壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)
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壬生義士伝 下の感想・レビュー(1097)
素晴らしい小説でした。義に生きた男とその家族の人生を、関わった様々な人物の回想語りで描き出していく。ここに出てくる義とは、特定組織への忠義ではなく人の道としての正義。それを貫いたが故の壮絶かつ鮮烈な生き様に只々圧倒され、翻弄され、泣かされ、ラストに昇華されて行く。加えて、国や人の有り様についても考えさせられました。
新撰組においても、文武両道の志士として、誠実さと実力を認められ慕われながらも、お金への執着心を捨て切れない。お金に意地汚いともとらえられるが、最期を迎え半生を振り返る姿には人間味・人間臭さが感じられ好感を持てた。他所でさまざまに語られる吉村貫一郎であるが、私のイメージは本書で固まり、ファンになりました。
さすがは平成の泣かせ屋ですね。貫一郎が大和守安定を使わずに死んでいくところが美しかった。武士道も良かったが、非常に人間味のある内容だった。傑作です。
「一筋を貫く」名の通りに生きた貫一郎。下巻はその壮絶な生き様と、彼により深く関わった者達の人生が語られ、胸を突かれる場面の連続でした。これほど感想を書くのが難しい本は久しぶり。貫一と嘉一郎、貫一と次郎右衛門、嘉一郎と千秋、それぞれの深い繋がりが美しく、また哀しい。それでも皆の願いや思いが具現化したかのようなラストに、少しだけ救われたような気がしました。身体は消滅しても、真摯な魂は受け継がれる。なぜか一番胸が苦しくなったのは「二度と戻ることのない、壬生の夏だった」の一文。
胸をしめつけられながら、涙しながら読みました。嘉一郎と千秋の友情、嘉一郎が死ぬ前にお母さんに語るところ特に泣けた。吉村さん、次郎衛さん、嘉一郎、どうして死ななきゃならなかった?時代や立場のせいで。自ら向かって死んでしまった。逆に周りが死なせてはならないと必死に動くのにまた泣けた。土方さんも自分は向かって死んでいくけど、「降参しろ」と言っていた。みんな大切なものを守れる、思いやれる素敵な人たちなのに悔やまれる。みつと貫一郎(弟)にそれぞれ吉村さんの願いが叶えられていて本当に良かったと思った。最後の手紙、次郎
再読。やっぱり名作。あの時代特有の「武士」というもののどうしようもない矛盾や哀しさと、もう一方で時代を問わない「一つを貫く」生き方や人と人との強くて堅いつながりみたいなもの、その2つがクロスして、この時代でなければ成り立たないであろう、切ないながらも力強い物語が生まれている。様々な人々の回想と当時の吉村父子自身の語りから物語の全体が紡ぎ出されていくという独特の構成も素敵。語り口がそれぞれ違うから飽きることがないし、隠れた登場人物であるインタビュアーと同時進行で新しい事実を知ってゆくという感覚が面白い。
再読再読!涙腺崩壊でした。器は小さくとも硬く美しければいい。佐助の『男なら男らしく生きなせえよ。潔く死ぬんじゃねえ、潔く生きるんだ。潔く生きるてえのは、てめえの分を全うするってこってす。てめえが今やらにゃならねえこと、てめえがやらにゃ誰もやらねえ、てめえにしかできねえことを、きっちりとやりとげなせえ。そうすりゃ誰だって、立派な男になれる』刺さりますね。
己は何を以て義とするか、などと思いつつ考える間もなく飲み込まれてゆきます。主人公の吉村貫一郎の人物と彼にまつわる方々の思いが明らかになるにつれ『吉村貫一郎』も人間だということ。人間であれば欲もある。『欲』という言葉に眉をひそめる方もいるかもしれない。しかしこんな清らかな欲があるだろうか。いや、人間誰しも持つ当たり前の欲は清らかであるのかもしれない。父の願い、子供達のゆく末…涙が止まりません。誠之南部武士ニテ御座候。義士ニ御座候。(浸りたい方は解説は後日のほうがよいと思われます)
