輪違屋糸里 下 (文春文庫)
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輪違屋糸里 下の感想・レビュー(382)
下巻は女たちの独壇場。男たちが幼く見える。お梅さんにはもう少し幸せになってほしかったけど、優しい男と一緒だったから幸せだったのかも。 糸里はこの後少しはしあわせに生きれたかなあ。
芹沢鴨のイメージがいい意味で崩れました。そして、おんなたちの凛とした強さ…素晴らしいです。こったいのお言葉、胸に刻ませてもらいます。
下巻は女たちの悲哀が迸るような怒涛のストーリテリングであった。上巻の主人公は芹沢だと個人的に思っていたが、下巻の主人公は完全に女性たちであった。刀を持たずに戦う女性たちの姿が見事。欲をいうなら、お梅の最後をもっと掘り下げてほしかった。やや、乱暴かなと思った。
新撰組の小説は色々読んだけど、これまでにはなかった芹沢鴨にスポットをあてており、新鮮なおもしろさでした。芹沢鴨、近藤、土方らみんなが葛藤を抱えながら暗殺という結末に至った経緯がよくわかります。従来悪役で書かれることが多い芹沢のことが少し好きになりました!
永倉と斎藤のやりとりが良い 自分の信じる道を歩みたい永倉と、今後も共に戦うために相対する斎藤の場面。 永倉は斎藤を殺すつもりで打っていて、斎藤は永倉を生かすつもりで打っていて その違いが勝敗を決めたのだとしたらなんとも皮肉な話だとおもいます 糸里の生き様が男よりも漢らしくて惚れました 誰も彼もが真っ直ぐです
芹沢を主役にしたかったの?と思うくらい芹沢語りに偏っていた上巻とはうって変わって、バランス良く駆け足で話が展開していく下巻。 くどくど語りの上巻より読みやすくはなったけれど、焦点がぼやけていて結局何を書きたかったのか掴みにくい。 だけど、物語としてはとても好き。 真っ直ぐ凛とした糸里の強さ美しさは、同じ女性から見ても魅力的だし。 現実と誇りの板挟みで苦しみもがきながら、ままならぬ人生に飲み込まれまいと刀を振るう男達の美学も、心惹かれる。 浅田次郎らしい人間味溢れる物語だと思う。
くっそ~泣かされた。あんまり書きすぎるとネタばれになるので、細かくは書きませんが、男も女も切ないなぁ。「どうやら女というのは、剣を持たずに斬り合いができるらしい」という原田君。君の洞察力は素晴らしいが、そう言えるのはこの本に出てくる女性たちが強いからですよ、と。私なんぞは斬り合う前に降参しちゃいますよ、と一人突っ込み。上巻の感想に「男の理想的な女性像」を描いてるんじゃなかろうかと書いたのですが、巻末対談で浅田さんがあっさり認めちゃってるところが潔い(笑)。たしかに糸里さんはいい女ですよ。あー面白かった。
「女達の新選組」下巻。男の意地や曲げられない不器用さに不条理に運命を弄ばれる女達の、哀しくて静かで鋭い闘い。隊士同士では知り得なかった素顔が、女性の主観を通して語られ明らかになっていく流れも胸を突く。ラスト近辺はこみ上げてくるものを電車内ということもあり我慢した。 面白かったです。
得意の語り口調で下巻も続きます。芹沢は幕府の密命をこなしてたという設定。とても面白い。そう観ると芹沢感が変わってきて、また新撰組の印象も加害者から被害者へと変化する。そんななかで自分の人生と愛する人とのかかわりの中、それぞれの選択をしていく女達。女の方が新撰組より強く,たくましい。美しくさえある。時代を変えようとする男達の周りで、女達はすでに時代を乗り越えていたのだ。さすが、女!
