川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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川は静かに流れの感想・レビュー(271)
ある事件によって故郷を追われた主人公が5年振りに戻った町で再び起こる事件を通してひたすらに家族、愛情、友情についての過酷な選択を迫ることになる。人は誰でも選ばなければならない。それが誤りでも、誰かにとっての傷となろうとも。肉厚なストーリィに息も吐かせぬサスペンス、何よりも濃厚に立ち昇る家族の情に圧倒される傑作。ラストの余韻も鮮やかな一作。
タイトルは素敵。グレイスを襲った犯人もあなたでしたか。グレイスはほとんど病院にいたよ。ラスト・チャイルドほどのドキドキハラハラ感はなかったけど読みやすかったね。原子力発電所の誘致かあ…揉めるよね。
★★★☆☆もっとぐっと哀切感が胸に迫る小説かと思ったけどそうでもなかった。家族小説としても、登場人物が多いせいかまとまりきってない気がする。父子間だけなら秀逸。プロットはそんなに悪くないからスイスイ読めるけど、もっと贅肉絞って心の細かい襞まで書き込んでほしかったなぁ。
ラストチャイルドに続き2作目のジョンハート。面白かったけど、設定が物語すぎて感情移入が難しい。切実さが薄れてしまってエンディングも若干消化不良。うーむ。まぁおもしろかったけども…
「ミステリ」としては60点、「家族小説」としては75点。でも「アメリカの農場と川が美しく浮かび、重さ軽さがちょうどよくて、じんわり味わいがあるので秋の夜長にお酒飲みながら読む本」なら95点。
うーん、話に対して長すぎるんじゃないかなあ…。登場人物の行動や考えていることなんかを詳細に書きすぎているような…。普通これだけの長さの小説だったら壮大だなあと思うようなものだけど、これは、ただ長いなあという印象。特に何で息子がずっと義母の証言だけで犯人にされて(無罪にはなるけど)家から出て行かなければいけないのかもわからないし、警察が無能に思えて仕方がない…。田舎の警察ってあんなものなのかしら………。登場人物の葛藤みたいなものも薄く感じた。推理小説としても家族小説としても消化不良かなあ。
『ラスト・チャイルド』よりテンポが良く、読みやすい。けど、真相に驚かされたのは『ラスト〜』のが上かな。どちらも家族の喪失と再生の物語で、著者はこのテーマで繰り返し書いているみたい。アメリカの田舎町の排他的な感じとか、家族だからこその愛憎だとか、丁寧に書いているなあと思う。五年前の事件の真相が終盤まで見えてこないのだけれど、主人公(語り手)か継母のどちらかが嘘を吐いていると仮定すると、真犯人てあの人かこの人しかいないよねーとは思った。やはりミステリとして読むよりも、家族小説として読む作品なのかも。
備忘録メモ。ミステリとしてはさしたる意外性はないかと思いますが、筆者の序文を引用する限り、これは「家族をめぐる物語」。川は確かに静かに流れますが、中流・上流と遡り、源流へと近づけば一転して荒々しい姿を見せる。アダムの逮捕によって家族の絆に亀裂が入ったかに見えますが、もともとそこにあった平穏は仮初で、本当はずっと以前のスタート地点に大きな掛け違いがあったのかもしれません。タイトルが余韻を深めており、実にうまい。時が全てを押し流してくれれば…とは思いますが、きっとそんな単純にはいかないのかな。家族だからこそ。
無実の罪で故郷を追われた主人公が親友の頼みで数年ぶりに帰郷すると、狙ったかのように妹同様に思っていた少女が襲われ再び彼は容疑者に…。一度失われた家族の絆が、戻ったかと思えば再び裏切られ、ついには完膚なきまでにバラバラになっていく。家族間の愛、憎悪、裏切り、すれ違いがさまざまに入り混じった複雑かつ情味豊かな内容でありつつ、事件の謎が順々と明かされていく展開はミステリとしても読みごたえがある。
豊かな自然や農場をバックに、幼かった日々のエピソードが美しい。玄関ポーチ、桟橋、踏み分け道。神秘的な白い鹿。ある事件を境にバラバラになった人々は葛藤の中で見苦しく行きつ戻りつ繊細にぶつかり合い…、やがてすべての意味が明らかに。人は弱くて過ちをおかすもの。取り返しのつかない数々のことを思うとやりきれない。神の手。川は静かに流れる。
昨夜、眠れなくて徹夜で読んでしまった。というか読んだから眠れなかったのかも知れません。ミステリーとしても素晴らしいのですが、一人称『僕』が自然な流れで受け入れられるアメリカ青年文学の王道ともいえる不思議な本です。うん、翻訳ストレスの少ない良書とも言えるかな・・・
