くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)

くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)
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くらやみの速さはどれくらいの感想・レビュー(147)

長かったです・・・。読んでも読んでも終わらないのに焦りつつも、飽きはしませんでした。自閉症の主人公・ルウのものの見方、感じ方が丁寧に綴られていて、その独特の世界は興味深いです。でも彼は、あとがきで大野氏が指摘されているように、自閉症というよりは知能指数の高いアスペルガー症候群の方に近い気がします。キイス氏の「アルジャーノンに花束を」のようなドラマチックさはなく、淡々としていますが良作だと思います。

せっかくあれだけ変わっていけてたんだから、自閉症あのままに変化を得て、能力を活かすような話も読んで見たかった。ただこれ、文章だから忘れてしまえるけど、ああやって次々開眼していってる間も、見た目は挙動不審で、言い方は悪いが気持ち悪いんだろう。映画のように想像しながら読んでれば、もっと違った感想が一番最初に滑り出てきたのかもしれない。

「障害を持つ人が障害を失うことはアイデンティティを失うことなんだ!」などと感想を書ける人のお気楽さに驚いている。オルドリンの兄ジェレミーを筆者はどう位置付けているか考えていないのだろう。確かに、ルウの見る世界は我々が知ることのできない美しさで溢れているが、結局この人は筆者の描いたルウの世界に過剰に酔っているだけなのではないか。ラストを含め、自分で考え、自己意識で選択を行うことが人間の基軸で、大きな喜びであると語られていると思う。中心はルウの思考の軌跡であって、自閉症はその道具立てに過ぎない様に見えるが。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(1) - 12/05
ぼっせぃー
後ですね、ルウの世界の見方というか風景描写については『中二階』の主人公とものすごく重なる部分があります。
ナイス!ナイス! - 12/05 13:27


これSFなのか。ああ、うん。SFなんだな。おれはわりと輪廻転生とか信じてるほうなんだけど、ひとつの生のなかで生まれ変わりを体験できることはまずないよな。主人公は悩みながらも希有な体験をし、大きな夢をかなえる。うらやましい。でも、おれもいつでも生まれ変わることができるんだってことを、おれは知ってる。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 09/26

もともと翻訳本は苦手だけど、この本は本当に読みにくかった。これから話が展開されるであろう半分でギブアップ。翻訳が悪いのか、自閉症者の語り口だからなのか、相性が悪かったのかわからないが、読破できず残念無念。ただ、ルウを通してみる世界はとても興味深く描かれており、邪念のない心にとても好感を持った。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 04/15

数ページ読んだだけで,主人公の自閉症者,ルウのことを好きになった.誰でも変化の中で感覚を失っていく.ルウを見ていると,大人になるにつれて失った感覚に再び出会うような感じがする.それだけに,彼の決断には複雑な思いを抱かざるを得ない.
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 03/31

ルウという光の美しさ。闇の速さを捕らえようとする。でも、光が捕らえた瞬間、闇は光となって、その先に闇を見せる。闇は見ようとしなければ、見えない。『それはやさしい感じがした、なぜかというとそれはなにもしなかったから。』秩序に心を安め、混沌に身を預けるこの場面が、とても美しかった。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/23

なんだか釈然としませんでした。元ルウは本当に踊っていたのだろうか、もがいていたのかもと思うと切なくなる
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 02/07

yoi
今よりも自閉症治療が進み、ある程度社会の中で普通の生活が送れるようになった近未来。特殊な能力を生かし、会社で働いていたルウは、上司に、最近開発された自閉症者を完治してしまう治療法を受けるように促される。その治療が終わったとき、ルウは果たしてもとのルウなのか。支えてくれた人たちへの感情はどうなってしまうのか。長い小説だが、主人公の葛藤が丁寧に綴られた小説。障害者を持って生まれた者が障害を失うことは、アイデンティティーを急激に失うことでもあるんだなと、気付かされた。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 02/06

寝る間もおしんで読んだ記憶がある作品。かなり、現実のタイプの自閉症とは違うと思われるが、それでもノーマルと作中で呼ばれる人達との隔りは、現実のそれのように感じた。そのことによる、主人公らへの辛い待遇にうちかつため、主人公らは自分自身で選択し、ノーマルになることを決意した。このある種、王道的展開によって物語を明るく読みすすめることができたのだと思う。皆さんが言われるようにエンドについては、是非が言いがたい。ここが、読書後気にかかった。(オチだからという理由もあるけど)
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 01/14

私も普段人の気持ちなんか分かる方じゃないし、周囲で交わされる会話やこちらに向けられる言動がひどく無意味に思えてうんざりすることもあるし、自分もそれに合わせて笑っていたりしてるのに気づいてやり場のないもやもやが腹の中にわいたりもするけれど、…でもそんなのはみんな安全圏にいるが故の甘えでわがままでしかないと、死活問題として周囲と向き合っているルウ(たち)を見ていて痛感した
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 01/02