今だと考えられない不条理の嵐。壬生義士伝の時とは違った情景を描き出していて力を持たない女の心の強さを実感した。私的に残念なのは中盤以降の展開が坂を転げちゃったような印象をうけたことと芹沢の最期があっさりだったことかな。☆3
武士と百姓、男と女。現代とは比べものにならないほど高い壁がある時代に、よそ者の江戸女でしかも妾のお梅は大店を建て直しながら、新選組で最も正統派の武士・芹沢鴨と共に悲惨な最期を遂げる。かわいそうや…というお勝の言葉は、殺された側だけでなく、どんな無理を貫いても侍になろうとする隊士たち、土方への想いを抑え込む糸里、愛する人を死に追いやった吉栄にも向けられた気がします。そのモヤモヤは事件後の糸里の啖呵、そして会津公への態度でスッキリ。歴史小説はちょっと…という女性にもおすすめしたい作品。
生死は分かれたが、最後、糸里、吉栄、お梅の強さが際立っていた。個人的にはお梅は哀れ過ぎる気がしたが・・・。百姓や食い詰め武士(近藤派)が真の侍(芹沢派)を殺害するということが、社会通念として最大の禁忌であった。それが、沖田の独白等を通して生々しく伝わってきた点が新鮮だった。読後感はあまりよくないかな。ちょっと憂鬱になる結末でした。土方の暗黒面が多少なりとも描かれていたのは、リアルっぽさという点ではありだと思った。
これまで何冊か新撰組の小説を読んできたけど、それぞれの隊士に対する印象が大きく変わる作品でした。あえての女性視点で描かれているところにこれまでには無い新撰組の内情が見て取れます。隊士たちが八木家・前川家の女房へ語りかけるのは故郷の母親を思い出しているのでしょうか。
土方が人でなしである。糸里を平間に差し出し、芹沢殺害に加担させたあげく自ら斬ろうとする。と、思いきや故郷に帰って一緒に百姓をしようとも言う。聡明と書かれているが、厚顔無恥にも程があろう。対して今回もカッコよかったのは斎藤一。別のところで作者は「土方を落としてやろう」とか「斎藤一が好き」と書いているが、作者の意図通りの作品になっている。
女の視点から見た新選組。 女の視点から見た芹沢鴨暗殺。 新選組は青春群像劇だと思っているのですが、女性視点であることによって艶やかに、そしてサスペンスフルに物語が進行します。 最後は相変わらず感動の押し売りですが。それでも間違いなく面白いです。 糸里の強さが激しく胸を打ちました。
読友さんのご紹介本。新撰組3作品の中では、一番なじみのあるエピソードがベースになっていて、なつかしさを感じつつ、新しい切り口も堪能することができました。天神糸里と4人の女性たち、男の時代にあって、自分の思いをしっかり持ち、義を貫いて生きようとする様は胸を打ちます。また新撰組の戦いは常に「武士になる、武士として生きる」という願いと葛藤を内に秘めたものだったところに悲哀を感じます。それにしても浅田さんは男性はもちろん、女性を女性以上に知り尽くして細かな描写でこれでもかと迫ってきます。すごいです!→コメント欄へ
けんちゃん@灯れ松明の火
浅田さんの新撰組3部作は一応コンプリートですが、何度でも再読したいですし、解説にあった、子母沢寛さんや司馬遼太郎さんの新撰組の本を引っ張り出してきて、どっぷり浸りたい思いです。あ〜、当分引きずりそうです…
ナイス!
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07/26 09:54
浅田さんの新撰組3部作は一応コンプリートですが、何度でも再読したいですし、解説にあった、子母沢寛さんや司馬遼太郎さんの新撰組の本を引っ張り出してきて、どっぷり浸りたい思いです。あ〜、当分引きずりそうです…
ナイス!
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07/26 09:54
浅田次郎の上手さを堪能。試衛館派のコンプレックスをおまさ・お勝の女房コンビは見事に暴き出す。出自の超克としての芹沢暗殺は、語り部の痛々しさもあり切なすぎる。壬生義士伝と違い、糸里を主軸にしきれていない為にいささか唐突な感もあるが、事件後の糸里の凜とした口上は胸を打つ。
考えてみると、芹沢派一掃に向けては実に様々な思惑が交錯していたものだ。無益な殺生は止めさせたい八木家のおまさ、侍が故に追い込まれた芹沢派と侍になりたい近藤派、そして女の幸せと島原傾城の矜持で揺れる吉栄とおいと。 そして事件当夜、ぞれぞれの採った行動は・・・。事前までの余りの混沌に結末を心配してしまうが全くの杞憂だ。史実と想像を織りまぜて見事な糸を紡いでいる。特に事後の天神の様、作者の愛を感じた。
優。真実が幾重にも折りたたまれていて、最後になるほどそうであったかと思う。そうと分かった時に、糸里の通そうとする「筋」というものが、見事に輝く。どこをどうとってみても、哀しい話のはずだが、そういう状況にあっても、人間の気高さというものを讃えている点において、なぜか明るい。
女は強い。この作品に出てくる女はいちいち泣くし怯えるし惑うんだけど、結局は強い。かわって土方さん、好きなんだけど、好きじゃない。糸里にはわかっていたみたいだけど、私には土方さんの真意がわからないまま。
芹沢の淋しさ、お梅の脆さ。平山の優しさ、吉栄のひたむきさ。土方の弱さ、糸里の強さ。それぞれの男女の生き様、死に様に心打たれる。個人的にはやっぱり平山に惚れる。土方さんは上巻のド鬼畜っぷりのまま突き抜けてくれるだろうと思ってたのであの展開は意外。
