あかね空 (文春文庫)
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あかね空の感想・レビュー(341)
時代小説で人情系かと思ったら、淡々と事実のみが綴られていく。その間皆の思いはあまり書かれてない…なんか違うなぁと思っていたら後半一気に解決。皆色んな思いがあって生きていて、それが最後でないと分かりあえないところが切なくて悲しい。
時代小説は今までの読まず嫌いしてたけども、いつの間にかすっと引き込まれた本。とてもよいーー!永吉・おふみの代と、息子たちの代で二部構成であるところに物語の深みを感じた。家族間でも亀裂は生じるし、きちんと気持ちを伝えことがとても大事。夢中で読んでしまいました。
たまたま、図書館で借りてきていたこの本を原作とした映画がTVで放映されていたので、そちらを先に見てしまってからこちらを読んだ。 映画は実にうまくはしょっていたが、原作はかなりどろどろしている。 最後が残った子どもたち(兄妹)の家族愛再生を暗示しているが両親が死んでからその夫婦愛(家族愛)に子どもが気づくのは、ちょっと辛い。 どんな間柄でも、言葉は慎重に。会話も必要だと、改めて思わせる。
何年か前に観た映画の原作。「爽やかなファミリー・ムービー」という(非常におぼろげな)記憶とは裏腹に、中盤以降の殺伐とした家族の描写にひるみながらも読み進める。夫婦仲が壊れていく過程や、それに傷付く子供たち、すれ違いが高じて気持ちがバラバラになっていく家族の様子が淡々と描かれているのがリアルだと感じた。人生は必ずしも派手な起伏を伴うわけでなく、些細な出来事がきっかけで歯車が噛み合わなくなることが多々あると思うから。
なんとなく手に取った本,江戸時代の家族愛が伝わってくる.妙に引きつけられて止まらなくなったと思ってると,直木賞受賞作でした.大いに納得.是非読むべし本です.
時代を超えた人情と舞台となる時代ならではの味わいのバランスの良い作品でした。ただ、人物の心境があまりにも説明的すぎたり、構成の立体感に欠けるのがもったいない。編集者がうまくリードしたらもっとよくなっていたのではないでしょうか。
まさに傑作人情時代小説。不器用な栄吉が商売繁盛できたのはまじめさと素直さと、おふみの内助の功。そして…そんな二人でも家族すれ違う事も…決して親の気持ちはストレートに子どもに伝わらない、子どもの思いも親は意外にわかっていないんだな…。でもこの本を読んで、死をもってするのが最後の育児なのかな~と感じた。
商売成功までの苦労話かと思いきや、『家族』の物語でした。色んな行き違いや思い込みの中それぞれがご近所や仕事仲間やお得意さん、幼馴染などの外部との接触があることで現代の事件を引き起こす人格障害のボーダーを紙一重で、越さずに踏みとどまることができているように思えて考えさせられます。同じ経験も見方や見る人の立場そのものによってかなり違うという キャラクターそれぞれの思いがしっかり伝わって久々に読む本より読みこむ本との出会いを感じました。
豆腐屋二代にわたる長編人情話。読み出してすぐ物語の世界にどっぷり浸かった。大変心地よく、これがああなってこうなって話が展開していくんだろうと思いきや、その期待を何度か裏切って第一部終了。唖然としているうちに、一部で引いた掠れた線をなぞるように第二部が進んでいく。この手法が作品のスケールを何倍も拡げている。最後の起伏も読後感も爽やか。一緒にいるから家族。判り合えないのも家族。そして、繋がっているから家族。
読んでいる最中、子供の頃に読んだL.I.Wilder『大草原の小さな家』シリーズを思い出していた。あれも家族の物語だった。家族が力を合わせて天災や人災に立ち向かう話は誰が読んでも同感するところのあるものだろう。私もシンパシィを感じながら先を求めて夢中でページを繰っていた。少し話の展開が早い気もしたが十分に楽しめる小説だった。
慎ましやかに直向きに生きる職人は言葉は少ないが、技と心意気でその生き様を魅せる。 ただ言葉が少ないが為に起こる疑念や思い違い。 掛け違えたボタンは衝突を起こすが、いつの日か経験を積み大人になった時に当時の親の気持ちや、未熟であった自分の気持ちに気が付く事が出来る。 もしかしたら今時には流行らないかもしれないが、こう言う頑なな姿には心を打たれてしまう。
おふみさんが死んでからの展開に胸が打たれた。人情ものは泣かされるぜ。・゜・(ノД`)・゜・。すみさんが素敵な女性だった。「嫁いだら、相手にどんなに負い目があっても、嫁ぎ先の身内をわるく言わない」という姿…素敵d(^_^o)こどもを産むなといいながら、オムツを縫っていたおふみさん…ツンデレすぎ!江戸のあきんどのお話しは、粋で泣けますな( *`ω´)
