坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)
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坂の上の雲〈2〉の感想・レビュー(1518)
「過ぎたことをふりかえるとき、人間は神になりうる。こうなることを私だけは知っていたのだ、と当時の渦中の当事者がいうほど愚劣なことはない」。明治という時代を、もしくは日清戦争を、日露戦争を描くにあたって、司馬遼太郎もその神になろうと思えばなれた。現代という立場から、近代日本の、中国の、そしてロシアの過ちを大上段から裁くこともできたはずだ。しかし、司馬はそれをしない。あくまで、近代という当時の時代の価値観や情勢に立って、人間を、政治を、国家を語っていく。それがこの小説の何よりの好感だ。
図書館レンタル。**注)歴史もの**2巻は日清戦争からロシアの南下、義和団の乱、北清事変まで。感じた事は"世界の恐ろしさ"です。当時の大陸事情が詳細な為、はっきり言ってしたたり落ちる程、欲望が目につく。強国ロシアの欲望、その他の列強の帝国主義、そして、アメリカの戦慄の"善意"。欲望と力をむき出しにする世界。『たたけば言うことを聞く猿マネ国家』と東アジア連中にも下に見られていた日本。その日本がついに国際舞台に躍り出る。当時の日本を背負う生き生きとした若者たちの群像にご関心のある方にお勧めします。
初読の時もそうだったけど、村田銃のとこが印象に残る。正岡子規と陸羯南との絆なんかは他の作家さんにでもクローズアップしてほしいです。
どれだけ綿密に歴史を勉強すれば、これ程までにリアリティのある内容が書けるのか見当も付かない。 秋山真之のスペックの高さには驚かされるばかり、現代に真之がいたらどんな人生を歩むのか気になる。
好古の豪快さは気持ちがいいな。敵の騎兵とも飲めたり。結婚観はちょっと…と思ったけど。子規にも興味がわきました。
日清戦争がメインの巻。 好古は騎兵中隊長として旅順を攻略(相手は清国民) 真之は戦後アメリカ/イギリスと留学し、アメリカでは米西戦争を観察し後の日露戦争において思考する作戦のもとを学ぶ。 秋山兄弟ともにその才能を徐々に発揮し、頭角を出す。 子規は陸羯南のもと新聞社「日本」に勤め、病床で俳句短歌といった短詩系に独自の理論を展開し、その名を轟かせる。が、いよいよ余命幾分かを自身が意識し始めるほどその病状は極めて悪化の一途をたどっている。 また、ロシアを中心に列強の情報も巻末に記されている。
2巻は、極東の弱小新興国日本がみんなに認められたいとの想いから眠れる獅子、アジアの大国清に戦いを挑む日清戦争から始まります。国内中心だった1巻とは打って変わって列強各国の成り立ちから当時の情勢や思想、ここに至るまでの描写などが大半をしめますが、それぞれの国の行動や思想感、戦争目的などにきちんと原因と結果が描かれていて、ただ事実を羅列しているだけにも関わらず飽きずに読め、またすんなり理解できます。面白いです。それにしても戦争というのは上の人にとっては完全に外交の手段のひとつなのですね。
日清戦争を経て日露戦争へと続く道程が淡々と描かれている。教科書の中では単なる一つの単語でしかなかった一つの史実をここまで濃く描くかと、少し驚きながら読み進めたが、全てを描くためにはこれでも足りることはないと、ふと気付いた。個人的嗜好でしかないが、子規が登場する場面の方をより興味深く読むことができ、俳句、短歌研究の対する並々ならぬ思いと彼が創作した写生主義の美しい世界の繊細さに改めて驚嘆するばかりだった。
2巻目読破!! 小説というよりは歴史書か?!今まで明治の歴史に関してほとんど知りませんでしたが、日本・清・ロシアのそれぞれの重要人物の考えも細かく描写され、とても勉強になります。 次はとうとう日露戦争か?!
欧米列強の潮流を見極め、自らを維新や開化によって強力化させていった日本は遂に初の対外戦争=日清戦争に突入する。黄海開戦や威海衛攻防といった動向を経ての勝利、そして更なる敵ロシアが迫る。一方で子規はいよいよ短い余生を今までに無い俳諧の確立を目指し奮闘していく…。第1巻と比べて当時を巨視的、更には中国やロシアを前代も踏まえつつ分析している。また3人の描写も子規が多め、私的な部分といってもあくまで歴史の中に位置付けられてきた印象。なるほど当時どのような経過を辿って諸事象に至ったかがよく分かった。
日清戦争勃発から列強の清出兵まで。死を悟った正岡子規の言葉が、心にしみる。また本巻で俳句の面白さを再発見できた。次はいよいよ日露戦争か。
1巻に引き続き濃密な内容で、読み応えありました。まさに血湧き肉躍る感覚です。が、1つ1つのエピソードは重苦しいものも多くあり。丁汝昌やセルベラのくだりは、貧困な表現ですが「国家って怖いなー」とぞっとしました。小村寿太郎の話も特に面白かったですが、ドラマで見ているせいか、脳内で竹中直人に変換されてしまいます(笑)彼の政党論は、今の政治にも当てはまって耳が痛いような。そしてまた、これだけの話の展開の中で、子規がメイン人物の一人に据えられているところがすごいと改めて実感しました。そんなこんなで3巻も楽しみです!
