ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)
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ロング・グッドバイの感想・レビュー(197)
ノルウェイの兵士は戦争でナチスに捕えられ、ゲシュタポの餌食となる。「海辺のカフカ」で佐伯さんの恋人は学生運動に巻き込まれ、私刑を受け撲殺される。「ノルウェイの森」ではキズキの自殺する寸前に共にいたのは恋人の直子でなくて主人公だった。ベストセラー作家の最期に立ち会ったのは、彼の夫人でなくマーロウだった。「1Q84」のBOOK3や、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のハードボイルドパートはこの作品のオマージュかと疑うくらい似通っている。挙げればきりがないくらいに、村上の中期以降の作品の中には深層か
今までハードボイルドを読んでこなかったので、ハードボイルドとはなんぞやという軽い姿勢で挑んだら見事にしてやられた。これが……ハードボイルド……最後の最後でマーロウの口から語られた僅かな言葉が、彼の生き方を示している気がする。
探偵物。全てを想像しきれないくらい描写も細かい。主人公マーロウが何を考えているのかはよく分からない。読み応えがあって面白かった。
基本的にはミステリーなので小難しい本ではなく簡潔明瞭にして面白い。加えて文章にはユーモアとセンスがあるから、分厚い本だったけれど読み終えた今は充足感で満たされています
このとおり弱肉強食の世界だ。人はなるたけクリンチに逃げ、いざというときのための力を蓄えておく。私は感情に流されることなく生きるように努めている。しかしその男には、私の心の琴線に触れる何かがあった。君のものの言い方は不快だ。世間的に成功した人々の多くは頭脳明晰という地点からはほどとおい。僕は作家だ。何が人を動かを見極めるのが仕事だ。しかし皆目わからん。インスピレーションを求めて過去に自分が書いたものを読み返すようになったらもうおしまい。勝ち負けはもう重要性をもたない。
これは好き。グレートギャッツビーは「?」な私でしたが、これは存分に世界に浸れました。フィリップ・マーロウお人好しすぎ!これがハードボイルド?このラストは秀逸。ここから生まれてきたであろう色々な作品が目に浮かぶ。
マーロウさんは優しすぎてとても冷たい。長いお別れとは、その人自身とのお別れではなく、その人と含めた過去とのお別れなんだろう。だれもが、自分の作った過去の中にとらわれている。さよならの仕方は人それぞれだ。それぞれに悲しい。
「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」 フィリップ・マーロウは言わずもがな、テリー・レノックスとかキャンディーとか黒人の運転手とか、キャラクターがいちいちいい。村上春樹がチャンドラーを敬愛していることは本人もしばしば言及しているけれど、特に初期作品におけるチャンドラーの影響はとても大きいと感じた。「僕」は限りなくマーロウなのだなあ。
このフィリップ・マーロウという人物の造形には大変興味深いものがある。彼は残酷で無慈悲な都市を生き抜くために、自分の姿がすっぽり隠れてしまうシステムをこしらえる。それは身を守るための盾というよりかは、それ自体がひとつの存在感を放つ巨岩である。多少のことではビクともしない、頑丈でタフなシステム。そのシステムからの視点を通して、彼はこの世界をざくざく切り取って生きていく。しかしながら全編読み通しても、私たちはマーロウがほんとうは何を考えているのかわからない。どぶ貝の中にある真珠は、誰に捧げられることもないのだ。
わたしの知っている探偵に「優しくなければ生きる資格がない」という科白を真に受け・・・あー、いや、天啓を授かって。尊敬していて、だから、彼が尊敬する探偵ってどんな人なのかなぁって思いで読み始めました。よく分かりませんでした。確かに信念を貫き通す行動力と胆力さをこれでもかと味あわせてもらいましたが、それがわたしには仰々しく、外連味しか残りませんで。それがつまり妙味だと理解するのですが、読んでいて長いと感じるあたり、好き嫌いが出る作品なのかなとも感じる。酔っ払いって大嫌い
カッチリと、彫りの深いチャンドラーの文体が登場人物を立体的にします。この本は、何か漫画を読んでいるような感覚で文章を読めました。イメージが浮かびやすく、登場人物も個性的で本当に面白いです。
何も言いたくなくなる。これはもう一撃でジャンル「ハード・ボイルド」に染まっちゃうくらいにすごい。もうね、テリーが…、チャンドラーはまったく、あんな奴をよく作ってくれたよ。テリーの手紙を読んでくれ。すばらしい。それとメンディー!あいつがいいキャラしてるんだな。「まったく下らん。はんちくだよはんちく。」感染るよ。
こういう作品に出会うのは初めてだ。ミステリーなのにしっかりとした文学的な流れが奥のほうに存在している。訳者のあとがきでの分析力には毎度ながら脱帽です。他の”マーロウもの”も読んで見たい。
マーロウ捻くれ過ぎだろと思わず突っ込みたくなる寄り道しっぱなしの展開にもっと素直に行こうぜと思いつつ気付いたら引き込まれてる。あの寄り道や細部への拘りがチャンドラーの妙なのだね。訳者あとがきも作品を理解するのに大変参考になった。
ハードボイルドとは雰囲気ではなく、パースペクティブ(視点)のことだと以前に文学部唯野教授で教わったけど、後書きを読むとそのことは村上春樹も当然という感じで意識的だったところに、文学の奥深さを実感。
あまり読んでいない村上春樹さんを(IQ84とか)これから読んで見ようと思って・・・まずはここから、もちろん名作「長いお別れ」は既読だがこれはどうだ?
初ハードボイルド。ずっとThe Long Goodbyeがどういう場面で出てくるのかな、と思いながら読んでました。最後の村上春樹の解説読んで、今度は細部にこだわって読もうかな。
言わずと知れたチャンドラーの作品を村上春樹が翻訳したこの小説。といっても僕はこの小説を読むまでチャンドラーのことを知らなかった。かなり雑な分け方をすると、推理小説の部類に入るのかな。普段あまり推理小説を読まないほうだが、主人公マーロウのハードボイルドっぷりにどんどん引き込まれていった。あとがきで村上春樹は、この小説はチャンドラーなりの『グレートギャッツビー』だといっていた。なるほどそういわれるとますます作品に深みが加わった。
最初、雰囲気を味わうための小説かなーと思ってたら、どっこい大ドンデン返しが! マーロウの「タフでなければ……」の名言は知ってましたが、なんてまあタイトでロマンティストな探偵なんでしょう。ハルキさんの解説に「チャンドラーのオリジナリティはジャズで言うならチャーリー・パーカー」とあったけど、手元にバードがなかったのでバド・パウエル聴きながら読みました(全然違うやんけ#)。さあ次は「さよなら、愛しい人」いってみよう!
マーロウがかっこいい。というのも、他のハードボイルドにありがちな現実離れした強さが無く、筋の通った男になっている。状況の変化、最後の落ちといいチャンドラーを今まで読んでなかったのが悔やまれる。村上春樹の翻訳、解説もいい!
読み始めは、村上春樹っぽい言葉遣いや言い回しがちょっとこそばゆい(?)ところもないわけではなかったけれど、いつの間にかすっかりその世界に。幸か不幸か、大昔に清水訳で読んだときの印象がすっかり薄れてしまっていたので、ストーリー自体も含めて新たに楽しむことができました。
600ページ超が全く気にならない。スタイリッシュで現代的。翻訳家ではなくて作家が訳すというのはこうゆうことなんだろう。事件解決後の展開が格好いい。
ロング・グッドバイの
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