星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫)
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星々の舟 Voyage Through Starsの感想・レビュー(854)
村上由佳さんの作品を久しぶりに。ある一家の崩壊を、家族の人がひとりずつ語って行く形式の物語。視点が異なると、ものの見方も異なる訳で。家族って一括りにしても、一人一人が違う人生を歩んでいて、それぞれに悩み・恋愛・生活があるってことに気づかされた作品でした。
いい!このなんとも救いがあるようなないようなかんじが、物語にリアリティを持たせていると思います。ただ何より、最後の章はきっと誰もが意外だと思ったのではないでしょうか。まさか、そういう話になるとは・・。短編集としての出来はとても良いです。
村山由佳=中高生向け恋愛小説と思っていたので、意外でした。ある家庭の崩壊っぷりを各人の視点で語る短編集。兄と妹の禁断の愛、不倫、レイプ、いじめ、そして戦争。戦争??途中からついてゆけなかった。禁断の愛に終始した方が良いのでは。家庭崩壊の元凶となった祖父が、家を築く大工というのが皮肉ですね。
『誰かと分かちあうこともできない、消せない痛み。それさえも、確かに自分だけのものなら―愛してやろうじゃないか』/『どこへ向かっていようが、所詮は線路の上。最後には、いやでもどこかの駅に着く』
ひとつの家族という『舟』が中心の短編長編。 それぞれが重いテーマばかりではあるが、最後のテーマやあとがきにも書かれていることを感じさせてくれる作品。 ひとりの人物が各テーマでメイン、サブで登場し、いろいろな時代や年齢など様々な面からの解釈ができる。 個人的には『雲の澪』が一番好きな内容でした。
昼ドラみたいな感じで暇つぶしにはいいけど、後に残らない感じでした。テーマは思いけど、全体的に安っぽい雰囲気で好きではなかったです。
んー…はじめは暁と沙恵の話かなーと思ったけど違った。家族みんなにそれぞれの人生がありお義母さん?お母さんの志津子が上手い具合に味を出す人物として書かれている。ただ、全体的に明るくない。人間の汚い部分もたくさん書かれててくらくなった。
最初はいきなり、兄妹の「禁断」の愛から始まり、当たり前の様に不倫に堕ちる人達...暴力や裏切りも絡めたエロエロ小説なのかと思いきや、死んでしまった母への想いや、丸くなっていく気丈だった父親..ひとつの家族一人一人が別々の物語として描かれていて、4人目位からは作品の核心にどんどん迫って行きます。大切な人や家族、親友への言葉にならない深くてせつない感情が湧き出るシーンが何度も出てきて涙をそそります。時の流れと共に強くて鮮明に刻まれていく優しさと愛情や、小さく壊れやすい幸せの奥深さが伝わる作品でした。
勝手に村山由佳という作家はもっと軽くふわっとしたお手軽恋愛小説を書くものだと思っていたが、この作品はそんなイメージを見事に裏切った。それぞれが暗く深い悩みを抱え、そういった中でも少しずつ成長し達観していく様子がいい。全てがハッピーエンドで終わるわけではないところもこの作品にはふさわしい。重之の「幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない」というセリフ、この作品を象徴する一言だと思う。直木賞受賞作。
人が人として幸せであるために最低限必要なことは「自由であること」で、この話?と思いましたが、禁断の恋を心に秘めて生きることも自由ってことなのでしょうか? 父の悔恨から始まっている家族の苦悩、聡美には超えて行ってほしいと思った。
村山さんの転機となった作品。正直これより前の本は苦手で敬遠していたが、この本で彼女の作品への見方が変わった。
/それぞれを乗せた小舟は現在と過去を行き来しながらゆっくりとたゆたう。その舟は一体どこにゆくのか。読み終わった後もなんとも言い難い感情ともどさしさが心に残る。過ちへの後悔と赦しと、それだけでは割りきれない感情と人間の愚かさと強さが印象的で、胸がとても痛くなる。
ある家族に関わるうまく行くことのない恋愛の話。それぞれに印象が深いものの戦争に関しての描写が秀逸でそれだけで胸がいっぱいになる。他の家族からみた家族の印象についての描写が微妙に異なりを見せているところがなんともうまいなぁと感じます
昼メロを見ているような感覚。ただし、後半の三章で物語に締まりと深みがでて読める小説になっていると思う。前半は質の悪い恋愛小説という感じ。何度も放り出しそうになった。
どこにでもありそうな恋愛小説かなと思いながら読んでたけど、一篇を読んでは自分の中で消化するのに考えてしまって。「叶う恋ばかりが恋ではない」叶わないとわかってても恋はしてしまうものかも。
直木賞受賞作品ということで手に取りました。短篇集ということで読みやすかったです、一つの家族の物語を視点を変えつつ表現しているところとか非常にその人の悩みとかがわかるような気がするしよかったですね、村山由佳さんの作品だから恋愛小説なのかなって最初は思ったけど最初の三篇はそんな感じかなって思ってたけど全然違った作品だなって思いました。非常に面白かったです。
最初は暁と沙恵の叶わない恋をテーマに話を進めていくのかと思いましたが、各章で家族それぞれの視点から様々な問題について描かれていました。それぞれが実に重いテーマでしたが、全ての章で何かずっしりと自分の中に入ってくるものが感じられました。特に重之の視点から描かれた最後の章は、自分がその時代に生きていたらどうなっていただろう・・と、つい考えて怖くなりました。にしても、こんな風にほぼ全員が分けあり家族ってそうそういないだろうねぇ(笑)。
