鷺と雪
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鷺と雪の感想・レビュー(1246)
事件が起きる以前の良家令嬢の視点で描かれた不穏の影。ずっと違和感があり何故だろうと思っていたらシリーズ3作目という事実を読後に知った。しかし、この終り方で最終巻となるとシリーズ全て読むのはキツイな。面白くないとかではなくて、胸が締め付けられそうな予感がするのです。戦争とか歴史的な事件とかの渦中を、時代を生きる人々のお話を読むのは心構えが出来ていないと苦しい。いつになっても慣れない。
シリーズ最終巻。戦前の美しい世界観を見事に表現していると思う。日常のなぞは北村氏の真骨頂。これで終わってしまうのが残念なシリーズではあるが、これから日本がたどる運命を思えば仕方ない。
当時の状況がうまく書かれていると感じる。それは参考文献の数から納得がいった。ゆっくりとしたテンポで小さな謎を解いていくところがいい。
未読だった「街の灯」、「玻璃の天」を読んだ上での再読。いったん動き出したらもう容易には止めることのできない巨大な歯車。ひたひたと確実に忍び寄る戦争の影。前回読んだときより恐ろしく、悲しく、胸が痛みました。史実を交えながら物語が進んでいくので、まるでこの時代に英子やベッキーさんという女性が実際に生きていたように思えてきます。そして、このラストはやはり、切ない…。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 01/13
衝撃的なことに、読んだことある本だった。なのに、読み進めてもそれぞれの掌編の結末を全く覚えていなかった。シリーズで読んでないとこの本の面白さはわからないのかも。
ベッキーさんシリーズ最終巻と知らず借りてきてしまいましたが、優しさの中にどこか芯の通った北村節や戦前のお嬢様の暮らしぶりの描写がよかった。
【再読】ベッキーさんが英子に未来について語りかけるシーンが印象的でした。そして、余韻を残すラストが秀逸!この先を読んでみたいような、見なくないような、複雑な気分…。
昭和はじめ頃の趣と共に史実を丁寧に踏まえつつ、そこに生きる彼女らのささやかな謎をそこはかとない優しさで包みながら解いていく展開は、とても新鮮に映りました。
ベッキーさんシリーズ3作目にして最終巻。ニ・ニ六事件で終わるということもわかってたので、時代の流れに対して身構えつつ、読み終わるのが寂しくて惜しみつつ読んだ。が、"不在の父"の最後「騒擾ゆき」という言葉で若月さんの行く末がわかってしまったことを除けば、全体的に前作『玻璃の天』ほどには重くなく、ぎりぎりまで平和で優雅な雰囲気を保ってる。ミステリ部分も、意外と本格推理系だった前作までより、円紫さんシリーズに近い日常の謎系。それだけに、突然平穏が破られるラストが哀しくも鮮やか。電話をこんなふうに使ってくるとは…
シリーズ物だったの?!直木賞受賞作と言うことで借りてみた!またシリーズ物の最終巻から読むなんて(;^_^A昭和初期系のお話なんて滅多に読まないからなんか新鮮だった!!ライオンの話が好きだなぁ〜もうちょいハラハラドキドキがあってもよかったかな?!
