龍宮 (文春文庫)

龍宮 (文春文庫)
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小説
川上弘美
日本文学
文学
短編集

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龍宮の感想・レビュー(321)

とても不思議な作品。おそらく人間の「業」というものを、魑魅魍魎たちを主人公とする事で、どろっとした、薄気味悪い、なんとも不思議な「業」を表現さた小説なんだろう。だとすると、こんなにも冷静かつ客観的かつ叙情的に人をとらえることが出来る、川上弘美という作家さんは、怖いな…。

とても不思議な感覚になる。「蛇を踏む」と近い感じの内容。人とそうでないモノや、常識を超えた年齢の人がいたりだとか、一般の概念では考えられない世界が奇妙であるけど、心地よさを感じる。まるで夢を見ているような感じ。もっと色々読んでから、また読んでみたい。

手持無沙汰に海を眺める私の前に突然現れた中年男。言われるがままに呑み屋をはしごするうち、彼は自分が蛸であることとその身の上話を語り始める(北斎)。7代前の先祖に一目ぼれしてしまった200歳の女。寿命が極端に超過した世界の中で紡ぎだされる2人のつかず離れずの日常(島崎)。表題からは何か下地となる話があるのかと思いきや、あくまで物語を想起させる一要素でしかないみたい。時間感覚や物語の展開自体が既存の考え方から離れており内容も決して明るくはないんだけれど、読了後は独特の心地よい気だるさや落ち着きを感じた。

【再読】何も考えずに読む。不安定。こわい。終わりも始まりも、何処か深いところぼんやりしたところ時間のわからなくなるような遠くにある。/筆者は生物学系の出身だといつか知りました。この本と「蛇を踏む」などに、ああ、そうだなあと思わせるものを濃く感じる。私自身が生物の有り様について感じる畏れやわけのわからなさや淋しさなどと重なるものがここにあるなと思うので、これは生き物についての話であるように感じて、勝手に深く納得したりします。/何か大きな流れの中に在って、理屈なんてない。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 01/23

「蛇を踏む」同様の感触を持つ短編集。 読み進むうち、自分が何者かわからなくなっていくような幻術をかけられている気がしてきた。 不可思議な作品。 ぐんにゃりした。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 09/26

薄暗くて生暖かくて気持ちの悪い肌感触。金魚鉢を嗅いだような、ひんやりした水と飼われた生物の臭いを感じる。表紙はよく合ってると思う。川上弘美は人間がメインのものより、こういう得体の知れない存在をテーマにしたものの方が好みかもしれない。なぜだか時間を置くとどうしても再び読んでみたくなるのだ。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 09/10

★★ 苦手です。。

生と性のほの暗さをおぼえさせられるような話。そのほの暗さが人間的というより異類のものであるように感じるからよけいに薄気味悪いのかも。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 08/12

びっくりするような話をさらりと書く人だよなと改めて実感。今回は年寄り(?)の恋愛が少し多め。 不思議すぎて感情移入をするわけじゃないけど、最後まで読んでしまう。主人公の性格の黒さもさらりと書かれている。 一番純粋でだけど端から見るとただの性悪なのは「荒神」すごいなこの女と思ってしまった。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 06/09

現代きっての異類譚の書き手だと思ってます。好き。カツレツ作るお手伝いをするイトさんがかわいい。ほかの多くの川上流異類譚よりも、ほんのり怖さを漂わせる作品が集められていますね。すこーしだけ気味が悪い。すこーしだけ不安になる。その読後感がまた絶妙。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 05/06

そこにいる いない いない? いないんだろう、いないかなあ、どうかなあ、という曖昧な感覚で読むとうまくこの空気に馴染めます。作中に、なにかをつよく望む者がいないように、自分の意志よりも強い流れに逆らおうとする者がいないように、掴もうとしても抜けます。だからなにも得ようとせずかかるのが川上女史への挑み方です。 たぶん。だっていないんだもん。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 04/16

卑猥で巧妙。入り組んでて明快。たんじゅんで理解不能!不安なんだけど心地良い。邪推なんてナンセンス。感覚で読むべし読むべし。感覚で読んだ結果、とりあえず400歳まで生きてみようと思った。で若い女の子ひっかけよーっと。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/15

分かりそうで分からない内容、何かありそうでなさそうでありそうな話、突拍子もなく実体が掴み辛い…ああ、純文学…なのか…。考えるな、感じろ。という本は別段苦手ではないのですが、うーん。『轟』と『海馬』はその中でも好きな方です。めげずに純文学に手を出し続けてみる。

いつまで経っても私は磨りガラス越しに景色を見るしかなかった。そんな印象。残念ながら全く世界に入れなかった。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 03/07

不思議な世界が当たり前の如く書かれている。感覚で楽しむ世界。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 02/06

まるで脈略のない夢を見てるみたいな。主人公には疑問や戸惑いのようなものが感じられなくて、そういうのって覇気がない、人間じゃない感じ。だから読んでいる自分が不安になる。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 01/30

掴めそうになるとするりと逃げられるというか、なかなか輪郭の掴めないお話たちだった。そして最後まで掴めることがなかった。それが心地よい。読了後には、濾過されたものだけが残るような本。次読んだ時は、また形を変えているんだろうな。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 01/01

