希望の国のエクソダス (文春文庫)
希望の国のエクソダスを読んだ人はこんな本も読んでいます
希望の国のエクソダスを追加
希望の国のエクソダスの感想・レビュー(538)
日本の閉塞感のようなものを扱っていて、興味深い本だった。今でも通じる(解決されていない)問題のように思う。とはいえ、日本だけかと思いきや世界全体がダメダメであったことや、消極的に円高が進んでいる2012年時点よりは、発表当時によめばさらに楽しめたのだろう。/中学生たちは欲望がないと描かれているが、「サバイブする」というのも欲望であって、それまでとは違ったカタチの欲望を持っているだけではないのか。若干ちぐはぐな印象をうける。
「この国には希望だけがないんです」という言葉のインパクトはとても大きくて、思わずうなずいてしまう部分はあるのだけど、ラストで描かれる街の印象として、「この街には希望だけがなさそうだな」と感じてしまった。エクソダスはどこにあるのだろうか。問題提起の本なのだろうな。
『この国には希望だけが無いんです。』 非常に面白い作品だった。どこかで自分達と不登校の中学生を重ねていたのかもしれない。こんな子供でありたいし、こんな大人でありたくないと思いつつ、こんな子供だし、こんな大人に近づきつつあるのを感じる。あとがきの「何故自分は不登校の中学生を主人公としたのか」という旨の箇所から、宮崎駿がポニョを発表した後に「もう男の子はヒーローになれない、男の子のヒーローを描いてもなにかしらけてしまう」ってインタビューに答えていたのを思い出した。待っていてもヒーローは現れないんだな。
経済に関する記述が多かったですが、主人公が経済の分野に明るくない設定だったので、特に問題なく読めました。ポンちゃんたちとほぼ同い年やのに、自分は中学生の頃何も考えずに決められたレールに乗っていただけでした。社会のシステムとかに目を向ける余裕なんてなかったです。この年になってやっと教育問題とか考えるようになってきたので、とても興味深く読みました。出版された年を見て非常に驚きました。自分に子供ができてポンちゃんくらいの年齢になったら、子供と一緒にもう一度読みたいです。
面白いというか、怖いというか…不登校の中学生が世の中を変えていく話だけど、単純な成功譚や冒険小説的なわくわくする展開ではない。薬剤抵抗性のウィルスとか、変性細胞が増殖・変容を繰り返しながら、自分の身体が自分ではなくなっていく様とでもいうようなイメージを抱いた。それにしても久しぶりに村上龍を読んだけど、改めて凄いなと思った。むしろ、昔はあまりよく分かってなかったな…世の中、社会、その中にいる個人、そんなものを強く意識させられる。経済の素養があれば、もっと作品の世界観に入り込めただろうから、そこは残念。
読み終わって、ものすごく経済の勉強がしたくなる本でした。
少しでも世界の動きを理解して読めたらもっと楽しいだろうなぁ。
ポンちゃんほんとに中学生かw
印象的だった文章いくつか 「果たして希望が人間にとってどうしても必要なものなのかどうか、ぼくらにはまだ結論がありません。しかし、この国のシステムに従属している限り、そのことを検証することは不可能です。希望がないということだけが明確な国の内部で、希望が人間になくてはならないものなのかどうかを考えるのは無理だと僕らは判断しました。」(319) 「彼らは巨大な情報ソースと常につながっていて、どんな情報でも引きだすことができる。」(373) 「無駄なことの繰り返しはおれたちを安心させるということで、そのことが妙に
シミュレーションものとしては、発表後9.11が起きたことで既にずれて色褪せた印象(あとがきや解説ではいろんな人が「そんなことないってば!」と力説してはいるが…)。
後半、経済の堅い話が続く中、ポンと語られた「この国には(中略)希望だけがない」の一文が印象的です。ごく普通の中学生が日本から独立する。この本の中の出来事が現実に起きていたら、今頃どんな未来になっているのだろう。
今まで通りのことをやって、社会を変えることなんてできないのだなぁ。
