天才 勝新太郎 (文春新書)
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天才 勝新太郎の感想・レビュー(121)
素晴らしい労作! 映画人・勝新太郎の評伝。僕のような彼の作品を一本も観てないような門外漢でも、わくわくしながら一気に読めた(今後、絶対に観てみたい)。もしできたら、勝新太郎(当時●歳)、黒澤明監督(●歳)など、当時の年齢を知りたかった。監督や脚本家、映画のスタッフなど、勝との年齢差はどうだったんだろうと(勝新太郎にはそんなのもちろん関係なかっただろうけど)、気になったので。
これだけの意識の高さで役者をやるなんて、常人には不可能。周りのスタッフは本当に大変だったろうが、それだけにいいものが出来た時の喜びはひとしおであっただろう。だからこそ座頭市は凄い。座頭市のテレビシリーズが茶の間で観れていた人が羨ましい! 出世作である「不知火檢校」は絶対観よう。あと「人斬り」も。 こんな映画人が今邦画には必要!でも、こんなことが許されるようなレベルの人もいないし、環境もないか。
狂気の天才の栄光と挫折をまとめた名著。よくぞ新書に勝新太郎の分厚い人生を凝縮したと感心。三隅研次、若山富三郎、松平健、ブルース・リーなどとの想定内想定外の交わりが見られるのも楽しい。
ここで語られる勝新太郎は、常に市川雷蔵の後塵をなめている屈辱感と、思い描く通りに映画やドラマを作りたいという飢餓感、それが作れない制作環境での苛立ちや焦燥感、オーナーとして勝ち続けなければならない重圧、つねに人が求める「勝新太郎」を演じなければならない心理的プレッシャー、これらを背負いながらも妥協を許さず、確実にその時代の日本映画とテレビドラマを高めた、天賦の才能を持つ表現者の姿でした。今はこういう人を受け入れるだけの余裕がないだろうなぁ。これを読んで、映画『兵隊やくざ』を観てみましたが、面白かった!
長いウィキペディアを読まされた感じだ。勝新太郎の伝説化に与はしても、別段新たな視点や発見があるわけではない。まあ新書だからこの程度でいいんだろう。大体、勝新を「天才」と断じるのもどうかと思う。本にもそう描写されていると思うのだが、寧ろ絶え間ない研鑽の人だし、何より天才と表裏の狂気がない。尤もそれは、「戦場のメリークリスマス」で擦れ違い、勝新の死後座頭市を演じたビートたけしに顕著な「才気を演じる能力」、その欠如ゆえかも知れないが。
勝新太郎の天才ぶりがよくわかる1冊。それと同時に豪放磊落という従来のイメージを払拭する1冊でもある。映画にかける情熱と座頭市というキャラクターにとりつかれてしまって結局死ぬまでその呪縛から逃れることができなかった勝新太郎という役者の生き様を感じることができる。
勝新の座頭市は一度も観たことないのだがこの本を読んで勝新の出てる映画・テレビの全てを観たくなった。私以上に非「時代劇世代」の著者なのに、ここまで調べつくした情報収集力はお見事。勝新への敬意を感じる。ハラ軍曹=勝新の「戦場のメリー・クリスマス」は観たかった。脚本なんてどんどん変化してしまえ。命か芸か癌患者が選んだのは清志郎と同じ運命だった。
それなりに楽しく読めた。勝さんがすごいこともわかったし、「座頭市」観てみたい!とも思った。・・・けれど、中村玉緒さんのことを思うと、「すごいすごい!」と褒めたたえる気に、いまひとつなれない。なんか、ほんまにすごいけど、この人の妻だけはいやだな、と思ってしまった。天才やけど。また、本筋ではないかもやけど、勝さんの時代の映画会社の特徴とか傾向もわかり、そういう意味でも面白く読めた。
勝新太郎のことは「座頭市」ぐらいしか知らない。泥臭い感じで当時子どもだった私には良さは分からなかったな~。晩年の「パンツ」事件なんかの印象が強くて、本作に書かれた勝新太郎との違いにビックリした。読み終わったとき、全然良く知らない俳優さんなのに、良く知ってる人が死んだときみたいに泣けてしまった。とても読み応えある評伝だったなぁ。。。!!!
意外にも失敗した作品の話が多かった。最後のほうの「そんな現場のことは知らない。大丈夫と言ったら大丈夫なんだ!」と言ってもらうくだりに感動した。めちゃめちゃやったけど、けっきょく最後は「勝ちゃん、ありがとう」なところがすごい。
勝新太郎は天才的な演者だった事は自明だが、演出家としても天才であり、あまりにも難易度の高いメソッドを確立してしまったためにその悲劇がある。それがこの本を読むとわかる。演者か演出家かどちらか一方であればそのキャリアは違っていたし、生きていたかもしれない。ただ、怪物とは呼ばれてなかったかもしれない。
次元の違う話すぎて、途中でダレた。。。気分が本に合わなかったのか?とにかく勝新太郎に人を引きつける力があったのは確かなんだねー!耳で感じて毛穴で覚える、とは面白い言葉だな、と思った。思わず毛穴が正座しましたっ!
