幻想絵画館
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幻想絵画館の感想・レビュー(16)
倉橋由美子が偏愛した美少年、慧君の物語。倉橋版源氏物語といった趣きで、源氏の君であるところの慧君を取り巻く様々な女性が登場するけれど、その誰もが魅力的。ひとつひとつが独立した短篇で、宝石のような言葉たちが美しい。何度も読んでいるうちに、本が私の好きな場面を記憶してしまったのか、「サントロペ湾」のページが自然と開く。一面に広がる狂気の色。その静寂に、胸が締めつけられる。
20枚の絵に連作掌編が添えられている。桂子さんシリーズの慧君を主役としたもので、このあとに『よもつひらさか往還』が続くと考えてよさそう。先にそちらを読んでいたために、慧君のネットワークや九鬼さんの前身的な道士の登場は、見知った人の過去を覗くようで楽しかった。エロティックながら不思議にドライな空気も健在。絵は抽象に近いものや山水画が主で、音楽的だったり肉感的だったりと感覚にストレートに訴えてくる。堪能しました。
09/19:myth
05/28:ヨーイチ
絵画の中の幻想世界と現実を行ったり来たり。豊かなイメージの中に出かけて行く楽しさを、たっぷりと味わった。一枚の絵画に一つの短編が寄り添い、合計二十の物語を収録。絵の選ばれ方に意外性があり、ページをめくると思いもかけない世界に連れて行かれる。物語は「よもつひらさか往還」などの登場人物、慧くんを軸にすすみ、そして終わる。もちろん、この本だけを読んでも十分に楽しめる。
ご命日の追悼読書。本棚から取り出してきて、パラパラめくって眺めたり好きなシーンを読んだり。私は慧くんと舞さんの物語が好きなのです。それから、「ネットワーク」のイメージが幻想的に使われていて、でも感覚的には以前読んだ時より今の方がリアルに思えるというのがすごい。何度でも還りたい物語。
20の絵画と20の短編。慧くんが引寄せる綺譚に古今東西の絵画が抱擁されているかのよう。絵画から紡ぎだされる奇想の幻夢に酔いしれる贅沢な一冊。慧くんの元を訪れる美少女達との交歓にも、だだ漏れする教養にもうっとり。そうか、慧くんは源氏の君だったのか。強く印象に残ったのは「ポポイ」を連想した黄の海が鮮烈な「サントロペ湾」。黄色は高貴な色であるのと同時に、狂気を孕む色でもあった。「選ばれた場所」の“知的な体”もいいなあ。
皆さんの感想をみて思い出しお宝本をひっぱりだして再読。絵画と物語がぺったりはりつくようにしてメロディを奏でている何度読んでも色褪せない傑作。(絵画のページを透かして見える文字をみるだけで陶酔・・・笑)桂子さんシリーズの桂子さんのお孫さんの慧君を中心に描かれた幻想源氏物語の数々。とにもかくにも儚く美しく突き刺さり、受けた心の衝撃はリアルで尊きものとして深く余韻を残す。「赤いアトリエ」「林檎の木Ⅰ」「穹(SKY)」「灰色のものと海岸」・・・とりわけ、「サントロペ湾」の静けさが好き。
05/25:benjamin
★★★★+ 良かった。古今東西の有名絵画と幻想文学の融合。「化物山水図」で淫夢という言葉が出てきたが、まさしくこの本全体が淫夢の世界。魅惑的で淫らな幻想にうっとりさせられる。「サントロペ湾」「選ばれた場所」「眠れるボヘミア女」「町はあけぼの」「仮面たちに囲まれた自画像」「赤いアトリエ」が好き。
01/29:紅子
--/--:彩莉
--/--:時不知
幻想絵画館の
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感想・レビュー:10件














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