地方分権に憧れるのは、やっぱり長いもの(国家)にまかれるのが嫌だからなのかなー。あすなちゃんが生まれるとき、主人公が「最小の共同体でコミュニケーションを取れるようにしたい」みたいなこと考えてたのが印象的だったな・・・。ラストで痛感したのは、結局地方でも国政でも、事業を決めるのは選挙権ではなくカネなのね・・・
輝かしかった一時代に思考も文化も縛られ続けている日本。振り替える栄光を知らない若者は国や大人に希望が持てず、鬱屈とした気持ちを溜め込んでいた。とある海外の日本人少年の事件を機に、彼らの溜まった鬱屈が氾濫するッ!…日々の生活で少なからず似たような閉塞感を覚えることがあるので、そのもやもやにスカッと切り込んでくれるストーリーは読んでいて気持ち良い。子供に対する大人の傲慢さには気をつけなきゃという気分になった。若い世代に希望を湧かせるような大人…なれたらいいんだけどなぁ。
自分の勉強不足なのかも知れないが、経済の問題になるといつもだまされてる感がつきまとう。一種のシミュレーションとして起こりうるシナリオではある(中学生主体かは別として)とは思うので面白く読んだけど、どこかで騙されてる感があってもどかしい。
中学生たちはリスクについてきちんと教えようとしない、考えない学校や大人のもとでは生きることが難しいと考え、本のように行動した。確かにそういったリスクを放置した結果、福島原発の事故は起こったんだろう
村上龍がよく使う言葉「重要なのは無知であることを知ること。」 というメッセージが関口を通じて感じ取れて、 「-------<前略>------ゆっくりと死んでいるような気分かな」 という関口の幼なじみのセリフと、 「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」 というポンちゃんのセリフは真実だ。
金融とか経済とかにものすごく疎いので読むのが大変だった。日本という国は、いい意味でも悪い意味でも平和なんだなと思う。そして国民はそれが当たり前のことで危機感がない。景気が悪いといってもそれなりに生活できてしまうし。失業率は上がり続け、高学歴でも就職できないような時代。私たちはどんな知識が必要で、どうやって生きていくべきなのか?学校という団体に甘えてはいけない。学校は生きるための何かを教えてくれるわけではな。必要なことは自分で学習するという力をつけるべきだ。そういうことをこの作品に教えてもらった気がする。
ATAMA,ITAI... ぶっ飛んだ話なのに「それは絶対ない」とは言い切れないリアルさが凄い。もう少し経済に関する知識をつけてから読み返したいです
とても面白かった。村上龍は常に社会に危機感を抱いていたのだと思うし、きっと今も抱いているのだろう。だから彼はASUNAROたちを物語の中で自由に動かしたのだと思う。しかし、物語の語り主となった関口の抱く寂しさは幾度となく主張され、それは最後の「俺はまだ結論を出していない」にも強く表れている。わたしは村上龍が、ASUNAROのような集団が現れることを期待する反面、それが現実となったときの違和感を恐れているのではないかと思った。
この作品が10年以上前に書かれたとは思えない。村上龍が怖くなった一冊。ASUNAROの行ったことは非常に大きいことだけれど、描き方がものすごくさびしく感じた。結局のところ希望はあったのだろうかとすごく考えてしまう。むしろ希望とは何なのだろう・・・それさえ今は分からなくなっていることに気付いた。
なぜ日本では暴動が起きないのか? 政治がふがいない状況で聞かれる言葉である。 肉体的な暴力を使う革命が 中東諸国で起きているが、 日本においては希望の国に向けた エクソダスがその手段としては最良なのかもしれないと悲観的に考えてしまう。 10年前の作品とのことだが、震災・ソーシャルアクションが注目を浴びるなかで読むと、作者の時代感の鋭さが現れて見える。
再読。東日本大震災以後に読むとまた違った見方ができておもしろい。この本が書かれたのは10年くらい前だけど、社会における本質的な問題点はまったく変わっていない。小説としては、中だるみがあるのと、主人公の妻がただの経済解説キャラになってるのが惜しい。ポンちゃんや中村君の活躍がもっと描かれているとうれしい。
