空ばかり見ていた
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空ばかり見ていたの感想・レビュー(138)
「ワニが泣く日」枕の帰りたい場所が空ってゆーのは意外やった。羽毛の枕やったんやね。「海の床屋」のユウジ君に、何があったんやろう。この人の書く町に住んでみたい、この人の書く人たちみたいに働きたいと思う。ホクトさんに纏わる人たち、なんか優しくて不思議な感じ。
たとえば、ひとつシャボン玉がつくられる。 その中にひとつの世界が生まれる。 優しく、懐かしく、けれどなんだか儚い。 ふたつ目のシャボン玉がつくられる。 そこにもまた、ひとつの世界が見えてくる。 第二のシャボン玉は、第一のシャボン玉に寄り添い、ひとつになる。 そんな風にシャボン玉はどんどん増えて、シャボン玉の世界は膨らんでゆく。 優しさ、懐かしさもどんどん膨らんでゆく。 けれど、儚さだけがずっと消えない。 そんな感じの作品。
流しの床屋・ホクトさんが旅をする。吉田篤弘の本は、さらっとしている。劇的な印象を残すわけではなく、「何か気分の良くなるものを読んだ気がするのだけど……」と困惑しつつ、また手を伸ばす。これからの季節に、(特に河原とかで)読むのがぴったりだと思う。
★★★★★ 吉田篤弘の作る世界観が大好き。読み始めると、どっぷりその世界観に嵌ってしまい、ものすごく集中した読書時間が過ごせる。ホクトという理髪師を巡る連作短編集。どの話でも空を見上げる場面が出てくる。本当に素敵な物語。そしてやっぱり装丁も素晴らしい。(図)
素敵です、とても。やっぱり吉田さんの描く物語を読むと心が綺麗になる気がする。「星はみな流れてしまった」「海の床屋」「ローストチキン・ダイアリー」「ワニが泣く夜」が良かった。登場人物の背景を想像しながら読むのが好き。
たんたんとホクトが旅をして、いろんな人の髪を切って行く。とくに盛り上がりもないし、とくに面白くないから進みもゆっくりだけど。ぼーっと読むにはなかなかよかった。
吉田篤弘さんの本は装丁が独特で、すごく好き。装丁も含めての空気感。もう図書館に返しちゃったからお話の名前は忘れてしまったけど、本が好きな女の子の話、居酒屋さんを営んでる夫婦のお話、ローストターキーのお話が好きだった。
放浪の床屋、ホクトさんを巡る短編集。とは言っても、ホクトさんは実在したりお話の中の人だったりととても不思議な作品。読み始めた時、不思議な世界観とゆったりと静かな空気がとても心地よかったのですが、後半、同じようなトーンにちょっと食傷気味になったのか読む速度が落ちてしまいました。もう少し、作品数が少なくい方が良かった。お気に入りは「七つの鋏」「アルフレッド」「ローストチキン・ダイアリー」「リトル・ファンファーレ」最初と最後の話が繋がるのもいい感じ。装丁がとても素敵。本にぴったりの静謐な感じがかなり好き。
長編だと思って読んでたら短編?いや短編ではない…なんてフワフワ考えながら読んでたらあれよあれよと放流床屋さん・ホクトにまつわる不思議で素敵な世界に。ホクトは日本人だって何度も言ってるのに、わたしにはどうもフランスの方に変換されてしまう…。元々吉田篤弘ワールドが大好きなのだけどこの世界観も、ほーぅとため息が出るくらい良い。食べ物も美味しそうでマアトや<いないはずの叔母さんのケーキ>が食べてみたくなったり。<曇り空>という本が本当にあったらわたしはきっと読むだろう。
落ち着いていて穏やかで、でも流せなくて、心に残る…やわらかくてしなやかで美しい、風がゆったりと巡ってくるような物語だと思いました。ホクトさんはなにかに似ている。
読みやすくて柔らかい文章なのに、なぜか読了までに時間がかかってしまった。でも、そういう風にゆっくりと読むのがしっくりくるような一冊だった。どの物語にもファンタジックでゆるやかな時間が流れている短編集。個人的にはラストの切なさも含めて「海の床屋」が好き。最初と最後の物語がうまく絡み合うのがとても気持ちよかった。
読んだ側から消えて無くなってしまうような不思議な物語でした。時間がゆっくり流れている世界のところどころに空や風の表現が散りばめられていて、この物語の主人公を表しているように思えた。寝る前に1話づつ読むとしあわせ。
店を持たず鋏だけを携えて放浪するホクトという名の男がすべての物語のキーワードって感じかなぁ。。。 話1話は短くて何気ない物語だったりするのですが12話の物語が重なりあって繋がりあうと、何だかやっぱり不思議で何かが残る物語でした。
読み始めて思ったのは「国語の教科書にでてきそう」でした。ゆっくり穏やかに流れるお話の中で、ホクトさんが、主役であったり脇役であったりして出てくる。不思議なお話でした。