最初から惹き込まれ、後半、失速した感はあったけど一気に読了。継母の証言で殺人の汚名を着せられ、父親にも背を向けられ故郷を追われたアダムは、親友ダニーからの助けを求める電話で五年ぶりに帰郷する。アダムが妹のように可愛がっていたグレイスが襲われ、ダニーの死体も発見される。継母の連れ子ジェイミーとミリアム、グレイスの祖父で父の片腕ドルフ、元恋人の刑事ロビン、謎の女性サラ…複雑に入り組む人間関係。事件の中でひびわれた家族に再生の道はあるのか。父と子の物語、友情の物語、そして望郷の物語。ドルフの誠実さが好きです。
フーダニットよりもホワイダニット(動機)がメイン。ある「選択」をすることは、他方で第三者の人生を大きく狂わせることにもなりかねない…ということが序盤から最後まで貫かれていた気がします。上手く言えませんが。
田舎の名家に、いわくつきの息子。美しく育った幼なじみの娘、そして隠された血縁が殺人を呼ぶ、、ってまんま横溝正史ですかっ!?まあ金田一は出ないんですが。アメリカの田舎ってまだまだ田舎なんだなー、と。
28歳のアダム・チェイスは久しぶりに生まれ故郷ソールズベリに戻って来た。5年前、継母の目撃証言によって殺人の容疑者となったアダムは裁判で無罪にはなったものの父親から勘当され故郷を出ていかざるを得なかった
読み終わって考えると、元々、アダムの家族というのは、極めて不安定なバランスだったのだと思う。歪みも、おかしなところもありつつも、何とか保てたのは「家族」という枠から「信頼」が産まれていたからか、「信頼」で「家族」を支えていたからか……。多くの血が流れ、多くの後悔を残した形ではあるが、しかし、これは、家族の「崩壊」、ではなく、安定した関係に戻ろうとした家族の「分解」なのかも知れない、と感じた。
最初に掲載されている謝辞にある通り、家族とその崩壊(救いもないとはいえないけれど)の物語。主人公を取り巻く家族の温かい一面と冷酷な一面が最後に明らかになるのだけど、こんな仕打ちをされて冷静でいられる主人公の精神力のタフさには好感が持てる。タイトルもなかなか絶妙ではないかと思う。それなりに厚めの本ではあるが一気に読めるだけの読みごたえがあった。
父親の友人ドフル、グレイスがとても魅力的。結婚にしろ、血縁にしろ縁あってできた家族。どちらの縁で結ばれたにしろ、切っても切りきれないのが家族でその愛憎、葛藤、不信、赦し。どんな縁であっても無縁よりもまし・・・か?三作の中では個人的には一番好きだった。
個人的には「ラスト・チャイルド」よりも面白いと思った。アメリカの田舎町の開放的な自然と田舎特有の閉塞感のコントラスト。理不尽なことや取り返しのつかないことがありながらも故郷に帰り、現実を受け止めていく主人公。家族内の葛藤と、うじうじして煮え切らない主人公が少しだけ成長する物語。ナイーブでありながらタフでもあるリアリティーがとても良い。
家族問題はどうしようも無い。家族と友人と、凄く狭い範囲内だけで起こる事件の数々。途中、主人公と父親の関係は自分と置き換えながら読んでしまい、正直嫌な思い出が山のように思い出してしまった。主人公は父親との関係を修復できるんだろうか?できるんだろな。俺はできるんだろうか?分からんな。
家族小説だけどしっかりミステリー小説でもあり楽しめた。家族と親友のどっちが信頼できるのか。家族だからと言って裏切らない保証なんてどこにもない。
家族の確執が重たい作品。重いながらも、最後まで読み手を引っ張っていく力はさすがです。個人的には前作「キングの死」の方が好きですが。次作は予約待ち。楽しみです。
ドタバタといろいろなことが起こって他2作より読み進め易い本かも。私は遅々として進まない展開の方が速く読めるのだけれど。盛り沢山過ぎる感があるかな、、緒言にその通りだよ!と思いつつムッとした。
崩壊した家族を描いた小説として、またミステリとして良く出来ていると思うけど、ちょっと苦手。主人公のキャラに馴染めないからかな?
家族崩壊がテーマ。会話の一つひとつが重いと感じた。コミュニケーションと簡単にいってしまえば楽だが、隠し事せずしっかりと向き合っていればこのような悲劇が起こる確率は少なくなるとも思った。家族に限らず、人間は信頼で成り立っているのだなと改めて感じた作品。
殺人の容疑をかけられ故郷をおわれたアダム。5年後再び故郷に戻った彼を待ち受けていたのは家族との確執、恋人との複雑な関係、未だ彼を殺人者と信じる人々の冷たい目だった。かなり重いテーマながら人間関係がしっかり描かれていて面白かったです。ただアダムが故郷に戻ってからの行動は容疑をかけられて当然のような気も。父親のとった行動には正直ガッカリでしたが、家族というものの重みも感じました。
川は静かに流れの
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