これだけ読んで酷評している方がいるけど、順番に読めば登場人物に深みが出てまた違った感想になると思う。ただ、若月が何をしようとしているは確かに分かり易すぎたかな
直木賞受賞作って事で読んでみたが・・・。 これ、超つまらん!! 時代は昭和初期(戦争前)の話なんだが、主人公は、上流家庭の女学校の生徒。侯爵やら子爵やら華族も登場して、ちょっとした事件が起きるんだが、昭和初期という暗い時代にもかかわらず、主人公達の会話がまったく世相を反映していない。読んでてイライラした。 買った本だったら大後悔するとこだった。 作中に一編の詩が出てくるんだが・・・。 普通に昭和史を知ってる人間からすれば、ラストは「2.26事件」だな!って、すぐに判る。駄作。
「お嬢様、別宮がついております」のセリフに痺れた!時にやさしくて頼りになり、必要とあらば厳しく(でも愛をもって)接し、謎解きではよき生徒と教師にもなる二人の主従関係はあいかわらず素敵。何でもできるベッキーさんがお嬢様の未来に託す気持ちを語るシーンは胸が熱くなりました。哀しくて鮮やかに余韻を残すラストが忘れられません。
面白かったです。ミステリアスなミステリーでした。内容も楽しめるうえちょっとした知識もついて、一石二鳥。ラストは二・二六事件ってことなのかな。
勝久様とベッキーさん、英子さんと若月さん。互いに心を通じ合わせながらも、決定的に違う。それは貧困や理不尽な制裁を受けた経験の有無からだろう。庶民の私はベッキーさんや若月さんの魂からの言葉に心を揺り動かせられるのだけど、結局、若月さんの純真の思いは勝久様たちに利用される結果になってしまう。そういう時代だったと言えばそれまでだけど、だからこそベッキーさんは英子さんに託すのだと思う。
物語としてだけでなく、30年代前半の様相を知るための本としても優れていると思います。余韻と不安を残すラストが印象的。予備知識の説明は少ないので、日本史を学んだ人でないと楽しめないかもしれません。
「ベッキーさん」シリーズ3作目。このシリーズは順番に、一気に読むのがおすすめ。前作で時代の重さを引きずりながら読み始めたものの、今まで通りの文章のきれいさ、登場人物の印象の良さについ忘れて読みふけってしまった。 ラスト、思いがけない偶然に勝手にときめいたり、じわじわくる暗示を無視しようとしていたところに、現実を突きつけられた感じで背筋が寒くなった。 不思議とさらっとしていて、いやな終わり方ではない。 またこの作家さんの本を読みたい。 3作とも、文庫ならではの解説がとてもわかりやすくて良かった。
最終作。さらさら読めるが余韻が残る終わり方だった。この後のことを思うとその前に出た若月とのやり取りが続きを気にさせるものだった。
登場人物が温かく微笑ましい人が多かったのは好きでした。ただ『直木賞受賞作』ということで期待して読みすぎてしまったみたい。ハラハラドキドキを求めず、穏やかに何気なく読むと面白かったと思います。
ベッキーさんが勝久様に凛と答える場面が印象的です。そして、その後に英子さんに話す言葉も心に残ります。登場したすべての人たちの無事を祈ります。
シリーズ3作目。残りページ数が減っていくのを惜しみながら読んだ。先の展開が予測つかないタイプの話もわくわく感があって好きだが、この本のように先に何が起こるかだいたいわかっていて予兆を感じさせながらラストへ向かう話もじわじわ来ます。推理もの+昭和初期の時代もので一粒で二度美味しい。夢の中の描写が美しくもせつない…。
この作品に限らずですが、シリーズものは既刊分のタイトルと順番がわかるようにどこかに書いておいてほしいなあ。見返し?みたいな目立たない場所でいいので。
このタイトルは秀逸。日常が非日常に染みて行く、あるいは非日常から日常が垣間見える、その瞬間をただあのシーンのみに切り取り、ここまでの物語に仕立て上げたのは見事としか言いようがない。さすが「日常の謎」ミステリの旗手であると感動しきりだった。前作・前々作も面白かったのだが今作ラストの余韻が強烈すぎる。運転手別宮ことベッキーさんの言葉が重く、しかし清冽に響く。
史実が多く書かれているため、ラストシーンの重い雰囲気に感じられた。若月少尉の使い方が上手く、英子の心情描写が、北村さんらしい綺麗な文章で描かれていたのが印象的だった。
続きが知りたい。もちろん軍国主義に雪崩れ込むように転がってゆくこの国の未来を、英子がどのように受け止めてゆくのかも含めて。
