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夜想の感想・レビュー(249)
事故で妻子を失った絶望の中で生きる男が一人の少女に出会ったことで始まった活動は人を集め次第に大きなものになっていく様がリアリティたっぷりでいい意味での「宗教」の始まりを垣間見る。非常に重いテーマを扱いながらも、物語としての面白さを両立させ、サスペンスとサプライズをも用意している見事な構成。自分も誰かを救えるだろうか、そんな事を考えさせられた。
宗教に入ろうと考える前に一読するといいかも。途中なかなか読み進められず、どうしよう(-_-;)と思ったけれど、後半はいろいろ展開もあり一気に読めました。
以前に読んだことを忘れ、再読。慟哭とはちょっとテイストの違う宗教モノ。宗教って本当に難しいテーマだと、いくつかの宗教を扱った小説を読む度に痛感する。
人の心ってとても怖い。人の心は人が操作できるものでは到底ないのかもしれないと思いました。心理学である程度は把握できるのか?とも思っていたのですが、自分自身でさえ自分の心はとらえ切れるものではない。むしろ気付かないといった方が正しいのかも。そして、それに気付き始めた時は、まだ救いがあるが、気づいた内容にさえ今まで気づいていなかったことに恐ろしさを感じます。いったいどこまでが気づいていないのか、気づいた時にはぼろぼろと壊れてしまったあとなのか。しかし、気づいたなら、救いの手が効果があったというべきか。
僕が貫井さんの作品に望んでいることはヘビーな読後感です。その点この夜想はミステリ要素も少なく不満は残ります。しかし後半の疾走感は流石だなと思いました。ただやはり雪藤に感情移入できないなぁと・・・。本当に貫井さんは読ませる文章を書いてくれるなぁと。
一見、新興宗教のモチーフに抵抗を持つ人もいるだろうが大丈夫、メインはそこにあらず。震災など辛い出来事が続いている昨今、悲しみの克服というテーマが普段以上に胸を打つ素晴らしい小説です
ちょっぴり重い。でも、雪藤の心理はよくわかる。前半は「不如意」がテーマだと思い、世の中ってこういうものよねと思って読んでいた。でも後半から「だめだめ、そんなに突っ走らないで。はるかがかわいそう。」と・・・。最後は希望が見えるけれども、北条クリニックまでが幻だったことにはぞっとした。心ってもろいものですね。二人の夜が心に重く残った。
こうありたい、という理想はあっても、やはり組織化すると寄付金集めなどしないと立ち行かない。そうなると、どうしても胡散臭さを感じてしまうが。内部の人の苦労も少しは感じられた。でもやっぱり私は、一人の人間を崇める団体に不自然なものを感じてしまい馴染めない。
慟哭ではミステリを成立させるための一つの要因として使われていた「宗教」というテーマを、夜想では突き詰めたんだなあ、というのが一番の感想。読者として少し離れた位置から見ると、段々と主人公の思考に違和感を覚えていく。それを個人的には面白く読めたけれど、苦手な人は苦手かもしれない。自分では手におえない傷を持った人間が救われるということはどういったことなのか、考えさせられる作品。
崩壊していく二人の姿が宗教(みたいな)団体を舞台に描かれることでリアリティーを増しています。行き着く先は違うのですが、人間って脆いなぁと思いました。取り囲む人の環境が明暗を分けますね。
なかなか面白く進んでいきましたが、中盤以降は取ってつけたような展開に。ラストはなんだこれ?ってオチで唖然。
引っ張るだけ引っ張ってこれかよ(怒)
なんか、貫井さんの作品は読めば読むほどがっかり感が増していきます。
貫井徳郎版「幻魔大戦」なんだなと思う。ミステリ版のとは言えない。ミステリ版があるなら、それは“教祖”の正体を解明する形を取るのが本道だろうからだ。 ミステリ的な興趣がなくともこの小説は存在し得ただろうし、その点で貫井版「必殺仕置人」であると同時にミステリ版のそれでもあり得た「殺人症候群」とは異なる。 貫井徳郎にとって「幻魔大戦」がどんな意味を持っていたのかは解らない。けれどこうした形で“自分の幻魔大戦”を書いてみたのかな、くらいに思う。そして…私も自分の幻魔大戦を抱えている。書いてみることなどないが。
最初は面白かったけど、途中で少し気が抜けた。 慟哭のような スリルのある話を期待したが、少し系統がちがった。 内容(「BOOK」データベースより) 名作『慟哭』から十四年。ふたたび「宗教」をテーマに、魂の絶望と救いを描いた雄渾の巨篇。