まず、キャッチコピーは大嘘だアルジャーノンと並べるな!自閉症者という異人(あえて異人と言おう)であるルウは、異国を旅する慎重な旅行者のように「ノーマル」の世界で生きている。ルウが見るノーマルな世界は彼にとって異界であり、ノーマルな人々は異人である。境界を越えることは異人の目を失うこと。読み終えたとき、濃密で美しいパターンを見るルウの異人の目が失われたことを、読者という異人である私は惜しんでいた。彼の幸福を思うよりも先に。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 12/30

障碍者にも適切な形態で雇用が保障されている、ある種社会制度的なユートピアのような世界観。自閉症の主人公ルウは、その応用数学に対する天才的な才能を利用して日々の糧を得ている。極限まで論理的な思考を突き詰めた先に現れる主人公の、非常に脆く繊細で詩的とすら言える不思議な生き方の前に突き付けられたのは、自らの障碍を完全に治療する事ができる新技術だった。かなり強力なSFでありながら語る内容はとてもフワフワと詩的、不思議な雰囲気の漂う良作。

tom
自閉症者を主人公にした物語。製薬会社に勤め、アパートに一人で住んでいる。他者と問題なく過ごせるように訓練を受け、毎日規則正しく生活する。物語のほとんどは、会社の同僚やアパートの住人、木曜日に行くフェンシングの仲間たちとの会話、そこで起こる色々な問題や出来事、それに伴うルウの思考が占めている。それらを読んでルウの魅力ある人柄に気づくのだけど、何故こんなにページを割くのだろうと思っていた。けれど、最後まで読んで腑に落ちた。新たな可能性を手に入れて夢を叶えた成功談である一方、それと引き換えに失ったもの。以下コメ
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(1) - 11/22
tom
今ルウには失ったものの価値が分からない。元には戻れないこのもどかしさ。今ルウに会ったトムの絶望を思うと、本当に切ない。
ナイス!ナイス! - 09/19 09:13


読み終わって思う。わたしはルウが大好きだ。ラストはそれでよかったのかな……と思うけど、人生を選択する権利は誰にでもあるから。立場や状況や時代は違っても、『ノーマル』であっても、そうでなくても。それから、小尾さん! 名訳です。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 11/03

キャッチコピーとしては、確かにありかもしれないけど、、、21世紀版『アルジャーノンに花束を』、ってのはちょっと、ちがうんじゃあないかなぁ。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 10/16

とても考えさせられた。人と人がコミュニケーションをとるときにかわしあう無数の記号、しぐさや表情、暗黙の了解、それをさっすることができないのがいかに大変なことなのか。それを治療したいと望む人に反対することは私にはできない気がする。今のままの彼がとても魅力のある人だと思うし、作中の研究者はあまりに誠意がない。でも実際に世界の中で不便を感じているのは本人で、その本人が治療を望むのなら私はとめられない。世界を広げたいという気持ちもわかる。作者はどう考えているのだろう。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 09/30

705
いいタイトルだと思った。彼らの見ている美しいパターンを見てみたい、と思うのは"ノーマル"の不遜だろうか。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 09/08

意識とは? 障碍とは? 正常とは? そして自己とは? 様々な問題を多層に提示し、また高機能自閉症の主人公の視点を追体験させながら、文体は読みやすく引き込まれる。「闇は常に光に先行する」繰り返される闇と光の隠喩、無知と知識についての考察にこちらの意識も揺さぶられる名作。終盤が駆け足になってしまった感があるのだけが残念。でも面白かった!
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 06/08

闇と光について。それはいつも考えさせらること。ノーマルな人は気にしない。僕は気になる。ルウは「光の前にはいつも闇がある。だから暗闇のほうが光よりも速く進むはず。暗闇の速度はどのぐらい」と自問する。『アルジャーノンに花束を』よりも『ニュークリアエイジ』を連想させた。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(1) - 06/06
readtuktuk
以下、本書のラストからメモ。〈外は暗い。われわれがいまだに知らない暗闇である。それはいつもそこで待っている。それに、そういう意味では、いつも光より先にいる。暗闇の速度は光の速度より速いのではないかと元ルウはいつも悩んでいた。いまのぼくにはそれがうれしい。なぜならば、もしそうなら、ぼくが光を追うかぎり、ぼくはぜったいに終局にたどりつくことはないだろうから。〉
ナイス!ナイス! - 06/06 10:08


☆6 「暗闇は光より速い」この考えは、想像力が広がるようで結構好き。主人公は自閉症でこんなことを考えたり、私たちにとってはなんでもないような言い回しに疑問を抱いたりしているので、こちらも考えさせられる。そして自閉症も一つの個性ととらえてその人の日々の幸せは、健常者のものとなんら変わらない、というのが伝わってくる。むしろ健常者だがなにか人間として欠けている人の方がかわいそう。自分とは、自意識とはということも考えさせられる一冊だった。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/27

