猫を抱いて象と泳ぐ
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猫を抱いて象と泳ぐの感想・レビュー(2270)
主人公は限られた人間関係と世界で生きていながら、チェスを通じて広大な宇宙を旅する...何とも詩的な話でした。たんたんと物語は進み、終わる。凄く感動する物語ではないけど、読んだ後、気付いたら涙がにじんでいた。静かな感動を与える本です。
チェスの攻防がとても詩的に表現されてます。チェス指しであればこの詩的世界にもっと同調できるのかなとおもうと、チェスのルールも分からないことがちょっと残念になりました。
ずっと曇り空のような1冊。決して晴れやかな気持ちになるものではないけれど、この世界の片隅にひっそりとリトル・アリョーヒンが実際に存在するかのような気持ちにさせてくれ静かに深く引き込まれていきました。リトル・アリョーヒンとマスターとの関係性がステキだったし、リトル・アリョーヒンがずっとマスターとの思い出を大事にしてたのが印象的でした。チェスが分かってればもっとおもしろかったんだろうなぁ
あるチェスプレイヤーの人生。夢想の中を静かに漂っているようなお話でした。脛毛が生えた唇、インディラ、ポーン、ミイラなど、作中に出てくるキーワードが全て愛おしく、哀しい。
寂しくかつ詩的に生きているという感じ。生きていることはどういうことだろう。詩を書くことのみに生きた中原中也が思い浮かんだ。
静かで、優しい。キャラクターが皆、個性的で魅力的。 幸せの形、居場所は皆それぞれ違うんだなあ。 チェスをしたくなった。
伊坂作品が地上から数センチ浮いているなら、小川ワールドは3.1次元に存在してるとでも言えようか。おとぎ話にしてはグロテスク、現実にしては寓意がこめられすぎていて。なんだろう、この美しさは。 現実に一枚透明な膜をかけて5cmほど横移動させた程度の真実味と現実感のある虚構世界は、一度はまると病み付きになる。 谷川俊太郎の「透明な過去の駅の遺失物係」とか、石川啄木が「15の時に空に吸われちゃった心」とかは恐らく小川ワールドと同じところにあるのだろう。
言葉ではないもので、詩を語り、物語を紡ぐ。チェス盤の前にあっては、その人の言葉も存在も無力で、ただただ広がるチェスの海を泳ぐこと。それが、小説という言葉の集まりで形になっていることの不思議をじんわりと味わいながら読み終わった。こんな題材をいったいどうやったら思いつくのか、ただただ溜息。
なんと言う静かで美しい文章なんだろう。一冊を通して乱れる事のない静謐さは神々しいほど。あり得ない設定にも関わらず、何の抵抗もなく物語の世界に没頭出来た。忘れられない一冊。
物語を読み始めて一見翻訳ものかと見紛う錯覚に陥りました。設定の荒唐無稽さなどの点がジョン・アーヴィングの作品を彷彿とさせます。物語に終始見られる色調は、リトル・アリョーヒンの「大きくなること、それは悲劇である」という行き場のない深い悲しみ。ただしそれと同じだけの深い優しさも感じられる作品でした。
伝説のチェス名人リトル・アリョーヒンの生涯。文章は静かで美しくチェスの海に身を委ねることの素晴らしさが伝わってくる。でもたまらなくせつない、かなしい物語。屋上から降りられないインディラ、隙間から出られないミイラ、バスから出られないマスター、大きくなるのが怖いアリョーヒン。誰か助けてあげて。
読破。『博士の愛した数式』以来2冊目となる小川洋子さんの作品。碁や将棋、そしてチェス──。19×19(碁)、9×9(将棋)、8×8(チェス)のボードは常に「ひとつの宇宙」に例えられる。有限のマスのなかに、互いの駒が織り成す無限に広がる世界は、あまりにも静かで、あまりにも深い。この作品が醸す世界もまた、あまりにも静かで美しく、そして深く、悲しい。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 01/12
美しい物語なんだけど、ばあちゃんの布巾だけがorzあまり想像したくない一品だ。チェスのことが全く分からないので、そこに潜む物語や音楽と一体なれず残念。少女のころに読んだ鏡の国のアリスを少し思い出した。
物語の表面上の色は、チェス盤のように白黒で構成されている感じ、全体を通し静かな本。 しかしながら、その内にはたくさんの思い出・記憶・トラウマさへもが詰まっている。 動を静が抑えているから、色もなく動きも微少な気がする。 物語の描き方が、物語そのものをさらに深くしていると思う。
