悼む人
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悼む人の感想・レビュー(1750)
生きてる側は、人の死を生きてる側の感情で受け入れようとする。そこには「恨み」や「憎しみ」や「無念」という感情が生まれるし、受け入れようとしてその死の理由を探そうとする。例えば「殺されても仕方なかったんだ」とか。でも、死んだ人は生きてる人の心の中で生き続ける、ということを考えると、生きてる側の「死」に対するそういう感情は正しいのか?と。生きてる人の安らぎではなく死んだ人の安らぎを思ったら、その人も「他の人たちと同じように」生きていた、ということを忘れないでいることが「悼む」ということなのかなあ・・・と。
2回目ですけどこれはほんと好き!!なんというか、堅苦しいだけのものじゃなくて、きゅんともできるし、心がふわっと温かくなる本。人の死について考えるのがメインかもしれないけど、どうしても静人と奈義さんに目がいくのは私が子供な証拠ですかね;;
人は人の死を覚えてはいられない。 縁が薄い人のことならなおさらだ。 そんなものだとは思うが、やっぱりおかしなことなんだろう。 この作品はそんな人間の不条理?理不尽?な部分を抉って描いている。 だって仕方ないじゃないか、と言い訳したくなるような話。 実際仕方ないんだよな。 死への喜怒哀楽、死に対する考察…「物語」と「死」は切っても切り離せないがここまで「死」への思いを綴った作品を私は知らない。 大事な人に是非読んでほしい作品。
生きる、死ぬ、弔う、悼むということについて考えさせられる。万人の死を平等に悼む主人公は、あまりにも極端ではあるが、他者との繋がりが希薄な現代において新たな死生学を提示しているのかもしれない。
悼むとは死者を特別な存在として覚えておくことなのかと漠然と思ったが、あまりよく理解できなかった。重苦しい内容で読んだ後、暗い気持ちになった。
様々な"生"と"死"の形がある。近くにいた命が遠くに逝ってしまったとき、いつまでも忘れたくないと思ったはずなのに、いつの間にか記憶が薄れていく。それが淋しい。"悼む"ことの意味を考える。
大切な人を亡くしたあと、その人の苦しんだことばかり思って悲しくなるときがあります。でも失ったものを嘆くのではなく、残されたものに感謝しよう。もっと生きていることに感謝しよう、と思わさせてくれました。自分を愛してくれた人、くれている人に対して。そして生に執着しようと。とても漠然としているけど、そんなやわらかくあたたかい、母胎の中にいるような感覚を覚えさせてくれました。
人の「生」と「死」について考えさせられる作品でした。静人の行動は賛否両論だと思いますが、確かに、人の死に対して、軽くとらえる所があったので、そこは反省しなきゃなーと思います。どんな人でも、その人はその人なりに、一生懸命に生きていて、決して軽視していい死などないと教えられました。涙なしでは読めない一冊です。
すべての死は平等。様々な人の死を悼むという旅を続ける静人はやっぱり多くの人には理解されないだろう。私も理解できなかった。せめて旅を途中休憩して、病気のお母さんとの最後の時間を過ごすべきだったのでは?