勝の生き様が肺腑をえぐるような彼の言葉によって鮮やかに甦る。駄本だった「青山栄次郎伝」に比べ、新書版でもこれだけを書ける著者の取材力と筆力に脱帽。
わたしが知ってる勝新は天才が過ぎてなにもできなくなった後だけだったんだな。ほんとに天賦の才を持ちつつ、「中間管理職」に甘んじたり、「成功しなければ一生ラーメン」に考えが及ぶあたり単なる天才じゃないところがすごかったんだな。
創作者としての勝新太郎を描いた物語と言う点ではタイトルどおりだが、なぜか複雑な読後感を残す。あとがきにある「夢のあと」が本当のテーマなのだろう。勝自身の夢、関係者の夢、そしてなにより映画という1つの産業の「夢のあと」。
私の時代では勝新太郎は、テレビで見た座頭市であり、映画時代を知らないのが決定的に違うのでしょうね。 勝新太郎を通して、映画時代の時代劇の全盛期から今にいたるまで、まるで活劇のような文章で表現されていることが面白んです。
これは面白い。昭和の撮影所に、自分がいるかのような臨場感を追体験させてくれる。広く読まれるべき書であることは間違いない。一つ意見を挟むならば、黒澤明と勝新太郎との喧嘩別れの下りはもう少し掘り下げられたのでは。よくある「天才」同士の志向性の違いという話で終わってしまうと、少々勿体無い気が。若手の物書きで、ノンフィクションの分野を切り開いていける人が、やっと出てきた感じ。まだまだ凄いものを書けるでしょ。出し惜しみなしで次回作も期待。
「悪名」ファンの私は、ぐいぐい引き込まれて一気に読了。創作者としての理想を高め続け、無茶を繰り返す勝新太郎。それに悩まされ苦しめられながらも、ついていくスタッフたち。人たらし勝新の一代記は、悲劇であり、かつ喜劇でもあり、読んでいて心がざわつく。晩年、マネジメント力不在の人生をギリギリ支えていた「見えないものが見える」リーダーとしての素養さえも薄れてきた勝が、それでもなお他者のリーダーシップには従えなかったことが人生の幕引きを早めてしまったのか。「おもしろうてやがてかなしき鵜舟かな」芭蕉
読みやすいし、びっくりすることが多いし、是非読んでみて下さい。 天才の意味が分かります。 一般的に知られているイメージとは違う本当の勝さんの姿が見えてきます。 お薦めします。 ☆☆☆☆
凄い人だと云うことしか知らなかったので手にとってみた。みんなに慕われた勝新。繊細で豪快。どこまでも自分のいいと思えるものを追い続け、思い描く世界観を貫き通した生き様そのものにも惹かれるが、やはりその身を捧げた映画、俳優勝新監督脚本の『座頭市』が観たくなった。「天才」と書いちゃう筆者の愛あっての勝新本を読めて嬉しい。
「目が開いたら、音が消えるんだよ」。座頭市はちゃんと見直さないといけないな。それにしてもこの著者にはもっと本格的な評伝を書いて欲しい。書けるはず。
著者の若さに感動。よくこんなジャンルに深入りしてくれるものだ。しかし、若いゆえか、もっと「大きな視点」も欲しかったように思ってしまう。とは言え、勝新が単なる粗暴で豪放な人間ではなかったことが活写されているのは嬉しい。
影武者での降板の背景とか戦場のメリークリスマスに出る予定でその代役がビートたけしだったとか知らなかった。その延長線上にビートたけしの座頭市があったのかと思う。個人的にはキリンラガービールのCMに着いて知りたかった。
新書に不似合いな物語風の記述スタイルに違和感を抱いたのも束の間、あまりのおもしろさにページをめくる指が止まらなくなる。勝新太郎という役者に対してこちらが持っている印象が重なる部分と、知られざる部分が入り混じり、新たな勝新像が浮かび上がってくる。特に、これまでは黒澤側の視点からの解釈がほとんどであった『影武者』降板事件の、勝新側からの視点は降板劇の新たな解釈として貴重だ。座頭市そのものと化していく勝新太郎という役者の、凄みと悲しさが、なんとも言えない複雑な読後感を滲ませる。
天才は、外から眺めるだけの方がイイ。関わると大変な事になる。それが分かっていても、抗いがたい魅力で人を吸い寄せるんですね。私も会えば勝新の魅力にメロメロになったと思うw
勝プロ以降の「映像作家としての勝新太郎」を、非常に詳細に論じた、目ウロコ本。テレビシリーズ「座頭市物語」「新・座頭市」が観たくなる。あまりにも悲劇的な結末には涙。
天才 勝新太郎の
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感想・レビュー:51件














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