運命の人(四)
運命の人 四巻を追加
運命の人 四巻の感想・レビュー(332)
沖縄が味わった絶対的な悲しみの前で、弓成は書く人として突き動かされていく。世論やマスコミの危うさや、基地問題や、夫婦って何だろう?など考えてしまった。沖縄で何があったのか。娘たちには4巻だけでも読んでほしい。 それと、ノーベル賞って取り消しできればいいのに。
ドラマの放送に合わせて、2度目の通読。前半は沖縄密約問題で翻弄された人々のそれぞれの運命を追い、後半は主人公である弓成記者の目を通す形で、戦前からの沖縄の歴史をたどるストーリー。前半の息もつかせぬ展開も面白かったが、後半で沖縄の人々の心の奥に迫っていく部分がより強く印象に残ったのは1回目に読んだときと同じだった。あとがきで著者が挺身隊員として弾磨きをしていたと知り、並々ならぬ情熱が後半部分ににじみ出たのだろうとあらためて感じた。
沖縄戦の悲惨さや、少女暴行事件にみる戦後も続く苦しみには、本土に暮らす人間としてきちんと目を逸らさず向き合うことの重要性は認識するが、それとこの事件で裁かれた問題とは別物だと思う。いくら目的が正しくとも、不正な手段で情報を入手することは正当化されないという、しごく真っ当な判断が下されただけではないのか。主人公を沖縄で活躍させることで美化しているが、作者も元新聞記者ゆえのマスコミの驕りのようなものを感じた。
3巻までの事件の流れから、沖縄に辿り着いた弓成。沖縄返還に端を発した事件であったのに、本当の沖縄を知らない事に気づき、それを掘り下げていくうちに、失いそうになっていた、ジャーナリストとしての誇りを取り戻す・・・かも?という4巻。今までと全く違う話であり、密接につながっている話である。沖縄の歴史、抱えている問題、私自身も弓成と一緒で、知っているようでまるで知らないことがたくさんある。普天間基地の問題はじめ、沖縄が話題になる昨今、一層興味を持って読むことができた。弓成とその家族、三木等その後は気になったが・・
最終巻は別の物語のように読み進めた。4巻が一番おもしろかった気がする。でも、長編のラストとしてはさらっと終わってしまったので、あと一章くらい欲しかったところかもしれない。
★★★★ 弓成が狂言回しになり沖縄戦・戦後の国土復帰までの苦難の歴史をひもとく巻です。おそらく聞き書きを元にしたであろう沖縄戦の語りには迫力があり、沖縄が与えられた環境の苛酷さが伝わってきます。その意味で全四巻のうち最もテーマが明確だと言えるでしょう。弓成と家族の再生というトピックはありますが、ある意味都合いい話で、ほんまかいなという感じです。あえて4巻構成にせず、1-3巻と4巻を別の小説とした方が破綻も少なくなったと思います。
簡単に語る事ができない沖縄の歴史。何度も胸が締め付けられる思いがしました。それを基地移転を軽々しく公約に掲げあっさり撤回した鳩山は無能、無知厚顔、無責任きまわりない首相だった思う。どうせ反省もしていない最低の人間だと再認識しました。
為政者がその気になったら、罪の無い市民を犯罪者に仕立てる事くらい訳もなくやれる。江副浩正氏や佐藤優氏の書籍を読むと空恐ろしいものを感じるし本書においても同様だ。沖縄篇について、沈まぬ太陽の御巣鷹山篇のごとく独立して読んでも良い内容。本土は沖縄という捨て石のうえに戦後繁栄を享受してきたと理解しなければならない。
弓成の再生と、沖縄戦後史 についての4巻。 外交機密文書漏洩事件の源はここだったのだけれど、 沖縄の戦後の歩みについて知らなかった事、忘れている事が胸に刺さった。なかなか進展しない基地問題についても。琉球ガラスの由来のようにすべてを飲み込んで再生する力が沖縄にはあるのかな。
第4巻が一番面白かった。沖縄と戦争について自分があまりにも無知であることを思い知らされた。もっとこれらのテーマについての本を読んでいこうと思う。
沖縄に腰を下ろし、戦時に沖縄が受けた様々な苦しみを取材しているさなか、またしても米兵による事件が起きる…凄く深い。たんに外交機密文書漏洩事件だけではなく、背景にある沖縄にスポットをあて、いかに沖縄県民たちが苦しめられてきたかが書かれており、とても考えさせられました。
