蛇を踏む (文春文庫)
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蛇を踏むの感想・レビュー(688)
『蛇を踏む』???読んでてしんどかったw『消える』たたみかける不条理表現が楽しい。吉田戦車みたいで。書いてる自分も楽しかったのでは?『惜夜記』こんな不思議な話だったのと、滔々と興味のない他人の夢の内容を聞かされてる感じ。つらいw ときおりキラリと光る表現もあるんですけど、うるかとか、きぬかつぎとか、言葉のチョイスがちょっとあざといかなと。まあ、言葉の雰囲気を楽しむ小説なんでしょう。
何かをきっかけに蛇に取りまかれていく。蛇は何事も受け入れてくれるように心地よい。一方で蛇との間に壁が全くないため対話が出来ず分かり合うことも、譲りあうことも決してない。つまり蛇とは永遠にねっとりと密着し、且つぶつかり合っていかなければならない。ずっと何も知らないふりをして、心地よい殻にこもって生きていくことなど人間にはできない。蛇の世界なんて存在し得ない。
内容が謎でも形式が(地の文はどれだけヒネててもいいのでやはり会話文が)平易ならとりあえず苛つかずに読めることがわかった。しかし「惜夜記」のようにあまりにも意味がわからなくなってくると読む必要が感じられなくなってくるのも然り。てかこういう作品だと感想も総じてポエムっぽくなってるのはなぜ??笑 「消える」はちょうどいい塩梅だった。
内容を全く覚えていないので読み返し。
「蛇を踏む」も「消える」も日常生活の中に奇妙が存在していて、溶け込むように混ざりあってる感覚が好き。「惜夜記」がなんと表現したら良いか分からないけど、とにかく心地よく感じた。全体的にぼやっとした幻の中にいるような気分になれる。
主題を読み取るというよりは、イメージを感じることを欲されてるのかな。主題のために、この言葉そのままの感覚を、この世界の感覚に翻訳し直すのは何かちがうような。鮮烈な蛇のイメージ、はりつく夜の暗さ、粘着力に翻弄される。印象的な夢を見た後のような読後感だった。
電子書籍版で読みました。川上さん、いつか歌舞伎か文楽を書いてください。説経節のような不思議話は、あなたが一番だと思ってます。
いま一度、気配に全霊を傾ける。そんなことを思わせる作品群。不穏なのに安穏。ヴィアンみたいな。特にさいごの、夜の話が好きだ。どこまでも埋めつくすそれにわくわくする。少女との関係が、とてもとても羨ましくてならなかった/それにしても、なんて博識な方なのでせう!バックグラウンドを覗いてみたくなりました。
こういう宗教画みたいな小説は好き。なんかこう、言語を用いているんだけども決してロゴス的な世界ではないってのがいいね。すごいね。
若い女性の自立と孤独を描いた芥川賞受賞作、とカバー裏には書いてあるけどそれもまた違う気もする。合わない人は合わないし、好きだという人は好き。そんな感じ。しかし「消える」はすごいね。訳の分からない世界をとても理性的な文章で書いてるから、それが面白いのだろうか。訳が分からない世界なのに何が起きてるかは理解できてしまうというか。あと今回読んで気づいたけど「惜夜記」はたぶん『夢十夜』のオマージュですよね。動物が出てくる奇数章と私と少女の偶数章。偶数章を全部で一つの物語と考えればちょうど十話。
「神様」の次くらいの初期の3作が収められているのですが、なるほどシュールですね。まるで夢の中のイメージを、目覚めてすぐに口述筆記したかのような世界観。かといって、前衛芸術ぽい胡散臭さは感じられません。 川上さんはこのころから独特の「ひらがな擬音」を使うのが上手かったのですね。特に『消える』の文中では効果的に感じました。『惜夜記』はもうこれは大人の童話だと思ってメタファーを気にせずに面白く読みました。カフカやサルトルの匂いも感じましたが、やっぱり川上さん独自の味だと思いました。
短編集。自分には難しかったです。『蛇を踏む』と『消える』は文庫本の裏表紙を読んだので少しは理解出来たけど『惜夜記』は読み終えて「何と無くこうかなぁ?」って思う程度の理解しか出来なかった。 解らなかった言葉メモ:大黒=僧の妻。月下氷人=仲人。惜夜=そのままむなしく過ごすには惜しい、価値のある夜。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(2)
- 12/12
ユリイカの特集に川上さんの小説は<比喩>の文学だとありましたが、『消える』以外は読解力が及ばず主題さえ見破れない状態でした。解釈論によると『蛇を踏む』の蛇=母性で、『消える』は無自覚のうちに伝統に縛られるもう一つの日本、らしいですが…。一つ一つの表現に意味を見出そうとすれば、それこそきりがなく、意味を持たせようとするよりかは、その独特の雰囲気に浸りつつ何かを感じ取る、という風に読むのがいいのかもしれません。
再読。一旦入りこむとくせになる。水を飲むように読める。初読では味わいきれていなかった表題作が、ぐんとからだになじんだ。
