酔って候<新装版> (文春文庫)
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酔って候<新装版>の感想・レビュー(254)
あとがきに「喜劇を演じた」と書いているように、四賢侯(山内容堂、島津久光、伊達宗城、鍋島閑叟)をこっけいに書いている。おもしろいかおもしろくないか、はなんとも言えないけど、とりあえず小松帯刀+島津久光クラスタとしてこの本は好きではない。
再読。土佐藩・山内容堂、薩摩藩・島津久光、宇和島藩・伊達宗城、肥前佐賀藩・鍋島閑叟の4人の藩主の短編です。以前に読んだ時よりもおもしろく読めました。
容堂は”スジ”を重んじ、維新後爵位に就くことなく余生を満喫したのはやはり豪快。惜しむらくは、時勢(特に土佐特有の武士階級の力)を自身の力とできなかった点。久光は”軸”が見えない。人心を掌握できなかった一因の1つかも。閑叟は先見性、知識、行動力は維新の志士にも負けず劣らず。惜しむらくは肥前の”鎖国”と病弱な体質。いづれの藩主も真に国を憂う信念から幕末の施政に取り組んだかどうかは疑問。それにしても嘉蔵の話は異質。一介の提灯職人に焦点を当て宗城の先見性と造船技術の進歩を描写か・・・。さすが司馬氏。
幕末のころ活躍した藩主達の話が主なのですが、山内容堂の世間知らずぶりや、島津久光の母が陰謀家だったとか、1つ1つのエピソードは楽しく読めました。 とは言え僕が一番気に入ったのは藩主達やら幕末の志士達の政治的な話ではなくて、汽船のカラクリを作る話が気に入りました。 ほとんど何も知識のないままに、見よう見まねで取り合えず動く蒸気機関を完成させてしまうなんて、幕末の日本人の底力を見た気がします。
倒幕のため手段を選ばず奔走する大久保さんが登場する『きつね馬』が読みたくて、手にとってみた。読んでみるとなるほど、タイトルの『きつね馬』とは言いえて妙。きつねの大久保を背に乗せて走る駄馬な久光を想像するとおかしみを感じる。幕末期の四大名の短篇、どの話も悲喜劇的というかなんというか。どの大名たちも、やっぱり貴人と呼ばれるような立場の人らしいなと思ったり。
蒸気船の存在を知り平民である嘉蔵に作らせる伊達宗城や、他国がヨーロッパに侵略されている事に危機感を感じ洋式装備を整えた鍋島閑叟の時代の流れを見る力は凄いと感じた。 久光は作者に好かれていないのか、自分が藩主になりたいとか位階が欲しいとか言い周囲の人を困らせる印象しかなくて馬鹿に見えてしまった。そういえばあの有名な生麦事件も久光一行が起こしたんだなぁ
同じ司馬遼太郎の作品で肥前佐賀藩の江藤新平を描いた『歳月』を読む前に、『肥前の妖怪』を再読した。 当時の藩の中ではズバ抜けた先進性を持った藩で、なんと「黒船来航の前から」軍事の洋式化を目指していたということに本当に驚かされる。長崎という貿易港に関わりの深い藩だという要因があるにせよ、やはり藩主である鍋島閑叟が優れていたということではないだろうか。ただ、外国に眼が向き過ぎていて国内の情勢に疎かった。早くから幕末の動乱に身を投じていたら、今の薩長主導の歴史は間違いなく違ったものになっていたのでは?
