考えるヒント (文春文庫)
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考えるヒントの感想・レビュー(203)
「みんな一緒に、同じイデオロギイを持って暮さねばならぬ時が来たら、君達は、極く詰らぬ瑣事から互いに争い出すに決まっている」本書で一番しびれた一節である。かなり以前から、政治的主張の対立軸が薄れ、わたし自身はそのこと自体に興味を失っていたが、過去の文章から突然現れたこの指摘は、国内のみならず、世界的な今を表しているように思える。この一文がプラトンの「国家」から引き出され、発表されたのが昭和34年であることは一考に値する。さてでは、どうすればいいか?やはり自分で考えるしかないようだ。
図書館に返却しなければいけないのでメモをとりつつ再読。何回読んでも読み足りない。そのうち自分で購入して、ゆっくりじっくり読んで考えたい。
再読だというのに、まるで初めて手に取ったかのような心地で読んだ。「物を考えるということは、物を掴んだら離さぬという事だ」と語る著者自身が徹底的に考え抜いた批評が、独特の切れ味鋭い語り口で綴られているこの著作は、「考えるヒント」というよりは、むしろ「考える手本」。ここには他人の立場や学説、用語などには依拠せず、著者自ら見、感じたものしか書かれていない。読むうちに、批評対象が、その肌触りまで感じられる程に眼前に生き生きとして現前するかのよう。あらためて、小林秀雄に心服した。
小林秀雄の文章は知的な快楽を提供してくれる。この本も例外ではない。本人も言っているように、批評というより主観的な見解を述べたもので、彼の経験や思考に誘われる。これがまた心地よい。古本屋で彼の著作が詰まった本に手を出しかけたが、楽しみは小分けにして、次は「考えるヒント2」を読んでみることにする。
素晴らしい!とても楽しい時間を過ごせました。超個人的感想ですが、私はこれでいいんだと、強く思えました。…小林先生と呼ばせてもらいます(●´mn`)イヤでも呼ぶぞ。
著者と自分の興味領域が違うようだ。引用される本や出来事がピンとこないことが多い。しかし、福沢諭吉など自分の多少は知っていることが主題だと丁寧な考察がなされているように感じた。長い期間にわたって、世人を動かす主人公たちを創る漫画家は、その天賦の中で仕事をするという表現が印象的だった。
解説に「ダンスの名人と踊っているような体験」とあります。この本を読みすすめると、小林秀雄の高レベルな考え方に同調し読者の精神も躍動し、知らず知らず考えている。ということで、確かにその通りの本だと思う。ただ、ダンス初心者の僕には名人と一緒に踊るには基礎がまだまだです。それでも中期以前の小林秀雄の評論に比べればとても読みやすいです。繰り返し読んで巧く踊れれば良いと思う。
前半の考えるヒントはやっぱり難しくって、1回読んだだけじゃちょっとなって感じでした。というか回数どうこうじゃなくてもっとかみくだくようにして読まなきゃだめなんだろうなぁ。
[A]小林秀雄の有名なエッセー集。前半(「考えるヒント」)は正直、予備知識が足りずよく読めなかった。後半(「四季」)は割に楽しく読めた。そんな読書状況ですが憚らずコメントをすると、この本を支えているのは穏やかでいて個性的な視点と絶えず物事を知ろうとし、思索の精度を研ぎ澄まそうとする精神である。だから話題は幅広く、時に日本の批評の現状に厳しい言葉も投げられる。小林秀雄の知識と論理を完全に読み込むのは難しいが読んで役に立つ一冊。
【ヒントが欲しければ探してみよ】勿体をつけやがった文章だと言いたくなりながらも、読んでみた。まず、生半可な知識を批判し、専門家を専門を離れればそのような知識しか持たぬと言う。また、言葉の真の意味を知らずに言葉が使われていることを指摘する。私が注目した点は、著者が小説で現実のあり方に触れる一方、漫画にリアリズムが禁物という姿勢だ。多分、小説には類型が無く、漫画には類型が有るということから、このような姿勢に至ったのだろう。だが、現在、漫画は、マンガへと昇華した。存命ならば、この芸術を著者はどう批評したろうか。
け、けっこうヒントもらったのに、、、しかもかなりおおきいヒントだった気するのに、、、だめだ、、、せ、せんせえ、僕にもっとヒントを、、、、
