ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)
ザ・ロードを読んだ人はこんな本も読んでいます
ザ・ロードを追加
ザ・ロードの感想・レビュー(196)
人生を道を行くことに例える比喩はしっくりくるものだ。我々みな物心ついたときには既に道の上にあり、究極的な理由のないままに歩いていくことになっている。とはいえ周りの景色は美しいこともあり、ともに行く仲間も優しかったりする。この本ではそんな景色や仲間が死に絶えた絶望的世界で道を歩くことが描かれる。具体的にも、比喩的にも。歩くのは父と子、他の人間は「人間」であることが疑わしい。極限状態が露わにしている生の無目的性の中で、信仰、父と子の対峙、倫理などのテーマが、くっきりと浮かび上がってきている。とてもよかった。
読みやすかったが、閉塞感があって苦しかった。ある物を利用して生き延びようとする様子はロビンソン・クルーソーなどを彷彿とさせた。父は、時に残酷で不条理な決断を下しながら、子を守ろうとする。その子は、救いの無い世界に生まれていながらも、純粋で無垢で優しさを持っている。少年のその心こそが希望の火であり、人間の証明なのだと思う。やっぱり文明が崩壊したら、北斗の拳みたいなヒャッハーな世界になるんでしょうかね。
3・11のあとに読むと親近感がはんぱない終末世界もの。親父と子どもが一緒にひたすら歩いていくというただそれだけの物語なんだけどもう読んでて悲しくて仕方ない。子どもが缶詰をみて「これ食べていいの?」と聞きながら歩いていく。子どもは世界が終わったあとに生まれてこの世界以外知らないという特異の設定。この砂漠の荒涼のような世界しか知らないなんて不憫な・・・・・・って大人は思うけど子どもはそれしか知らないもんなあ。可愛そうもなにもないか・・・・・・とはいえこの親子の歩く旅は救いがないしやり切れないけど世界とはなにか
世界が荒廃してしまった世界を描きながら、一般的SFのように世界の謎や未来的アイテムが登場するのではなく、親子とその他登場人物とのロードストーリーを描くこの作品に新しさを覚えた。世界の終わりでも、人は希望をもち、人を信頼して協力できるのか。そんな問が浮かびあがる。そんなに人間強くないと私は思う。この親子のように強く生きられるだろうか。家庭を持ったときに我が身に代えて守れるだろうか。
Hiroki natural
そのことが、全てが灰色に帰した世界で浮き彫りにされていく。大人は残酷。子供は無垢。残酷なのは子供のため。無垢なのは未来を創るため。過去から未来へ命の火を受け渡すロードムービー。
ナイス!
-
12/31 15:57
そのことが、全てが灰色に帰した世界で浮き彫りにされていく。大人は残酷。子供は無垢。残酷なのは子供のため。無垢なのは未来を創るため。過去から未来へ命の火を受け渡すロードムービー。
ナイス!
-
12/31 15:57
読むのにとても時間がかかりました。じっくり読みたいと思った本。舞台は、破滅した世界。地上には何もなく、父子はただひたすら南を目指す。恐怖や飢餓、どんどん気温の低下に如何に人間らしく生きていけるかを考えさせられる。この世界でも子供の心は純粋で胸に打たれる。そして、彼をひたすら守ろうする父親の愛情もひしひし感じる。
世界がなぜ滅んでしまったのか? 親子はどこにいるのか? 「火」とはなんなのか? 読者の頭に過る疑問は何一つ解決されぬまま物語は進む。「3.11」を経験している日本人は簡単に小説の世界を想像できるでしょう。
珍しく、読了するのに凄まじく時間がかかった。二ヶ月くらいかけて読んだ。あっさり消費しちゃったらいけない小説のような気がして、読み進めるのに慎重になってた感じ。でも咀嚼だけしてまだ消化できてない。近いうちにもう一回読む。それまで感想は書けないな。