文庫化を聞きつけ、ようやく重い腰を上げて本棚から手を取った。白い景色が音を吸って、足元からしんしんと冷えるような最後の数ページの予感から事への運びがただ綺麗で切ない。昭和何年と年号がでるごとに思わず頭の中で計算をする。あと何年…私の中の基準は1945年、昭和20年。「その日」から九年先、英子は、ベッキーさんは、どこで何を見たのだろう。感想はまた改めて。
昭和の初期☆ゆっくりとしかし確実に大きな時代の流れが主人公・英子を否応なく巻き込んでいく☆子爵の失踪もブッポウソウも万三郎の《延命冠者》の面も全て最後の一行に繋がっていると思うと感慨深い☆どのように時代が動くのかわかっているだけにこの余韻を残しての終わり方は見事☆更に、騒擾ゆき☆勝久様とベッキーさんの会話でこれから起こるであろう大事が暗示され、若月から英子に送られた3冊の本と手紙、そして電話に出た若月で現実となる☆歴史の歯車が動き出したからには英子には常に強くあってほしい☆『お嬢様、別宮がついております』
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(4)
- 09/30
文庫フリーク@灯れ松明の火
緑茶桜さん☆ついに読了されたのですね。あの事件に至ること分かっていても、この描き方は予想越えてびっくりでした。余韻たっぷりの完結ですね。
ナイス!
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09/30 09:32
緑茶桜さん☆ついに読了されたのですね。あの事件に至ること分かっていても、この描き方は予想越えてびっくりでした。余韻たっぷりの完結ですね。
ナイス!
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09/30 09:32
☆緑茶桜☆@灯れ松明の火
文さま☆読み終えてしまいました。余韻たっぷりの結末に暫し様々なことを思い巡らしていました。『街の灯』『玻璃の天』『鷺と雪』三部作を締め括るにとてもふさわしい素敵な終わり方で、ある意味うれしいです☆
ナイス!
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09/30 18:57
文さま☆読み終えてしまいました。余韻たっぷりの結末に暫し様々なことを思い巡らしていました。『街の灯』『玻璃の天』『鷺と雪』三部作を締め括るにとてもふさわしい素敵な終わり方で、ある意味うれしいです☆
ナイス!
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09/30 18:57
ベッキーさんシリーズ3作目にして直木賞受賞作。昭和10年ごろのお嬢様の生活を垣間見るようなワクワクもあった当シリーズですが、我々にはこの先世がどう動くかも分かっているわけで、ところどころで胸が痛いです。主人公のお兄さん、妹の面倒見もいいしお茶目だし慶應だしボンボンだし、すごくいい感じがします。
読み始め「昭和の初めの時代物・・」つらいなあと思ったが、これは、面白い!昭和の初めのお嬢様の日常で発生するささいな出来事を解決する推理もの。けどその日常と同じく世界の大きな事件が、おこりつつあるギャップ。前作も読みたくなった。
レビューをちら見するとオチについて触れてるものが多かったので、どんな終わり方をするのかと思えば、これは……辛い/英子たちの人生の先を知りたい気はするけれど、この先はもう日常推理ものじゃなく、別のジャンルの物語に成らざるを得ないだろうな
シリーズの最初から比べて、時代の大きなうねりの中で生じる不穏な空気が漂っていた三冊目。同時に英子が凛とした大人の女性になっていく様子が伝わってきた。こんなに印象的なラストの小説は久しぶり。まだまだお話を続けて欲しい反面、その先にあるのが戦争だと分かっているので、見たくない気もする。中島京子の「小さいおうち」みたいに、ベッキーさんの回顧録として、英子の話を聞きたいかな。
再読。今回、少しだけ花村嬢の跡を追って山村暮鳥の詩を読んだ。残念ながら、聖三稜玻璃はなかったので、全集を。「なのはな」の詩は美しいけれど、ひやりとした。しかし花村嬢というか、作者の眼鏡を通して見た方がきれいに見えた。本作は解読書ではないのだけど、花村嬢の感性は心地よい。
鷺と雪の
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