あわてず、じっくりと論理を辿りながら読んでいかないと、なかなか理解できない硬質な文章です。読み解くコツをつかめば、解説で江藤淳氏がいうように、読むほどに、精神が躍動しはじめるのを感じておどろきます。『考えるヒント』とはうまい題ですね。かつては、小林秀雄が読めたら一定の読解力があるとみなす、暗黙の了解がありました。
凄い。短い文章の中で、最初は簡単な事柄から、どんどんと深みへ這入っていく様は痛快だった。怒涛の思考の流れに圧倒され、それを愉しむのに忙しかった。
ロシア文学が革命文学であるというのには虚を突かれたなあ。確かにそうかもしれん。それほどまでにあの国の専制政治は強烈だったということか。
エッセイ風の語り口から、やがて深みに引き込まれる。何故こんなに的を得た事が書けるのかとも思うが、先ずは彼が「常識人」である事。「常識」という表現は当たらないかも知れないが、人間を動かす感情の基本的部分をシッカリと捉えている方だと思う。自己と非自己の関係性と書くと小難しくなるが、自分以外のものに照らし合わせる自分自身というものに気付かされる。あと、美的感覚の鋭い方。しかもハイブロウではなく市民的。
心のリプライだらけだった。図書館の本だからラインマーカー引けなくて悔しがった。買おう、買いだ。とにかく考えるきっかけを沢山くれる凄く貴重な資料だとおもう
1年ほど前に授業でやった残りを了読。1年前より分かった気がして良かった。小林秀雄の言い切り口調は自分の意見と違った場合ちょっともやもやしますね。文章の切り出し方はすごく自然に読む側を引き付けて上手い。花見が好き。
☆5 興味あることについて論じられているとなんとか読めたけど,気を抜いたら全然わからなくなってしまう。最初は平易な文と切り口からいくが,段々思考が深くなっていくのがすごいと思う。まだ積極的には読み切れなかった。
大学受験時に悩まされました、小林秀雄。評論で出てくるとあー今回はだめだ!と思うくらい苦手でした。エッセイ的なものならいけんじゃね?と勢い込んで買ってみた。なめてました。すいません。反省して出直します。ささいなことからの発想の鋭さ、そこから広がる思索の深さ。大学受験の記憶であがいてる場合じゃないな。
一言でいうなら「難解」。これをわかるためには様々な読書、経験が必須。・・・本当はもっといろいろ言いたいのだが、まだ自分のなかでもしっかりした評がみえてこない。少なくとも彼は思考の前に、なにより感じることを重視しているように見える。そして感じたことを思考や知識の中に落とし込み、文章を生成する。それは知が先行するのではなく、感覚こそが人の差異をきめる決定的な要素だということを「知って」いたのだろう。
一つの話が短いため逆に理解が難しかった部分もありました。個人的には「ドストエフスキイの生活」のような長い論文のほうが、講談タイプよりも分かりやすく感じました。
初・小林秀雄、やっとこさ読了。正直言ってギブ。
小林秀雄の文章が難解なのか、私が単に馬鹿なのか、今では一般的に活用されてない漢字や表記に対しルビが少ないからなのか、読んでいてもイマイチ理解しづらい作品となってしまった。
言いたいことが、わかりそうでわからないような、
逆に、わからなそうでなんとなくわかるような…。
これまで読んだ本の中でも一番、作品の感想をまとめるのに難しさを感じた。
繰り返し読めば理解出来てくるのかもしれないが。
いつか再読する時が来たらまたチャレンジしてみたい。【図】
ひとまず思考せねば書かぬ態度と、知る/知らぬをはっきり分けて思考すること、この二つの欠かさざるべき要素を余すことなく持っていることは確かだ。それ以上、私が小林秀雄に対して評すべき言葉は見当たらない。
タイトルについて『よく考えられた文章ではないが、考えるヒントくらいは書いてあるだろうという程の意味だろう』とさらっと言ってしまえるところが、凡人の私なぞには眩し過ぎる。
「だから、私達はひそかにひとり悩むのだ。それも、悩むとは、自分を審くものは自分だという厄介な意識そのものだからだ。」(p59「良心」)などのように、論を展開する背景に自分で切実に考えた跡が垣間見えるところに魅力を感じた。この真摯な姿勢が見えると評論が生き生きして感じられる。小林秀雄って熱い人なんだな。
考えるヒントの
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感想・レビュー:46件














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