佐幕や尊王攘夷でもない新選組至上主義の土方に、壬生狼の友喰いの受難によって、人生を翻弄される女性たち。土方にとって女性とは、薬にも毒にもなり、また酔ってる時は現実から逃避できるお酒のようなもの。アル中ならぬ依存症である。どこまで行っても己の出身の身分の壁を越えられないジレンマを呪いながらも、立ち向かって行くこの漢たちに魅了されてやまない。
再読。見事な女性の強さを魅せてもらった。やはりこういう奥深い作品は読手の変化によって色々な顔を見せてくれる。初めて読んだ高校生の時に、お梅の嘆き苦しみなんて現実味に欠けるしただ可哀相としか思わなかった。だからお勝のお梅への思いも釈然としなかったし、女の強さや賢さなんていまいちピンとこなかった。ただただ糸里と吉栄の不憫さに涙した。だが今はそんな簡単なもんじゃないんだな。お梅の生き様は言葉通り死ぬ程格好良い。世の中の辛酸を舐め尽くしても、自分の理屈は曲げない、美人だ。→続
芹沢鴨の暗殺を、新選組とそれを取り巻く女達の立場から描く、なんていうテーマですが結局「どうやら女というのは、剣を持たずに斬り合いができるらしい」という台詞に尽きる。研ぎ澄まされた女の矜持が突き刺さる。
芹沢鴨暗殺がメインかな?薔薇がひっそり咲いていたとこは切なくなりました。するする読めましたが、なんかぼんやりした感じです。女性視点が新鮮で面白くなくはないのですが。「壬生義士伝」に期待。
本当の侍とは何か。激動の時代だからあり得る下剋上に全てをかけつつも、超えることの出来ない壁に苦しむ新撰組の面々。それを見守る女達の思いとかに引き込まれた。こんな視点の新撰組がとても新鮮で、理不尽で残酷で卑怯なんだけど、みんな一生懸命で切ない・・。創作された話だろうけど、これが真実だったらと思います。
濃い。芹沢鴨暗殺を描きながら土方・長倉・沖田の独白と共に、莫連お梅・芸妓糸里・吉栄の独白。男の情も女の情も毒性の如く濃厚。これが各人物メインの連作短編で、最後に結びつく形ならば泣ける余地もあるのだが、これは浅田さんの作意『俗を饗す芸が俗であってはならぬ』だろうか。原田左之介の『どうやら女というのは、剣を持たずに斬り合いができるらしい』がこの作品の芯かもしれない。会津藩主・松平容保公に示した糸里の『君がため 惜しからざらむ身なれども 咲くが誉れや 五位の桜木』の一首は土方歳三との別離の決意。→続く
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(5)
- 03/06
文庫フリーク@灯れ松明の火
Nak34さん☆芹沢暗殺、資料にたった1行くらいしか載っていないお梅や糸里。それをふくらませる作家さんの想像力・創造力って凄いですね。芹沢鴨を悪でありつつ、好漢に描いた小説は初めてです(笑)
ナイス!
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03/06 19:06
Nak34さん☆芹沢暗殺、資料にたった1行くらいしか載っていないお梅や糸里。それをふくらませる作家さんの想像力・創造力って凄いですね。芹沢鴨を悪でありつつ、好漢に描いた小説は初めてです(笑)
ナイス!
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03/06 19:06
おもしろかった。芹沢鴨暗殺を女性視点から描いた作品。八木家の人々の内情や新選組の周りの人々が決して好意的でないところが新鮮。最後の方は無理やり詰め込んだような感じだけども、全体的にはよくできている。ただ、女性視点のときより時折入る男性視点のモノローグのほうがおもしろく感じてしまうのは残念。
おもしろかったけど、いつもの浅田節による泣きどころ(泣かせドコロ)はかなり少なめ。糸里の感情描写より男たちのそれのほうが共感できるし魅力的。芹沢鴨の暗殺事件で終わってるが、このまま続きを読みたいと思った。新選組三部作、最後の「一刀斎夢録」を早く読みたい。
歴史的な『新撰組遺聞』の女性目線の話とされているらしいが、新撰組の逸話を知らなければ、女性目線とはわからない。でも、情況や、それぞれの‘想い’は伝わる。今の時代と違って、女性があらゆる‘理不尽’な情況を請け負わされながら、自分の意思を心の中におしこめていた生き方が切なく写った。時代物の小説だからか、今となっては使わないけれど当時のことばは、どこか品がある。(「ご無体いわんといて」とか・・・)
沖田のモノローグを持ってくるところ、永倉と斎藤のやり取りなんかは流石に巧い。でも、いつものパターンに流れてしまった感は否めないか。
★★★☆☆:最後の対談で浅田さんが「糸里は、僕好みの女性に描いた」というように、『輪違屋糸里』は、「女性視点」のお話ではなく、あくまで浅田さんの女性に対する視線とか想像とかひとつの理想像だよなあと。『壬生義士伝』も同様に。「○○視点」てそんな簡単に括れるもんじゃろか。浅田さんは、犠牲を美化したり、すり替えたり、うやむやにするのがうまいなあ。犠牲の上に成り立つ幸せには感動できない性分の自分には向かない。近藤派新撰組隊士の視点で語られる場面は面白い。それ以外は退屈だったり得心(共感)できなかったりとイマイチ。
輪違屋糸里 下の
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感想・レビュー:74件












