この作品が村上龍の作品の中で一番面白いんじゃないかな。 リアルすぎる事を書くあまり現実感が無い作品が多いように思えるけど、この作品に書かれている出来事は実際にいつ起きてもおかしくないことだと思う。 正直のみりこみました。
中学生の終端不登校から端を発し、最終的には自分たちの町を作ってしまう。人生経験が短い分だけ、それまでのおかしな常識にとらわれないし、思考停止に陥って先に進むことができないと言うこともない。この国には希望がないということが強調されているけど、希望がないとなかなか欲望も生まれてこないし、そういう原動力がなければつまらない。
面白かった。10年以上前に書かれたフィクションなのに、最も背筋が寒くなったのはリスク管理のくだり。ごくごくわずかな確率に対してリスクが想定されていなかったため、F原発への対応ができずにいる事実。元々有識者は指摘していてわかっていたのだとしたら、起こるべくして起こった災害であり、日本の社会がリスクマネジメントできないことを証明し、自分なりにリスク管理しないといけないことを裏付けている。今からでもカオス理論、勉強しよ。(汗)
ずいぶん前に書かれた小説だけど、そんなに古さは感じなかった。現在の時点で、この話のようになっていること、そうはならなかった事、いろいろあるし、政治経済のどうこう、というよりは、”読み物”として、面白く読めた。”読み物”ではあるんだけど、年齢的には大人で子供がいる身の上としては、いろいろ考えさせられた。子供がもう少し育ったら、読んでみなよ、と勧めたい
なんというか読んでいて興奮してしまった。膨大な取材をこなして背景をしっかりと作り上げている。10万人単位の不登校中学生が行動を起こすという、荒唐無稽な設定でありながら現実的という作品です。つまり説得力がある。彼らの出発点は「コミュニケーションは困難なものである」という前提であり、「この国にはなんでもあるけれどもただ希望だけが無い」という代表者ポンちゃんの言葉に集約されている。強烈な欲望とか、執着心というものとは無縁。理想的とも言えるが旧世代の人間からは不気味な存在だ。
まさに今の状況を予言しているかのような内容。残念ながら現実世界では、彼らのような力は現れそうもないが、それでもこの国を少しでも変えたいと思う人、特に十代の人に読んでもらいたい。
SFっぽい感じの話でした。結構前に出た現代社会をテーマにした本なので、古い感じが否めないはずですが、不思議と違和感なく読めるのは、ある程度の彼の読みが当たっていることを意味するのでしょう。 最後の方はなんだか壮大だったな。
考えもつかないようなことばっかり書かれてて、しかも内容?が大きかった。現実社会ではありえない、とか思っちゃう自分はポンちゃんの仲間入りはできないのかな。
すごいな…集団不登校なんて考えたことなかった。それ以上に希望についてそんなに考えたことなかった。確かに自分が理想とできる大人の像が私にはなかったとおもう。だからこそ必死で勉強して偏差値の高い大学に入ろうとしたんだけど、それが通用しない世界の存在に気づけた大学生活で良かった。「自分の生き方を他人に説明したり、他人の意見を理解する」ことに必死になれたのも上記に気づけたからだとおもう。
この小説が書かれてからほぼ10年が経ち、いくつかの指標が物語のとおりに推移していることに驚く。物語と現実の動きが乖離している事象のうち、もっとも印象的なのは、物語では日本人の若者のうち意欲ある者の多くが日本を出て行くことを選んだのに対し、現実では、海外志向のある若者が激減しているということだ。駐在員として新興国で働きながら、新興国の人々の貪欲さにある種の恐れを感じている身としては、少し歯がゆくもある。
荒唐無稽と言えば荒唐無稽なのだけれど、この国では誰もが何が起きても現実を現実として実感出来ない、しようとしない、というのは本書の中でも述べられていることで、それが余計に痛烈なメッセージ性を生んでいる。現在の日本の閉塞感をこれだけ生々しく表現しているのは流石。あとセガがドリームキャストの二年後に新世代機を発売しているという世界は大変魅力的かな。
希望の国のエクソダスの
%
感想・レビュー:120件














ナイス!


