久々に歴史小説を読みました。幕末時代の本は幾つか既読ですが、大名視点のものは初めてだったので新鮮でした。いわゆる伝記ものとは違った人間臭い部分を多分に感じさせてくれ、想像力を掻き立てられます。彼らのような立場の人間が倒幕という発想に至るのは難しいんでしょうね。時代背景等、前提知識がある程楽しく読めると思います。私も復習しよう…
幕末という動乱期に独特の存在感を示した四人の藩主についての短編集。表題作と『肥前の妖怪』が印象的。最期まで「鯨海酔侯」であった容堂や、稀代の名君閑叟の生まれた時代や立場が少しでも違えば歴史がどうなっていたかと想像すると面白い。
幕末モノだけを集めた短編集で、4人の藩主にスポットを当てた作品。 四国の伊予宇和島の伊達宗城を描いた『伊達の黒船』。黒船来航に震え上がった日本であったが、そのわずか数ヶ月後・・・この藩では「自分たちであれを作ろう」と考えるに至る。戦国時代の鉄砲もそうだが、輸入に頼らず、自分たちで作ろうとするところに日本人の気概を感じる。 ところで、この宗城は養子、山内容堂は分家の出身と、本来であれば家督が回ってくる立場ではなかった者たちが巡り合わせで相続し、歴史に名を残した。これもまた歴史のおもしろさだと思う。
それぞれが確固とした、どこか狂気じみち時勢感をもった四賢侯。『竜馬がゆく』では厭味たっぷりだった容堂の、高知の海を泳ぐ様な酔夢想ぶりは愛嬌があった。
4つの短編集。閑叟さんのお話が一番好みです。一番新鮮味があったことと、最後にもってくるだけあって終りも綺麗で後味が非常に良かったです。司馬さんの見せ方が上手いというのも多分にあると思いますが、大変興味を持ちました。
幕末の四賢公をそれぞれ主人公にした短編集。特にお気に入りの話は、宇和島藩主伊達宗城が嘉蔵という手先が器用なただの町人に蒸気船の開発を命じる、「伊達の黒船」。身分制度が濃厚な時代にこうやって地位や名声に頼らずに自分の知識や技術、才能で道を切り開いていく人物を書いた話って好きだなあ。
幕末史伝四編の短編集。四編でタイトルが酔って候ならば四賢候の話なのかと言うとそこは司馬遼島津は斉彬ではなく久光、肥前鍋島を採り上げる辺りすでに一味違う。山内容堂の変節ぶりは本作以外では殆ど理解不能と言っ て良いだろう、佐幕勤王、攘夷開国と言った二元論ではこの男の軸のぶれ方は全く表現できない。他の幕末物で容堂の役割が良く分からなくなった時、背景理解に隣に置いておくことをお勧めする。個人的には時節時候に流されることなく殖産、工業化に舵を切りきった鍋島閑叟の生涯を描いた肥前の妖怪が最も好み。
幕末の大名を描いた短編集。先日読破した「花神」でも出た宇和島藩が別の形で登場。そして表題作の「酔って候」は土佐藩山内容堂。何と残念な人だったのか…。エネルギーだけはあったのに。まさに、喜劇。
司馬遼太郎、高校時代はたくさん読んでいたけど、最近はごぶさただったので。/幕末の藩主を軸に据えた短編集。山内容堂が主人公の表題作が良かったです。容堂さんは萌えキャラだ。「きつね馬」の島津久光は完全にただの馬鹿として描かれていますね……。他の解釈がありそうな挿話もあったけど、小説なのでこれでよいのでしょうね。
四賢侯の話であるが、これは一味違う。なんだか幕末の緊張感がほどけてしまうような感じ。山内容堂なんてイメージが変わった。その反対に肥前の話は興味深かった。日本人って日清日露の頃もそうだったように、なんだか子供が突進しているような無我夢中な様がおもしろい。これは小説だけどまた幕末の新たな一面を感じることができた。
並外れた才能があり相次ぐ藩主の死により運良く土佐藩主となる所から始まる。強烈に自己中心的な人で、酒に酔うが如く左幕、尊王をフラフラする。個人的には四賢候の中では『肥前の妖怪』の話がおもしろい。
この本を読んでから、幕末ものの本を読むとかなり面白いと思う。名前だけの人であった、山内容堂や伊達宗城に命が吹き込まれた瞬間だった。巧妙が辻を読んでいる人はその後のルーツがわかって良いかも。また、自分の故郷の藩主が結構凄い人だったことには、びっくりした。城内に住んでいるからかなり、面白く読めた。そして小学校の時に社会科で学んだ知識人たちが家来として、はしばしに登場するため、世間は狭いなあ、なんて思ってしまいました。
酔って候<新装版>の
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