錆びる心 (文春文庫)
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錆びる心の感想・レビュー(290)
★★★☆☆なにか自分の世界感をもっている孤独な主人公達が登場する6編の短編集です。桐野さんといえば男女のドロドロとした情愛を描く作品が多い中で、『ネオン』は任侠のストーリーでこれまでとは異なった作風で新鮮さを感じました。『ジェイソン』は最後のブラックユーモアなオチがよかったです。やはり表題作の『錆びる心』が好きな作品ですが、家政婦としてまるで家族の一員のように他人と共生しながら別居中の夫への自らの復讐行動を振りかえるストーリーです。他人だからできる…所詮夫婦も他人なのですが、少し複雑な気持ちになりますね。
「虫卵の配列」「羊歯の庭」「ジェイソン」「月下の楽園」「ネオン」「錆びる心」以上6編収録の短編集。「虫卵の配列」がダントツで面白かった。こういうどうしようもなさがたまらなく好き!!しかし表題作はいまいちよく判らなかったなぁ。それだけが残念。
6つの短編のどれもが、人の心の不穏な部分をはらんでいて、読み応えのある短編集でした。今まで、桐野さんの作品は長編しか読んだことがなかったけれど、短篇もキレ味が良くて、素晴らしい。
こういう物語の書き方を僕は好きになれないから、客観的な評価ができない。人物造形は見事で、普段なら目を背けてしまいたくなるようなことまで描写されていて、すごいなと思う。でもなあ、エンタメ的なオチをつけた内容だし、プロット段階が透けてみえちゃうのは、うーん、苦手です。結局、ジャンルの問題なのかなあ。「こうこうこうだからこうなのである」みたいな書き方はミステリー好きにはすんなり受け入れられるんだろうけど、その「こう」の部分をふわっとさせたまま物語が終わってほしい人には、あまり向いていない、かも?
短編とはいえ桐野ワールドの味付けは変わらず。読み応えはあまり感じないけれど、相も変わらず自分のことしか考えられないような女達がたくさん出てきます。誰の事も好きになれない…のに読んじゃうんだよね、桐野作品。
不倫の話が多いような気がした。『虫卵の配列』、『ジェイソン』、『錆びる心』が好き。特に『ジェイソン』は、ホラーじゃないはずなのに、ラストはぞっとした。これは大人の怪談話だと思った。解説で「桐野夏生の描く女たちは、論理的だ」というような文章があったが、うんうん、と大きく頷いた。桐野夏生が描く女たちは、たくましい。
悪くないけど、やっぱり不倫というテーマが多いというのが理解しがたい感覚だからかちょっと疲れる。でもどれもしっかり面白いし、オチをつくっている。「虫卵の配列」のがっかりさせられるあの感覚にはやられた。いいなあ、これ。「ネオン」も気に入っていて、「仁義なき戦い」に憧れてやくざになるというストーリーの流れから結末の見事さは一番気に入った。
★★★☆☆ 虫卵の配列、羊歯の庭、ジェイソン・・・タイトルがまずゾクゾクする。妄想と別の顔。自分が思う自分、自分が思う他人。それがひとりひとり個々に存在する。1+1の答えが無数にある。その恐ろしさに焦点が当たっている。月の下、歩きたくなる。
作りこまれた長編向きの方かと思っていましたが、短編でも独特の世界観が丁寧に表現されていて、この先どうなるのかとはらはらしながら読み進みました。
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感想・レビュー:49件














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