誠に時代が大きく動いていた時分の話。子規、漱石、真之など、それぞれの分野で時代に名を残す人物が幼なじみであったり、学友であったりと、いわばローカルで狭い範囲で成立した歴史的濃度の濃い人間関係。こんなものを良く発見して小説のモチーフにしたものだと思う。 それにしても「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」が子規の作とは恥ずかしながら知りませんでした。確かに「写生的」でイメージがよくわかります。会心の作ですね。さて、3冊目ではどう展開するか楽しみです。
「アノトキ秋山サンハ酔ッパラッテイタノダ」難しいはずの退却戦で本当に豪快です。日清戦争やロシアの脅威など決して平和とは言えない帝国主義の時代に生きた日本人は肝が座っている人々が多いですね。
日清戦争から義和団事変まで。好古・真之ともに日清戦争において戦場に立っているが、その二人よりも激しい闘いに身を置いているのは子規であろう。病の身でありながら、俳句だけでなく、短歌界にも切り込んでいくその姿を、真之は「そのあたりの軍人などが足もとにも寄り付けるものではない」と評している。銃を取るか否かに関わらず、変革期である明治という時代は「何かと戦う」時代であったのかもしれない。
子規、好古、真之、三者三様に開化期日本の一分野を担い、切り拓いてゆく様にはいつもながら心躍る思いと嫉妬に似た気持ちが相半ばする。以前読んだ時はそこまで思わなかったが、三人とも個性が強すぎて奇人変人と紙一重。でもそれくらいトガッていないと、一国の命運を背負って自らの人生の命題と重ね合わせるなんてことはできないだろう。日本も、そこに生きる日本人も、お互いの輪郭がぴったりと重なり合って成長していける幸福な時代ではある。個人的には真之の「もの狂いじみた読書家」として得た知識を智謀に昇華していくあり方を見習いたい。
著者が、秋山真之の特徴について、物事の要点はなにかということを考える発想法にある、と考えていること。要点の発見法は、過去のあらゆる型を見たり聞いたり調べること、と記述していること。小説の中で秋山真之自身に言わせている「人間の頭に上下などはない。要点をつかむという能力と、不要不急のものはきりすてるという大胆さだけが問題だ」ということ。きっと、司馬遼太郎自身もそのように考えて行動していると思う。
横道へのそれ具合は大きくなって(必要なのだけど)、主人公たちの出番が少ないですが、ますます読み応えアリ。とにかく面白い。子規の情熱を超えた執念、そしてその時代では信じられないような頭の柔らかさ。病の床に伏せながら、その眼は好古、真之ともども世界を見すえ、また俳諧に変革をもたらす使命に命を削る・・・それがひたすら哀しくも感動的。現代人も参考になる名言や考え方などの宝庫でもあるし、明治初期ってホントすさまじい。
日清戦争。この、大国のエゴとエゴがぶつかり合う帝国主義全盛の時代に日本という国家が生き抜いた奇跡。明治維新の人材の卓抜さは計り知れない。
日清戦争、三国干渉、そして迫り来るロシアの脅威。ドラマで言うと第三話から第六話の序盤まで。面白いから一日で読んでしまう。子規の病状は悪化の一途を辿り、第三巻ではついに死んでしまう。地の文がどうしても渡辺謙で再生される。ドラマ版は人間関係を理解するため、原作は当時の国際関係を理解するためと思うと分かりやすいかも。
日清戦争が勃発した。朝鮮半島は帝国主義の時代、大陸からの列強に抗する日本にとっての国防上の要であった。この戦争で日本は朝鮮半島を勝ち得た。好古は「最後の古武士」であると言われるが、軍人になる前を知る人には、それを想像できなかった青年であったという。全ては軍人になった以降の自己教育によるものであるという。真之は留学で後の日露戦争の名参謀たる多くを学び、子規は留学に旅立った真之に対して「君ありて思うことあり蚊帳で泣く」という句を書いている。君とは真之で、蚊帳で泣いているのは病床の子規である。哀れ。
子規の病がいよいよ篤く、それでもなお新しい俳句を生み出そうとする執念が印象的。ところで、私はNHKのドラマも見ているので、ト書きを読むと渡辺謙、台詞が本木雅弘や阿部寛の声で再生される。それはそれで楽しい(笑)
日清戦争から極東におけるロシアの勢力拡大までが描かれている。また、秋山兄弟と共に子規も活躍している。この三人は明確な目的意識を持っており、この強い意志が活躍に繋がっているようだ。これは個人の才覚なのか、時代の影響なのか…。
前置きが長くなってきたぞー(笑)日清戦争は第一挫折ポイントかしら?読むのに集中は要するけど面白いです。続く続く~
ドラマでは第4~6話あたりの話。日清戦争は本当に清の自滅だったんだね。そして帝国主義のぶつかり合いが凄まじい。過去の歴史の善悪を論じることに意味はないと私は思うが(直近の戦争だけが悪なわけではないだろう)、パワーゲームの本質は歴史から学べるのではないか。また、真之の固定概念を牡蠣殻に喩えた話が深い。おそろしいのは固定概念そのものではなく、固定概念がついているのも知らず平気でいること。私も気をつけよう…。
日清戦争~日露戦争前夜までの2巻。子規にしろ真之にしろ新しいものを取り入れ、古いものに固執しないという点がとても感じ取れた。この立派な思想がどうして昭和になった崩れたのか・・・。あとどの登場人物も読書好きってのもまた驚いたなぁ。
ロシアが自国利益への欲望をむき出しにして南下し、満州、朝鮮、さらには日本にじわじわと迫る状況。近代国家としてはまだ子供ともいえる日本が、独立を維持するためには、自らも侵略戦争に加担しなければならなかったのか?その背景を知る、歴史の勉強になる。 好古、真之、正岡子規の活躍はそれぞれ筋が通っていて格好良い!
坂の上の雲〈2〉の
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