読み終わりました。 主要な人物の”その後”が書かれています。 吉村貫一郎、嘉一郎、みつ、大野次郎衛門、千秋、そして嘉一郎の弟。 最後は晴れやかな終わり方です。 読み終わった後、涙が出ました。 辛い選択をした人、それしかできなかった人、一途に想いを貫いた人。 それぞれの人生、想いを考えると様々な事を考えさせられてしまいます。 これで良かったのか、悪かったのか答えが出ません。 脱線しますが、佐助の言葉に胸打たれました。 潔く、男らしく生きていこうと思います。
下巻は、巧さと同時に、はしばしに強引さも感じる。浅田先生は、自分が生み出したキャラに引っ張られたのかなあ。幕末新撰組の天才剣士として切腹して果てるか、太平洋戦争の天才零戦乗りとして特攻隊として死ぬか…。全体的な読後感としては、「永遠の0」にやや軍配あり、かな。
上巻を読むのに2週間かかってしまいましたが、下巻はどんどん読み勧めました。幕末の下級武士の貧しい暮らし。文武両道に秀でていても先が無く、妻子は冬を越せないかもしれない。。と思ったとき、脱藩し人切り、守銭奴を侮られながらも、妻子の生活のために新撰組に加わった元南部武士。親子の情愛も素晴らしいが、かつての幼馴染の上司の生き様も見事。 それぞれの息子2代に渡る生き様を何人かの人語っていく中で明らかになっていく過程が感度的だった。今の世の中、誠実さなん死語になりつつあるけど、‘誠’を背負うって壮絶な生き様だ。
や~っと読み終わりました。長かった。でも、下巻はじーんとくるシーンも多く、読んできてよかったと思えます。何より、下巻は土方さんの男気っぷりも出ていて、素敵でした。下巻も引き続き、親子の愛情の深さ、人としての正しいこととは、仁義とは何かなど、色々と考えさせられます。「燃えよ剣」などで大体の新撰組の歴史を知ってから読むことをオススメします。あと、最後の手紙…あれは、正確に読めなくても漢字を追うことで大体意味は分かります。あれがあるのとないのとでは、結末が全然違う!絶対読んだほうがいいです!
愛について考えました。家族愛、友情、人間愛。男性は吉村に自分の姿を重ね合わせるのでしょうか?仕事が辛くても、家族のために頑張る自分の姿に。
上下巻あわせて1000ページぐらいあるのに加えて慣れない言葉がたくさん出てくるので読み終わるのに時間がかかりましたね。 でも、すごいよかった 。たくさんの人の語りからわかる幕末に生きる人々の不器用さ、そして中村貫一郎の人柄に感動させられっぱなしでした。 特に語りの合間に入る、瀕死の貫一郎が家族や親友のことを想っている場面は涙なくして見れませんでした 私は何度でもこの暖かい本を読み直したいです 。
結局、男は自らの義を信じて生きるしかないのですね。それが正義なのか賊なのかは後の世が決めることだったのですね。悲しくも人の強さを感じました。佐助親分の話は涙なしには読めませんでした。そして男の友情の強さも心地の良いものでした。夫婦の強さ、家族の絆も私の心に残りました。最後の手紙はちょっと読めませんでした。
貫一郎の最期と、息子たちのその後の行方を主観と周囲の人々の回想とで描いている。最後までとことん自分を苦しい目に置いてまで、家族のことを考えた貫一郎から、最も身近な目下のものを守り大切にすることこそが、人の務めだと表わしている。___ 末息子の名前が出た時、そんな訳ないのに一瞬無事だったのかと期待してしまった。それでも貫一郎の最期の行いが、しっかりと息づいていて良かった。
最後の方は泣きながらよみました。すぎるほど不器用な吉村が一番人間らしく生きて、周囲の一筋縄ではいかない男たちを巻き込みまくって死んでいく でも、なんか何かに似てるなぁと思ったら最近の韓流時代劇に似てる気がしたけど気のせいかしら?? どこにでもあるお話?でも泣かされたわぁ どのみち大感動でした。燃えよ剣とこのお話は必読ですね
なかなか読めず、時間がかかりましたが、最後まで読めて良かった。最後は涙涙でした。手紙も難解でしたが、良かった。再読したい一冊。
あれ?感想upしてない…みんなに、下巻はヤバいヤバいと言われていたので、中盤以降自宅で読む。電車内で赤鼻のトナカイになっていたのは秘密。刀の話はいかんです、父上!