この作者宗教物もおおいけど、今回は宗教側の話でちょっと苦手でした。ちょっといまいちだったかなー。遥と言う女性に、顔立ちのよさ以上のものを何も感じなかった
あまりにも強い絶望感を背負った雪籐が何かにすがる気持ちは至極もっともだと感じる。その深い喪失感から妄想を抱いてしまうこと、人を信じられなくなる様子もありかと。最後に少し光をさす作者の意図はこれまで読んだ中にはないものであったが、全てが全て虚無でなくよかったと感じる。糧のない人生、ささやかでも思いのない人生は何かにすがる人間の弱さを見せてくれたような気がする。
『シャドウ』に近いものを感じた。途中から新宗教くささが出てきて、うまくまとまるのか…と思いきや、予想外の展開へ。最後はあれでよかったのかな、遙の本心は…といろいろ考えさせられた。
私は本当に心が救われるなら宗教はアリだと思います。目の前で妻子を亡くした雪藤の絶望は読んでいてとても胸が痛かったです。そんな時に物から残留思念を読み取る事が出来る遥と出会い、救われたと感じるが、雪藤のあまりにもの不安・心の狭さ・思い込みには正直、痛いなぁ。と感じてしまいました。宗教の成り立ちが詳細に描かれていて、そこは興味深く読めました。「コフリット」のメンバーの個性も、ああ、いるいる、と頷きたくなりました。後、どんなに自分達のしている事は宗教じゃないと言っても周りからは結局宗教だと思われてしまうんですね
痛いなぁ。痛々しいなぁ。ちょっとずつズレていってるなぁと思ってたら、最後にはかなりズレてた。人って弱い。でも人間脳の生命力は強い。
主人公の作り物が多くてちょっと無理があるんじゃないかと思ったけれど、それ程主人公が追い詰められた精神にあったことが窺い知れる。人は何故救いを求めるのか。宗教に縋る人、宗教を起こす人の気持ちがよくわかる本。
今の日本で救いの得られない日本人がどこにいきつくのか、考えさせられました。無宗教の国で人との関係性の中に救いをえられなければ、この小説で語られている状況に追い込まれてしまう人って多いんではないでしょうか。小説の中で雪藤の認識と社会の認識がずれていく流れが印象的でした。
貫井さんは『慟哭』で有名になったせいでいつまでたってもその影がまとわりつく感があるのですが、本作はその残照をいい具合にミスリードに使った一篇だと思います。
人はなぜ 宗教に頼るのか は普遍的。弱さ、悲しみ、喪失感などなど。悲しみの記憶を無理に見つめる事はない、楽しい記憶で上書きすればいい って考えはいいなと思う。じゃ 弱さを直視しなければ頼る必要もないんじゃ?とも思う。
Heaven helps those who help themselves...読み終わって最初に思い出した言葉。傷を抱えた人間同士が集まり、寄り添い、膨れ上がり、対立が生まれ、先鋭化して、ついにはじけ飛ぶ。多分ひとりひとりは普通にやってただけだったのになんでこうなったんだろう?全体的に淡々とした印象だったので、のんびり読んでいたら意表を突かれた。暗い話ではあるけど「欠落だらけの今」を肯定してくれるのでどこか勇気づけられた。
ズレまくっている子安嘉子より、微妙にズレてる雪籐の方が深刻に思えた。正直、同情はするが彼の自分の悲しみの大きさを人と比較することや、反対意見を受け入れない狭量な面に嫌悪感というか疑問を持って読んでいた。思い描いていた人生が絶たれた反動があのような独善的なものを見せてしまうのか。宗教ではないことに拘る彼が一番遥を崇め縋り、人間性を否定しているところに、神様を切望している悲しみを感じた。求めるのでなく与える喜びを見出し、長い夜が明けて良かった。
もっとドラマがあるのかと思って読みはじめたら、意外と心理劇の様相であれ?というかんじ。悲しみは乗り越える必要はないんじゃないかという最後の結論には思わず納得です。
現実と虚構の境が曖昧になっていくさまにハラハラ。いったいどこに落ち着くのかと思ったら、結構落ち着くべきところだったのでちょっと安心。こういう落ちも嫌いじゃありません。宗教のはじまりってこうなんですか?
夜想の
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感想・レビュー:70件














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