婚礼、葬礼、その他
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婚礼、葬礼、その他の感想・レビュー(237)
表題作はとても面白かった。やりとりの間が絶妙。そうですよ、何の面識もないのに半ば強制的に連行される葬式ってフシギ。併せて入っていた「冷たい十字路」は今イチまとめ不足なのか?これからっていうところで終わる。
前半はトラブルが次から次へと起こって、この作者には珍しくストーリーがアップテンポで動く。後半は「おわること」への半無自覚な感傷。もう一編は善人は悪人、善意は悪意、光は闇、逆もまた然り。人や時や場所、場合によって表になったり裏になったりするだけ。ということを、十字路に居合わせる人達をの繋がり使って描き出している。ひかるという女子小学生の洞察力が印象的。
アレグリアのほうかもしれないけど、この人の描く「女性が男性から受ける性的暴行の描写」が、読むのがつらいくらいに身に迫って感じられる。頭がボワーンとして腹の底からゾワゾワ憎悪が湧いてきて、男は全員死ね!という気持ちになる。たぶん読んでる時の私は目が暗く光ってる。
津村記久子節が好きな人は安心して読めると思う。ほんとにこの人は、物事の見方の切り口がおもしろいなぁと思う。結婚式や葬式を、召喚魔法と捉えるとは。これで既刊分はあらかた読んじゃったから、新刊をはやく読みたいなぁ。
結婚式と葬式がまとめてやってきた。特別な理由がないかぎり列席を断れないこの2つの式だけでも正直足が重くなるというのに、参列者が引き起こすごたごたに巻き込まれたものだからもう大変!……と、自分の意志とは無関係に振り回される主人公のぼやきに、こちらまで情けなさが伝わってきて涙しそうになった。表題作のほか、もう1篇が収録されているが、どちらも人生何となくすっきりしないけれど月日だけはただ流れていく中で生きている人間たちの、どこか諦めに近い折り合いのつけ方を描いているようで、このもやもやした感じに共感を覚えた。
実際にありそうなエピソード満載で、久しぶりに会った友達の話を聞いている気分になる。
表題作では、結婚式への招待が重なって食傷気味になったり、御祝儀の金額がばかにならないとぼやいたり、かぶってる招待客はいないから服は前の時のでいいか、と思ったり。
私自身が今まで感じたり、友達から聞いたりしたこと(いかにも感じそう・聞きそうな)が満載。
「あ〜、わかるわかる」
「へぇ、そういうもの?」
と、心の中で相槌を打ちながら、夢中で読了!!
不思議な読後感がクセになりそう。
冠婚葬祭は、ある程度確立されているからこそ、それぞれの個性が浮き彫りになるように思う。表題作が良かったです。確かに朝の通勤って異常な雰囲気。
津村作品3冊目 「君は永遠にそいつらより若い」 「ミュージック・ブレス・ユー」 1番読みやすかった気がする 表題作は 結婚式からお葬式に行くことになり どちらもひと騒動ある ”嫌だけど断れない人”がいつも主人公なのか こういう人が多数派なのかも 「冷たい十字路」 自転車事故のことを複数人からの目線で書いてあり 誰だっけ?と少し混乱 まさにタイトル通り
津村さんの書く小説の主人公はときどきびっくりするくらい等身大。表題作でも自分が常日頃から思っていた「残業の帰りなどにときどき、〜」などがあって、ふぅっと一息ついてしまった。わたし(たち世代?)のぼんやりな不安も含めた感情をこんなにぴったりと小説にしてしまう作家さんは今のところじゃ津村さんだけだなぁ…。★★★★☆
この人の作品はひどく揺さ振りをかけられてるような気がする。なんというか不安というか、読んでいる間「嫌だけどこういうもんなんだろうな」みたいな気分にさせられる。それでも読み終え、また他の作品に手を伸ばそうと思えるのは結末にほのかな優しさや温かさがあるからなんだろうと思う。
『婚礼、葬礼、その他』・・・津村さんって個々人の価値観に従った良心と言う名の暴力を描かせたら本当にうまいと思った。主人公に降りかかった災難?の数々は誰にも「あるある」と思わせるエピソードが一つはあったのでは。そして空腹の描写が上手いから読んでいて一緒に哀しい空腹感も追体験できました。『冷たい十字路』・・・風呂敷を広げてそのまま放置してしまった印象。内容はいいと思うのだけれど散漫だったのが残念。
周囲から押し付けられたとも言える役割を、いやなのに流されるまま受け入れざるをえなくなり困ってしまう主人公。その決意に共感する表題作。自転車事故をめぐる人々の内心と日常のあれこれを描いた「冷たい十字路」。これでこの著者の作品を読むのは4冊目になるけれど、順位付けすることなくどれも好き。
ゆめわかば@灯れ松明の火
こんにちは(*^_^*)津村記久子さん気になっているのですが、「これから読むといいよ」的なオススメはありますか?どれから読み始めてもいけそうですか?