初川上弘美作品。最近、芥川賞、直木賞受賞作品を選んで読んでおり、今回、芥川賞受賞作の『蛇を踏む』を読むことにした。先日読んだ川上未映子さんの芥川賞受賞作『乳と卵』は、読みづらい文体で、男性には理解しにくいテーマだったが、引かれるものがあり、他の作品も読んでみようと思った。しかし、受賞作を含めたこの本の3篇は、私にはテーマが何なのかすらも理解できなかった。弘美さんの「うそばなし」を読めるようになるために、まずはエッセイから読んで見ようと思う。「うそばなし」を読めるようになれれば、再チャレンジしたい。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(2)
- 11/26
日本の昔話を読んでいるようでした。気味が悪いのに次の展開が気になって一気読み。蛇の世界とは、どんなところなんだろう……。私は三作目の短編集(?)がとても面白いと思いました。
ごめんなさい。さっぱり理解できませんでした。2作目まではなんとか読みましたが、3作目は読みませんでした。本当は読み終わった本に入れてはいけないのかもしれませんが、がんばった自分へのごほうび。
川上さんの本で読んだ二作目です。自分にはまだ、わかんないところが多い小説でした。でも、また読んでみたい。今度はまた違う感想を持てたらいいなあと思います。
敬遠しがちだった女性作家をちゃんと読もうとして、でもやっぱり敬遠したくなるような内容だった。パンチが足りないというか、なんというか。
読んでる最中も読んだあとも、頭のなかはハテナでいっぱいだった。次々と非現実的なことが起きる。さすがに全ては汲み取れなかったけれど、この不思議な感じの世界観は好きだ。たまに「ここってこういうことを暗示しているのかな?」みたいにピンとくると、すごくいい発見をした気分になれる。なんどでも読み返したい。
じっくりと時間が流れていく感じ。少しいやな夢を見ているような感じ。自分が寝てるのか起きてるのかわからなくなる。 不思議な読後感
この雰囲気が好きです。イブに林檎を食べるように薦めた蛇の感覚かな。ただ現代なので、「悪徳」というよりは「世間」に「流される」もしくは「巻かれる」蛇なのかもしれません。
「蛇を踏む」は数珠屋に勤めるヒワ子がある日、蛇を踏んでしまい、蛇が人間になって「あなたのお母さんよ」といってつきまとう。この世界は蛇と人間の交流が日常的にある不思議な話。「消える」は家族の一員が次々といなくなるという話で、それでも日常はよどみなく続いていく。家族全員天井から寝床を吊って寝ているというのが奇妙だ。「惜夜記」はなんだかよくわからなかった。アニメーションにしたら面白そうだ。
クウネルの新刊をよんだら、からだが渇くみたいに川上さんの文章がよみたくなった。これで芥川賞とったというからすごい、と思った、わたしはひとの書くもののなかに本質的なものを探したりするのが下手なので、ただただおもしろーい、とたのしむのみなのでした。すきです。
表題作の序盤、ごく普通の地の文の中に、じりじりと非現実的な要素が混入していく辺りが、一番スリリングで好きだった。逆に、冒頭から非現実全開で飛ばされると、情報処理能力の足りない僕などの頭では、まるで「処理落ち」でカクカクになった美麗動画を見ている時のような、もったいない物足りなさをおぼえてしまうのだなー…と、自分を不甲斐なく思いました。(何
後書きにもあるように、作者の遊びの世界に迷い込むような短編集。現実的描写の中に空想が溶け込む作風は独特で面白い。全編とも言葉の選び方が美しく、「惜夜記」は就寝前に肩の力を抜いてゆるゆる読んだ。どことなく近藤聡乃のアニメーションを思い出した。
非常に不思議な文章表現と世界観が満ちていた。無意識の世界を文章で綴ったらこんな風になるのかもしれない。惜夜記の「夜」の存在感がとても好きだ。
蛇は「他者」の現れなのではないかと感じた。そして、他者とは、実は捉えどころがなく、意思の疎通ができているかも定かではないから、蛇が何の寓意なのかよく分からないまま物語が進んでしまうのではないか。
川上弘美の本は、話の展開に引き込まれるとか、感情移入して楽しめるとか、そういうのではない。けったいな動植物や季節気温湿度の変化の描写をキーワードに、頭の中で絵を描きながら話を読み進めるのがいいと思う。そうすると魅力的な絵が何枚も頭の中に浮かんでくる。
水っぽい。それも、海とか川じゃなく、沼とか湖とか、そういう、たゆたってて停滞している水っぽい。ものとものとの境界線という境界線がことごとく溶け出して、全部が分子の状態まで分解されて、ミキサーにかけられて、はいどうぞとマグカップに入れて差し出されたみたいな気分。飲んでも、味が分からない。分からないけど、わからないから、じゃあもう一杯、と空になったマグカップを差し出すけど、やっぱりわからない。シュレジンガーの猫、クローニングは、すっと自分の中に溶け込んだ。でも、なんだか溶け込んだことがちょっと怖い。
しかたありません。久しぶりの再読。以前はずいぶんと深く入り込んで読んだものだけど、今回は妙にすっと入って読み終えてしまって、淋しくもある。
蛇を踏むの
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感想・レビュー:188件





















