死をテーマにした、魂のこもった作品。死の背景はどうであれ、死者に大して平等に愛する悼むという行為が理解し難いものだったが、段々とそれが主人公の使命なのだと受け入れるようになった。作品で主軸に等しく書かれていた主人公の母の生き方は素敵だった。家族や大切な人を思いやり、悼まれるような人でありたいと思う。
悲劇的な死に方をした人に対して我々は注目しその死を悲しむが、死んだ人に一般人はおらず、すべて「特別な人」である、と「死の平等性」を指摘してくれた。残虐な殺人鬼でさえも「悼む」という静人の行為は、読み進める間じゅうなかなか理解・共感を得ることができなかったが、「愛」というキーワードを元に、様々な登場人物の行動・セリフ、そして静人自身も迷い、試行錯誤を重ねながら旅を続ける姿を描くことで、究極の愛ー母子愛に収斂させている。そして、人の死の瞬間をここまでリアルに、また詩的に書き上げたこの本は、間違いなく宗教本であ
最後まで静人の悼むという行動は理解することが出来なかった。余命少ないながらも強く生きる母親の巡子さんはすごく素敵だと思いました。自分も家族や周りの人を愛し、愛され、感謝していきたいと思いました。そういう意味では、すごく考えさせられる本でした。
ずっと気になっていた、天童荒太さん作品。装幀が気に入ったので手にとってみました。主人公の行動に共感が持てるとははっきりとは言えないけど、「死」についてとても考えさせられます。読む人の心と体の状況によって、響き方が違うんだろうなぁ。また何年かしたら再読すべき1冊ですね。
これは合わんな。悼む人ってのが、どうにも感情移入できない。ただの自己中心的な人間に見えてしまう。もしくは、精神の病んだ人・・・。悼む人になった理由(旅に出た理由)も記述されているのだが、自分の感覚では、こんな理由で旅に出るか?って感じだ。信じられないぐらい現実離れしてると思う。こんな理由で旅に出るとしたら、とてつもなく精神の弱い人間に思える。 雑誌記者や母親など、まわりの人物が現実的に描かれているだけに、主人公の現実感の無さが、よけいに際立ってしまっている。「永遠の仔」が良かっただけに、残念な作品。
死と生は二項対立のように捉えられることが多いが、むしろ両者は連続していると考えたほうが自然に思えた。誰しも自分が生きた証を残して死にたいと思うものだが、生物学的な死と、社会的な死(社会における故人の影響力及び記憶の喪失)は異なるので、場合によっては生前に社会的には死んでいるということが起こりえる。『悼む人』の存在は遺族よりむしろ(多くの場合、孤独に)死にゆく者にとって大きな意味を持つのではないかと思う。朔也と静人の会話は嘘くさく感じた。無くてもいいのでは?
生きている最中は意識の端っこにも登場しない「死」なのに、いざ当事者になれば、これほど心が振り回されるものはない。静人が悼み続けたのは、心を揺り動かす間もなく、突如としてこれから先に待ち受ける日常をそぎ落とされた死者たちがほどんどだ。老衰や病死ではなく、道ばたの死を悼み続けた。それは悼み歩く方法の問題でもあるが、そこに何か象徴めいたものを感じる。悲痛なイメージである「死」を、温かなものに感じさせてくれた作品だった。
船越桂さんの表紙がずっと気になっていて、やっと読むことができた。 「多くの人々の死にふれ、悲しみを背負いすぎて、倒れてしまった」静人が、亡くなった人を悼む旅に出る。 闘病中の母、夫を殺した女、静人を追う雑誌記者の3人の視点から成る。 濃霧を吸ったように胸がいっぱい。テーマが重くいろいろと考えさせられたが、丁寧に書かれていたので…良かった。あの終わり方は見事。誰を愛し、誰から愛され、感謝された人かを尋ね、悼むことを続ける静人は超人かと思ってしまうが、そうではないことがとても重要だと感じた。静人の家族は素
穏やかな物語ながら、とても精緻に濃く死や病が描かれていました。なおもって温かみを抱きながら読めたのは、歩み続ける彼に係わるみなもまた、優しさに溢れていたからでしょうか。いまさらながらも悼まれる存在であるために強く生きていたいと思いました。
死、とは恐怖の最も普遍的な例だと思っているけど、「悼む人」を読んだら、うーん、それも意識次第だなぁと。死に対する恐怖は、意識が無くなる・自分が消滅する事、では無く、自分と周りの世界との関係が断たれる事、なのかも知れない。生きても死んでも人間は他者との関係性の上でしか自分自身を保てない……
