女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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女には向かない職業の感想・レビュー(160)
探偵事務所の看板を一身に背負うことになった若き女探偵コーデリア・グレイが、時にピンチに陥りながらも、地道な調査の果てに犯人を突き止める…だけで終わらない。その後に続くさらなる展開とドラマがまた素晴らしい。「一人の探偵として」ふるまうストーリー前半、「一人の女として」ふるまうストーリー後半で、本書のタイトルの印象がそれぞれ違ったものになってくる見せ方、コーデリアがダルグリッシュ警視に感情を爆発させる終盤のシーンの印象深さは白眉。なるほど傑作。成長したコーデリアの姿が拝める2作目も読むしかないじゃないですか。
どんな目にあっても、ひたむきに自分の信じるところに依って捜査を続けるコーデリアがとにかくかっこいい。いかにも翻訳な文体は若干読みづらかったが、作品の雰囲気には合っている。
ハードボイルドは文体を愉しむものだと思っているので、小泉喜美子の訳はぴったりだと思った。新米女探偵が颯爽と推理を繰り広げたり内省する様が、名作の呼び声の高さをうかがわせる。しかも後半は急転直下の展開で〇〇ミステリに変貌を遂げるのだから恐れ入る。ただし、主人公の心の動きはよかったが、重要な鍵を握るある登場人物の行動が都合良すぎて、不可解だったのが残念。
雰囲気が高潔。背筋が凛としている主人公、コーデリアの姿がありありと目に浮かんだ。清純は彼女にピッタリな言葉だが、同時に「私立探偵」には不向きな言葉でもある。丁寧に丁寧に解かれる謎と人間関係と主人公の気持ちに魅かれました。いつも手にしている文庫本よりも文字が小さく、紙も薄くそして敬遠していた翻訳本と言う事でかなり読み切るのに時間がかかりましたが読んで良かったです。続編読みたいです。
23歳可憐な美人探偵コーデリア。「女には向かない」だから、ジェンダー的に悪意にさらされるとかだったら嫌だなと思ったけれど、特別そういうこともなく面白かった。ケンブリッジの田舎町、一人の青年の自殺の理由を探る。共同経営者に仕込まれた心得は探偵道でありながら、犯罪者側の心得みたくもなってくる。ラストの張りつめた対面は、ダルグリッシュ警視ものを知らなかったものだから、解説に同じく涙ぐみながらも意外な山場となった。警視ものならこれ、コーデリアならこれとおすすめが示されていたのでまたそちらも読んでみたい。
「女には向かない」という言葉の意味が幾通りにもとれる、面白い。70年代のハイソな学園都市の中にポイントで置かれる悪意が際立つ。男顔負けの主人公が最後の警視とのやり取りで女というか少女に戻る部分、いきなりの万能選手の登場に鼻白むもここは解説を読んでイメージが変わった。主人公に関わる父性と被害者に関わる母性、タイトルのせいか性別にとらわれ過ぎかな?と思いつつ読了。
いつからバッグに入れていたか思い出せないくらい読了まで時間がかかってしまったが、ミルキーホームズや名探偵コナンのキャラ名の由来になっているというので、読んでみたくなったもの。ダリグリッシュ警視の「何もかもお見通し」な感じがすごい。
先に読んだ「マグマ」の主人公の愛読書ということで手に取った。描写が緻密で、状況が手に取るように浮かび上がって、臨場感あふれる小説だった。また全体的には抑制のきいた重い文体で、自分の持っているイギリス感とぴったり。同じ題材を扱ってもアメリカだとこういう小説は生まれないだろう。ストーリーも良かったけど、作者の世界にどっぷり引き込まれる快感に酔える作品。
「女には向かない」ではなく「彼女には向かない」職業だなと、探偵なんて全然向いていないコーデリアの健気で一生懸命な姿は応援せずにはいられないです。
「皮膚の下の頭蓋骨」が発掘できないのでこっちで我慢。P.D.ジェイムズとしては読みやすい内容と量だけど、並の「女探偵モノ」とは空気が違いますね。ラストのA.D.との対決シーンは何度読んでもゾクゾクする。あとは解説が的確すぎてオイラの語る余地がなくて悔しい…。