放浪する床屋ホクトをめぐる12の物語。サリサリと耳のすぐそばで、音がする。音はすれどもホクトの姿は見えない、もう見えなくなってしまった。私の中に残るのは、物語の所々にちりばめられた、美味しそうな食べ物。マアトや美味しいジャム。ねぎま鍋。真っ黒で極甘のケーキ。塩を使っていない8の字のパン。美味しいローストチキンは食べられたかしら、あの父娘。。。
完全にジャケ買い。でも、よかった。感動するでも、圧倒されるわけでもないのに、とても印象に残りました。買ってよかったな。いろんなホクトの話。どの話でも、ふぅと一息ついて空を見上げると気持ちの良い青空が広がってそうな。そんな印象の本でした。
旅する床屋・ホクトさんにまつわる12の短編。星やクリスマスをモチーフとした作品のせいか、冬のしんとした夜を感じました。読む季節を間違えたかな?それにしても、吉田さんの食べ物の描写は素晴らしいなあ。見た目は白いウエハースに似て、指先でつまんでもほとんど重さがなく、口に入れると瞬く間になくなってしまうお菓子『マアト』。マアトとは魂の重さを量る羽のこと。おいしいという思いだけが口に残る、不思議なお菓子。脱帽!どの作品も好みですが『星はみな流れてしまった』『ローストチキン・ダイアリー』が特にお気に入り。
存在しているに、次の瞬間存在してない「マアト」というお菓子のような「放浪する流しの床屋のホクト」さん。どこかの狭間を浮遊しているような物語感とどこか合っている。雰囲気を味わって軽く読んでいけるようで、同時に重量級の思想を明示されたような感じ。慌てて読んだら勿体ないような本。
鋏ひとつさえあれば好きな時に好きな場所で髪を切ることができる。そんな流しの床屋であるホクトにまつわる12の物語。まず流しの床屋という発想が面白い。ホクト自身がどこかつかみどころがない存在で、中にはいまいち分からなかった話もありましたが、全体的には好きです。「彼女の冬の読書」のように冬眠ならぬ冬読してみたいです。★★★★
静かな時間にお気に入りの格好でおいしいコーヒーを片手に読む。吉田さんの本は私にとってちょっと特別なゆったりした休日を過ごすためのアイテムのひとつかもしれない。日常を脇において、ふわふわと漂うように本の世界に浸れる幸せがある。どの話も良かったけど、アヤトリみたいな生活してみたいなぁ・・・。
「彼女の冬の読書」のような暮らし方がしたいと思った(笑)「ワニが泣く夜」「水平線を集める男」が特に好き。「草原の向こうの神様」が自分の思ってる神様と似ていて少しだけ嬉しかった。こんな生き方が理想。
とりとめのない文章が実はすごく哲学で、さらりと読むのはもったいない。でも考えるのは疲れるなーと思いが交差しながら読書しました。本の装丁がものすごく素敵!
お店を持たず流浪する床屋さん、ホクトが全てのお話に登場する12の短編集。時系列も場所も設定もばらばらで、日常から絶妙な具合で浮遊した雰囲気が漂う物語世界が大好き。「ローストチキン・ダイアリー」でアンが娘と夫に残していった、クリスマスまでのカウントダウンカレンダーが素敵過ぎてうっとり。ティーバッグの袋に小さな贈りものを入れて15~24日まで紙の持ち手に数字スタンプを押す。それを1日ずつ開けて仕度を整えていくというもの。真似したくなりました。
吉田氏は、いつも私をその物語の中に連れて行く。屋台で旨い煮つけをつついて熱燗をすすらせたりする。素敵な世界観だと思う。そこにきて「離れていても、君と僕は同じ空の下に居るよ」なんて言われたら、ときめきが止まらない(相手によりけり?)んだろうなぁ。当たり前の事なんだよね、「宇宙船 地球号」の乗員だもの。・・・とかなんとか思ってても期待してしまう自分が恥ずかしい。
放浪している床屋がいつも出てくる。床屋はもしかして生きている人間ではないのかも・・・・なんて思わせる作品。どうも私とはバッドチューニング。「つむじ風食堂」も「空ばかりも」読み切るのが苦痛だった。
沁みた。ひとつひとつのストーリーが指先からしっとりと切なく沁みこんでくる。この本を汲み取ることができる柔らかな心がまだ自分にあることが嬉しい。
床屋を巡る短編集?長篇?繋がり、というよりも連なりを持った作品が散らばっている。詩的な部分が拡がって沁みる。ホクトさんはいろんな時代のいろんな風景に紛れて、あらゆる人の話に登場したりする。「火の鳥」のよう。『美しさが、しばしば悲しみと共にあるのはなぜか。私はずいぶんそれを考えてきたが、またしても私は答えを出せそうにない。美しさはいつでも永遠であってほしいが、悲しみには終わりが必要になる』 いい!
☆☆☆☆☆ 旅する流しの床屋、ホクトさんに纏わる短編。クラフト・エヴィング商會の片割れさんの小説。ゆったりと流れる時間。出会う人と人。人と物。人と現象。やさしかったり甘かったり切なかったりする。天使の羽、食べてみたいなぁ。
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