隠し剣秋風抄 (文春文庫)
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隠し剣秋風抄の感想・レビュー(293)
短編集。隠し剣シリーズ二冊目。今回は色々な女性が主人公を翻弄していく。このシリーズに通じて言える事は、とても人間くさい人ばかり出てくるということ。いかなる剣客といえども、怖かったり怯えたり、苦難にあったりと・・・とても土臭くて、良い。最終話が好き。
秘剣を中心に武士の不条理、悲哀等を描いた短編。その中で「盲目剣谺返し」は山田洋次監督の「武士の一分」を思い出しながら読んだ。映画のタイトルは最後の決闘前に書いてある原作からとったものであろう。大筋は原作と変わらない。映画にするならば短編を基に制作した方が監督として作り易いのではないか等と思いながら読んだ。
歴史の中にはこんなにも名も無い武士が沢山いるんだよなぁ、とフィクションであるのを忘れて読みました。一話一話、一人一人、身分や扶持から性格までまるで違う武士のそれぞれの流派や剣を抜く背景が秀逸でした。
秘伝の剣を使う武士さんたちの話。『盲目剣谺返し』が「武士の一分」の原作って読んでから知りました。奥さんにしてみれば必死なんやろう。裏切るコトより助けたい一心なんやろうけど。そうか、ありがとうっとは言えんわなぁ。。。お互いに苦しかったろう・・解決してもすっきりとは行かんけど、穏やかに暮らして行けそうな余韻が好きでした。『暗黒剣千鳥』おまえが犯人かぁぁぁ・・・今更。信用できひんのやったら利用すんな。『陽狂剣かげろう』切なかった。何も悪くないのに殺される、悪い人の方が生き残る。それでも楯突く、武士やな。。
短編でも一つ一つのお話がちゃんと人物が生きた物語だなって思う。「盲目剣谺返し」のラストが特に好みです。直接的な言葉じゃなくても貴方を許しているって示す新之丞と、その夫に涙する加世さんが素敵。殺陣のシーンもいいんだけど、私はやっぱり藤沢周平の「許し」の描写や雰囲気が一番好きだな。
色々な必殺剣を操る主人公たちと、周りの女性たちの設定がなんとも言えず決まっている。藤沢時代小説の柱が出来上がっている。どの話も余韻が残る。 武士の一分の原作「盲目剣谺返し」は短編なのだが良く映画化したもんだ。映画ではエピソードを沢山突っ込んだんだろうか?観たくないような観たいような・・・
姉妹編である「孤影抄」には人が追い詰められた時に発揮される十人十色の矜持を描き出すような、どちらかと言えば人間の正の面を描くという通底したテーマがあったが、本作は猜疑心や憎悪、諦観といった人の仄暗い感情に焦点を当てていると感じた。全体的に秀逸な作品が多かったが、本作で最も印象に残ったのは「女難剣雷切り」であった。やっぱり醜男は報われないのか!とルサンチマン丸出しで共感してしまったw最後の「盲目剣谺返し」が正統派の作風で他編の毒を中和し、爽やかに終わってくれるのですっきり読み終えられるのも前作より良かった。
短編集だが、ハズレが無い。時代劇は人を殺しすぎるが、藤沢周平は人を斬ることの重さを残しているところが良い。そのおかげで読後感が逆に爽やかになっているように感じた。
藤沢周平2冊目。孤影抄を読んだ時、男性用の短編集と感想を書いたがその感はますます強くなった。うだつの上がらないリーマンの話を時代小説風にしたといえば分かりやすいだろうと思う。しかし、今風のリーマンの小狡い浮き草のような感じはなく、自分は武士であるという揺るがない立ち位置が根底にちゃんとある。武士の一分の原作あり。短編にさらっとうならせるセンテンスがさりげなく入っている。「勝つことが全てではなかった。武士の一分がたてばそれで良い。」これが全てだ。
隠し剣 孤影抄の姉妹書という事で引き続き読んでみた。…ムッチャクチャ面白い!!孤影抄よりも本作秋風抄の方が人物が人間人間していて、良い意味でクセが強い。むしろ変態だらけ(笑) 短編集であるが、孤影抄も含めつまらない話が一つも無かった。素晴らしい! 特に秋風抄のラスト、盲目剣こだま返しは長編で読みたくなる程の良作。何度も言うようだが、本当に面白かった。
さすがに短編も上手い。すべて中篇、いや長編のネタにも出来るようなものがたりを惜しげもなく短編にしました的な、詰まんない話を冗長な文章でダラダラ書きなぐってる、あの人やこの人に爪の垢でも煎じて飲ませたい。海坂藩の町並みの描写もあいかわらず見事で読み始めたら一瞬のうちに連れ去られる。