あぁ、2日で読んでしまった、、、ジャーナリズムと沖縄問題を巧みに絡めて、弓成亮太の「運命」を「使命」に変えたラスト巻。沖縄がこれ程までに悲惨な歴史、理不尽な仕打ちをうけていたとは衝撃だった。また、西山事件の真相を始めて知ることができた。憲法の有名判例でさらっと触れるだけのことが多く、ここまで根が深いとは知らなかった。沖縄問題は遥か南の話ではなく、私の生活の土台であり、沖縄の犠牲の上に今の私たちの生活があるのだ。
急に沖縄編になり多少の違和感を覚えたが沖縄戦の悲惨さ、そして今も続く差別感、改めて知るきっかけとなり、今後も関心を持っていきたいと思う。国家機密と国民の知る権利、もう少し踏み込んだものを期待してたが事実に基づいた小説だから仕方ないかな。家族の絆、家族愛も素直な感覚で描かれており全体的には良かったと思う。
いつも戦争のことを書いた本を読んで思うのだが、私は戦争のことを知らなすぎる。沖縄返還の年に生まれ、それまでの苦労や基地での不祥事など事件があればその時は思うが深くは知らない。本当に申し訳なく思う。米軍施設の75%を今でも有する沖縄。観光だけでなく、自らの国の歴史を知るため、いずれは訪れたい。
前三巻とはがらりと趣を変えて沖縄問題を掘り下げています。基本的に全巻通じてノンフィクション、事実に基づいて組立てられているのが凄い。勉強になる、この信頼感が物語に厚みを加えていると思う。最後まで読んで初めてタイトルの意味に納得しました。
舞台は沖縄。個人的には物足りないラスト。「外務省の取材はお手上げ」だったとあとがきにあったが、全体的にそんなもどかしさを感じる。「知る権利」や「沖縄問題」について、様々な角度から考えるきっかけを与えてくれた。
★★★★ おもしろい、というより、ためになる本だった。沖縄が抱えている問題を少しは理解できたし、関心を持っていきたいと思えた。が、今まで読んだ山崎豊子作品は、先が読みたくて読みたくてたまらなかったのだが、この作品はそういう力には欠けていた。
戦中沖縄の悲惨な事実を知る一冊になった。最近の米兵による事件や器物落下事故など基地問題に関する詳細も知る事が出来た。島の人の心の傷を一番に考慮してあげるべきなのに思うようにいなかい今の政治力の乏しさも痛感した。ラスト、弓成夫婦が心を通わせることにホッとしたものの長く辛い夫婦の歩みだったなと思う。
つながっているといえばつながっているけれど、テーマが沖縄での戦中戦後の話になって、バランスとしてはこっちが言論の自由が1巻、こっちが3巻のほうが読み応えがあったんじゃないかと思えるぐらい。ずっしり来ました。
4冊続けて一気に読みました。4巻の沖縄問題だけもっと掘り下げて別の小説にしてほしいくらい、すごく読み応えがあった。小説という形だけどほぼ史実、沖縄基地問題などテレビのニュースでしか知らない私はこの本を読んで本当によかったとおもう。
あの戦争で一瞬にして生を終えてしまった人、戦後、占領から復帰になってもいまだ戦っている人、を思うと死ぬも地獄、生きるも地獄。著者の作品はいつも日本人として忘れてはいけないことを思い出させてくれる。沖縄の現状を知るほどに、ノーベル平和賞、あれは一体何だったのだろう。
4巻は当初からは思いもよらない方向に進んできて戸惑いながらもそれなりに楽しめた。史実ながらも弓成夫婦がなんとなく歩みよって終わったところにホッとした気も・・
気合の入り方はわかるが、過去の傑作と比べどこかちぐはぐ… 1巻から3巻は一冊にまとめて、上下で出せばよかったのかも。間延びしちゃってたので。
個別の人間の過去と現在を記憶しようという、人間回帰ともいうべき立場は、個人の思想の着地点として、あるいは小説の結末として、アリだとは思います。その立ち位置にたどりつくために、野望や権力から距離を置く、すなわち政治記者を辞める必要はあったのでしょう。ただ、ということは、冷静な政治的な立場からは「基地の完全撤去」というような言説は出てこないという意味でもあるのが、悩ましいところです。 それとやはり、現在の沖縄の状況に対して「密約」が「悪」だったようには思えないことが、お話が締まらない原因かと。
1から4まで小説とはいえほぼ史実なんだよなぁ~・・・日本という国の抱える問題、その過程を知る程に「何故?」と言う気持ちが強くなる。山崎豊子が伝えたかったこと、伝えるための努力と苦労をしっかりと受け止めたい。
運命の人 四巻の
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