サマー/タイム/トラベラー2 (ハヤカワ文庫JA)
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サマー/タイム/トラベラー2の感想・レビュー(365)
悠有ほどじゃないけど、僕らも確実に未来に進んでるわけで。何気ない日常だけど、未来は確実に存在するのだと思いました。作品の内容自体はちょっと回りくどくって決して読みやすい話じゃないし、結局街の役割ってなんだったのかと
「ああ、これぞ青春だ」と読後に心の底から思ったのは二度目(一度目はジョン・アーヴィングの『ホテル・ニューハンプシャー』)。青春っていうのは"置いて行かれる"ことに他ならないと思う。振り返るとなにもかもが目まぐるしくて眩しくて照れくさくて嘘くさい。そんな青春の追憶に"置いて行かれ"てしまうような浮遊感。過去を振り返ることこそが究極のタイムトラベルなのだと、SFにSFを否定されたような気がした。
タイムトラベルは可能だというのを理論として証明してしまうのが凄い。舞城のディスコ探偵を思い出した。あれが「想像力の経験値」によって導き出したものなのに対し、ここでは論理的に導いてしまう。しかも経済的な知識が使われるなんて思いもよらなかった。そうした仮説に対し、また別の解釈を持ち出して反論させるのも凄いとしか。フィニイやボルヘスの名前が何度も出てくるのは、文系のSFとしてどちらも可能性に満ちているからなのだろう。語りは最後まで慣れなかったけれど、青春小説として気持ち良い終わり方だった。いずれ読み返したい
TT×青春小説。ラストは切なくほろ苦い。だがそれがよい。おいて行かれた感を読者も体験できます。読了後は少し前のアニメのシムーンを思い出しました。
冗長で、それでもってスッキリしない終わり方なのかもしれない。けれど、青春なんていうのはそんなもので、読者が、人生を送っている本人が、全てが全て無駄なく納得のゆくストーリーなんていうのは、それこそ白々しい作り物めいているんだ。自分の持てる能力をもってして自分を可能な限り飾り付け、自分の特異性を無理矢理にでも見つけ出して、それを抱いて生きてゆくのが青春なのだ。
科学的な言葉であらゆるものを捉えようとして、言葉が追いつかないことに肩を落とし、書き割りの未来や希望を前に茫然し、何者になるかどうかは分からず、それでも局所最適を探ってふらふらと生きようとしているはずの、(こういう傾向が有ると自分を捉える程度に)ひねくれた学生として美しい物語を感じた。誇大妄想的で浮ついて軽っぽいとも言えそうな物語に美しさを感じてしまう自分の子供っぽさを痛感しつつ、それでも。
説明の仕方や構成なんか顕著ですが紛れもない理系小説と思いました。だからかそこで受ける印象が少し思っていたものとズレが生じて(それが悪いと言う訳ではなく)特に主語が抜けたような会話に違和感を受けました。とはいえタイムトラベルする少女に取り残される側の葛藤を描くという珍しい設定に読まされます。TTモノなのに主人公にはそれが出来ないからどうなっているのかは最後までわからないとか逆に説得力が増してるし感情移入しやすい。そして現在に取り残される焦燥感や寂しさ孤独感が伝わりすぎたしそこからどう生きるかに勇気を受ける。
タイトル廚の俺にとってこのタイトルは憎らしいほどに素敵だなぁ。人物の行動心理とか、具体的な描写が足りないのは、確かにそう。特に悠有の描写は決定的に足りない。「ぼく」のひねくれた思考回路も好きじゃない。そんな不足し勝ちな部分部分を、全体として昇華させているのは筆者の作り込み過ぎた世界観。過ぎる、っていうのは誉め言葉でね。もしかしたら、認識に先行する実存の体現として心理描写が少ないのでは? というのは邪推かな。二年くらい経ったらまた読みたい、だってこれは時間を超える物語だから。
読み終わってからの喪失感がすごかったです。主人公が劇中で盛んに言っていた「おいていかれた感」が何となく分かる気がします。途中の長~いSF的談義にはSF初心者の自分には辛かったけどそれ以外は少年少女の一夏の冒険?を大いに楽しめました。大震災を経験した今となってはラストの「未来予定」は読んでいて複雑な感じがしました。作者もまさかこんなことになるとは思っていなかったでしょう。
なんというか、散々煽った割にはといった印象。ラストだけ切り取ればこれはこれでいい青春物といったところなんだけれど。読後感が良くないのはやっぱり語り口のせいかなぁ、なんかちょっともったいない感じがします。でもラストの未来の年表の地震とかフィクションの人権とか結構洒落になってないっすね
1巻読み終わってから実に2ヶ月。このひねくれかたにイライラのような感情を持ってみたり、むずむずするような進まなさに投げ出したくなったりしつつもなんとか読み終わった。んー。結局最後の場面だけを切り取って見れば、ひどくノスタルジックなんだけれど、全体を通して見ると、こうもやもやしたものが残ってるような。何年も前に読んでいれば、語られていることにすごくワクワクしたかもしれないと思ったあたり、歳をとったのかなぁと思う。もしくはいろんなことを諦めたか。
再読。きょーこの論文面白そう。 あと、涼の考察とかが当時理解できてなかったのが、イメージできてきたら面白かった。出現したもの、出現する未来、出現しないもの…。 にしても著者がSF書くと、すぐに現実が追いつくというとおり、最後のほうの羅列でも、現実的なのが出てきたりしててすごい。にしてもほんと、きょーこだけで何冊か書けるようなキャラじゃないかなぁ?あ、別の短編「アンジークレイマーにさよならを」は、きょーこの願望が含まれてる気がする!
