愛のゆくえ (ハヤカワepi文庫)
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愛のゆくえの感想・レビュー(124)
書いた本をその著者が持ち込んでくるだけの図書館。閲覧もなければ貸し出しもない。そんな風変わりな図書館司書の「私」と、誰をも魅了する女性との恋の物語。話の多くが堕胎の旅の描写に割かれてしまっていて、その風変わりな図書館での出来事を書いた部分が少ないのが残念。図書館は図書館でまた別の物語が描けそうな気がする。
読み始めて、設定とか喋り方とかプロットとか初期村上春樹っぽいなあと思ってたら、まさに村上春樹がブローティガンに大いに影響を受けてたことを知った。こういうなんか変な感じで若干幻想的(?)な感じの小説大好きです。
ブローティガンらしい小説。堕胎について書かれた部分はアーヴィングの『サイダーハウス・ルール』を思い出させたが、それは舞台となった時代がさせることだろう。面白かった。
★★★★☆ 初ブローディガン。誰かが書いた本を持ってきて、それを貯蔵する図書館で働く男という設定だけでとても面白い。ストーリーは彼女の堕胎手術に付き合うという、たったそれだけなのになぜもこんなに面白いのかl。訳もいいと思う。第一部のタイトル「バッファローの娘さんたち、今夜、でて来ないかい?」他のも読もうっと。(図)
これは現実逃避の物語なのだろうかと思いながら読み進めていたが、主人公らが特別な存在でもなくある意味最低であることをさらりと書いてしまうあたり、現実は嫌だけど自分なりに受け入れている。その悲しさが伝わってきた。
さすがブローディガンという感じの独特な浮遊感!不可解なストーリーなのに妙に心地よーくなってしまいます。。図書館に住むという設定がステキ!だけどタイトルはハーレクインみたい(中身は全然そんなことない)でナンセンスです笑。「西瓜糖」がどっぷりブローディガンワールドならこれは足首まで浸かって水遊びしてるくらいの軽い感じでそれはそれで楽しくて◎!
振り返ってみると、第一部の頭の「図書館」が一番読んでいて心地よいです。原題がそうであるように中絶が物語の軸なのですが、淡々と書かれる「死」は恐怖を知らなくて、読者に恐怖の不在すら感じさせない、僕はそれが怖いのです。でもそれが好きだから、ブローティガンが好きなのです。
あぁブローディガンだなぁ、という感じ。意味のわかる単語を並べてあるのに、読み進むうちによくわからん世界に入り込んでいく。図書館=母体で、主人公=子どもとすると、図書館から主人公がでていく=堕胎、なのかなと思った。全体に希望の見える内容ではないのに、嫌いじゃない。また読みたいと思う。癖になる作家です。
図書館の描写がとっても良かった。思わず自分も「出て行かなきゃいけないの?」と思ってしまった。しかし何なのこのカバーは。外してしまいたいくらいだ
仙人のような図書館生活に憧れる人は意外に多いのじゃないかな?ヴァイダと一緒に外の世界に出た彼は本当に幸せと感じているのだろうか?
引きこもりっていうのは精神的に胎児である状態だとはよく言われることだけれど、それでいくと主人公はヴァイダの堕胎を通じて、図書館の外の現実へと生まれでることに成功したのだといえるだろう。とは思うが、必ずしもそれが彼の望みではなかったように感じられるところがセツナイ。また、村上春樹の作中人物「加納クレタ」が、自分の身体が自分のものではないと感じていた設定だったのは、本作からの影響だろうかなんてことも思う。そして『台所のドストエフスキー』読みたい。
人々が大切な思いを綴った本だけを収容する図書館の愛に満ちた夢幻譚から、後半は妊娠中絶を巡るドタバタ・コメディへと。図書館を出て、アメリカをも飛び出し妊娠中絶という行為が、新たな生と死の予兆を濃厚に生み出している。こうやって開かれた楽園幻想を描く作品というのも、今からするとちょっと珍しく感じる。
なにゆえこんなハーレクイン文庫みたいな、あるいは扶桑社ロマンスみたいなタイトルなのか。あと装幀がダサい。ダサすぎるぞ、ハヤカワ。と、文句は尽きないが、翻訳自体はまあ悪くない。死の気配に満ちた文章。温度のない世界。圧倒的な詩情。読んでいると、意味もなくソワソワする。傑作中の傑作であり、ブローティガン入門にも最適だと思う。高橋源一郎の解説も必読。
タイトルをちゃんと「中絶」と訳さないとだめじゃん。それにしても冒頭の図書館幻想がうつくしい。図書館にバベル無限幻想をみいだしたのはボルヘスだが、こっちの図書館は愛と詩という有限幻想だ。フジモトさん、訳すかなあ
愛のゆくえの
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