チェスという広大な世界に潜り込み、その世界を美しく泳いでみせた"盤下の詩人"リトル・アリョーヒンのお話です。駒を動かすことで言葉を語り、駒の軌跡から世界を読み取るアリョーヒン。そんな人間いるわけない、と思いながらも、チェスという遊戯とそのプレイヤーたちにとっては、そういうこともあるのかもしれないなぁとも思ってしまいます。最強の手が最善とは限らない世界の中で、美しさを求めながら駒を歩ませたチェス指しの美しい物語。今年最初の一冊としてふさわしい一冊でした。
「大きくなること、それは悲劇である」リトル・アリョーヒンはチェス台の下に潜り込む。インディラ、マスター、ミイラ。リトル・アリョーヒンを含め、彼らは閉じ込められなければ泳げなかったに違いない。総婦長を乗せたゴンドラが止まることはなかったし、彼女がリトル・アリョーヒンからチェスを教えてもらうこともなかった。海は極めて限定的で閉鎖的だからこそ、果てしがないものだったのだろう。
とても静かで 優しい作品。登場人物達のそっと寄り添うような優しさが温かい気持ちにさせてくれました。 小川さんの作品 もっと読んでみたいです。
あるチェスプレーヤーのお話。読んでいる間、この本をよみおわったら、この人の人生は終わってしまうんだと思って切なくなりました。タイトルもステキ。数年前にチェスをやってみたくなったことがあります。ルールブックを読み更けりましたが、凡人なので挫折しました(-_-;)見開きの駒の説明を見て、長男が興味をもったので一緒に始めてみるのもいいかなと思ってます。
文章がすごくきれいだけど、チェスのシーンは荒々しく、スピード感があって対照的。切ない展開やラストも不思議とすーっと受け入れられる。本当に全てがきれいで、所々で泣いてしまいました。
切なくて美しいファンタジー。チェスというゲームにも興味が沸きました。将棋と囲碁とどんな世界観の違いがあるんだろう。私はどれもやらないけれど
チェスってそんなすごい宇宙を表現できる物なの?将棋と違って犠牲が生きるゲームだなぁとは感じる。どんどん駒が減っていくのも違って面白い。あぁ、最後のすれ違いが哀しかった。
読み終えた…!っていう充実感が凄かった。チェスの中で生きる小さな男性の人生が綴られています。「チェスの広くて深い海に潜って〜」という描写があったけど、この本もまさしくそんな感じ。本の海に潜って、静かに物語に流されました。表題の『泳ぐ』が本当ピッタリ。またこの本に泳ぎにきたい。
美しい文章と言葉。優しいけど悲しい。幸せの捉え方は人それぞれだと思う。はかないのは美しいけど、でも私はたくましい人生の方が好きかな。
美しい物語の中にある生々しさ。悲しみとか喜びとか感情というものの表現の豊かさ。少年の人を思いやる心の温かさ。読み終わってもいつまでも物語の余韻に浸ってしまう。美しい物語の中にたくさんのメッセージが散りばめられていて、その一つ一つを何度も確かめたくなる。素晴らしい!の一言に尽きる。
すごく静かで、暖かなお話でした。リトル・アリョーヒョンが出会う人々は皆が皆、暖かい人ばかりではありません。ですが作品を通して、それらをすべて受けとめる、チェスの海の温かさを感じました。
優しさと悲しさ、そして穏やかさ。”リトル・アリョーヒン”と呼ばれる、決して表に出る事のなかったチェスさしの一生を描いている。出会い・死を含む別れ・人生の転換期、と様々あるのに穏やか。チェスを知らなくても十分に楽しめる。知識がない分完全ではないにしても、彼のチェスの素晴らしさを感じられる文。小川洋子さんの小説になれていないので、はじめはいったいどこにオチを持っていく気だろうか、と考えながら読んでいたが、最終的には話のまさに流れに流されるように漂うように、そして浸るように読めた気がする。
小川洋子さんの本は三冊めだけど、どの作品にも『優しい悲しみ』の形が描かれていると思った。チェスの事はわからないけど、極めればその辿る道は芸術なんだろうな、ということはわかる。それがあまりに美しいから、神様に愛されて早世してしまったのかなあ。国籍不明な、どこか童話のような物語。
(読書好きの友人に借りた本)リトル・アリョーヒン、ミイラ、象、海底チェス倶楽部、エチュード…はじめはプールの死体や唇の脛毛など少し気持ち悪く挫折しかけましたが、話が進むにつれ夢中なり、いつの間にかその気持ちは消えていました。途中で不思議だったタイトルの意味にも納得出来、チェスを知らない私でも心地よくチェスの海を泳いでいる気分になれました。もっとリトル・アリョーヒンの対局を見たかった。文章や世界観がすごくきれいでした。
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