死を悼む事。世界にはいろいろな死があり、そして多くの残された人が生きていく。本の内容を僕はまだ上手く消化できずにいる。
天童さんを久々に読んで、重さにちょっと考えてしまいました。昔とは違い自分も家族の死を経験し、読んでてちょっと苦しかったのも事実です。死というのは色々な考え方があるので、人それぞれ思い方はたくさんあるんだと考えさせられました。
最初は現実的でもないし、変なお話~、なんて思ってましたが、読み進めるうちに引き込まれること、深いこと!人類皆平等といいながら、差別をしていない人などやっぱりいない。権威者だろうと犯罪者だろうとその人の人生を尊ぶことはなかなかできない。結論は出せないが、正しい考え方は多数決では決められない。自分の信念を持って生きたい。☆☆☆☆
重いテーマではあるが、底流に流れる光のようなものを感じ、静人という主人公とその対照として生を明るく全うする母親の姿が心に響く。 思わず息を詰めて読んでしまい、たまに息が苦しくなって本から顔を上げ、大きく息を吸い込んだ。 前々から気にはなっていたが、本当に読んで良かった一冊であります。
登場人物すべてにしっかりとした背景を作り込んでいると聞いた。。何と表現していいか分からないのだが、この作品全体を通して「無菌」という感覚がある。何の細菌もない薬品で消毒されたかのような無菌のイメージが全体について回る。何の汚れもないと言うのとは違い、人工的に消毒されたかのような空気感。それが良い方向に働いているのか悪いのか自分でも判断がつかない。決して軽いとは言えないテーマなのでこの無菌感が読みやすくしているのか?もしくは気づかないうちに自分が静人にシンクロしすぎたか・・・。
一言で言うと、感動した。自分は、誰を愛したのか、誰に愛されたのか、誰に感謝されたのか、考えさせられた。妻、子供、家族、友人。いろんな人のことを思いだしながら読むことができた。記者さんが、心を開いたように自分も回りの人に心を開くことができたらとも思った。
ずっと読みたいと思っていて、なぜか機会を逸し、やっと読みました。この本は主人公の設定が全てですね。よくこのような人物設定を思いついたものです。「永遠の仔」で天童さんが好きになりましたが、この本でも「天童」を満喫させてもらいました。どうなんでしょう・・・「死者」は覚えていてもらいたいものなのでしょうか?生者のエゴなのでしょうか?私的には子供が時々思い出してくれればいいなぁ~~くらいですが・・・一般的には違うのかな?
静人が心に刻んだ人たちも、彼が死んだら消えてしまう。毎日死んでいく命もあれば誕生する命もある。世の中は常に入れかわっていくことは頭でわかっているけど、とても寂しい。私たちが100年前に生きていた人たちのことを知らないように、100年後に生きてる人たちは私たちが誰に愛されたとか、愛したとか、感謝されたとか知ることはないんだろうな。この本を読んで、そういう無常さを認識した。 とっても深い話でした。さすが天童さん。
静人の旅や彼の周りの人の人生を通して、身近な人の死や愛、家族について考えさせられるお話でした。 途中、「悼む」を「痛む(心が痛む)」としたところが印象的だった。
最初に静人日記のほうを見つけて読んでたんですがどうも理解しづらかったのであちら中断してこっちを図書館で探して読みました。静人さんがどういう人なのか、3人の人の視点から追いかけたこの物語を読んで理解できました。あ、理解といっても、なんでこういうことしてるのかという奥深いところは理解できてないと思うけど。ちなみに形式上はその「悼む人」である静人が主人公だけどこの3人(ライター、夫殺しによる服役後の女、静人の母)とも、複雑な事情を抱えていて、だから3人それぞれの人生の物語でもあるのですね。
長いこと読書をしていると、不思議な縁に出会うことがある。祖母が亡くなって、弔いを済ませたあとにこの本を手にとったのもきっと必然だったのだろう。自分は静人のように全ての人を悼む事はできないが、せめて近しい人が誰に愛され、誰を愛し、どの様に感謝されていたのかを心に留めたい。
前半は、少し長い感じがしたが、後半は一気に読みすすんだ。主人公の行動にイマイチ共感を得られないのは、"悼む"行為の説明にもう少説得力が欲しかったからであろう。
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