ナイス!
-
04/21 21:25
こんにちは(*^_^*)津村記久子さん気になっているのですが、「これから読むといいよ」的なオススメはありますか?どれから読み始めてもいけそうですか?
ナイス!
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04/21 21:25
著者お得意のちょっと変わったOLさんが主人公。マイペースな主人公ヨシノは結婚式に出ていたのだけど、突然の呼び出しから縁もゆかりも薄い(寧ろない?)人の葬式に出なければいけないはめに。そこで出会った故人の関係者に翻弄され、途中で出てきたにも関わらず携帯電話というツールによって結婚式にも翻弄され、様々なものに翻弄されながら、自分の人生はこうありたいと何となく心に決めることで落ち着けたヨシノ。ちょっと非日常の混じった日常を面白おかしく、時に切実に描き出す著者の筆力に癒されます。
☆☆☆☆ 周囲の理不尽な出来事に、どうしようもなく巻き込まれていく主人公たち。津村作品は二作目だけど、やっぱり好きだと思った。どんどん書いてほしい。絲山秋子なんかよりは毒が少なく、山崎ナオコーラの寒さがない。「葬礼、婚礼、その他」やれやれな状況が何だか可笑しい。この人のユーモアのセンスがとても好き。「冷たい十字路」一つの事故を色んな人の視点から描いた作品。どんくさい人には、ムカつきながらも、とても共感を覚える。(図)
主人公たちのように、間のわるさ、どうしようもなさにうんざりしてしましまうことはある。この作品のいいところは、最後には前を向く気持ちになれるところだと思う。タイトルの冷たさとは裏腹に温かい作品。
表題作、私にとって少しタイムリーでその分頷くところもあって面白かった。ヨシノの嘆きはひどく身近なはずなのに、それがどうにもならない状況への皮肉なんだろうと思えるユーモア、コメディタッチで、それが楽しく、可哀相だった。救いはヨシノが皆を幸せにしたことか。「冷たい十字路」は本当に冷たい話。見て見ぬフリ知らぬフリ口さがない噂に無責任な野次馬たち。嫌いな人が対象であったことに「いい気味」だと思ってしまう罪のない悪意。そんな彼らの事情をもっと詳しく知りたいと思うのは、これも他人の不幸を面白がる冷たさなのか。
婚礼、葬礼、その他はコメディタッチな小説。どんどん巻き込まれていく主人公が面白かった。冷たい十字路も表題作とは系統が違うけど、引き込まれた。
圧縮された婚礼と葬礼の「中」で勃発するこもごもとその他は続いている。いつもよりちょっとずれた一日が特別ではなく単に濃い。そう書いてあるのがいい。
「婚礼」と「葬礼」で振幅をつくり、その上でその二つを「非日常」でくくり、「その他」の「日常」と対比させる――と僕は読んだ。「冷たい十字路」が一晩中頭から離れなかったのは、場所を中心に動く世界が独特のテンポだったからか。
表題作も「冷たい十字路」もなかなかよかったと思います。共通に描かれていたのは意図せず摩擦しあう人々。その煩わしさ、息苦しさ、温かさ。そして読後は不思議な爽やかさ残ります。こんな視点でモノを見る作家さんというのはいそうでいない気がします。これからどう化けていくのか、楽しみな作家さんです。
津村さんは日常に潜む暴力や理不尽に敏感な人だと思う。そしてそれは作家としての貴重な素養だと思うのだ。表題作は冠婚葬祭の有無を言わさぬ「他人の時間を奪っていく」力への何やかやが炸裂した名作。同時収録の「冷たい十字路」は個人主義社会の冷酷さを多視点から描いていて見事。