端的に言えば、本書のテーマは「得ることと失うことの同義性」ではないだろうか。例えば、大人の知恵を獲得することがしばしば無垢さの喪失に繋がるといったことだ。「アルジャーノン」にもそういう描写はあるものの、あくまで終盤の知能喪失の悲劇がメインであった。それは、知的障害者を主人公に据えたことで、手術前の検証と苦悩が欠落したせいだろう。本作は、「何を得て何を失うのか?」という事前の葛藤にフォーカスしたことで、得る=失うのトレードオフな関係を際立たせることに成功し、単なる二番煎じに甘んじない名作の地位を得たと思う。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 02/27

自分とは何か、自分のことは好きか、自分を変えたいか、変えたいと思うのは自分が嫌いなのか、色々と考えさせられた。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 02/20

まず、21世紀版『アルジャーノンに花束を』ではない。ぜんぜんない。ストーリーの帰結よりもルゥの目を通して見る世界が魅力的だった。現ルゥの幸いがどうか元ルゥの幸いでもありますように。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 01/21

当たり前すぎて私たちが疑問に思わなくなってしまったことをルウは不思議に思い、そして「わからない」と言う。世界をいつでもまっすぐ見つめているルウの姿に感じるものがあったので、最後の選択を私は少し残念に思う。それでもルウにとっては幸せなことなのかもしれないとも思う。人は人の心のすべてを読むことはできないので、その答えはわからない。ところで、21世紀版『アルジャーノンに花束を』という煽りはいらない。ものすごくいらない。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 11/23

ルゥの考えにハッとさせられたね。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 11/02

読んでいる間、ルゥの物語と現実の自分のもしも…の物語がどうしても同時進行してしまって苦しかった。でも、やっぱり読むべき時に読めた事が嬉しい。私にとっての幸せが誰かにとっては必ずしも幸せではない。自閉症である事は幸せではない事なのか? 自閉症の人が治療を望んで治療をした場合、治療前後で人が変わってしまう事になるのだろうか?風邪薬を飲んだ前後ではそんな事考えないのに。脳をいじる事は神の領域だからそう感じるのだろうか?それなら現在実際に行われている医療のどこまでが人間の領域なんだろう?この本を読んで感じた事を
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 10/28

あまり期待せずに読み始めたのだが、引き込まれた。繊細な主人公の感覚は、誰もが感じるものを一部に含んでいて、共感できる部分が多かった。オススメであります。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 10/16

★★★★☆

ルゥは魅力的な人です。「21世紀版『アルジャーノンに花束を』」 という宣伝文句に脅されて、いったいルゥはどうなってしまうのだろう、と戦々恐々。親しい人々との交流に心やすらかにしつつ、またイザコザに心をざわざわさせながらページをめくっていきました。ルゥの決断、そしてラスト。良い終わりかただったのではないかと思います。元ルゥに会えなくなったのはさびしいかな。ふと、ガタカを思い出しました。宇宙、行きたい。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 09/28

「やさしさ」について深く考えさせられた。光より速く人間の内側にそなわったものがそれだったら、とてもうれしい。いつかまた読みたい。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 09/25

前半570ページでの自閉症者ルウの描写が効いていて、読者はルウの友人トムと似た立ち位置に立たされてしまうんだと思います。ラストでは、(その価値判断はともかくとして、)おめでとうなのか、残念ですなのか、単に寂しいのか、なんとも言えない気持ちになりました。ただ、内容的にはあまり目新しくなく、構成自体もかなり冗長に(しかもとても読みにくく)感じたことも確かです。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 08/23

原題も邦題の付け方も良い。著者の息子は自閉症だという。「息子が本当はこういう風に考えていてくれたらいいのに」という母親の祈りがこもっているのを感じた。人と心を通じ合わせるのは、健常者にだって難しい。『ルウはこのまま変わらなくていいのに』と読みながらずっと思っていたので、ルウの最後の選択は、少なくとも読者の私にとってはハッピーなものではなかった。でも、ルウが自分の選択の結果得たものは、彼に取っては福音だったのだろう。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 08/18

ちょっと切ない映画一本見たような読後感。フェンシングについての描写は、フィクションなのかがよく分からないが、話のアクセントとして非常によいと思った。全編通して何故だかイメージされる映像はずっと夜の風景。おそらくタイトルからなんだろうけど。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 07/10

そこそこおもしろかったけど、それ以上ではなかった。SF的には近未来なのに登場するテクノロジが微妙に古くさいのがちょっと気になる感じ。あと作品の質とは関係ないことだけど、「21世紀版『アルジャーノンに花束を』」って背表紙に書くのはどうなんだ。テーマ的に読者がそう読むのは仕方ないとしても、出版側がそういう売り方をするなよと思った。それだけで買う気がかなりそがれたぞ。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 06/21

★★

考えてもみなかったことがたくさん詰まってて楽しい

自閉症に対する啓蒙的なこういう作品は歓迎です。アルジャーノンの二番煎じっぽくても、とっても読ませてくれました

扇情的にならずに語られる自閉症者の心理は非常に興味深く、無知なる自分の認識を改めさせられる。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 04/05

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くらやみの速さはどれくらいの 評価:82 感想・レビュー:60
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