それぞれに重いテーマの愛を通じて、ある家族について描かれた6つの短編。心にずしっとくるものが多く、ところどころ生々しいほどの描写に一瞬嫌悪感を覚えた部分もあったが、いつの間にか引き込まれていた。年齢も境遇もバラバラな6人の物語を描き分け、さらにメインテーマや時間軸という点でリンクのさせ方も上手いと思った。よく作りこまれた作品だと思う。
個人的には最初三編より後半の方がなにか感じるものがあった。多分暁から距離があるからかな。戦争を経験もしなければ祖父祖母に話を聞いたこともない年代として、最後の話は特に衝撃であった。村山さんの意図にうまく絡めとられた形になるけど不思議と悔しさはない。この作品は一種ファンタジーを飛び越えて現実の何処かにあるかもしれない誰かの人生に寄り添っている気がしてならなかった。全員が全員一回突き落とされる中にわずかな光がある。多分人生って一度はそういうものに出逢うように出来てるんじゃないかな。
最後の章に若干の安っぽさを感じてしまうが概ね満足。あそこにはあえて戦争の話をいれなくてもよかったのではと思ってしまう。ただ、全体のテーマ、家族、自由、恋愛などは暗い話のはずなのにそれを感じさせない希望を持たせる構成はさすが。あとがきにおいて作者は「自由であることが人間の最低限の幸せ」と説いていた。自分はそうは思わない。「自由を行使できることこそが人間の最低限の幸せ」なのではないかと思う。決して自由ではない。しかし、選んだ、もしくは与えられた自由を懸命に生きている登場人物たちを見てて、そう思った。
不倫、略奪、近親相姦果ては従軍慰安婦まで禁断の愛のこれでもかというアラカルトで村山由佳は何を描こうとしたのか?実はこれらの扇情的な愛の陰には親子や夫婦の家族愛、そして悲しいまでの友情が織り込まれているのですよ・・故に直木賞も納得です。確かに重過ぎるテーマなのかも知れません、嫌悪感を抱く人も少なくないでしょう。でも誰にだって起こり得るであろうということも事実なのです。もう一度この六つの短編に真摯に向き合ってみませんか?そうすればあの墓地でのラストシーンに一筋の爽やかな風が吹き抜けると思うんです、きっとね
昨年でしたか、「ダブルファンタジー」が話題になり、それを読む前にこの作家の予備知識を持とうとして手にしたのが、「天使の卵」とこの作品でした。さすが直木賞受賞作だけあって、深く、重い内容ですね。小池真理子に次いで共感を持てる女性作家になるかも知れません。
悩みを持つ家族それぞれの物語。浮気、近親相姦、不倫などと、かなりドロドロとしたものを悩む家族たちの思いや、恋愛観については考えさせられた。志津子という、家族の中で唯一全員の心をある程度理解していた存在を、六人の視点から描いているのが秀逸だと思う。なかなか良い作品だった。
冷静に分析すると、近親相姦や不倫、浮気などをしている人たちが主人公なので、微妙にアレな人々の集まりの一家のように見える。恋愛の描写は女性作家特有の粘りつくような感覚があって、ときに吐き気がした。聡美のエピソードが一番好きだ。村山由佳の作品にしてはいまいちであった。
6人それぞれの視点が実は同じことだったりして互いに口に出すのは勿論、表現もせずその6通りの視点が交差しあっているのがとても巧く描かれている。どうしても人は自分主観になり易いし人の気持ちや考えなど想像するのは難しい。せめて、想った自分の想いは少しでも表現出来たら争いや誤解を無くせそうなのに。そう言う意味では最後の重之の件はまさに著者の意図なのか。
ふつうの、恋愛連続短編小説なのだと思ってました。「ふつう」に男の人がいて、女の人がいて、恋をして……でも、「ふつうの恋」って何なんだ?と。もしかすると、それは「禁断」といわれる恋なのかもしれない。幸せになれるとは限らない想いを持ち続ける恋なのかもしれない。「恋愛」のパターンはひとつじゃない。叶う恋も叶わない恋も。叶っても幸せになれそうにない恋も。叶わなくとも幸せな恋も。たくさんのカタチがあるんだなぁ、と。 村山さんが「あとがきにかえて」で書かれていたこと、それから最後の重
最初は完全な短編集かと思ったけど、家族それぞれの物語。それぞれの思いや恋愛には考えさせられるものがあった。最後の重之の話は重く、いきなり戦争の話しになったけど、綺麗な纏め方だった。これだけ色々ある家族は少ないでしょうが『人にはそれぞれの人生がある』って事を考えさせらた。前編通してキーになる存在の志津子。彼女が亡くなった後も、その思い出や彼女に対する想いで繋がってるんかなと感じた。聡美と可奈子がうまくいっていて良かった。
村山由佳は、ずっと食わず嫌いだった。寝かせ続けた本書に何となく着手。3篇目まで唸り続けた。己が心内の不快さは、不愉快でないという所まで予想通りで、片側の頬が上がる。怖いもの見たさ、とか、ゲテモノ食いに近い。つまり嫌いではないのだ。でもやっぱりなぁ、と捲った4篇目から、ぐいっと引き込まれた。後半3篇は、前半と温度が異なる。面白い。視座を変える事で、物語の最初から最後まで存在しないふたりの母は元より、全登場人物の姿までくっきり浮かび上がる様に胸が疼く。結びの一篇の後、前半3篇に戻ってみたが、不快さは霧散した。
星々の舟 Voyage Through Starsの
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感想・レビュー:152件















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