センセイの鞄 (文春文庫)
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センセイの鞄の感想・レビュー(1535)
再読。この独特の雰囲気と、一定のラインからはみ出さない感情の描写が読んでいて心地よい。全てを描かずとも自ずと漂う妖しさ、というものがある作品です。
主人公のツキコさんと、センセイの会話のやりとりが、とても面白い。二人の会話の間と言うか、距離感と言うか、いろんな要素のバランスが絶妙。つかず離れずみたいなのが良いと思う。書く人によっては、とても退屈な小説になってしまいそうだけど、この小説はとても面白い。物語の展開に期待しつつ、読み進めることができる。川上弘美さんの作品を沢山読みたくなりました。
初めは、がっつり先生と元生徒の恋愛物だと思ってなんとなく避けていた。読んでみると、それは思い違いなうえとても良い。センセイとツキコさんのゆったりとした関係や会話が何とも心地よかった。卸し金をプレゼントする場面が何故か印象に残った。あと、読んだ後、無性にキノコが食べたくなった。男女間の愛情とか親子間の愛情とか先生と生徒間の愛情とかそーゆー感じではない、センセイとツキコさんの間の特別な愛情が感じられた。高校生の時に感じた川上弘美の印象が変わって、もっと読みたくなった。
登場人物がこのような年齢設定でありながら、まったくドロドロしたものを感じさせず、むしろ爽快な印象すら与えてくれる恋愛小説です。お互いに惹き合う思いと、互いを思う気持が絶妙の距離となって行間に横たわるのです。かといってそれはけっして読む者をじらすわけでもなく、実に自然な形で通じ合っていくさまが微笑ましくもあります。現代の寓話のようでもあり、失われた理想のようでもあり。本当に美しいドラマでした。 これはやっぱり名作だと思います。
最後でタイトルの意味がわかった。センセイとの会話のやり取りに癒された。この本が持っている雰囲気がとても好きです!センセイの元妻のキャラも好きです(笑)
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 02/08
37歳のツキコさんは高校時代の国語教師の「センセイ」に飲み屋で再会する。ツキコさんより30と少し年の違う、恐らく70代のセンセイとともに過ごすゆったりした日々。秋のキノコ狩り、春のお花見、島への旅行等々。友人でもなく恋人でもなくやっぱりセンセイという関係に変化が生じたのはツキコさんがセンセイを好きになってしまってから。美術館でデートをした後にセンセイから恋愛を前提におつきあいを申し込まれる。再会して2年、おつきあいして3年の切なくも愛おしい日々。今、いつでもセンセイの手元にあった鞄はツキコさんの元にある。
川上弘美が大好きです。この人の小説で初めて読んだ本。70手前の飲み仲間のおじいちゃん(女好きw)に勧められて読んだけど、飲むの好き、フラフラ歩くの好き、年配が好き、居酒屋で一人飲み。まさに私だったw川上弘美さんは食べ物がそそる。それから欲情するみたいな。静かな雰囲気が良い
センセイのあたたかな言葉や仕草、ありのままの立ち振る舞い、絶妙なタイミング、静かな時間…"そのまま"でいられるおおらかさが素敵。ツキコもセンセイに無我夢中だけどセンセイもセンセイらしく無我夢中なところが垣間見えるとき、読んでいて嬉しくなる。
センセイとツキコが織り成す日常。センセイのキャラが癒しでとても読みやすかった。女性におススメの作品です。普通の内容だが飽きずに読めました。
食事の描写が良い本は名作であると聞いたことがある。美味しいお酒と少し古風でやわらかな言葉たちがふんだんに盛り込まれて素敵でした。つかず離れずの距離感が逆にどきどきした。ラストは何となくわかってはいたけどびっくりした。あとセンセイの飼ってた犬の名前、うちの犬と一緒だ。
展開はベタではあったけれど、キャラクター設定や進むペースのお陰ですごく自然に感じられた。ツキコさんは変ではあるけど、一方で不器用でピュア。そしてセンセイも似た感じ。おそらくセンセイの視点からでも、同じぐらいの物語ができるのでは?という気がした。しかし、夢の章で暗示していることははっきりとはわからなかった。そこらへんもわかったらもっと楽しめるんかな?いや、でも、十分いい本でした!