上方からの豆腐職人と長屋の町娘が出会い、家族となってからのすれ違い。家族の不仲って一面では語れない部分も多い。けれども簡単に縁が切れるものではないから、良い意味でも悪い意味でも他人ほどあと腐れなく一件落着にならないのがリアリティあるなぁって感じました。読了後は微妙な舌触りが残る気もするが、そういうものを含めて家族を扱った人情物かもしれない。
先に蒼龍を読んだせいか、一力さんは短編のほうが好きと感じる。これを読むまで、絹ごしが関西風とは知らなかった。自分はアンチ木綿豆腐派。
職業による言葉使いの違いとか、大きな事件が庶民の暮らしにどう影響したか、とかの辺りが興味深かった。おふみにはかなりイライラさせられたけど。
人情モノ時代小説。良いお話でした。お侍の大活躍や派手な大捕物はなく淡々と江戸に生きる町人たちを描いている。とてもさらっとした読み応えだが随所にホロリとしてしまう場面が散りばめられている。中盤から主人公をとりまくいざこざが増え読者としてもやきもきするが、そこにネチネチした感じはない。登場人物に「大悪人」はおらず、嫌味のない魅力的な者ばかりなのは江戸気質みたいなものか。親の心、子知らず。子の心、親知らず。ああ,お豆腐が食べたい。
家族の不仲を経験したことのある人には、胸の詰まるお話だと思う。家族それぞれにそれぞれの気持ちがあって、家族だからって気持ちが全て分かるわけではない。生きるってこういうことなんだろうなぁ。政五郎さんがいて良かった。傅蔵さん、悪人だけどかっこいい。
江戸は深川で、京から出てきた豆腐職人の親子2代にわたる奮闘と家族模様を描いた人情物。途中からおふみの態度にはイライラさせられっぱなしで、フォローが最後のあれだけっていうのはちょっとなあ。たとえ家族といえどもちょっとしたことですれ違ってしまうというのをうまく描いている。でも、亡くなってからじゃ、言葉を伝えられなくなってからじゃ遅いんだよ・・・と言いたい。いつまでもあるようにみえて気がついたらなくなっているのが、親子の時間なのだから。
江戸時代後期、庶民の暮らし向きも良くなってきた時期なんだろう。豆腐に人生をかける江戸の職人。良く描けてます。登場人物たちにはそれぞれ共感できないところ多数だけど、まあ、人生そんなものでしょう。親の子への愛情って難しいですねえ。時代が違うから長男とそれ以外って全く扱いが違うのは当たり前だったろうし。次男・三男は奉公に出るしかない時代だからねえ。お侍だって長男以外は『部屋住み』。平田屋の勝手な恨み妬みは凄いねえ。何十年越しなんだ!とはいえ、第2部があって救われた部分はあると思う。さあ、次は何を読もうか。
2代に渡る豆腐職人さんのお話。ほんの些細な事から家族でもすれ違ってしまうんだなという、それでも家族には家族の絆があるんだなという、お話。下町人情に溢れながらも、おふみにはもどかしさを感じました。最後は一応まとまったけど、微妙な読後感です。
支えあって行かねばならない家族にあって、これほどまでに考えが違うのかと空恐ろしくなりました。 終盤、おふみの気持ちを語る政五郎。ですが、あのおふみの言動を肯定する材料には乏しいと思う。
みをつくし料理帖シリーズにはまったので、時代物、料理物つながりでこちらも(笑)。上方から江戸へ、というあたりも共通点がありました。
家族なのにそれぞれの思いがうまく伝わらないことにもどかしさを感じます。解説で作者の経歴に触れられていますが、浅田次郎と通じるものがあります。永吉の目線で書かれている部分が多いですが、おふみや栄太郎の言い分も伝わってきました。
誤解と意固地も大概にしてよと思わずにはいられない。気分で気の立つ人の近くにいるのは端で見る以上にきつい。それが家族だったりしたら最悪だろうな。とにかくおふみの理不尽な振る舞いはどうにも許容出来ないし、憤るばかり。だからこそあれだけぐしゃぐしゃにされながら最後に認め合った子供達は凄い。
期待せずに読んだからか、それとも人情噺に弱いからなのか、うかつにもほろり泣いてしまった。テンポよく進んでいく市井に生きる人々。うまく言葉にできない、伝えたいことが伝わらない、そんなもどかしさを持ちながらもすれ違っていく家族が最後に京やの家族力を見せてくれた。出来うることなら、もうちょっと長く見ていかったかも。京里や他の人物が気になった。つまり、もうちょっとこの人情に触れていたかったということですね。