P.D.ジェイムスと言ったら読みづらそうなイメージだったけれど、コーデリアに感情移入しやすかったからかわりとすらすら読めました。ダルグリッシュシリーズも読んでみようっと。
コーデリア強いなぁ…!とても「22歳の世間知らずの娘」ではない,年齢や経験を超えた深さがあります。経験豊かなベテラン名探偵ダルグリッシュ警視とも対比が鮮やかで感動的。それ以外の登場人物も見事です。情景描写は趣深くて好きだけど,なんだか読み辛かったのは翻訳が合わないところもあるのかな。大学都市ケンブリッジに行ってみたくなりました。
情景の描写がいい。グーグルマップでケンブリッジに行ってみたが、小説の場面が見つけられなくて残念。話のゆったりしたところがイギリス風。ブレイクの詩を引用してところが、ゴシックぽい雰囲気を醸し出していていい。結末は、仕方がない。主人公は、ケンブリッジに入学できるはずだったのに、できなかったという設定はいいけれど、ストーリーと絡まっているようには思えない。ハヤカワ・ミステリの後書きで、植草甚一の書評が引用されている:「だらだらしていてあまりおもしろくない」、とあるけど、私にはその部分がおもしろかった。
解説にある通り、一見わかりやすいモチーフの中に複雑な計算が織り込まれている。思うに、コーデリアは、マークの死を自殺に擬装することで、プライドの死についてダルグリッシュへ一種の復讐を行っている。見捨てられた落伍者を死に至らしめた人物へ罰を与える事が、彼女の代償行為なのだ。それが物語のクライマックスなのだと思う。個人的には、井戸に花が活けられている場面が印象深い。間違いなく傑作。
立ち塞がる幾多の困難にも負けず、事件解決に邁進するコーデリアさんはとても格好良くて、それ故可愛いシーンがとても可愛い。ただ、翻訳が悪いのか描写が重たく、いまいち世界に入って行き辛い感じはした。
女には向かない職業…とはいっても女探偵は読み物の世界でも氾濫してるしなぁと思いつつ、読んでみるとタイトルに女とわざわざうつだけのことはあったという印象に。ただ、目新しさのために女主人公であるのではなく、コーデリアの行動原理であるところの愛情というか同情は、男主人公をもってきたらまったく表現出来ない部分だと感じた。そういう意味で、「女なのに」ではなく「女だからこそ」の作品であり、秀逸であると思う
何があっても諦めないコーデリアの姿が、読んでいてとても応援したくなりました。そしてラストがとても良かった。タイトルも、ばっちりはまってて好きです。
おしゃれで哲学的でさえあるミステリ。ダルグリッシュが出てこないと思ったら、最後の最後で登場!コーデリアはもちろん可憐だけれど、やっぱりダルグリッシュはすてきです。ほんのちょこっとしか出てこないのに、この圧倒的な存在感☆
パートナーの自殺で一人残されたコーデリア・グレイは、死んだ彼の探偵事務所を引き継ぐことになるが……。女性の自立と探偵の自立が重ねられた快作ですね。一通り事件を終えた後、まるで面接官のように立ちふさがるダルグリッシュとの対決シーンが見物。つかみはばっちりなので続編も読んでみます。
相方が自殺して一人で事務所を切り盛りすることになった女探偵が科学者から彼の息子の自殺の理由を調べるように依頼される。これは再読だけど何度読んでも面白いな。
☆7 女探偵コーデリアの懸命でひたむきな調査に心を打たれた。なんとか探偵らしくしようというのが感じられたし,女らしくオシャレ好きとかの一面もみえて応援したくなる。続きも読んでみたい。
面白かった。 伏線の回収が見事、事件が解決した後でもうひとつ山場があったりしてミステリとしてもドラマとしても楽しめた。 特に最後のコーデリアとカレンダー卿の会話、またコーデリアとダルグリッシュとの会話はかなり熱かった。
この作者の本道シリーズ、アダム・ダルグリッシュ物ではなく、こちらから最初に手を出した。いいね、コーデリア!あの井戸のシーンは数あるミステリ作品の中でも屈指の名シーンでしょう!
女には向かない職業の
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感想・レビュー:46件














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