隠し剣シリーズの第2弾。『酒乱剣石割り』がお気に入り♪使命が終わるまで禁酒を命じられる弓削だが、敵がやってくるのを待ち構える間にも気分は滅入ってくる。切羽詰まった弓削が取った行動には思わず大笑いしてしまったぁ☆他に夫婦の絆を感じさせる『盲目剣谺返し』も印象深い。盲目の者が置かれている暗黒の世界の静謐さには、お茶の世界のよぅな何とも奥ゆかしいものを感じますし、御飯や汁の味で離縁した妻が女中として戻ってきたことを見破るといぅのが、あぁこれが夫婦なんだなぁ~とほのぼのしました。読みやすい時代小説です。♣4.0点
「武士の一分」の原作含む短篇集。短篇なので「蝉しぐれ」のような美しい情景描写は少ないけれど秘剣を操る剣士の鼓動と物悲しさが伝わる作品でした。
ぐいぐいと引き込まれてしまう文章は、読んでいても気持ちいいです。これもまた悲しい話が多いけど、剣士の生き様と哀愁に感慨深いものがありました。
☆6 短編とは思えない読後感がある。剣の話ではあるけれども、人が印象に残る。昔ながらの、単純だが軸のある人ばかり出てくる。正しく清らかな心持ちばかりわけではないが、それらはすべて純粋な気持ちに見える。両『隠し剣』を読んだが、『蝉しぐれ』が良かった分、長編をやっぱり読んでみたい。でも作品が多いからどれを読めばいいのかわからない(汗)。どれがおすすめなんでしょう。それにしてもこの一冊の必殺技には知ってるような名前が多かった。ここから皆さん拝借しているのだろうか?
秘伝の剣技を使うところが中核となる短編時代小説その2。映画「武士の一分」の原作収録。孤影抄よりは少し完成度が落ちると思うけど、十分面白い。出来れば長編としてじっくり読みたいところ。
「盲目剣谺返し」が映画『武士の一分』の原作。救いがあってラストがすごく嬉しい。あとなんといっても「酒乱剣石割」こういう人たちの話は大好き。
「武士の一分」と「必死剣鳥刺し」の原作が含まれています。その他の短篇もとても読みやすく、楽しめました。次はどの短篇作品が映像化されるかな?
蝉しぐれに続けて。表紙の返し(だっけ?)に書いてある様に寝る前に一編ずつ読んでくといいかも。「武士の一分」の原作が入ってるのは知らなかったので、かえっておもしろかった。(映画見てないんだけどね。)
孤影抄とあわせて読了。面白いのは確かだし、表現も美しいのはわかるけど、僕にはまだちょっと早い気がした。というかやや苦手な世界なのだと思う。
孤影抄に比べると物足りない気がするけど、[偏屈剣蟇ノ舌]の最後がじ〜んとした。[孤立剣残月]も。全話剣士が主人公だけど、夫婦の在り方を考えさせられた。
どうしてこう立ち回りのシーンでわくわくするのかなと考えてみると一つは、主人公をのっぴきならない、抜くより仕様のない状況に追い込む作業をきっちりこなしているからなんだろう。タイトルの秘剣がどこかで出てくることは分かっていて、そのためのお膳立てが着々と進むわくわく感。もちろん他にも例えば、時間処理が適切――描写を重ねれば時間は引き伸ばされてスピード感は失われることを的確に把握して適切に切り上げているとか、台詞の選び方がイカしてるとか、分解すればキリがない。このズレなさ、適切さは職人みたいだ。
巧みな短編小説集だと思いました。戦国時代ならいざしらず、泰平な世の中である江戸時代に剣を磨いた男たち。彼らにとっては剣とはなんだろう。しかし、剣の腕があるがゆえに、過酷な闘争の運命のほうから彼らに近づいてきたと思う。
一編は50ページほどですが主人公の剣客がいて倒すべき相手がいてヒロインがいて、そしてそれぞれのドラマがあります。短編のお手本のようです。特に「盲目剣谺返し」にじんときました
友人から借りた藤沢作品三冊をこれにて全て読了。女子としては、ひたすら剣の道について書かれた作品より、やはり夫婦の愛情なんかが絡んだ方が共感できるし面白い。その意味で、この『秋風抄』が一番好き。映画『武士の一分』の原作である『盲目剣谺返し』がとてもとても良かった。
暗黒剣千鳥と盲目剣谺返しが良かった。修助と秦江、新之丞と加世、夫婦として幸せに暮らして欲しいものだと思う。盲目剣谺返しを映画化した武士の一分は駄作に観えた。
隠し剣秋風抄の
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感想・レビュー:54件














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