【★★★★★】初めは人々の情の深さに感じ入ったが、次々と死が重なっていく呆気無さに無常を覚え、でも主人公たち家族の周囲はもちろん彼らの与り知らないところでの人との縁が、彼らの助力となっているその描写に胸が温まった。そして、ひとつ屋根の下で暮らしていても、何かが言い足りなくて、何かを言い過ぎて、または聞き逃して、別々の景色を見るようになり擦れ違ってしまった家族が、互いに溜めたものを吐き出し再び結束して難局に立ち向かう―「家族力」の頼もしさに熱くさせられた。正しく「傑作人情時代小説」だと思った。
人が絶賛してるのを聞いて読んでみたものの、始めは正直退屈で、興味深い事件は何も起こらず、苦難というほどの苦難もなく、商売を始めた割りにあれもこれも運良く事が運びすぎるように思った。中盤に差し掛かって読むのをやめようかと思ったほどだが、家族が上手く行かなくなってから終盤になってようやく悟ることになった。人間は汚いし、家族は手放しに良いものとは言えない。本当にうんざりするが、それでも離れてしまわず我慢強く繋がり続ける人はカッコいい。許すと損なようで得だ。許す義務は無いが許す人になりたいと思わせてくれる。
支えあいたい、大事にしたいと思いあっている家族同士ですら、その思いを完全に理解しあうことはできない。後半、子供世代に移ってからの心理ミステリ的展開が面白く、「どうせこうなるんだろうな~」という大団円がなかった(博徒の親分について)のが意外。解説の著者の経歴を読んで納得・・・著者が書きたかったのは「理解の限界」を超えて団結する家族だったんだなと思う。それが成しえるのが「江戸時代」でなくてはならないのか、と思うと悲しいかもしれないけれど。
上方から江戸へ下った豆腐職人の親子二代の物語。東西での味覚、豆腐の違いに起因する豆腐作りの苦労にはじまり、店の経営、夫婦仲、子育てなどさまざまな困難と向き合いながら生きてゆく家族の姿が胸を打つ。家族関係の綺麗な面だけでなく、憎しみや行き違いなどの暗い面も書かれているところが印象的である。舞台は江戸時代だが、現代の家族にも通ずるところがあり、自分の家族と重ね合わせて、こういうことあるな、と共感できるところが多々あった。
家族持ち的にはリアルすぎて読んでる間息苦しくてたまらなかったです。重なった不幸とそのひずみから思いがすれ違っていく豆腐屋の家族の話。最後におふみの幼なじみ親方の語りで少しばかり絡み合った糸がほぐれるようではあるけれどそれも完全にすっきりするわけではなく。そこらへんもまた現実的ではある。ラストの悟朗の、少しばかり妬み合ったりいがみ合ったりしながらも家族でいようという言葉は良かった。
読み始めてみたらいっきに読み勧めて読了。歴史モノはそんなに読みなれていないけれど、当時の生活の様子や職人さんたちをとりまく町の人々の様子が丁寧に描かれていて面白かった。人情話に最後はじーんときました。
これは結婚してから読むべきだったか?と。視点が定まらず、あまりのめり込めませんでした。というか、おふみを筆頭にみんな名前似ててちょっと混乱。京風の豆腐が売れるまでに、もう少し試行錯誤があってもよかったのではないかな…
ただのいい話系人情物とみせかけおいて、途中どろどろしたいやーな人間関係を描き、あれ違うの?と思わせておいて、結局はいい話系人情物じゃないか!と。そんなツンデレ展開ですw ご都合主義のところもあるし、できすぎちゃって妙なこなれてる感もありますが、間違いなく感動します。お薦めです!ブックオフで100円で買ってしまって申し訳ない。あと、こういうのが好きって歳なんでしょうねw
やみでハマっている時代物。現代物にはあまり描かれない、人と人との体当たりのふれあいがほっとする。
京都の豆腐職人が単身江戸深川に店を構えるところから、その町で家庭を持ち、子がそれを受け継ぐまでを描く。夫婦、兄弟や同業者との軋轢も、全てはあかね空の下。お日様は必ずまた登る。
あまり期待せずに手に取った本でしたが、読みすすめていくうちに嵌まりました。貧しい人が努力して行く姿が清清しいです。でも、この本は上手く書かれていていい人同士が夫婦になっても行き違うことがあるのがよくわかります。だからなおさら悲しいのでした。
豆腐屋職人の2世代にわたる物語で、初代の永吉が江戸に出て豆腐屋を立ち上げて商売を軌道に乗せるまでの人情あふれるエピソードは、5ページに一回くらいグッとくるものがありました。(言い過ぎかな)しかし、家庭を持ち子供が育ち、夫婦間や子供の問題と難題が押し寄せる。おふみさんが後半でちょっと思い込みが激しい方になってしまったのが残念だが、それぞれ人物の視点から見た物語の展開から、誰も責められないなぁなんて感じもしました。
あかね空の
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