作中に出る時間SFはぜひ読んでみたい。最後のほうに書かれていた未来の一部は見事に当たってる。タイムトラベルして見に行ったのか。
これを読んだあとにいろいろ論評(?)するのはなんかためらわれる・・・ベクトルの違う倉橋由美子作品みたいだなと思った。あと、読書欲をかきたてられる作品だなと。
1巻は正直怠かったけど2巻はいいペースで話が展開するので一気に読んだ。夏への扉程度しか読んでいないせいか基本的に会話に織り交ぜられた小ネタについていけなかったが、ここから手を広げていくのもアリかも。小難しく考えずに青春モノと考えればしっくり。
少し衒学的すぎるように感じた面もありましたが、物語自体は分かりやすく、またドラマチックに描かれており、最後まで楽しく読めました。天才少年少女たちの難解な会話も、この作品の、また登場人物の魅力に昇華されているように感じます。
相変わらず扉絵に町の地図が載ってる変な作品にょ。前巻から変わって物語の中心に迫ってくるのは商店街の連続放火事件と、それに伴う地域通貨の破綻の話。なんかテーマが人類の可能性の話から、小さな町のローカルな事件に一気にスケールダウンしてしまったって印象にょ。もちろん、悠有の時間跳躍も物語に関わってくるんだけど、それは物語にとって単なる道具に成り下がったように思えるにょ。せめて作中でこの地では昔からそういう能力者がいたと匂わしてるぐらいには、もうちょっと真正面に描いて欲しかったにょ。
合間に挟まれるSF議論がさっぱりで、読むのが辛かった。友達を置いていってまでユウは未来に行きたかったのかな。そう考えると、より一層さみしい結末に思えてきた。
放火犯、誘拐、夏の事件、あらゆる伏線が一巻からずーっと張られてて、それらがすべて収束されていく様は圧巻の一言。ラストは切なさと爽やかさが混在した素晴らしいものだったと思う。後がきで作者も書いてるけど、これはごく普通(というにはかなり頭が良いけど)の高校生たちの、一風変わった青春小説なのだ。ちょっと冗長な部分があったことは否めないけど最後まで楽しめた。
終わり方はそこまで後味が悪いとは思わなかったけど、かといって殊更に感慨も感じなかった。終盤に至るまで思わせぶりで鼻につく展開続きで読んでいるうちに感覚が麻痺してしまったのか、それとも無意識のうちに天邪鬼な感情を抱いたのか、「ふーん」の一言で自分の中で無機的に片付いてしまった。色々消化不良な思いを感じつつも、タイムトラベルSFモノの薀蓄を語る部分は読んでて非常に興味をそそられたので、まあいいやと。
結局、最初から最後までタクトとユウの恋の話だった。最後の後味の悪さは結構なものだと思うけどみんなどう感じたんだろ・・・後味が悪いというよりもあっさりしすぎ、といったところかな?仲間の事だったりおばさんの事だったり身内の事だったり。
勝手に爽やかな物語をイメージしていたので苦味が強すぎて面食らった。最後はすっと終わってしまい置いていかれたような気持ちになった。でもそう思わせるのが作者の狙いのような気もする。登場人物達の思春期特有の根拠のない優越痛さ小賢しさが始終むず痒く辻村深月作品の高校生を連想した。
涼の考えるような理屈であったり、響子の蘊蓄であったり、コージンのような聡さ、卓人のような(小)賢さと、ある種の諦念、そして「あらかじめ失われた未来」に対する不安、悠有のもつ未来への純粋な希望に対するあこがれ、なんかはすごく好きだし共感できた。可能圧なんかのアイデア、というかその辺の説明/理屈は個人的には気に入るものだった。このラストは確かにちょっと物足りない気もするけど、僕にとってはそれを補ってあまりある前ふりだった。よい読後感でした。こういうSFが僕は好きだな、と。
ラストはもっと破壊的というか破滅的な結末(それこそカタストロフィー)が訪れるのかと思いきや、静謐な空気の中で終わった(まあ建物は崩れ落ちましたが)。著者の変化が感じられて面白かった。「懐かしい未来」は最近よく聞く言葉ですが、SFはそれを乗り越えて新しい未来を提示できるか、と考えさせられます。
サマー/タイム/トラベラー2の
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感想・レビュー:116件














ナイス!



































