柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)
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柔らかな頬〈上〉の感想・レビュー(691)
桐野夏生の小説に出てくる女性の事を考えると、どうにも鬱々とした気分になってくる。明るさがないのだ。暗い情念の中でドロドロとしたマグマが渦巻く。そんな女性像を想像してしまう。不倫の天罰かのように、失踪してしまうカスミの子ども。自らも失踪した過去を持つカスミにとって、子どもが失踪した母親がどんな気持ちだったのかを考えながらの捜索だったのではないか。有香の失踪から一歩として前進していないカスミだが、裏切られた旦那、そして結果的に捨てられた形になる梨紗。残された者の事を思うとやり切れない気分になる。
相変わらず桐野夏生が描く女性は、大人しそうでいて内面が激しい。カスミは娘を4年間も探し続けるが、今後どういう展開になるのか気になる。有香はどこにいるのか?
出だしを読んだ時、「氷点」みたいなのかと勝手に想像してしまったのだけど、いやいや、全然似ていない。悩む母親の造形がまったくといっていいほど異なり、私の想像と違う方向へ話は転がっていき続けてどんどんページがめくられていく。また、登場人物で感情移入できそうなタイプがいないが、これがまたこの人たちはどうなっていくのだろうか、という興味に変わる。下巻が楽しみ。
行方不明になった娘を探し続ける母親、というと、健気な母親をイメージするし、母親の視点から、母親の味方になって読んでしまいそうだが、実際読んでみると、最初から最後までカスミの夫と、くだらないことで母親と姉を失った娘が不憫でしかたがない感じであった。上巻の最後の方の石山の変貌には驚いた。いったい何があった。下巻ではそのあたりも明かされるのだろうか。
忽然と姿を消した子供の行方はとても気になる。だけど、それと同じくらい登場人物の思考・行動に違和感を覚える。上巻で一番衝撃的だったのは石山さん。デザイナーからパンチパーマの変貌ぶりはないだろ、さすがに。突っ込みどころが多く、色んな意味で下巻が楽しみ。
第121回直木賞受賞作。両家族と共に過ごす中での不倫。罪を黙示するかのように行方不明になった5歳の長女。失踪を転機に変わりゆく人々の中で、1人娘を探し続ける母。死を目前に4年前の捜索に没頭する元刑事。登場人物それぞれの心情や執着がドロドロと沼のように広がって、息を詰めて読みきった。始めは娘の失踪の謎を解く推理小説かと思ったけど、それぞれの人生を追う話なのね。展開が読めないまま下巻に続く。
桐野夏生の直木賞受賞作品。北海道の支笏湖を舞台に、行方不明になった娘を探し続ける母と、死を目前にして捜索を手伝う元刑事の心境が面白い。 まだ上巻のみで何が起こるのかわからないが、下巻も楽しみ♪
こういう話だとは思ってなかった。ちゃんと読んでみれば裏表紙に書かれた粗筋どおりなのに、どんな内容を想像してたんだ自分(^^; 主人公が当てもないまま延々と行方不明の娘を探し続ける様子を読むだけでもしんどいのに、途中から主要人物に加わる人が末期がん患者だったりして更にしんどくなってきた(>_<)下巻でいろんなもやもやが晴れてくれるんじゃないとかなりきついなぁ。 文庫表紙の上巻と下巻を見比べたら、同じ桃の絵に下巻の方が蟻がたくさんたかってて一瞬ぞっとしたけど、よく見たら2冊並べて1枚の絵のようになってるのね。
面白い!もうとんでもなく暗いけど。カスミの親が連れ去ってて育てていて欲しいけど…そうはならんか。伏線も張られてるぽいし、下巻が気になる。
★★★★☆逢瀬の最中に長女が失踪し、家族を失いながらも探し続ける主人公カスミと、末期癌で余命わずかの状況にもかかわらずカスミと共に長女の再捜査を申し出た元刑事の内海。手がかりもあてもなく「漂流」し続ける二人はいったいどこにたどりつけるのでしょうか。睡眠薬で眠ったままの内海の傍らでカスミが自らの心中を聞かせるシーンは、追い込まれた女性の凄みが感じられ、とても印象的でした。下巻でどんな結論になるのか楽しみです。