文明は滅び、空は常に灰で覆われている。生き延びた人間は意味を失い、本能を剥き出しにし、その場しのぎで生きている。そのような世紀末的世界の片隅で父子は南を目指してひたすら歩く。彼らは火を運ぶ者だ。父親は息子に害が及ばぬように殺人を辞さないし、他人を助けることを避ける。息子は地上に舞い降りた天使のようでもある。彼らの目指す「道」の向こうには果たして何があるのだろうか? それにしても恐ろしい作品だ。SF的ロードノヴェルを主軸に親子、生死、神、人類の愚行、絆、成長、絶望と希望が描かれていると同時に、アメリカ文学の
恐らく人類自身の手によって文明が滅び、人々が死に行き、倫理はむき出しの非情さな残酷と入れ替わった、そんな灰色の、虚無の世界。全ての尊厳が死に絶え、世界がその無情さを露にしたポストホロコースト後の世界を、父子は旅をする。火を運び、恐らくもはや微かにしかない希望と、最後の尊厳と共に。ここにはアメリカ文学が反復してきた父・子、ロードノベル、文明、偉大なる自然というありとあらゆるテーマが、最も静かで過酷な場所で、再び問い直されている。マッカーシーの小説でも、最も読者を打ちのめしてくる小説の一つだろう
灰色の昼に覆われ夜には光の寄る辺とてない終末の世界を父と息子はひた歩く。善悪の区別などもはやうしなわれてひさしい地平でそのことについてこころを悩ます父と子のすがたは悲痛を通り越していささか滑稽ですらあるが、けれども自分たちは火を運ぶ者であるとの小さな意志、希望ともいえない希望がふたりの歩みを助け前へと進ませる。ふたりの残酷な旅路をあまりにリアルに描くことで父と子の、そしてまた人間と世界との関係性を浮かび上がらせたとてつもない傑作。個人的に『百年の孤独』や『存在の耐えられない軽さ』以来の大ヒットだった。
震災後、恐ろしいものを読んでしまった。それはさておき、火を運ぶモチーフとか善なるものとかは陳腐ぁなぁと思いつつも、親子の狭い世界のみを扱う作中には必然か。それに荒涼とした滅亡後の世界を設置し、対比拘置させている。この構造や、散文として作者の工夫が随所にみえる、分かりやすい教科書的な作品にみえる。
この親子端から決裂しているようにしか思えなかったけどそんな希望的な関係に見えましたか。少年の成長って、少しづつ親父の縛しめを切り離していって挙句殺されちゃったってのは父殺し納得だけど、それを悲しんでやれるようなそんな良い奴でしたかこの親父。括弧付きの「父性」って、つまり父権のこととちゃうんか。この作品自体は面白かったけど、その辺の解釈はちょっと共有できぬ。世界=意味の崩壊もどうかなぁ。いまだ世界は意味で充ち溢れているようだが。
「世界=意味」が崩壊した後の世界、次の世代へと繋ぐ人間は少年ただ一人だけ。それでも意味を求めるように明日に向かって「火を運び続ける」親子のゴールのない旅路。SFであっても現在の状況を投影しつつ希望や絶望の彼岸を描いた、「血と暴力の国」と同じ地平にある黙示録的な作品でした。
崩壊後の絶望の世界の中、南を目指し歩く親子。その父子の狭い範囲を書いた文体が、慣れてくるとより父子に移入しやすく、読み終えた今なんとも言えない悲しく胸が痛くなる読了感に包まれている。カニバリズムすら起こりうる世界で、優しく純粋な少年は小汚なかろうが、痩せこけてようが、それだから不思議と美しく見えるのだろう。いずれまた読もう。
心像的なイメージと時に時系列の曖昧な挿話が散文的に散りばめられたロードノベル、というか感覚的にはものすごく長い詩。だからポストアポカリプス自体は思索のための舞台設定であって、SF的にその原因を求めることは意味なさげ。理性と野蛮の戦い、子供の親越え、生の意味、社会のありよう…etc、シンプルな舞台の上に断片的エピソードが剥き身で晒されている状態なので、様々な受け止め方があると思う。自分はと言えば正直受け止め切れていない。そんな事も含めて読み手の鏡のような作品かと。
終末に近い世界は色彩を失い、陰鬱な姿をしているけれど、荒廃した美しさがある。淡々と交わされる会話にはリズムがあり、詩的だった。火は、他者に分け与えることができる。いくつに分けても勢いは衰えない。親子が運ぶ火もそういったものだろう。
