をはじめ、そしてそこから出て行くまでの約1年間の話。共同生活は最初はよそよそしかったものの、自身の失恋を経験しておばあさんとは距離を縮める。安定感のある老婆を見るうちに将来への漠然とした不安に駆られながらも、主人公が生活にも恋にも前向きになれたとき、彼女は自分の過去の思い出に浸る事をやめて一人で新しい生活を始める。たいそれたことは起きないけれど、1年前よりも少しだけ、でも確実に大人になった主人公の姿がいい。読みやすいけれど何度も読み返したくなる一冊。
どこか世界から遠いところにいるような主人公。一人暮らしのおばあさん以上に世界から遠い。若さは身体に付随し、精神に付随する、問題なのは「若さ」が欠けていることではなく、若さは欠けていない。寧ろ、若いからこその孤独と静けさ。
知寿ちゃんの様に素直になれない事…私にもあったなぁ。本当の祖母の様に自分を受け入れてくれる吟子さん。知寿ちゃんが大人になって行く過程で、吟子さんと暮らせた日々はとても大切だったと思う。年をとっても吟子さんの様に、穏やかで丁寧に暮らせたらな…と思う。
初読でした。少し飛ばし気味に読んだので、味わいきれなかった感じがあります。逆にいえば噛めば噛むほど的な深みがある気がしました。ある意味ただの日常風景を書き綴っているだけなのですが、その一つ一つの膨らませ方が読む人の状態によってゆらゆらと変わるのではないかという印象を受けました。再読するのが楽しみな本です。
[母の老いを見つめた。そして、遠ざけたいと思った。] 年寄りを大切にするのが当然のご時世。ここでは、生き物としての人間が描かれていた。「年寄りを馬鹿にしてるねえ」「うん、してた」
ちょっと素直じゃない和寿ちゃん。若さゆえの不器用で未熟な振る舞いがあるなか、 吟子さんとの生活で癒され成長して行くさまが、上手にほんわかと描かれていて良かったです。
二十歳、同い年。なんか19歳までとは違う独特の感じがわからなくもない。10代みたいに何も考えずに楽しく過ごしてたのとは違う。だからこの作品が暗すぎず明るすぎないのも無に近い状態なのも分かる。二十歳って感じ。
主人公の女性が好きになれないし、なんだか暗く感じた。私の読解力がないのかも知れないが、この本には魅力を全く感じませんでした。
吟子さんが、私が描いていた「おばあさん」のイメージと全然違っていた。でもだからこそ知寿と良い距離感を持ちながら心地よく過ごしていたのではないかと思う。
淡々としてるようで、なんだか切なくて。すごく心に残るものがあったわけじゃないのだけど、二十歳が近づいてきた「今」読めてよかった、って思った。
青山七恵2冊目。ハートフルという訳ではないが、するりとしてまあるい印象。端々の描写の仕方がすごく好み。主人公、二十歳かあ、自分と同い年かあ。大学には行っているが、自分は知寿より子どもだろうし、「ひとり日和」はまだ迎えられそうにない。 こういう世界にあこがれる。きっと今自分が生きている現実より、人も風景もすべてがビビッドだからだ。現実は色褪せている。 この小説が芥川賞をとったとき、母校は少なからず沸き立っていて、あの頃からまた随分時間がたったのだな、としみじみ感じた。
さらっと読んだ。女同士の日常的な会話にはリアリティがあり、ドロドロな展開になるのかしらと不安になったけど何事もなく終結。読後感は弱いです。
なまなましい部分もあり、すがすがしい部分もあり、日常を生きてるということがたんたんと描かれていて、あっさり読んでしまいました。主人公が1歩前へ進んだのかなとは思うけれど、やっぱり芥川賞は難しい…。
“人っていやね…人は去って行くからね”。20歳の知寿と71歳の吟子さんが暮らした春夏秋冬。第136回芥川賞受賞作。いかにも芥川賞っぽくて、これの一体何がおもしろいのか全然わからない。筆力はあるのに、内容がつまんなくてもったいない。
恋人との別れとかはありますが淡々と読み進みました。主人公の手癖が悪いのが気になりましたが、必要なエピソードだったのかも。「見込みがなくても、終わりが見えていても、なんだって始めるのは自由だ」ひとりって寂しいだろうけど意外と良いものかも。
親戚のおばあさんの家に下宿することになった女性の話。恋人との別れとか、もっと修羅場になってもよさそうなのに淡白な主人公がすごい。あっさりしすぎて、特に残るものはない。
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