難しい言葉が多くて読みづらい感じがしたけど、文章に慣れたのと続きが気になったので後半はスピーディに読めた。誰がウソをついているんだろうか・・・。全員が怪しくない感じがするけど、全員に動機があるような気もするし・・・。早く下巻を読んで犯人と真相が知りたい。
混沌とし中で終わってしまった。 身勝手な主人公には共感出来ないが、絶望を受け入れたくないが為に薄い希望に捉われて生きる事の辛さは伝わってくる。 4年という時間の中で他の人の生き方を見て現実を受け入れる事が出来たのは主人公の気持ちの落ち着く場所としては良かったのではないでしょうか。
相変わらず、クセのある女性の話っぽいですね。先がどうなるか気になります。感想・評価は下巻を読んでからします。
カスミの生き方に一気に興味が沸いて読み進めたら、あんな事件が起こって一気に冷めた感じがした。なんとなく事件が解決する気配がないような気がするけど…とりあえず下巻を読もう。
カスミさんを見ていると、この人は家庭を持って良かったのだろうかと考えてしまう。娘さんのことは確かに愛しているのだろうけれど、根底には自由を愛して止まない自分が確かにいて、それと折り合いをつけられていないように見えました。そこへ娘さんの失踪という事件が加わってしまったから、自分すらも見失って何処にも進めなくなってしまったのかも、とか、色々考えつつ、先が気になります……
ドロドロした人たちがドロドロした事件に巻き込まれ、 更にドロドロしていくお話。 カスミの魔性っぷりが凄い。 どれだけの人間をふりまわして生きてるのか。 北海道の大自然と、 人間の弱さ・醜さのコントラストもまた凄い。
読みやすいうえに展開が巧み。この手の小説は結末が読めちゃうことが多いけど、この作品はそうさせないところがよい。主人公の女には腹が立つと同時に共感する部分もある。この絶妙なバランス感は秀逸です。
構成が巧み。息苦しい感覚が生じる。「憎むということは現実を噛みしめて生きること」桐野さんのこういう表現が好き。すぐさま下巻へ。
初めて桐野夏生さんの作品を読みました。さすがは直木賞作品。ストーリーにぐいぐい引き込まれ、通勤電車内で転寝する余地を与えてくれませんでした。登場人物や背景が頭の中で映像として浮かんでくるようで非常に面白い。それから、男女の心理のズレ、心象の変化が明快で気持ちが良い。ストーリーとは裏腹に読後に「すっきり感」を感じます。
一度目に読んだとき、結構な衝撃があったんだけど再読したらそうでもなかった…。相変わらずの桐野ワールドの暗さはあるんだけどなんでだろう?そこまで怖さを感じなかった。主人公だけでなく、全員の視点や内面の当たり前にあるような感情が時にぞっとするのは桐野さんらしいなと思う。
数年前の行方不明児の真実を追うという形をとってるけど事件自体の謎をメインに追うものじゃない。確かにそれはそれで気になるけど真相がしょぼくても構わないと上巻で思った。文体も展開もぐいぐい引っ張る感じはなく、むしろ抑制されてるけどそれが逆に続きが気になって仕方なくさせる。下巻に期待。装丁がこれしかないって感じの気味悪さで好き。
早く読み終えたくて急いで読んだけど、いまいち読みづらい。 娘の失踪の真相が知りたいけど、下巻で解明される気が全くしない。 内海が出てきたけど、なんか余計に新たな思考を読む羽目になって、ちょっとゲンナリしている。
私がこれまで読んだ桐野作品は犯罪小説ばかりでしたが、本作は今のところミステリタッチで新鮮です。現在から逃げ続けるカスミと死を目前にした内海。二人はどこへたどり着くのか。下巻が気になります
柔らかな頬〈上〉の
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