読了した瞬間、あったかい気持ちがずっと続きました。鳥肌もじわーんと。川上さんは真鶴のイメージが強くてあまり読んでいなかったことを反省。ツキコとセンセイの2人が文字から浮かび上がるような描写が秀逸すぎる。ツキコが久々にセンセイを訪ねる時、家の前で10分ウロウロ、インターホン指が凍りつく、庭を覗く・・・誰もがわかる感情や動作を丁寧に丁寧に描いていく。別れた後、何百メートルも別れた相手に喋りかけながら帰る・・・などなど、もうたまんないです。身を固くして電話するなんて恋愛を37歳と70歳?ができるなんて、今の時点
先に漫画版を読んでいたので、話自体は知っていたけど、活字で読むとまたいい感じ。多分、この人の文章が個人的に肌に合うのだと思う。相性も良いうえに、話自体も淡々とした清流のようで、読み進め、終わりが近づいていく毎に、この物語との別れが惜しくなってきた。しかし、ページをめくる手を止める事は出来ず、会社の昼休みの雑踏の中で、自販機のコーヒーを飲みながら、余韻に浸った。
ツキコさんがめんどくさかわいいけど、初出誌が「太陽」であったことを考えると、若干あざとい設定であるようにも思えてきてしまうw 単行本が出たのが2001年だけど、00年代後半に谷川史子、西炯子、ヤマシタトモコといった人気漫画家たちがこれに似た話(恋愛下手な、それなりに歳の行った女性が、親子ほど歳の離れた「先生」と恋愛する話)を描いてそれぞれ結構売れていたことが個人的に気になってるのだけど、そのことに関して何か先行研究(?)のようなものをご存知の方がいたら是非教えてください。
沢山の人に読まれているのが嬉しくて、それでも自分の内に閉じ込めて大事にしておきたい本。じんわりじんわり沁みてくる本です。ネタバレはあまりしたくないんですが(といいつつ)、ディズニーランドのパレードを見る度に、泣いている2人を探すのですが、未だに見つけられません。
「育てるから、育つんだよ。恋愛なんて、そんなもんさ」大事な恋愛ならば、植木と同様、追肥やら雪吊りやらをして、手をつくすことが肝腎。そうでない恋愛ならば、適当に手を抜いて立ち枯れさせることが安心。/わたしたちは、いつでも真面目だった。ふざけているときだって、真面目だった。そういえば、まぐろも真面目だ。かつをも真面目。生きとし生けるものはおおかたのものが真面目である。 そう考えると少し心強い。おおかたは根っこ、真面目なひとなんだ。みんな真面目に大事なものを大事と言えるといい。
「ツキコさん、デートをいたしましょう」…新聞の新刊案内でこの一節がすごく気になった。今更ながら念願のセンセイの鞄。40歳目前のツキコさんと30歳程離れているセンセイとの淡い恋物語。(ラブストーリーとは言いたくない、個人的に。)川上さんの作品ははKu:nelで何度か読んでいるが食べ物の描写が上手い訳ではないけれどごく一般的な食べ物を上手に書く。そして時間の流れの気持ちよい作家さん。そしてこの本はツキコの年齢(時間)などお構いなしに恋する女性なら頷いてしまう。私も「センセイ」と呼びたくなりました。
年の差恋愛は現実では微妙やけど小説・漫画ならむしろ好きなのでキュンキュンしながら楽しく読んだ。センセイもツキコさんも、いい。恋愛になってもならなくてもあの関係、空気感が羨ましい。ツキコさんも、センセイの敬語で丁寧やけどちょっと子供っぽかったりふざけ好きなところも、すごく可愛い。『キノコ狩』が特に好き。「正式なおつきあい」が始まってからの話も全部好き。最後の『センセイの鞄』は切なかった。じわりと涙が出た。「ツキコさんはいい子ですね」「センセイ、好き」のやり取りが心に残る。
長嶋有「電化文学列伝」で取り上げられていたのが興味深く、気になったので。この作品は連載で、最初は川上さんも恋愛小説にするつもりはなかったという(驚)。書き進めるうちにこういう展開になっていったのかー。
帯にはこう書いてあった 「40歳目前の女性と30と少し年の離れたセンセイの切なく、悲しく、あたたかい恋模様」 まさしくその通りって感じだ 川上さんの作品は時間の流れが不思議・・・ いきつけの居酒屋っていいなぁ 好きな章は「キノコ狩り」「センセイの鞄」 特に「センセイの鞄」は驚いた・・・これからツキコさんはどうしていくのだろう・・・ 先生ともっと居れたらよかったのに・・・
なにこの切ない感じ!読み終わったときにふと思いました。読む前から年の差の恋愛物だとは分かっていましたが、まさかここまでとは…。しかし、全然変な感じはしなくて、むしろこんな恋もいいなと思った。
センセイとツキコさんの二人の距離感がいい。べたべたした湿っぽさがまるでなく、さらさらしてる。季節がうつりゆく中少しずつ少しずつ愛しく思えてくる。ゆっくりゆっくりな展開が、すごく良い。そしてほろ酔いの夢の続きのように、ひょいっと水たまりを飛び越えてあちらの世界へ連れてゆかれる。あれれ…と思う間もなくうつつのここにいるような。不思議な空気にゆらりゆらゆら包まれて、この心地良さくせになります。
とても淡々としているんだけれど、それがまたいい。30歳以上も離れた元先生と生徒の関係でも大人ともなれば関係ない!センセイの雰囲気がとても好き。私の中のイメージだと長塚京三さんかな。ツキコが知らず知らずのうちに惹かれていたのもわかるなぁ。最後はとてもせつないけど、せつなさを感じさせないツキコさんもまた素敵だった。
再読。ツキコさんもセンセイも食事とお酒をきちんと楽しみ、二人の周りでは、季節が丁寧に巡ってゆく。そんなところが大好きです。ツキコさんとセンセイ、二人の時間を四季で表すと冬でしょうか。それも、小春日和の縁側。永遠に続くのかと思うほど、静かで暖かな時間。でも太陽が暖めてくれるのは、わずかな時間。
恋心を認識するまでのじんわり感は。。よかったかな。。でも、いかなる恋愛にも。。肉欲はつきものなのでしょうか。。それが、なければ可憐ではかなげな恋物語。。
恋愛に年の差は関係ない、と前から思ってはいました。でもそれは実体験がないからこそ簡単に言えていたのだと思います。すごく年上の異性とたまたまふたりきりになった時のあの妙な感じ、思い出しました。しかし、ふたりの距離の中に流れる時間はすごく愛しいものに感じられました。もしツキコさんとセンセイが同い年だったら、ふたりはこんなにも近づけなかったかもしれないと思いました。壁になるはずの年齢が、逆にふたりを近づけるのは不思議なことです。ラストは物悲しいですが、これを読んで改めて、恋愛に年齢は関係ないと私は言いたいです!
センセイの鞄の
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