数年ぶりに泣いてしまった。真の義士とは、家族を大切にするということ、親を大事にするということ、夫婦がお互いに愛しあうということ、友が互いを尊敬するということ、それが浅田次郎の伝えたかったことなのだろう。家族を養うために脱藩した吉田貫一郎が、かつての親友から切腹を命じられるシーンから始まり、父と同じ名前を付けられた息子「吉田貫一郎」が「もう、誰も飢えさせたりはしない」という思いで作り出した米を持って故郷の盛岡の駅に到着するシーンで終わる。何度読んでも震えるぐらい素晴らしい話だった。
涙なしには読めない作品。吉村貫一郎をはじめ一人一人が、己の「義」と信ずるものを貫き通すために生きた姿が随所に見られて胸が締め付けられた。高校生の頃に挫折してしまった作品だったが、それは、彼らの真っ直ぐで、一方で不器用な生き様を理解するには私がまだ幼すぎたのが原因だろう。本当に素晴らしい作品。
貫一朗にも嘉一郎も生きていて欲しかったなぁ。彼らが死んでしまうとわかっているから、読み進めるのが辛かったです。思いやりに溢れ、懸命に生きる彼らがどうして死ななければならないのでしょう。涙が止まりませんでした。
浅田次郎の歴史物は、あまり歴史小説という感じがしない。他の歴史物と比較して「歴史」よりもはるかに「小説」に重点が置かれているように感じる。人がどうその歴史に関わったかよりも、動かしがたい流れの中での苦悩に焦点を置いている。これは、当時の人々の特殊性よりも今に共通する人としての有り様を描いているという点で、より僕達にはわかりやすい解釈をしているとも言える。それが本当にそうだったのかどうかはもちろんわからない。だが、浅田次郎の歴史物を僕がまた読んでみたいと思う理由は間違いなくそこにある。
素晴らしい、感動した。明治、大正の時代って、よく考えてみれば、新撰組隊員の生き残りもいたし、子母沢寛はそういう人からも取材をして小説を書いたし、その人たちは当然、人斬りをした人たちだった。平和な平成の時代に生きていると、そういうことに気づかないのだが、この小説は、そういった時代の変化を巧く取り入れて幕末からの大変革を描いている。吉村貫一郎という実在したが詳細がわからない人物を題材にしたことは正解だ。自由に脚色して新しい人物像・人間関係を小説の中で構築ができる。だから、これだけの人間ドラマが掛けたのだ。
一人で読んでて涙と鼻水でグジュグジュになった。ティッシュを取りに居間に行ったら、だんなさんに「どっ・・どうしたんっ!?」と驚かれた(-_-;)人によって泣くツボは違うと思うけど、みつが提灯のあかりに照らされて嫁ぐシーンでもうボロボロに・・・。父親が娘を想う気持ちを、自分の父親と重ねてしまって。読んだ後で見た映画もすごくよかった!近藤さんと土方さん役が新鮮で何度も見返してしまいました。
泣きのファンタジスタ、浅田の本領発揮。魅力的なキャラ達がタメにタメて、最後に織りなす泣きのフェスティバル!キャニバル!
読んでいて、ことあるごとに涙が出てきてしまう。読む速度は落ちましたが、その分存分に堪能させて頂いたと思います。上巻に続き、義というもの、そして侍にとどまらず、その時代に生きた人々をもが描かれているように感じました。下巻では、より吉村貫一郎に近い人々が登場します。最後の大野次郎右衛門の書簡は漢文に不慣れながらも、頑張って読みました。文字や文章のひとつひとつが本当に重かった。自然と背筋を伸ばして読んでいました。素晴らしい本に出会えたと思います。
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