怖かった……。悪夢のような話。で、この本を読んでる最中に実際に悪夢を見てうなされた。想像できうる限りの最悪の未来。 怖さに一気読み。でも、ラストまで読んで、ようやく微かな希望が……! 泣かせるなあ。 陰鬱なのに、途方も無く美しい文体が、これまた、脱帽でした。
地震直後物資が全然入ってこなくて、ほんのわずかな食料品を求めスーパーに何時間も並んだりモノを売ってる店を探し回ったりした日々があったので、あれが行き着くとこまで行けばこうなるだろうという想像ができただけに苦しく感じながら読んだ。どんなとこでも過酷であればあるほどまっすぐ生きてくことは難しい。はじめはやや斜に構えて読もうとしたが、いつのまにか久々に主人公に肩入れさせられていた。ラストではホントに泣きそうになった余韻がまだ残っている。文庫の帯の写真しか知らないが、映画もなんとしても観たい。
生きるための、生かすためのグレイゾーンにありながら、最期まで、高潔を守り通す、父の強さ。幼い頃から凄惨な世界を見聞しつつも、その純粋さを守った少年。信じるしかない少年に対する、父親の大きな無償の愛を感じた。どんな環境であれ、親子の関係って強いな。マッカーシー作品の中では、一番好きかも。
社会が崩壊し、人間以外の生命が息絶えた世界で、どこまで尊厳を持って人は生きられるか…。私にはとても耐えられません。せめて自然が残っていたら生きるよすがにもなるのですが、啓示的とはいえあまりに過酷な環境が物語設定されていて、全編絶望感に苛まれます。ラストに泣きました。
廃墟の中、歩き続ける父と子。餓死寸前の限界的状況の中で人間性をどうにか保ちつつ壮絶に生きる。父の責任感、息子の成長。何度かその凄惨さに読書を途中で辞めたくなったが、圧倒的な文章の存在感から忘れられない本となりました。ピューリッツァー賞はこういう本に与えられるのですね。
原作の方のスティーブン・キング「霧」の続編として位置付けることにした。
「おそらく世界は破壊されたときに初めてそれがどう作られているかが遂に見えるのだろう。」p.318
父子の行く手に幸福な展開など望めないことを予感しつつ、耐え難いほど陰鬱な描写に何度も逃げ出したくなりながら何とか読み終えた。人間の倫理観など崩壊しつつある世紀末のなかで、善良な生命を繋いで行こうとする彼らの命の旅を「火を運ぶ」という言葉で象徴的に表現している。父親に死期が迫った時、少年の周りに光輝いて見えたものこそ善良な魂であり、これまで運び続けてきた「火」なのであるとの確信が持てた。読後感は悪くないなぁ。
読んでいて胸が痛く、苦しくなった。決して終わることない旅路。このような状況下で僕は理性を保てるか、、やはり難しいのではないか、、そんなことを感じた作品。
ケルアックの「道」から遠く離れたところにある「道」。文明が崩壊したあとの原始的な、否、より酷い状況にさらされる親子。文明人にとってカニバリズムは許し難いけれども、法も倫理も宗教も働かない極限状態下では如何なものか。僕だったら...。描写が秀逸。
「死にたくない」は人間の本能だが、この世界で生き続ける意味が見出せない。何も生み出す事のない世界は有る物を消費し尽くした先に絶望しかないような気がする。
何度も途中で本を閉じたのは、読んでいて苦しかったから。心情とか情景の描写が迫ってきすぎる。過去も未来も見えなくて、その真ん中だけだから、あとは自分で…なんでしょうね。
泣いた。父と息子の、閉ざされた世界。果てしない荒野。終らない旅路。互いの存在だけが生きているという証ゆえに生まれる絆。会話。ひきこまれて読み進むうちにひしひしと孤独が伝わり、心が痛くなった。そしてあの終わり。祈らずにいられない。読みやすさとは裏腹に実に重くのしかかる一本でした。
映画を観てから読みました。会話の書き方がより強調しているのかもしれませんが、非常に詩的な印象を受けました。父と子という非常に狭い世界の物語ながら、深みのある作品でした。
ザ・ロードの
%
感想・レビュー:81件
















