表題作が良かった。主人公がバタバタに巻き込まれつつも、何故かその様子を遠くに感じている感覚とか。何となく解る気がした。 葬儀で争う二人の女達にキレる場面には、その台詞に爆笑した。そりゃ、そうだよね。故人の孫とのやり取りが好き。かなり、ほんわかとさせられた。芥川賞受賞作は好きじゃなかったが、これは好きだ。
表題である「婚礼、葬礼、その他」は文章のテンポの良さと、主人公の自分のことなのにどこか遠い事の様に思うその心情や、世間的に重要なことよりもまずは自分の空腹をどうにかしたいという欲求がうまく織り交ぜ書かれていて失礼なんだろうな、と思いながらも楽しかった。次の「白い十字路」はもうち「婚礼~」のテンポで読んでしまったが、もうちょっとゆっくり時間をかけて読んだ方が良かったのかも、と反省中。
主人公が結構なドタバタに巻き込まれるのに、うるさくない。主人公と騒動や周辺人物との温度差が絶妙だからか。津村さんの作品は「冴えない日があっても腐らずに、ちょっと真面目に、大切に生きていこう」と、テンション低くもじんわりとしみこませてくれる読後感が好きです。ちなみに、表題作のみ読みました。もう一作の「白い十字路」は、せっかくの余韻が消えてしまいそうで断念…。
表題作は非常に面白い。ただ白い十字路が、、、、。ユーモアセンスは非常に相性がいいんですけど、彼女のナイーブな部分の感受性とかはどうやら僕とは全くあわないみたいです
なさそうでありそうな一日の顛末を、淡々と描いた佳品。ともすればドタバタ喜劇で終わってしまう内容を精緻な心理描写で無理なく引き込み、最終的には共感の嵐。不器用で間が悪く、うまくいかないなぁ感を身にまとっているヨシノに入り込み過ぎたのか、切なさと諦念、怒りと哀しみ、そして空腹(?)が襲い掛かってきて読後はプチ虚脱に。細かいユーモアやシニカルな視点など津村さんらしさ満載で楽しめたが、「その他」の部分をもう少し読ませて欲しかった。『冷たい十字路』では、乾いた冷たさが今後ミステリもいけるのではと期待させる。
さらっと読めて面白かった。婚礼と葬祭の気持ちの切り替えはとても難しいと思うし、そんな中で主人公が色々思い巡らすのは様子がよく出ていたと思う。登場人物の心境も津村さんぽくて良かった。
表題作より「冷たい十字路」の方がスキだったな~ どちらももう少し深く書いていただけたらもっともっと面白くなっていた気がする
『婚礼、葬礼、その他』は、婚礼と葬礼の場が重なることでカオスな面白みが生まれ、いろいろしがらみはあっても順番に送ったり送られたりするし、そうこうしててもとにかくお互い生きてると腹は減るよな、としんみりした感動があった。どちらにも共通する「礼」を辞書で引くと「社会生活をする上で、円滑な人間関係や秩序を維持するために必要な倫理的規範」とある。
妙齢の女子は会社関連や義理で振り回されるとどこか意地悪な視点が入るものだけれど、ヨシノはどこか諦めていて、でも無関心ではない。冷静だけれど、その視点には優しさを感じた。
カタカナで名前が出てくる人と、ふつうに漢字やひらがなで名前が出てくる人と、作者はどういう基準で使い分けているのかなあと、気になってしまう。カタカナは、せめて主人公だけでいいのでは?話そのものは、面白かったです。
婚礼、葬礼、その他の
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感想・レビュー:95件















