冒頭の「龍宮」で異常な恐怖を覚えた。彼女の描く淡々としながらどこかエロティックな「海」は女性性の「産み」に通じるのか。なので余計に恐い。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 12/24

ここにおわすは神であろうか・・・。神が人を生んだか、人が神を生んだか・・・はなはだ疑問ではある。ああ、川上弘美は不可解である♪
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 12/23

竜宮城の住人達をモチーフにした幻想短編集。川上弘美さんの真骨頂。おどろおどろしいんだけど、飄々として軽い。

不思議で淫靡な短編が8作品。何かの比喩やろなぁと思いながら読んだけど分からんかった。解説を読んでみたけど分からんかった。 意味を考えずフィーリングだけで想像するならリアルなテーマパークに紛れ込んだ感じ。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 12/06

めちゃくちゃ色っぽい短編集だと思う。淡々と描いているのに、不思議な感覚になる。「島崎」のおふたりが好きです。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 11/04

教訓など求めていない。ただ書かれている世界に浸るだけ。私はこの本十分満喫しました。轟は特に、長編で読みたいです。不思議な大人向け童話集。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 10/28

ぐろてすく。解説にある"―「安心して」読めるかどうかはともかく、こうした「教訓」のない童話を読むように読めばいいのではないか"にたいそう安心した。こんなの、感じるだけで精一杯だ。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 10/03

ねっとりとした情念がそれでも淡々と語られる。じとっとしてぬるっとした手触りのお話。「北斎」が味があって好きだなぁ。読んでるとぐにゃぐにゃしてくるよ。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 09/27

面白かったです。生々しい。寿命がすごく長かったり、話によっては何かわからない生き物だったり。わたしもきっとアレだな。不思議な話でした。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 09/23

「龍宮」「荒神」「鼹鼠」他

なんともとらえ難たい話たちです。なかでは寿命が倍以上延びた老人たちの恋愛の話は結構好き。最近のニュースもあいまって印象的でした。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 08/03

「飲んだら、飲みつくしてしまうだろう」とテトラポットに腰掛けて男が言った。私は男の口ぶりが子供じみたものに聞こえてわらった。わらうとテトラポットがかさかさと音を立てた。男は海の水をコップにくんで、のどを鳴らして、飲む。そうしているうちに海から緑色をした海草のようなつるが延びてきて、男の手に巻きつく。わかった、わかった、と言うように男は片方の手でつるをなぜてやる。そうするとつるはほどけて、もっとなぜろと言わんばかりにくねくねと宙を踊った。遠くの国道からは新聞配達のバイクの音が聞こえる。
taka89ma
私は男とつるの様子がおかしくて、またわらった。「でも、飲むんだ」男が言った。私は「そう、飲むのよね」と答えて、つるを眺めた。
ナイス!ナイス! - 07/06 06:46


踏み迷うのではなく、ふいに浸みてくる異界。「北斎」に戸惑い導かれ「龍宮」で絡めとられた。腋や首筋や内股を順に冷たい水がスルスルとなぶるように。ゾクリとした。著者の綴る物語は、どうにも身体的だ。恋愛や肉の欲よりもっとプリミティブな肉体感覚を思い出させる。さらに、見えるものが果たして見えるままであるか否かという背中合わせの狂気。叙述の受け止め方は、そのまま読者が現実を受け止めるさまにオーバーラップし、堅牢なはずの現実がグニャリとひしゃげる。この足下のグラつき。だからこそこんなにもオソロシク、愉快なのだろう。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 07/01

しっとりと、 ねっとりと、 不思議な不思議な短編集。 わけがわからないけれど、 それが心地よいのです。

基本的にはあまりに怖いと云うか、自らの奥にある「恐れ」とかを突きつけられたようでいい気分ではない。でもさすがに巧みだとは思う。『島崎』で、ようやく後に引いたかんじを持たずに入り込めた、恍惚というよりぼんやりと気だるさを伴いながらの昇華だった。最後の『海馬』は本当に好きです。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/12

いいなあ。北斎と島崎が良かった。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 04/27

不思議な感じ。。この作者のぬめっとした小説はやはり苦手。。

ぬるぬるした話。著者の作品の中でも幻想味の強い部類ではないかと思う。幻想といっても、肉体的/肉感的なもので生物として人間と地続きになっている話ばかりで肌にべたっとさわられるような嫌な感じが楽しめる
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/12

日本文学は翻訳に疲れたときの箸休め

初・川上弘美さん。全体的な印象として、冷徹で無駄がなくて、ぬるぬるしてて、暗くて、水木しげるの漫画みたいで、でも登場人物の表情はわからなくて、話の内容もよくわからない、そんな感じ。幻想譚だけどそれだけでなくどの短編も現実との接点が唐突に出てきたりして目を瞠る(『轟』除く)。とても不思議な読後感。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/19

ulu
不思議な短編集。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 03/13

全体的に生ぬるい水のような感じがした。神様が大好きな自分にとってはちょっと不思議モード全開過ぎて受付なかった。

出たな不思議の国の川上弘美。どの話が好きかでお酒が飲めそうだ。僕は轟が好き。長編よんだことないけど…、この人の短編は面白い!現実に夢が混ざりこんでくるような、夢が現実になるようなそんな流れが巧みだ。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 02/14

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龍宮の 評価:47 感想・レビュー:75
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